此の相の差別(精進の種類)に五種類あることを述べる。初は、精進に五種類あることの説明、次に経典を引用して説明する、後に「位の異なることを顕す」(修行から見た解釈の別)ことを説明する、と『述記』には述べられています。
「此れが相の差別なること、略して五種有り、所謂被甲と加行と無下と無退と無足とぞ。」(『論』第六・五左)
精進に、被甲精進と加行精進と無下精進と無退精進と無足精進の五種類があることを述べています。詳細は次科段において説明されます。
- 被甲精進 - 甲冑を着て戦場で戦うように、勇敢に修行において努力すること。最初に起す精進で、「猛利の楽欲を発起するを被甲と名づく」 と説明されています。
- 加行精進 - 修行に於て堅固な心を起こし、自ら策励して勤め励むこと。「堅固勇悍方便を起こすを加行と名づく」と説明されています。
- 無下精進 - 自らを卑下し軽蔑することなく勇敢に勤め励むこと。「自ら軽蔑せず亦法懼無きを無下と名づく。」と説明されています。
- 無退精進 - 苦に遭遇してもひるむことなく勤め励むこと。「能く寒熱等の苦を受けて忍び、劣等の善に於て厭足を生ぜざらん、後々勝品功徳等を欣求するを無退と名づく。」と。
- 無足精進 - 修行の途中で投げ出すことなく、満足することなく、悟りに向かって勤め励むこと。「諦観等の後後の勝道に入るを無足と名づく」という。
以上概略を述べました。詳細については次科段において説明がされています。
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