小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

ゴッホ展~たまにはアートの話をしよう

2010-12-14 06:14:23 | Weblog
Art Blogと銘打って、アートの話題の少ないブログですが、今日は先日見てきたゴッホ展の感想をば。

いやいや、よくぞ集めたというのが第一印象です。
ゴーギャンやスーラ、モネなどゴッホ以外の印象派の画家の絵も多々ありましたが、
どれも見ごたえのある絵ばかり。

19世紀までの描写的な風景画や静物画から、点描と光を取り入れた印象派に移っていく過程が、
ゴッホを中心として展示されているのが、文字通り印象的でした。


印象派の絵が点描によって描かれてるようになったのは、3つの理由があると思います。

1、写真の登場によって、必ずしも描写的な絵が必要でなくなった。

2、チューブ絵具が登場し、簡単にアトリエの外で写生ができるようになった。
  それまでは顔料とメジュウムを混ぜる工程が複雑で、屋外で描くことはできなかった。

3、解剖学が発達し、人間が色を感じる視神経が3つあることがわかった。
  カラーテレビにも使われているRed,Green,Blue violet(RGB)の3種類。
  このことを知った画家がいて、点描によって絵を描く技法がはじまった。


点描による絵画は、スペインの宮廷画家ベラスケスが先駆者ですが、
さまざまな色彩と光を取り入れたのは、印象派が初めてでしょう。

今回のゴッホ展では、「オーベールの教会」のような鬼気迫る作品は少なく、
自殺する晩年のものも、光をタップリと取り入れた明るく平明な絵が多いように思えました。
とても自殺しようとする人に見えないのは、私がニブいせいなのか。

ただ、アルルに移り住んだ時に描いたゴッホの部屋を、
CGで立体的に分析した映像を流してたけど、
あんまりあの部屋に住んでみたいとは思わなかったな~。


それにしても人をかきわけて見るような混みよう。
この画家が生前、生涯を通して1枚しか絵が売れなかったなんて信じられませんね。


写真はトルコ料理アセナ
キョフテ(トルコ風ハンバーグ)のトマト煮込み。
私が食べてるものをレベントシェフが撮影したものです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする