さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

媒体が変わっただけ、では意味がないが 堤駿斗、ABEMAと単年スポンサー契約

2023-05-12 05:56:52 | 関東ボクシング



31日にジョー・サンティシマとのOPBF王座決定戦を控えた堤駿斗が、ABEMAとスポンサー契約を結んだとのこと。





契約、と言っても、一体何をどういう条件で契約したものか、さっぱりわからないのはご愛敬というか、毎度の通りというか。
スポンサーとしてトランクスにロゴ載せていくらなのか、試合配信に対しての対価なのか、何試合条件なのか、とか、ホントに何にもわかりません。
要はなにがしかの契約料が支払われ、向こう一年は堤の試合を独占配信し、順当ならその先も、という感じでしょうか。


これで会見して、一応質疑応答もしたんでしょうけど...内容的には堤駿斗の、ライバルたち(武居由樹や松本圭佑、那須川天心)への思い、そして目標として井上尚弥の名前を挙げた、という、要は彼の気持ちを中心に記事になっているものもありました。


まあ、要は堤が勝ち進んでいけば、今後も契約とやらは延長されて、堤の試合はABEMAが配信し続ける、ということのようですね。
堤の試合がコンスタントに行われる見込みが立った、それは良い話です。
出来れば他の、画質の良いところ(U-NEXTやLemino)と組んでほしかったですが。



ABEMAにとっては、ボクサーとの契約は初とのことですが、変に囲い込むような、または「他に人無し」みたいな情報発信の仕方...つまり、TBSの二番煎じみたいな、古臭い真似を繰り返さないでもらいたい、と思います。

例えば次の王座決定戦とて、対戦相手のサンティシマは直近の試合で、下町俊貴に大差で敗れていて、タイトルマッチとして最上級のカードとは言えない、それも事実です。
その事実には一切触れずに、三戦目での東洋制覇!快挙!と噴き上がられても、見てるこっちは白けるだけ。
そんな要らん下駄履かさんでも、プロ三戦とも、なかなか手強いフィリピンの上位クラスと闘っている、そのこと自体の価値を、まずは語って伝えてほしいし、そうすべき、でしょう。



何と言ってもABEMAは、新時代の映像配信メディア、という看板で売っているんですから、開かれた発想で物事を進めてもらいたいものです。
ボクシングだけが、興行者のご都合にべったりの、昭和のTV局がやっていたことそのままで、延々と続くわけがない。

試合内容やカードの良し悪し、選手の人気、話題性をいかに作るか、というようなこと以前に、ボクシングがどのようなものとして「在る」か、というところが問題です。
言えばスポーツとして「報道」に耐えうるものか、それとも...というところですね。
そこをしっかり考えないと、いくら小手先の策を弄したところで、あまり意味がありません。

もっとも、ABEMA全体の雰囲気を見ていると、そういう方向性は、あまり感じ取れないですね。
逸材、堤駿斗の今後には大いに期待しますし、今回の契約が、彼の今後に資するところ大、となってもらいたいものですが。



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カシメロ、井上岳志ら出場試合、U-NEXTで配信決定 13日土曜日、マニラより

2023-05-11 06:02:06 | 海外ボクシング






今週末、13日の土曜日、午後2時から、トレジャーボクシング第三弾、マニラのオカダホテルというリゾートでの興行らしいですが、U-NEXTでの配信が決まったとのこと


こちらは伊藤雅雪のTwitter。






昨日、FITEにて配信されるというTweetがあり、久し振りにFITE見ることになるのかな、と思っていたら、朗報でした。
フィリピンから映像音声が安定した状態で送られてくるかどうか、難しいのかもしれない、今回はU-NEXTは無理なのかも、と思っていたんですが。

U-NEXT、国内では最上位のシェアを誇るという話ですが、こういうイベントまでカバー出来るというのは、凄いことだと思います。有り難いことです。
もっとも、国内のボクシング界が、そのプラットフォームで評価に値するコンテンツたり得るかどうか、という心配もありはしますが...。


そういうことで土曜日、また楽しみが増えました。
新たな出費をしなくて済んだ、という意味でもありがたいですし(笑)やっぱり海外の試合で、日本語の実況解説があると助かりますからね。



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格下とは見做さず闘い抜いた 村地翼、近藤冬真に判定勝ち

2023-05-10 00:40:05 | 関東ボクシング



昨日はFODプレミアム、奇数月ですのでフェニックスバトル、いわゆるFOD「大橋枠」のライブ配信を見ておりました。
しかし、今回は駿河男児ジムがプロモーターとしてJBCに登録しての興行だった模様。簡単に感想を。



