大阪府藤井寺市にある藤の名所葛井寺(ふじいでら)の満開の藤の花です。ちなみに、藤井寺の地名はこの葛井寺に由来するそうです。
第二能変 所依門 (94) ・ 倶有依 (70) 護法の正義を述べる、その(24)
「問う、六は七を依と為す、七が転ずる時に六は転ぜざるには非ずと云はば、八は七を依と為す。(所依の)七が既に転ぜし時には、(能依の)八も転ずべし。又八は七が依為る、依転ずるとき七も亦転ずと云はば、八は七を依と為す。依転ぜむ時(能依の)八も亦転ずべし。
答う、此の義の中に於いて応に功力を設くべし。此れが中に転というは、謂く無漏に転ずるなり。
又(六識は)各別の依なるが故にいう因を以て即ち色界の第八は亦色根にも依る。是れ(第八は)遍依なるが故に何が故に説かざる。」(『述記』第四末・九十六左)
有色界(色界・欲界)では第八識は五根を執受するので、この執受の関係で云うならば、浄月等が主張するように有色界では色根が第八識の倶有依ではないのか、という疑問が提起されています。浄月等の第八識の倶有依について五色根が倶有依となると主張しています。(この項2011・3/24~4/5を参考にして下さい。)その答えがこの科段になります。
「有色界には、亦五根にも依ると雖も、而も定んで有あるにあらざれば、所依に摂めらるるに非ず。」(『論』第四・二十一左)
(有色界では第八識はまた五根に依って存在するといわれていても、五根は三界のどこでも存在するものではない。よって、五根は第八識の倶有依ではない。)
「有色界では第八識はまた五根に依って存在するといわれていても」・第八識は第七識の他に五根に依っても存在していると言えるが、無色界では五根が存在しない為、所依の四義の中の決定の義を欠くことになり、そのために五根は第八識の倶有依ではということですね。しかし倶有依ではないが依ではある。『述記』の所論は「(決定の)一義を欠けたる故に、但だ依とのみなるべし。而も所依に非ず。亦論にも違せず。」と述べられています。
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