「聖人 親鸞 のたまわく、「今日は信不退・行不退の御座を、両方にわかたるべきなり。いずれの座につきたまうべしとも、おのおの示し給え」と。そのとき三百余人の門侶、みな其の意を得ざる気あり、時に法印大和尚位聖覚、ならびに釈信空 法蓮上人 信不退の御座に着くべしと云々 つぎに沙弥法力 熊谷直実入道 遅参して申して云わく、「善信御房御執筆何事ぞや」と。善信聖人のたまわく、「信不退・行不退の座をわけらるるなり」と。法力坊申して云わく、「しからば法力もるべからず、信不退の座にまいるべし」と云々 よって、これをかきのせたまう。」 (『御伝鈔』 真聖p728)
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第三能変 起滅分位門 五位無心
ー 第三解 重睡・悶について ー
無想定・滅尽定は修行を通じて起こる無心ですが、次の睡眠(すいめん)・悶絶は自然に起こってくる無心の二定というのですね。
ただの睡眠・悶絶ではなく、極重の睡眠・悶絶といわれています。この位においては前六識は現行しないといわれています。
「無心の睡眠と悶絶とは、謂く有る極重の睡眠・悶絶とには前の六識を皆な現行せざらしむ。」(『論』第七・十五左)と。 (未完)
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