メイン、日本スーパーフライ級3位、前WBOアジアパシフィック王者の村地翼は、ノーランカーながら格上を苦しめること再々、その敢闘で知られる蟹江ジムの近藤冬真と8回戦。
ジャブとフットワーク、懐深くした姿勢でサイドステップを怠らず、さりとて逃げ足一辺倒にもならず、右カウンターやアッパーを覗かせて近藤の機先を制する、という闘い方。
それでも中盤、近藤のアタックに苦しむ場面もあったが、そこではクリンチも辞さず、まずは無難に乗り切っての判定勝ちでした。


肩書きだけ見れば村地が格上というカードでしたが、その闘いぶりを見るに、おそらく村地は近藤のことを、一切格下とは見做していないのだろう、ということがはっきりとわかるものでした。
近藤が相手に食らいつき、攻め込む展開になったらまずい、そういう展開になる前に、張れる予防線は全部張る。
そういう「方針」に見えました。それは静岡と愛知という地域の近さもあって、近藤冬真というボクサーの真価を、村地及び陣営が、より実感を持って知っていたから、なのかもしれません。

試合自体は地味な展開に終始しましたが、その村地の揺るぎなさには、感心もしました。
WBOアジア王座返上の件も奇異に感じていましたが、要は1位川浦龍生、2位高山涼深の間で争われる日本王座に挑戦するための選択、ということなのでしょう。
そして、その前に「こなす」試合としては、近藤冬真は楽な相手ではありませんでした。

村地翼のボクサーとしての、そして今回の試合への評価、感想は様々にあれど、彼は地域タイトルでなく、日本タイトル獲得に「本気」なのだろう、と見えました。
その一点において、見どころのある試合ではありました。



セミの木村蓮太朗は、干場悟に判定勝ち。
一回り大きな体格、パワーもスピードもやはりかなりのものがある木村、スーパーフェザー級で良いコンディション、と身体付きを見て思いましたが、どうやら左拳は万全で無いか、途中でまた傷めたか?
左のパンチは無理して打って、右は強打という感じになっていき、干場の反撃を許す。苦しい展開でしたが、何とか振り切った、という試合でした。
その素質は非常に秀でたものがある大器、木村ですが、今後に不安が残る、としか言いようがありません。なんとか万全の状態に戻って欲しいと願うばかりです。



この配信は少し遅れて、おっかけ再生で見ていましたが、FODにしては珍しく、トラブル発生。
第4試合の佐伯侑馬vs鈴木尊虎戦のKO決着のあと、画面に円状のマークがクルクルして画面が止まり、なかなか復旧しませんでした。
なんとか戻って、もう一度少し遡ってみたら、佐伯がKOチャンスで攻めた場面の途中で画面が切れ、直後にもう相手が倒れている映像へ飛びます。何度やってみても同じでした。
後日置かれるアーカイブでは、当然直っているものと思いますが。



しかしこの興行、長かったですね。
追っかけ再生で見てたんで確かなことは言えませんが、終了は10時過ぎてたんじゃないでしょうか?
以前、G+でダイナミックグローブが丸ごと生中継されるようになった初期に、メインの途中で10時過ぎて、途中で打ち切りになったような記憶があるんですが、あれ以来のことじゃないでしょうか。
もちろんネット配信の強みで、遅くなっても全部最後まで配信されましたが、平日にボクシング見に行って、終了10時過ぎとなると、大半の方がほぼ「直帰」となりましょうね。何とストイックな...(笑)。



あと、やはりフェニックスバトル、NTT系とFODの、カードの格差は酷いと以前から言われてきましたが、今回は他所に任せるという形になりましたね。
もちろん共同プロモートというか、アンダーなどは大橋ジムが組んでいるわけでしょうが。

この調子だと、FODプレミアムのボクシング配信は、遠からず偶数月の三迫ダイナミックグローブのみになるんではないか、と思います。
いくら月額内のプログラムに過ぎないとはいえ、いくら何でも...と。
少なくともボクシングだけ見たくて月額980円払って、その月イチのカードがこれ、というのは、ちょっと納得し難い。
私のような、ボクシングであれば大抵何でも、というような人間に、こんなことを思わせるというのは、相当なことです(笑)いやホンマに...。



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10回戦デビューも? 「令和のナポレス」アンディ・クルス、マッチルームと契約 

