小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

ガンコは美徳か?

2010-12-30 07:33:55 | Weblog
昨日からの続きです。

どんどん」の会長さんの話では、
はじめ40数年前にお店をはじめた時は、萩で普通の洋食店もやっていたようです。

それがなぜ、うどんチェーンに業態を変えていったのか?
そのきっかけが、料理人というのが如何に言うことを聞かない人種だったか、
ということだったそうです。

言うことを聞かないでも、お客さんが喜ぶメニューを出して売れれば、
それは喜ばしいことなのですが、
当時の地方のコックというのは、そういった工夫をする人は少なく、
ただ親方の言うことをそのまま受け継いで仕事をする、ガンコ者が多かったようでした。

うーん。
これは耳が痛いぞ。
エカキもそういう人間が多いからな。


料理人で”ガンコ者”とか”こだわり”というと、聞こえは良いようですが、
それは、そのために美味しいものができる根拠があればこそです。

ところが、雇っていたコックさんのメニューよりも、
会長のおかあさんが出していたメニューの方が、はるかに人気があったので、
これは何か考えるべきだと思ったのですな。

どんどん会長のご母堂はたいそう料理上手な方だったそうで、その時に個人でやっていた食堂でも、
おかあさまの出していたメニューというのは、当時から人気で、
今でもどんどんのメニューの中に生きていているんだとか。

言うことを聞かない料理人を管理するより、
パートでも忠実なスタッフに、いつでも美味しい料理が出来るシステムを考える方が、
お客さんも自分たちにも得策だったというわけです。

(もっとも厨房を見せてもらって思いましたが、
 雇われて1日でできるほど、そんなに簡単なものでもありません。
 中には20年以上パートを続けている人もいて、
 パートながらそういう人は大切な人材なんだそうです)。

いや~、私の知ってる料理人も、人の言うことをハイハイ聞くタイプの人は少ないしね~。
ただ、多くは技術技能が優れているから、それで済まされるのでありますが。

私のようなフリーランスの画家も、このあたりのことは肝に銘じるべきで、
クライアントは、画家に自分の創作意欲を満たしてほしいから仕事を依頼するわけでなく、
自分の生活や仕事の中に、その人の持つ能力が欲しいから、仕事を依頼するわけであります。

顧客が一番、自分は二番。
これを忘れてはいけなんですな。

でもホントに謙虚な人は、「自分が二番」なんて言いません。
自分が一番になりがちな人間だからこそ、あえて二番なんですな。
(まあ、料理人でもエカキでも、この手の商売は技能がウリなんで、
 どうしても自分が一番になりたがるんですがね)。

余談ながら、フランスの三色旗「自由・平等・博愛」は、
彼の国にそれがないから言うんだそうで・・・。


写真は会長に案内していただいた、萩の城下町風景です。
コメント (2)
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