ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

曲がれ!スプーン

2012年12月30日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 年末くらいは笑って過ごそうかと思い、私にしては珍しくコメディ映画を借りてきました。
 「曲がれ!スプーン」です。

曲がれ!スプーン [DVD]
長澤まさみ,三宅弘城,諏訪雅,中川晴樹,辻修
ポニーキャニオン


 幼い頃からUFOを目撃したりして、不思議な現象に興味津々の少女。
 長じて、テレビ局に就職し、超常現象番組のADになります。
 しかし、インチキばかり。
 ディレクターに命じられ、本物の超能力者や超常現象を求めて全国を飛び回ります。
 これを長澤まさみが演じていますが、もう一つとぼけた味が出ていません。
 ここはとぼけた味の綾瀬はるかか、芸達者の石原さとみを使って欲しかったですねぇ。

 クリスマス・イブ、カフェ・ド・念力という喫茶店では、本物の超能力者が集まって互いの力を見せ合うエスパー・パーティーが催されています。
 強力な念力でスプーン曲げどころかシャンパンのビンを割ってしまったり、人をふっ飛ばしてしまったりできる物騒な念力男。
 透視能力で美女と見るや裸を透視する男。
 手を握ると相手の思念を読み取ってしまう男。
 5秒間だけ時間を止められる男。
 電気製品を遠方操作する男。
 しかし彼らは、日頃その能力ゆえに差別されることを怖れ、ひた隠しにしています。

 その喫茶店で、単に極端に細身で細い隙間を通り抜けられる、という超能力者というよりびっくり人間の男がテレビ局の取材を受けることになっており、長澤まさみ演じるADが訪れます。

 テレビ局に超能力者であることがばれることを怖れるエスパーたちが、ドタバタを繰り広げるという、他愛も無い話ですが、なかなかよくまとまっています。

 喜劇というのは人間が作り出した最上の創作だと思いますが、喜劇には時の権力者を風刺したり、批判精神を涵養したりする力があり、権力者はえてして喜劇やお笑いを嫌いますね。

 名作「薔薇の名前」では、中世ヨーロッパの教会を舞台に連続殺人が起こりますが、それはすべて教会の長老が喜劇を封印するために仕組んだものだった、というオチがついています。

薔薇の名前 特別版 [DVD]
ウンベルト・エーコ
ワーナー・ホーム・ビデオ
薔薇の名前 The Name of the Rose [Blu-ray]
ベルント・アイヒンガー
ワーナー・ホーム・ビデオ

 超能力というものは、この世には存在しません。
 存在すれば、それは単なる能力です。
 例えばイチローの野球の能力は凡人からみれば超能力と言ってよいものですが、誰もそれを超能力だとは言いません。
 同じように、いわゆる超能力と呼ばれるものは、ごく一部の天才が持つ単なる人間の能力です。

 超常現象というものも、この世には存在せず、存在すればそれは単なる自然現象です。
 しかし、現代の科学が解明、立証しえているのは、この世の現象、存在の100億分の1もないはずで、そこから外れるものをインチキだと決め付けるのは、現代の迷信と言える科学盲信でしょう。

 幽霊とか妖怪とかいうものは存在しないことになっていますが、100年後にはその存在が当たり前になっているかもしれません。
 かつて地動説を唱えたコペルニクスは迫害を怖れてそれを30年も発表せず、地動説を発展させたガリレオは教会から異端の烙印を押され、迫害されました。
 ことほどさように、科学というのは曖昧なものです。

 その点、死後の世界などについて質問されたお釈迦様は微笑んで応えず、それよりも現世をより良く生きることを説いたのは、誠実な態度と言うべきでしょう。

 私たち人間は、宇宙のなかでは何も知らない赤子に等しく、愚かな猿知恵で考え出した程度のことを盲信し、その他のことは否定するというのは、馬鹿げた態度というべきでしょう。

 私たちには分からないことがあまりに多く、そもそも宇宙があり地球があり、そこに様ざまな生物が暮らしているという、解明不能な不思議を考えれば、幽霊がでようが妖怪がでようが大したことではありません。

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村


映画 ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日露エネルギー会戦

2012年12月30日 | 社会・政治

 ロシアに程近いリトアニアの寒村。
 ここにはソビエト連邦時代にチェルノブイリ型原発が建設され、ただの寒村だったのが、多くの労働者、技術者、またそれらを相手に商売する飲食店や商店が進出し、たいそう栄えたそうです。

 しかし、原発稼動から3年後、チェルノブイリ原発事故が発生、リトアニアも稼動停止に追い込まれ、みるみる街は衰退していったそうです。
 電気料金は6倍にも跳ね上がり、冬場の暖房にも困るほど。
 ジリ貧を続ける村は、最新鋭の安全な原発を新設するしかないと、このほど日立製作所の最新鋭の原発新設に大きく舵を切りました。
 リトアニアでは地震が起きたためしがなく、福島のような心配が無い以上、日本製の原発が最も信頼できる、という判断が働いたようです。

 これに待ったをかけたのが隣の大国、ロシア。
 リトアニアで使用する電力の8割はロシアからの輸入でまかなわれており、これが自力で供給できるとなると、ロシアにとって痛手ということのようです。

 そこでリトアニアでは、まさに今、日露の間でエネルギー会戦が行われている、とさかんに報じられているようです。

 わが国では原発をめぐっては議論百出。
 再稼動への道は遠く、そうかといって代替エネルギーを確保するあてもなく、先祖がえりして火力発電に頼っている体たらく。

 英国でも日立の原発を新設しようという動きが始まっているやに聞き及びます。

 わが国ではあまり報じられませんが、エネルギー政策をめぐっては、各国政府および各国国民の思いが入り乱れ、じつに奇っ怪な様相を呈しつつあります。

 原発事故といえば、米国のスリーマイル、旧ソ連のチェルノブイリ、わが国の福島と、先端技術を持ち、安全であったはずの国家で起こっています。

 クリーンだとか安いとか言っても、やはりどこか疑わしい存在になってしまった原発。

 卒原発を掲げて衆議院選挙戦った日本未来の党は惨敗し、しかも分裂、事実上崩壊してしまいました。
 それだけをみれば、民意は原発再稼動を容認しているかのように見えますが、遠い将来には全廃するしかないことは明らかだと思います。

 しかし現在なすべきことは、原発を含めたエネルギーの安定供給であり、それに続いて原発廃止への行程を考えることでしょう。

 私は全廃には少なくとも30年は必要なのではないかと考えています。
 

にほんブログ村 政治ブログ 国政・政局へ
にほんブログ村


政治 ブログランキングへ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする