曽我部絵日記

曽我部昌史の写真絵日記

我が家の上棟式

2006-05-22 | インポート

5月10日(水曜)



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上棟した様子。

実はいま、妙蓮寺に自分の家を建てているのだけれど、それが今日、無事に上棟(建物の構造体が組み上がること)した。昼休みに学生を連れて見に行った時に、既にほぼ立ち上がっていたのだけれど、夕方には無事に上棟したらしい。
夜、少しお酒が入った感じの深沢さん(工務店の社長)から、「やりましたよ!」って電話が入った。かなりうれしそう(当然、ぼくもうれしい)。


敷地は、本体部分が三角形を歪ませたような超変形型で、しかも北側に向かって傾斜している。その上、ながーい旗竿までついているのだ。
そんな「住宅地の悪条件はみんな任せろ」みたいな敷地なものだから、建物自体も、ややこしい外形の難しいものになることが宿命づけられていた。これまでにも、学生が模型を何度か作ってくれたけれど、きちんと完成した感じになったためしがなかったし、大工さんは不安になって、作業場に二分の一(!)の巨大な平面を起こしていたほどだ。


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敷地図(赤い部分が敷地。数字は地盤の高さ)


そういう大変な(=やりがいのある)仕事だったのだけれど、今日の順調な建方(建物の構造体を組み立てること)で、これまでの準備がうまくいっていたことが確認できたわけだから、当然、みんなうれしい。

誕生日まではあと二日あるけれど、人生最大&前倒しのプレゼントだったかも。



5月12日(金曜)



44歳。
事務所ではシュークリームと紅茶、kandada(中村政人さんのところ)では乾きものとビールで乾杯してもらった。
ありがとうございました。





5月13日(土曜)



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建物の四隅をお清め。ぼくは塩を担当。


今日は上棟式。
しかしながら天気予報通りの雨。しかも寒い。小雨なのがせめてもの救いだ。
職人さんたちが、雨風をしのぐため、ブルーシートで仮設の屋根とか壁をつくって、場所を囲んでいく。テーブルは、材木の上に敷いた合板。椅子は、その両サイドに並べた材木。いつもの上棟式仕様だ。どちらもすごく低いのだけれど、その分、参加者の一体感が強まる。体ごとぶつかりながら飲んでいるかのようになるこのスケール感がいい。この家の屋上テラスには、このスケール感で場所をしつらえてみようか、って少し思ったりした。
で、つまみとか、飲み物とかを並べたりして直会(なおらい。=宴会)の準備ができたら、まずはお清め。深沢さんと棟梁とぼくとで、酒と米と塩を撒いて四隅を清める。
この家は、大雑把に見ると三角形、厳密に角を数えると八角形という特殊形状なので、四隅ってのがどこか悩むところだけれど、それなりな四隅を選んで、つつがなくお清めは終了。



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手前から名和さん、深沢さん、ぼく。

参加者は、工務店関係の方々のほか、ぼくの家族、両親(割と近所に住んでいる)、共同設計の丸山さん(まあまあ近所に住んでいる)、構造設計の名和さんと皆川さん(遠い)、みかんぐみチーフの嶋田夫妻(電車で30分くらい?)、大学(かなり近所)の研究室の助手と学生たち、飛び入りでオープンデスクの学生(週明けには北九州に帰る)といった面々。合計20人くらい。

乾杯と挨拶や紹介を経て、宴会に突入。建方の時の苦労話に始まり、棟梁が「軸組模型を見るまでこの家がつくれるかどうか自信が無かった」とかっていったり、ぼくは「2分の1の図を描いているって聞くまで、本当につくってくれるかどうか不安だった」っていったりして、今だから言えるけどシリーズで盛り上がる。大工さんたちの間では、この建物には棟木(屋根の最上部の部材)がないし、カネ(直角であること)もないということで、ムネもカネもないおんな、などといわれていたらしい。
正確には、ムネもカネもないけど魅力的なおんな、の意味だろう。きっと。


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ヒーロー田中棟梁。



4時間くらい飲んで、最後はなぜか手締めを二回やって終了。
ちょっと寒かったけどすごく楽しい宴会だった。
深沢さんも、結構酔っぱらってたなあ。あーあと、記念撮影わすれた。