2023-05-09 15:04:58 | 海外ボクシング

何度か取り上げたことのある、東京五輪ライト級金メダリスト、アンディ・クルスですが、遂にマッチルームと契約し、プロデビューの運びとなりそうです。






こと3ラウンズの闘いにおいては、攻防ともに名人、達人の域で、東京五輪決勝のキーショーン・デービス戦は、私の乏しいアマチュアへの知識の中ではありますが、過去最高クラスの名勝負でした。
衝撃を受けた試合、という言い方なら、古くはテオフィロ・ステベンソンvsジョン・テートとか、ホルヘ・エリセール・フリオvs松島勝之とか、ホエル・カサマヨールvsウェイン・マッカラーとか、それなりに色々あるんですが、好ファイト、という意味では、これが一番か、と。


キーショーン・デービスは早くも、トップランク社有数のプロスペクトとして名を上げていますが(現状、若干調子に乗っている感あり)、アンディ・クルスが遅ればせながらプロのリングでどんな姿を見せるのか、楽しみですね。

ただ、最近のキューバ選手は、上記のカサマヨールなどとはちょっと趣が違い、言わずと知れたリゴンドーや、今度来日するロベイシー・ラミレスもそうですが、結局アマチュアでは3ラウンズに凝縮していた技量力量を、12ラウンズに希釈して闘う、という風が強まっている、と感じます。
プロ転向が年齢的に遅い人は仕方ないにしても、ロベイシー・ラミレスなんてまだ若いだろうに、と。

アンディ・クルスは近年のアマチュアボクサーの中で、全階級通じて屈指の名選手と評されていましたが、さてプロではどうなりますか。
何でも10回戦デビューという構想があるらしく、こちらの想像を超えた早い「勝負」があり得るかもしれません。はてさて。



こちらは契約時の様子。マッチルームはクルスのみならず、WBC新王者レジス・プログレイスとも契約したとのことです。
景気の良いことですね。








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行方不明のSバンタム、タイトルマッチ決定 下町俊貴、仕切り直しで戴冠なるか

2023-05-09 00:04:55 | 関東ボクシング




本来なら4月26日に行われるはずだった日本スーパーバンタム級タイトルマッチ、カードを変えて仕切り直し、決定。
6月29日ホールで、下町俊貴vs大湾硫斗のカードで、空位決定戦とのことです。






本来、下町と対戦予定だった石井渡士也が棄権して、日時、カード変更となりました。
下町にとっては仕切り直しで、相手も変わるわけですが、大湾硫斗の試合ぶりを見る限り、石井渡士也以上の強敵とは言えないように思います。
思い切り良くパンチを振り、攻撃はスピードもパワーもありますが、同時に打つタイミングや防御への気配りなどはまだ足りない。
カウンターのタイミングは相打ち気味のが多く、しかし身体の「逃がし」はあまり考えてないように見える。ちょっと危ない攻め方するなあ、という印象が強いです。

ただし、それ故の怖さというのも確かにあります。下町がリーチを生かした距離構築を厳しく行い、自分のペースで闘えれば良いですが、もし強引に突破されて、大湾の激しいアタックに晒される展開になれば、勝敗はどう転ぶかわからないでしょう。
下町には、やっと実現するタイトルマッチです。122ポンドのコンディションにも心配はありますが、自分の良さを生かして、現時点でのベストを見せて欲しいですね。



この日はメインが中嶋一輝vsTJドヘニーで、アンダーにも若手同士の好カードが組まれています。
中嶋に関しては、元IBF王者ドヘニーもさすがに下り坂、直近の敗戦もしっかりWOWOWで見た後なので、試練の一戦、好カードとまでは思いにくいですが、この先そういうカードに挑む前段、として見るなら、悪いカードでもないでしょう。
もっとも、相手の射程を外し、しぶとく食い下がるドヘニーのスタイルは、今でも中嶋にとって、容易なものではないかもしれませんが。
前回は良い出来だった中嶋、この試合でも良いところを見せて欲しいものです。



ライブ配信はLeminoですが、また無料配信になるとのことですね。
これは嬉しい話です。翌7月のフルトン井上戦も無料ですし、しかもABEMAと違って画質が良い。
実況解説も、亀海喜寛起用というヒットがあり、かなり良い方向性が見えるし、有り難い限りです。
先月の配信ではアプリ関連でトラブルがあったと聞きますので、その辺は不安が残りますが。


