blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

野次馬

2022-10-05 21:50:56 | 日記
10月に入り物量が落ち着いたわが部署は、今から春先までは繁忙期とは別の悩みを抱える。
春夏ほどモノが出ていかないので、際限なく製造されてくる(いちおうの計画はあるだろうが)製品の入庫場所の確保が大変になるのだ。
外部倉庫に横持ち(本倉庫に入りきらない分を倉庫屋さんにお願いして一時的に預かってもらうこと)をかけるにしても当然ながらタダではないし、どういった横の連絡になっているのかは知らないが、横持ち分が大量にある製品にもかかわらず製造はせっせと作ってある日突然現場に送られてくる。
横の連絡が悪いのは何も今の環境に限ったことではなく、本来協力しコミュニケーションを取り合うべき部署どうしがそれぞれ自分たちの都合だけで動く。
当然ながら時間に連れてひずみが出て最後はもめ事に発展する。
いわゆる「やらかし」で全社的な有名人にまでなってもどこ吹く風の剛の者はどんな会社にも必ずいるが、割りを食うのは当人の指示で動く無名の人間たちである。

さて、わがセクションには最近同じ部署の別現場から一人が移ってきた。
実際に見ていないので詳しくは分からないが、別現場では各人がマイルールで物事が進むために本人としては戸惑うばかりの日々だったようだ。
せっかくわが現場も含めて話し合って一つのルールを決めても3日もすればそれは忘れられてしまっていたらしい。
本人がルールに沿ってやろうとしてもしょっちゅう横やりが入ってくるために一時は本人が辞める寸前にまでなったが、わが部署に移ってからは生き生きと仕事をしていただいている。
作業の能力も本来高いと見受けられるので、私語(しかもほとんどがお下劣路線)が多すぎるなど人間の質に問題があった別現場では何かと足を引っ張られていたのだろうと思う。

わが部署としては結果的に意欲も能力もある方を確保したことになり仕事の上でも大変助かっている。
技術的にもコツと度胸がいる高所や狭い通路での作業も難なくこなす様子を見ていると、移って半月もせずして立派な戦力になっているし、私自身も刺激を受けているところである。

対して例によってわが部署の管理者氏、今日は作業と呼ばれるものには指一本触れることもなく、野次馬よろしく賑やかしだけやっているというありさま。
「いい感じです!」「オッケーです!」と口だけは威勢がいいが、作業している身としては褒められているような気にもなれず、ただただうるさいだけであった。
作業にさわれないのは狭い通路でのリフト作業に全く自信がないためで、片手にもならない小勢の部署にあって時にはひとりの作業者となるべきところがまるで役に立たないのである。

週の後半は時間的に余裕があるので管理者氏の後輩君がリフト練習にやってくる。
今はとあるポイントで足踏みしている状態だが、明日以降で何とか脱皮してくれないかと願っているし策も練ってある。
仮に脱皮できたなら、その時点で後輩君はフォークリフトの技術だけなら管理者氏を追い越せることになるので、ぜひそうなってもらいたい。
今まで何かと見下ろしてきて、われわれにも「育たない育たない」と愚痴をたれてきた後輩君に技術で抜かれる瞬間、管理者氏はどう思うか。
内心は青ざめることに違いないから、その様子を明日か金曜までには見ることができるかもしれない。
後輩君をモノサシに何とか保ってきたわずかなプライドすら崩れ去った後、管理者氏はどう生きていくのだろう。
育ってはほしいが自らを追い抜くことはヨシとしないという思慮の浅い対応が通用しなくなる時がすぐそこまで迫っていることに果たして気がついているのだろうか。


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