寒い午後のひと時、DVD鑑賞を楽しみました。
「ディヴァイド」です。
divideは、分割するとか分裂する、という意味になろうかと思います。
ニューヨークのあるアパート。
核戦争勃発を思わせる大爆発が続き、9人の男女がアパートの地下シェルターに逃げ込みます。
まずは安心する9人。
しかし、備蓄食料や水の問題、将来への不安から、9人はだんだん相互不信に陥り、それは狂気を帯びてきます。
外の様子がまったく分からない中、防護服を身に包んだ兵士数名が乱入。
助けがきたと喜んだのもつかの間、小学生の女の子一人をさらって出て行ってしまいます。
しかも外側からドアを溶接して残った8人を閉じ込めてしまいます。
8人は、弁護士とその婚約者、ルームシェアをしていた3人の白人男性、さらわれた少女の母親、屈強な黒人、シェルターの持ち主でアパートの管理人の白人男です。
最初は少ない食料を分け合って暮らしていますが、食料が底をつきかけた頃、隠し部屋があることが発覚。
その部屋は暗証番号がないと入れないようになっています。
管理人の男につめよる7人。
ルームシェアをする若い白人3人組のうちに2人が管理人を椅子にくくりつけ、拷問にかけます。
指を切断され、たまらず暗証番号を口にする管理人。
あけてみると、大量の缶詰、瓶詰め、水、ウィスキーなどが備蓄されていました。
白人2人はこれら物資を独占し、配給と称して他の者にはわずかしか渡しません。
母親は色仕掛けで2人に取り込み、食料を与えられますが、度重なるレイプや暴行を受け、死亡してしまいます。
2人の白人男は支配者の証として全身の毛を剃り、ネオナチのような異様な風体で日常的に暴力をふるい、他の者を支配していきます。
この2人の狂気にまみれた迫真の演技はこの映画に深みを与えています。
ついには反乱を試みる弁護士と婚約者、それに管理人。
激しい争いの末、悲劇的な結末を迎えます。
ラスト、映し出された外の世界は破壊しつくされ、その様は黙示的でさえあります。
人間が簡単に狂気に陥り、少数のグループでも力で支配しようとする者が現われることを端的に示しており、いやぁな気分にさせられます。
いやぁな映画ですが、だからこそ、人間の暗部を描いて優れた作品に仕上がっています。
一見の価値ありです。
|
ディヴァイド [DVD] |
ローレン・ジャーマン,マイケル・ビーン,マイロ・ヴァンティミリア,コートニー・B・エヴァンス,アシュトン・ホームズ |
松竹 |
にほんブログ村
映画(SF・ファンタジー) ブログランキングへ