しかしLeminoにとっては、ボクシングとはそれほどまでに、加入者増加の呼び水となるもの、と期待されているんでしょうかね。
もちろん、あくまで「井上尚弥」のブランドあってのことで、当面、他のカードはそれに付随して、という話かもしれませんが。
何にせよ、当面、フェニックスバトルのLemino配信興行は、偶数月開催で続くはずですが、仮に有料になってでも、さらにプレミアム感のある好カードが組まれるなら、大いに歓迎ですね。



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Who's Next? 彼がその答えだ 小林豪己、無敗エコを4回TKO

2023-05-08 00:07:33 | 関東ボクシング




ということで土曜日のU-NEXT、ダイナミックグローブ配信についての感想です。


デビュー2戦目で既に経験済みの後楽園ホールに、タイトルホルダーとしては初の登場となった小林豪己。
この試合で、ミニマム級国内トップシーンに相応しい、そのタレントを披露してほしい、と期待していましたが、期待どおりの試合だったと思います。


初回始まって25秒くらいまで、10戦全勝というフィリピンの若手、ロスラン・エコの先制攻撃に受け身となり、一発良いのをもらった?小林ですが、すぐ相手の右パンチの下を通す左ボディを突き刺し、流れを止める。

そこからはコンパクトな振りの右クロス、左ボディを決めていき、ペース掌握。
2回は右ストレート、クロスを鋭く飛ばす。肩のスナップを使って打つ右ストレートは、打ち出しも打ち終わりもコンパクト。

対するエコは若手の段階とはいえ、負け知らずの果敢さ、自信がパンチの振りにも出ていて、小林のボディに合わせて打ち返す場面も。
しかし小林、右ショートから返しの左フックを決めて、ぐらつかせる。エコ、果敢に打ち返してはいるが、その後小林のジャブでふらつき、自分の左フック空振りでよろめく。

3回からはワンサイド。右ストレート、左右ボディ、ジャブで突き放して左ボディ。
小林は右フック、次はショートストレートと微妙に打ち分ける。元気の良かったエコが打たれ続け、後退一方に。
KOは時間の問題と見えたが、4回、右ボディで後退させ、さらに攻めようとしたところで、比国コーナーが棄権の意志表示をしたようで、TKOとなりました。

試合後、コーナーに座ったエコ、うがいの水を漏斗に吐こうとして、その前に口からこぼしてしまう様子が映っていました。
ボディのダメージでは無く、アゴに異常があって棄権したのかも、ということですが、その通りなのかもしれません。



小林豪己、WBOアジアパシフィック王座の初防衛となりました。
この選手が最強の挑戦者ということではないはずで、無敗同士とはいえ若手対決、という見方で良いとは思いますが、しかし自信を持って果敢に攻めてくる相手を、上下ともに鋭く正確なパンチで打ち込んで食い止め、失速させていく様は、強烈な印象を残しました。

関西リングでは既に、ボディブローを多用する、ミニマム級とは思えない倒し屋として知られていましたが、全国区でも名前が知られるための第一歩を、良い形で踏み出したといえるでしょう。


U-NEXTに移ったダイナミックグローブは、番組タイトルに Who's Next と銘打って、次代を担う選手をこの番組から輩出する、というテーマを掲げている(はず)ですが、第一回の永田丈晶に続いて、二回目はこの小林豪己がその「答え」として、存在をアピールしました。

今後は、早々に初防衛戦が決まったという日本チャンピオン高田勇仁と、世界への出世争いが楽しみです。
今は若干、カードの弱さが言われるダイナミックグローブですが、徐々に好カードを構成しうる選手が排出されていくことでしょうし、その際には、放送配信の垣根を越えたマッチメイクにも期待ですね。




メインの山中竜也は、安藤教祐からダウンを奪って大差の勝利。
最終回だけ、ちょっと攻め込まれましたが、それ以外はグローブを上下に揺らしてリズムを刻み、巧みにジャブを当てて行くボクシングで、安藤の機先を制し続け、ポイントを積み重ねていきました。

要所で追撃の右、ワンツーも決まっていましたが、これは防御動作への移行を優先したフォームで、打ち込み自体は浅く、KOパンチとはならず。
この辺は課題というか、不足ではあります。もっと強い相手、上位と闘うときは、この「設定」が正解なのかもしれませんが。

実際、日本ランクでは4位と5位の対決だったわけで、山中が世界をと言うなら、そのような試合で結果を出さなければなりません。
今回の試合が、国内ないしは東洋圏内で、挑戦的マッチメイクが行われる「ため」の足がかりを得た、という見方が後に出来る試合だったのか。
今後に注目したいと思います。



