blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

9月を振り返って

2022-09-30 21:17:12 | 月末振り返り
※写真は2011年2月、九州訪問時のもの。

毎月最終日はその月を振り返る。
季節要因の大きい職場とは聞いてはいたが、9月の声を聞いた途端、これほどまでに物量が落ち着くとは思わなかった。
祝日のヘルプもなくなり、文字通りカレンダー通りの出勤となった。
出ていく分には特に抵抗があるわけでもなく出たら出たなりに収入にはなるので複雑な思いはあるものの、社員だけの祝日対応は時期尚早(社員の実務能力が不足)という私のアドバイスを無視してまで社員だけで対応したいというのだからこれ以上はどうしようもないのである。

月末と週末が重なったこともあって別部署は忙しそうだったが、我々はいたって落ち着いていて午後からは若手の社員君対象のフォークリフト講座であった。
9月のアタマからかれこれ数にして6回目か7回目かといったところ、単純な走行から始まって、空パレットを製品に見立てての荷役も取り混ぜ、今週はいよいよ我が現場ならではともいえる高所並びに狭い空間での運転操作という段階まで来た。
ここをクリアできれば実戦投入にもメドが立ってくる。
しかし今日は思わぬところで段階が滞ってしまった。

理由は後述するが、講座の教官役は最初から一貫して私が担っている。
彼のため、というよりも、一人が戦力になれば自分も確実に負担が減るから教える方としても何とか仕上がってもらいたいと思っている。
未来を担う若い社員さんだからこそ、やる気をそがないように気を付けながら時には私自ら実演もしながらやってきた。
教え方としては周囲から特に文句は出ていないのでこれからも変えるつもりはない。

しかし、いかに素晴らしい指導をしようと、目からウロコの奇跡のレッスンを施そうと、受け止める本人に処理能力がなければ何にもならない。
特にフォークリフトのような特殊な乗り物は、教わる時間以外に自ら他人をどかしてでも触るくらいでないとソコソコまではいけてもどこかで限界が来る。
仕事として成り立つまでのスピード感ないしスムーズさを伴った技術というのは教わるだけでは身につかない。
いわゆるセンスに差はあっても基本的には乗ってナンボ、場数を踏んだものほど高みに行けるのが乗り物の世界である。
今の彼を見ていると、教わっている時間以外にリフトに関心を持っているようには残念ながら思えない。

講座の間はしゃべっているのはもっぱら私で、現場の管理者氏はじめ、ベテランの社員さんも基本的には黙って観察しているだけである。
ベテラン氏はともかくも、管理者氏の方から若手君に何かを伝えることは全くない。
なぜかといえば、管理者氏自身が今日私が彼に伝えようとした技術を持ち合わせておらず、伝えられることがないからだ。

自分では教えることも、まして実演することもできないので、彼への教育はほったらかしになったまま時間ばかりが過ぎ、いよいよ上から期限を切られてあわてて時間を作り、しかし講師は昨日今日来た私のような立場の者に任せてしまって恥じることもない。
上司としての当たり前の仕事を放棄してここまで来てしまったことに責任の一つも感じてほしい。
今いるメンバーは決して永遠ではないと事あるごとに伝えてきたが、本人の中でそれを実感できているように見えない。
今は技術はないがこれから会社を担う若い社員の教育は正社員たる管理者氏が担って当たり前であって、それができないのだから本来であれば今ある肩書にいられる理由がない。

作業者を指導監督する立場の人間に実技が伴わない(こういう構造は製造業に限ったことではないとは思うが)から、現場で動き回る人間との考え方にズレが出て起こらなくてもいいもめ事が起こる。
「分からんもんと知らんもん」が形式上現場を率いているというのはうすら寒いの一言である。

10月も仕事そのものは落ち着いた状態が続くだろう。
忙しい春夏を一度乗り切った身は、今の状況を持て余し気味である。
現場を見渡して自分ならではの仕事を見つけ出しながら日々過ごせれば最高だ。


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