さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

普段、日本でやっている試合とは色々違う 井上岳志ドロー、花田歩夢敗れる

2023-05-15 00:39:50 | 海外ボクシング




引き続き、マニラの試合感想です。
セミの井上岳志は、10戦全勝全KO、フィリピンのミドル級チャンピオンにもなったことがあるというウィルジョン・ミンドロと三者三様の引き分け。


メインのンギーチュバ同様、若く大柄なミンドロ、右クロスやアッパーで井上を脅かす。初回ラストでは井上がぐらつく場面も。
向かい合うと階級が同じとは思えない両者でしたが、井上はガードを締めつつ、機を見て懐に入り、ボディから攻めようとする。
時折右クロス、ワンツーも入るのだが、体格の違いからか、ミンドロの耐久力は高そうで、単発で止まったり倒れたり、ということにはならなさそう。


これは試合を長引かせて、疲れから失速するのを待つしかないか、と思ったが、井上がミンドロを引きずり下ろす、というには至らず。
単発のヒットは上下ともにあるが、流れを完全に引き寄せる、というには遠い。
対するミンドロは、井上に食いつかれ、ロープを背負わされる場面こそ増えたが、右アッパーの迎え撃ちなども長短織り交ぜ、見映えとしては悪くない。


実況解説は井上リード、と強弁?していましたが、敵地というのを抜きにしても、そんなに井上の良さ「だけ」が見てもらえて、判定にそれが反映されるような試合にも見えず。
ミンドロの方も右アッパーやその他のパンチで手数を出していたし、それらを抑え込むほどの攻勢、ヒットが井上にあったわけでもない。
言えばミンドロの方につける「余地」は充分にある。そんな試合に見えました。


終わって、実況解説ともに、ドローの判定に驚きの声を上げていましたが、私の感想としては、負けにならんで幸い、というところでした。
相手の体格も含め、やはりアウェーの側に回って闘う場では、日本でやる試合とは色々と「事情」が違う。
その厳しさ、過酷さに、日本の154ポンド級最強のボクサー、井上岳志が直面した、という一戦でした。
問題は、世界戦や挑戦者決定戦ではない、東洋圏内の試合でこういう内容だったことを、どう見るべきかというところですが...。




花田歩夢は、かつて京口紘人に挑んだ(判定負け)ビンス・パラスに判定負け。
パラスについては、ミニマムで減量に苦しんでいた京口からダウンを奪ったのは覚えていましたが、今は京口同様、フライ級。
積極的な花田に対し、2回に右クロス、左フックを決めたのを皮切りに、要所でクリーンヒットを重ねて行く。
花田も右クロス、左ボディブローのヒットを取るが、捉えるまでには至らず、良い打ち合いも見られた試合は、パラスの判定勝ちでした。


花田がどうというより、パラスの出来が思いの外、良かった印象。
やっぱり地元で闘うと、色々違ってくるのだと理屈では分かっていますが、この二試合は如実にそれが見えたように。
普段、日本にフィリピン人を招いてやっている試合とは、そういうものとして見ないといかん、のかもしれません。
まして階級が揃わなかったり、露骨に下り坂だったり戦績違いだったりすることの方が多いわけですからね。




U-NEXTの配信は、実況鈴木健、解説セレス小林のコンビでした。
正直、G+や日テレの雰囲気そのまま、ちょっと偏り、贔屓の色濃いもので、いまいちでした。
しかし、池側純vsカルロ・デメシーリョの短いハイライトが見られたのはマル。

画質は良い部類。フィリピンからのライブで、これだけのものが見られるのは有り難い限り。
しかし音声がえらく小さい。臨場感ははっきりいってゼロ。場内の歓声がほとんど聞こえない。
試合の印象も、これでだいぶ変わってしまうので、この点は残念でした。




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