帝拳ジムのB級デビュー勢はふたり出場、揃って8回判定勝ち。
どちらもアマチュア歴があり、こなれたボクシングをしたり、コンビネーションが速かったりと、良さは出ていました。
しかし、フィリピンのやる気がある選手相手だと、好きに打ちまくって倒すとは行かず。

タイの噛ませさんではないものの、階級も下に見える相手で、さりとて強豪というわけでもない。しかし、普通にやる気があって打ち返しては来る。
当たり前のことなんですが、その当たり前に、けっこう苦しんでいるなあ、と見えました。
まあ、色々と言いたい気持ちもなくはないですが...こういう試合を経て、どれだけ力を付けられるか、その過程を見ているのだろう、と思うことにします。



第一試合は水戸黄門の「格さん」役で知られる伊吹吾郎さんの孫、という選手が登場。
ミドル級の新人王戦でしたが、両足を左右に広げたスタンス?のまま、重心を前に倒して突っかかりながら打つ、という、昭和の喧嘩ボクシング。
ビックリしました。今時、まだこんな選手いるんやなあ、と。
2回TKO勝ちでしたが、こちらは先がどうというより無茶やなあ、と。重いクラスですし、何かを思うより先に「心配」でした。


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いみじくも見えた「スルタン」との差 カネロ、凱旋試合でライダーに大差勝利

2023-05-07 15:15:18 | 海外ボクシング


ということで今日はDAZNのライブ配信、簡単に感想です。


カネロ・アルバレスは久し振りの地元凱旋試合、大きなスタジアムに大観衆を集めての試合で、ジョン・ライダーに大差の判定勝ちでした。


一見してえらく狭いリングで、右と左の違いはあれど背格好はほぼ同じ、という両者が、右と左のボディブロー応酬からスタート。
距離としては近くならざるを得ない状況で、初回はライダーが下から食らいつく、という感じも少し見えた。

しかし2回からはカネロが逆に圧して、ライダーにロープを背負わせ始める。
左ボディに右フック、時に右ストレートリード。ライダーが手を出しても厳しくリターン。

ライダーは前に出られず、逆に止められ、時に下がらされる。これでは彼に勝ち目は無い。
こういう展開を早々に作れるカネロの攻撃、のみならず防御の技量にも感心するしかない。

早々に鼻血?で出血を見たライダー、左アッパーも使って入ろうとするがかなわず圧され、5回はカネロの狙い澄ましたワンツーを食ってダウン。
左と右の間合いを、余裕を持って調整し、外からのフックを見せておいての、インサイドへの一発でした。


カネロ、完全に展開を支配した上で倒している。しかし残り時間、1分半近くあったが詰めには行かない。
金持ち喧嘩せず、ではないが、この辺が嫌なところ。今時ではあるんでしょうが。


とはいえ、勝ち負けに影響するでなし、次に倒しに行くだろうと思っていたら、そうでもない。
そのうち、試合は終盤に入り、ライダーの粘り、闘志が反撃という形で目に見えてくる。

8回ラスト、カネロの右でライダーがスリップダウン。足はかかっていたが、パンチも当たっていた?ダメージ皆無というわけでもなさそう。
しかしライダー、果敢に左のヒットで反撃。10回などはライダーのポイントになったか。
カネロは思い直して、倒したそう?に攻めるが、相手の心身が生き返ってしまった後で、改めてそれをなぎ倒すほどの力は、この階級のカネロにはない。
フルラウンド終わって、判定となりました。


このカードが決まったあと、思ったのはフリオ・セサール・チャベスがグレグ・ホーゲンと闘った一戦と、ロケーションが似ているな、ということでした。
あれはメキシコの闘牛場か何かだったと思うんですが、13万人でしたっけ?何しろ地元の大観衆が詰めかけ、その前でメキシコ人に挑発的なコメントを連発していたアメリカ白人のホーゲンを倒す、という試合でした。

言っては悪いが、当時まだマイナータイトルと言わざるを得ない顔ぶれで争奪されていたIBFライト級タイトルを賭けてビニー・パジエンザと一勝一敗、クラスを上げてロジャー・メイウェザーに敗れていたホーゲンは、チャベスの相手としては格落ちで、最初から勝敗は見えていました。
でも、ある意味、そういう選手だからこそ大きなスタジアムを使っての試合で、対戦相手に選ばれたわけです。


今回のジョン・ライダーは、WBAタイトルを獲っていてもおかしくない試合をした「実績」はありますが、カネロを相手に勝ち目がある相手かというと、やはり違いました。
そしてそれは、今日の試合に出ていたと思います。ライダーの健闘は称えられるべきだとしても。



