なーんにも知らんかったですが、WBCミニマム級、団体内の王座統一を果たし、晴れて正規の王者となった重岡優大が、試合報酬の支払いを受けておらず、インスタグラムで不満を表明したら、その翌日に振り込みがあった、というお話です。
話としては今時、ではありますね。昔なら選手の不満表明を大半のメディアが黙殺したでしょうし、取り上げるところがあったら、それはジムとの決別、イコール引退を意味したわけでしょうから。
しかし今はSNSというものがある。選手が不満を表明し、それがきちんとした語り方で、内容もまっとうなものなら、ジム側に非あり、と世に知らしめることになります。
そして、今は有力選手ならずとも三年契約が切れたら、移籍してしまうわけですので、滅多な事も出来ない...はずなんですが。
重岡優大の10月の試合報酬が、プロモーターからジム(マネージャー)に支払われたタイミングがどうなのかなど、わからない点が多いですが、いずれにせよ試合から二ヶ月も経って、SNSで言われたから、慌てて振り込む、とは...まあ、ワタナベジムならではの仕業やなあ、と一言で済ますことも出来ましょうが、ホンマに子供やないんやから、とは子供さんたちに失礼やな、と思うくらいです。
このいい加減さは、普通の神経では信じがたいものがありますね。
こんなジムの会長さんが、協会長までやっていたんですから、日本のボクシングはまだまだあきませんな、と言うしかありません。
記事に出ているコメントも、本当に正気を疑うくらい、酷いものです。
「選手の気持ち」「災い転じて」?ここに来て精神論です。非常識にも程があります。カタギの情緒で、出てくる言葉じゃないですね。いやはや。
重岡優大は、こんな相手に筋論で押しても無駄と察しているのでしょう、ひとまず矛を収める、的な話をしているようですが、こんな話を聞かされた記者がまた、それをそのまま書いておしまい、というのも、ジム側と同じレベルで非常識です。
円満?不満はない?アンタ、務めてる会社から、給料を二ヶ月遅れで払われて「災い転じて」とか言われたら、どう思うんや?と訊いてみたいです(笑)。
井上尚弥という規格外の、真の世界チャンピオンにまつわる話は、従来のボクシング界では聞けない話がいくらでもありますが、それと平行して、こういう、いかにも日本のボクシング「業界」ならではやなあ、というお話も、変わることなく聞こえてきます。
さて、日本ボクシングの真実の姿は、どちらの光景から見て取るべきなんでしょう、かね。
渡辺氏は内山さんや谷口くんのマッチメイクでもかなり情け無いものありましたが、給料払わないとはね。
それも世界チャンピオン相手に。この会長はそろそろ後継に譲るべきでしょう。自分たちで興行やる力も失くしているし、所詮内山様がたまたまジムに来てくれたおかげでスタッフや若き有望株が集まっただけ。京口くんや谷口くんの世代が退いたらあと何があるんでしょうね。
それにしても、亀田興毅の軍門に降った時点で底だと思っていましたが、まだその底が割れるような事態が起きるとは。しかも金がショートしそうとかそういう話ではなくただ扱いが粗雑だっただけ。貧すれば鈍する、と解釈すべきなのか、そんな有様だから凋落したのだ、と解釈すべきなのか迷ってしまいます。
この手の話、何も今回だけじゃないんだろうなあ、と思います。表沙汰にならなかっただけの話かなと。会長個人もそうだし、他の構成人員にも問題があるのでしょう。個人の中小企業の中には、理屈が通らない話はいくらでもありますが、とはいえ世界チャンピオンの報酬にまつわる話でコレはちょっと酷すぎますね。ワタナベジムは元々、国内レベルでは吉野弘幸のようなスターを輩出するなど、小規模から実力で這い上がってきたと言えるジムではありますが、今のように有力選手が大勢、というレベルに来て、その躍進に隠された問題点というか、異様さも同時に見えてきましたね。
>月庵さん
亀田については例の記者が、片方の言い分で塗り固めた漆喰記事を早速アップしていますが、なるほどあの内容を読む限りでは傍迷惑、という話にしかなりようがないですね。しかし実際はというと...だいたいあれだけ片方の言い分「だけ」で記事を一本、それも大わらわで書き上げて世に出すという時点で、ちょっと異常ですからね、あの記者。
昔、長谷川穂積移籍に関する記事を、自ら編集長を務めるスポーツ雑誌で発表したことがありますが、全面的に真正ジム及び帝拳側が正しく、千里馬神戸側を悪者扱いにした内容でした。しかもその記事が出た号を最後に、その雑誌が廃刊になってしまい、千里馬側からしたら抗議も何もしようがない。傍目には「書き逃げ」としか表現出来ない事態でした。
そういう書き手に擁護されているからといって、それを真に受けていいものやら。話がめくれることがあるかはわかりませんが、仰る通り常識なんて通じませんからね。ちなみに引退後、長谷川と千里馬ジムは、普通に付き合いが続いているそうです。
それはさておき、重岡兄弟の移籍というのは、今の様々な状況からして、あっても良さそうに思います。世界戦が実際に組まれ、良い待遇だと傍から見えても、実際に報酬がなかなか払われない、SNSで怒りを表さないと払われないというのでは...黙ってたらどうなっていたものか、という。しかしその内情については、表に出ていない話がまだあるのだろう、と思います。どう見たらいいのかさっぱりわかりませんが...。