ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

白バラの祈り - ゾフィー・ショル、最期の日々

2018年12月29日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 昨夜はDVDで「白バラの祈り」を鑑賞しました。

 第二次大戦中、非暴力でナチ政権を批判した秘密グループ、白バラで活躍した女子大生の物語です。

 

白バラの祈り -ゾフィー・ショル、最期の日々- [DVD]
ユリア・イェンチ,アレクサンダー・ヘルト,ファビアン・ヒンリヒス,ヨハンナ・ガストドロフ,アンドレ・ヘンニック
TCエンタテインメント


 白バラのメンバー、ゾフィーは21歳の女子大生。
 ナチを批判するビラを大学内にばらまいた罪で、兄とともにゲシュタポに逮捕されます。

 尋問官による尋問を、嘘をついて逃げとおそうとしますが、相手はプロ。
 ついには白状し、自らの行動を誇りに思う、と言い放ちます。

 そして裁判。

 裁判長は狂気じみたバリバリの国家社会主義者で、ヒトラーとナチの勝利を信じ、ゾフィーや共犯者を激しく罵ります。
 国選弁護人も何も言いません。

 裁判とは名ばかりの、茶番です。

 そしてゾフィーらは、たった一回の公判を経て、そのまま死刑が言い渡され、即日処刑されてしまいます。

 しかも、ギロチン。

 怖ろしい映画です。

 しかし翻ってみるに、わが国も戦時中、ドイツと同盟を結ぶ軍国主義国家でした。

 ヒトラーのような明確な独裁者はいなかったので、独裁とは異なるでしょうが、国家全体が、戦争の勝利を信じ、狂気じみた空気に覆われ、敗戦濃厚となっても、それを口にすれば非国民と罵られ、ひどい場合には逮捕されたわけです。

 今では信じられないような体制が、わが国でも、わずか70数年ほど前に行われていたのです。

 当時を知る人も減ったとはいえ、まだ多く存命しています。
 その人たちにとって、怖ろしい体制は、近しい記憶として残されていることでしょう。

 世の中、変化するときはほんの一瞬で変わってしまいます。
 それを初めて実感したのは、大学生のときのベルリンの壁の崩壊と、それに続くソビエト連邦の瓦解でしょうか。

 体制の変化は、まさに一瞬にして顕現します。

 この映画の主人公、ゾフィーも、大人しく、ひっそりと大学生活を送れば、平穏な人生を全うできたかもしれません。

 しかしどんな過酷な時代にも、必ず一定数、それに抗う勇気ある者が存在することを、この映画は示しています。

 ややドキュメンタリー調なのが中途半端ですが、信念を貫く人間の姿を描いて見事でした。 


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