昨日、偶然、こんな記事を見つけました
スペイン語圏の記者による、「クリアカンのスルタン」(こんな尊称があったとは、今回初めて知りました)チャベスとカネロの比較論ですが、結論としてはカネロがチャベスを超えるか否かは今後次第で、現時点ではチャベスが上、とのことです。
そうなのだろうと思います。まあ、今後どうあれ、ドーピング云々の話を含め、私個人の好悪ははっきりしていますが(笑)。


この記事を読んで、翌日の試合...つまり今日の、似通った状況での「凱旋試合」を比べると、やはりその結論は正しいな、と思った次第です。
序盤から優勢、思うままに試合を運んで、5回にダウンを奪って、でも厳しく詰めに出ない。
それは何か故障でもあったからかもしれません。しかし、その後の闘いぶりを見るに、あそこで敢えて「見」に回らねばならないほどの重篤なものだったとも思えませんでした。

体格的に小さい選手が多いメキシコ人でありながら、チャベスよりもさらに重いクラスで、欧米の強豪相手に闘い、ほとんどを勝つという、リング上で示す実力のみならず、その言動も含めて、メキシコや米国ヒスパニックの人気は絶大なものがあるカネロですが、こういう試合ぶりが、本当にかの国において、全面的に支持されるものかどうか、傍目には多少不思議に思いもします。
まあそれは、私のような古いファンがかつて抱いていた、ボクシング王国メキシコへの過大な憧れ、その名残にしか過ぎないのかもしれませんが。


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広く意見を募った末の合意形成あらばこそ カーニバル施行方法改訂

2023-05-06 05:12:01 | 関東ボクシング



少し前に見た記事です。
チャンピオンカーニバルの施行方法が改訂されたとのこと。






日本チャンピオンの地位向上、タイトルの価値向上がボクシング人気に繋がる、というのは、まったく同感です。
というか、日本チャンピオンといっても必ず日本一ではない、という状況...看板と実際の乖離こそが、日本ボクシング最大の弱点であり、弱味である、と思います。
今回、協会が動いて、何かを変えようとしたこと自体は、素晴らしいことです。

記事によると、日本タイトル挑戦者決定戦の出場権について、

・毎年月6月時点の日本ランカー12位までと、OPBF、WBOアジア王者も含めた選手が出場可能な範囲。
・この中の選手に、出場の意思確認を行う。
・優先権は日本1位、OPBF王者、WBOアジア王者、そして日本2位、の順。
・出場を拒否した場合は、ランク下降及び、1年間の日本タイトル挑戦資格喪失。


あと、チャンピオンカーニバルと呼称する試合の取り扱いについても改訂。
これは何だかよくわからん話ですので、パスします。


で、この記事を見て最初に思ったことは、あまりに情報が少ないなあ、ということでした。
ルール改訂の内容自体をどうという以前に「日本プロボクシング協会」が主語になっていて、理事会で改訂を決めたとありますが、いったいどのような過程で、協会加盟ジムの会長(=事実上のマネージャー、プロモーター兼業者)の意見を募り、改訂に至ったのか、ということが、まったくわかりません。
本当に、各地域の協会を通じて、各ジム隅々にまで話が通った上での話なのだろうか、と。

数日待ってみましたが、詳しい追加報道も情報も、知る限りありません。
ボクシングモバイル以外で、これを取り上げた媒体はボクシングビートHPくらいでしょう。
まあ、ボクシング界の常というか、こういう大事な(はずの)話でさえ、さらっと触れたら深入りしない「報道」は、毎度のことです。



ということで、限られた情報だけで考えるしか無いのですが。
実際、来年以降、このような挑戦者決定戦出場選手の選出が行われるとして、それが必ず好カードを生み、ファンの納得感を満たすカーニバルのカードに繋がるでしょうか。
日本タイトルの価値向上を、業界全体で目指す合意形成なくば、結局は各々の都合が勝つ、毎度の通り、ということになりはしないか。

今回の改訂にあたり、そのような意見集約、合意形成が充分に行われ、各々の都合を棚上げしても、日本タイトルを優先して、上位選手たちが活動するというのなら、それは素晴らしいことでしょうが、その辺がまったくわかりません。

こんな改訂が、実行力を持つものなら、或いは業界全体が意思統一をして、実効性を持たせようという意志があるのならば、それこそOPBF王者やWBOアジア王者を、常に日本ランキングに掲載すればいいことだと思います。
さらに言うなら、世界ランカー(という言葉では、実体より大層なので、世界ランキングに名のある状況の選手、と言うに止めたいですが)も、同様に日本ランキングから外さず、そのまま名前を並べれば良い、とも。


