田中恒成に次ぐ、中部ボクシングのスター、矢吹正道がアキレス腱断裂の重傷を負ったとのことです。
記事によると、復帰まで4~5ヶ月とありますが、よほど順調にいって、再度傷めたりしない場合、ということでしょう。
かつて西岡利晃が、ウィラポンとの二戦目から三戦目の間にアキレス腱断裂したときは、二度目の断裂があって、ブランクがさらに長引いたそうです。
その後西岡はウィラポンとの三、四戦目に勝てず(一分一敗)、スーパーバンタムでの戴冠には、さらに年月を要しました。
今から思えば、挫折した早熟の天才が、よくぞその後に、大器晩成というべき成功に辿り着けたものだなあ、と感心するしかない、それが西岡利晃のキャリアです。
しかも、単に試合でかなわぬ相手がいたというのみならず、選手生命に関わる大怪我を負うという試練が、そこに加わったのに。
それを乗り越えられたのは、もちろん本人の不屈の闘志、不断の努力あればこそ、なのでしょう。
しかし、帝拳ジムによる様々な支え...苦しい試合もありつつ、無冠戦の数をコンスタントにこなし、その中でスタイルや闘い方を微調整した上で、世界戦の機会を待てたことが、その闘志と努力を成功に繋げられた、大きな要因でした。
話は戻って矢吹ですが、これまた記事によると、8月にエステバン・ベルムデスとの試合が決まっていた、とありまして、まだ発表はされてなかったと思うのですが、当然中止。
京口紘人と闘った元WBA王者との一戦は、海外の世界ランカーと三連戦、という試合で、意欲的なマッチメイクと言えるものだっただけに、これも残念です。
今回、手術が無事成功し、順調に回復した後に、矢吹正道が西岡利晃のような「復活」劇の主役となるには、実力を維持し、スタイルの調整をするための試合数が確保出来ること、等々、単に矢吹というボクサーひとりでは負いきれない部分が必要になってくるだろう、と思います。
幸いにして、彼に対するジム側、後援者などを含めた体制は、マッチメイク等に関して、前向きなものが見えるだけに、その部分にも期待していいのでは、と思うのですが。
しかし、世界ランクも落ちるでしょうし、長引けば、ほとんどイチからやり直し、という感じになるかもしれません。階級変更も考慮せねばならないかも。
そうなれば、まさに試練、茨の道です。
とにかく、今は手術が成功し、順調に回復するよう願うばかり、ですね。