さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

競争激化の一途を辿る有料配信の世界 ボクシングは「平常運転」でどこまで続く?

2023-05-18 12:37:40 | 関東ボクシング





さて、注目試合目白押しの週末がやってきますが、その前に...サッカーの話ですが、今朝方レアル・マドリーに完勝し、悲願のチャンピオンズ優勝まであとひとつと迫った、おそらく現在、世界最強のサッカーチームであろうマンチェスター・シティの来日試合が、あのLeminoで二試合、無料ライブ配信されるとのことです。

対戦相手は横浜Fマリノス、そしてバイエルン・ミュンヘン(!)です。
従来ならスカパーとかに加入してないと見られなかったであろう試合ですが、Leminoで配信されるのはあり得るにしても、無料とは。


ボクシングの最大コンテンツ、井上尚弥の試合を無料で配信することといい、Leminoは注目度の高いスポーツイベントほど、無料で配信する決定を続けています。
もっともこれは「客寄せ」のためのキャンペーンであって、一定数の視聴契約者数が固定されたら、こんなことはまずなくなる、と見て間違いないのでしょうが。

本来の月額視聴料は、dTVが確か550円だったのに比べ、980円と値上がりしています。
その額に見合う配信プラットフォームである、という評価を獲得するまではいろいろと「頑張る」のでしょう。


国内のみならず、全世界的に有料配信業者によるコンテンツの奪い合いは激化の一途を辿り、WOWOWは20年ほど続いた、サッカーのスペインリーグ「リーガ・エスパニョーラ」の放送を今季限りで終了すると発表しました。
このような状況の中、U-NEXTやLeminoのような、大手配信における国内ボクシングの立ち位置も、とてもじゃないが安泰とは言えないのだろうなあ、と改めて思った次第です。



で、そのU-NEXTに移ったダイナミックグローブ三回目のカードは、7月1日ホールにて。
中川健太vs白石聖、永田丈晶vs飯村寿樹弥のダブルタイトルマッチです。

なんといいますか、ボクシングファンにとっては、どちらもそれなりに見どころのあるカードではあるんです。
しかし、結局のところ、内輪の感覚というか、手の届くところでこしらえ上げたカードやなあ、という感じも否めない。それも事実ですね。

上記のようなコンテンツ争奪戦が繰り広げられる、有料配信の世界において、ボクシング以外にも数多あるコンテンツとの競争を戦い、勝ち抜いていくぞ、という意志や決意のようなものは、なかなか伝わってこないもので、今回のカードもその範疇にあるものです。


ダイナミックがU-NEXTに移る際は、外部のプロも入れて、新感覚のコンテンツを作る、みたいな話もちらついていたんですが、要は照明の色が変わり、音響が代わり、解説が少し入れ替わり、女性レポーターが加わった、という以外、本質的には何も変わっていません。

カードの構成自体も、従来以上の予算を持って、様々な垣根を越えた国内好カードが組まれるでなし、海外から普段見られないような強豪が来日するでなし。
また、日本のリングで好結果を残したフィリピン人などに、日本の中堅や若手が挑む、という構図のカードも特にない。

そして、試合自体の伝え方も、従来通り、興行主のご都合に寄り添った、「報道」としての客観性がほぼ皆無、というものに終始しています。


まあ、のんべんだらりと続けられるものなら、それはそれで良い(良くないか)のかもしれませんが、こんなことではこの先、思う以上に早く、ボクシングの国内試合は、有料配信のプラットフォームから、大半が排除されるんではないか、と心配になります。
AmazonPrime配信興行のとき以外は、劇的に変わることを期待するべきではない、それが現状なのかもしれません、が...。



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2 コメント

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Unknown (海の猫)
2023-05-20 14:30:39
複数の配信サービスがボクシングを扱うようになり、全体としては好カードが増え、気になる試合は大概ライブ中継されるようになりました。それ自体は嬉しい状況なのですが、ボクシング界が良い方向に向かっている、ボクシングファンが今後増えていく、とはあまり思えず。

この手のサービスがコンテンツを扱う基準がよく分かりませんが、シビアに数字を見てのものなら、おっしゃる様に大半はすぐに終わっていくでしょうね。長い目で見てくれる、もしくは放映権料などが安ければ続くのかもしれませんが。

おそらく、U-NEXTとLemino(井上以外)の数字はかなり厳しいものでしょう。Amazon primeは、要求水準が高そうなことを考えると、何気に一番危機的状況かもしれません。Abemaはよく分かりません。

ボクシング界が抱える様々な問題、実を伴わないタイトルにランキング、各々の都合によるマッチメイク、ホーム(主催者)寄りの判定にレフェリング、体重超過にドーピング、選手層の薄さ、偏った報道に誇大広告、等々。それらを放置し、競技としての信用や価値を高めることをせず、ただただ興行の中継を増やしたところで、マニアしか見ない、もしくは見始めてもすぐに離れていってしまうだろうと思います。

今は配信サービスの競争が激化してのバブル状態で、ボクシングもその恩恵を受けてはいますが、一時的、局所的に潤っていることで、却って数々の問題が先送りにされてしまっているのではないかと。この状況が終わった後には何も残らない、さらに悪い未来が待っている、とならならければいいのですが。
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2023-05-22 08:41:55
>海の猫さん

ボクシングファンの分母が増える、という傾向は、あまり見えない気がします。私のような者は無邪気にあれこれ見て喜んでますが(笑)AmazonPrime配信は国内の上澄みだけを扱うもので、言えば見る側もそれを見るだけのことですから。
サッカーでも、海外リーグを有料配信や放送で見る層が百万人いるわけではない、と聞いたことがあります。せいぜい20万人くらいとか?サッカーでそれならボクシングは、と考えると、本当に知れているのでしょう。それをどうにかしよう、分母を増やそう、という意志が業界全体に無く、個々の意志としてもそこまでのものは無い。コロナ過の国内好カード連続は、残念ながら一過性の現象でしかなかった。概ね、そう見て間違いなさそうですね。
国内ボクシングは基本的に、仰る通り、大して放映権料がかからず、細々と従来通りの価値観、内輪の論理で回していくだけのものとして続けていくしかない、のかもしれません。その状況に甘んじていては、井上引退後、また大スター登場を待つしかない、という繰り返しが待っているのですが...。
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