しかし実際は、動き出したら、どうということもない、という話で終わりかな、と今のところ思います。
挑戦者決定戦出場を辞退したら、1年間、日本タイトル挑戦不可、日本ランク下降とありますが、ランカーにとってはともかく、OPBFやWBOアジアの王者にとっては、そんなもの痛くも痒くも無い話です。
実際、日本タイトルを獲りに行かずに、他に価値を、利害を見て、そちらに行っている選手なのですから。


とりあえずは6月のランクを基準に、秋頃には挑戦者決定戦が行われるわけですから、その経緯を見たいと思います。
しかし、日本タイトルのブランディングを、業界挙げて徹底的に行う、ということなら素晴らしいですけど、実際の所は、東日本の協会、手の届くところの枠内の話、という感じにしか見えません。
その辺、もっと深掘りした記事を読みたいものです。とはいえ、深く掘りようもない話に過ぎない、それが実際なのかもしれませんが。



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世界注目の日、ベガスで中谷潤人戴冠なるか 5月のライブ配信・放送覚え書き(その2)

2023-05-05 06:03:23 | 話題あれこれ




日本時間の21日は、WOWOWライブでトップランクのPPV興行、生中継。
4つのベルトを保持するライト級王者、デビン・ヘイニーと、復活目指すワシル・ロマチェンコの一戦。







これはMGMグランドでしょうか。えらく大きな扱いで。
先のデービス、ガルシア戦に負けじ、こちらの方が試合の格は上だ、というアピールでもありましょう。

コロナに加えてロシアの侵略戦争という災禍に見舞われたウクライナの英雄、ロマチェンコにとっては、珍しく不利の声も多い一戦です。
元々ベテランの域、ライト級は本来のベストなのか、という疑問もあり、そこへとにかく速い、一切の理屈が通じない速さのヘイニーと当たる、となれば、仕方ない部分もありましょう。

しかしロマチェンコのボディ攻撃がヘイニーを捉え、失速させる場面が一切ないまま試合が終わる、という想像もしにくいですね。
ヘイニーがジャブを当てて足で外し、詰められても目で外し、身のこなしでロマチェンコを翻弄し、というまま、12ラウンズ過ぎるものでしょうか。
もし実際にそうなったら、もうお手上げですけども。そういう想像をさせるだけで、確かにヘイニーも並みの才能ではない、と言えますが。

このように、「打倒」の凄絶さとはまた違う、酷な形での新旧交代が告げられるのではないか、という想像もしますが、しかし苦難の時を生きる英雄、ロマチェンコの意地と誇りが、そのさなかに見られるのだとしたら、この試合の記憶はおそらく、その一点に集中したものとなるでしょう。
何しろ、単に待望の一戦、というのとは少し違う感情を持つ試合ですね。




で、アンダーには中谷潤人vsアンドリュー・モロニー戦が入りました。
PPVの枠内には入らないそうで、メインとは時間も空くようです。客席が埋まりきらないうちに、試合となるのかも。
これがDAZNの西海岸興行で、エストラーダやロマゴン、ジェシー・ロドリゲスらと同じカードに出るとなれば、そういうことにはならないのでしょうが。
そういう意味では、今のトップランク興行は、中谷にとって最高の場所とは言えないのかもしれません。

しかしカードとしては良いものです。アンドリュー・モロニーの試合はWOWOWを通じて数を見られたこともあり、どの部分も平均してレベルが高い、安定感のある技巧派で、なおかつモラルの高い選手であることは、よく知っています。
確かに飛び抜けた怖さはないですが、中谷にとっては115ポンド世界王座の一角を占める上で、容易な相手とはとても言えず、それ故に、勝って得られるものも大きい。そういう試合ですね。






試合まで間がありますが、ひとまず日本向けの取材に応じた、ということで、少し前にあれこれ記事は出ていました。
その実力や可能性からして、もっと注目を集める存在であってほしいのですが...。



同日、名古屋では田中恒成vsパブロ・カリージョ戦があります。
これはCBCが生中継しますが、当然中部、東海地方限定の話で、ネット配信などはどうなんでしょうかね。
以前はTBS系列のparaviが(別料金取って)やってましたが、paraviがU-NEXTとの合併予定とのことで。
井岡一翔や堤駿斗はABEMAに行きましたが、こちらはどうなりますかね。


28日はDAZNでルイス・アルベルト・ロペスvsマイケル・コンラン戦。IBFフェザー級タイトルマッチです。
こちらも英国じゃ大盛り上がりなんでしょうね。景気が良くて結構です。
勝者に阿部麗也が挑む運びになるはずですので、要注目ですね。
ロペスが勝てば来日もあり?でしょうが、コンランが勝つと、日本に招くというわけにはいかなさそうで...はてさて。



31日は堤駿斗vsジョー・サンティシマ。ABEMAでライブ配信。
サンティシマ、下町俊樹戦では大差で敗れたものの、長身サウスポー下町相手だったから、という面もありましょうか。
普通の体格、右構え相手だったらまだまだ強い、という可能性は充分あるサンティシマ。
如何に逸材・堤といえども、三戦目で当たるとなると、簡単ではない、と思いますが...。



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地方の試合がところを変えて 5月のライブ配信・放送覚え書き(その1)

2023-05-04 16:16:14 | 話題あれこれ



先月末の4大日本タイトルでひと息ついて、GW末にはまた内外共に色々とある5月です。
今月、ライブで見られそうな試合について、ブログというより自分のための覚え書きを。


6日、ホールでダイナミックグローブ。U-NEXTのライブ配信です。
メインは山中竜也vs安藤教祐のWBOアジアパシフィック王座決定戦。岩田翔吉が持っていたタイトルですね。
空位決定戦はまあ、岩田の世界挑戦があったから仕方ないとして、勝者には岩田が当たるとか、次の展望があってほしいですね。
それなくして、単体でメインとして普通に見られるカードではないと、きついようですが思います。


注目はタイトルホルダーとしての初戦をホールで迎える小林豪己でしょうか。
重岡兄弟が暫定とはいえ揃って世界を獲った今、相手どうというのを抜きにして、印象的な星を挙げて、日本チャンピオン高田勇仁と共に、次に世界に名乗りを上げる、というところまで、評価を上げられるか。
そのためには、格好の舞台だと言える試合です。



日本時間7日はDAZNで、カネロ・アルバレスvsジョン・ライダー。
ライダーの健闘に期待です(笑)他に思うことはないのか...。

そう言えばこの日、ホントならフルトン、井上戦だったのですね。横アリでしたし、延期はかえすがえすも残念。



5月9日のフェニックスバトル、奇数月ですんでFODプレミアムの「大橋枠」。
6日のダイナミック同様、こちらはセミとメインがともに、駿河男児ジムと蟹江ジムの対戦で揃う、東海地区のボクシングがホールにやってくる、という構図。

WBOアジアパシフィックの王座は返上したんですかね、村地翼が、地味ながら地力のある近藤冬真と8回戦。
セミは前田稔輝戦以来の登場、木村蓮太朗が干場悟と8回戦。ちなみにウェイトはスーパーフェザー級の模様。
木村の体格を考えると、今後はそれが良いと思います。



13日、マニラのトレジャーボクシング興行第3弾は、ジョンリエル・カシメロや井上岳志が出るのですが、これは見る方法があるのでしょうかね。
これまでやった韓国の試合ふたつは、WOWOWオンデマンドやU-NEXTで見られましたが、今回はどうか。
U-NEXTでやってくれたら良いのですが、場所も遠くなったし...。
基本、実況解説が現地に行くわけではないので、映像音声さえ滞りなくば、というところなんですが。
やはり、前回の視聴者数がどうだったか、というところでしょうね。はてさて。




翌週土曜日、20日は京口紘人再起戦と、大橋ジム主催のバンタム級トーナメント一回戦。
当初の期待は綺麗に肩透かしでしたが、まあ普通に見るには良い大会、ではありましょうか。
WBA王者井上拓真が、最上位の挑戦者と初防衛で闘うとして、その試合に勝てば、年末に決まるこの大会の優勝者と、来春、拓真の対戦があるのでしょう。
もちろん順当なら堤聖也が、と思うところですが、思わぬ伏兵による下克上があるかもしれません。そういう意味でも期待ですね。

ちなみにWBA3位、ニカラグアのメルビン・ロペスはIBF決定戦に出るそうで、ならば現時点で4位の選手が1位に上がることになりそうです。
で、その4位って誰よ、と思ってさっき専門誌を見たら、石田匠でした。ありゃ。ありゃって何だ。



えー、5月の試合ははまだあるんですが、ちょっと長くなりそうですのでまた後日。
まあ、長々と書くほどの内容はないのですが(笑)。


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