蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

百円の恋

2016年01月06日 | 映画の感想
百円の恋

主人公(安藤サクラ)は30歳すぎてもプータローで実家にこもってゲーム三昧。
出戻りの姉とケンカしてひとり暮らしをすることになる。
100円均一のコンビニでバイトを始め、近所のボクシングジムで練習する男とつきあい始める。しかし、その男にフラれてヤケクソでボクシングの練習を始める・・・という話。

いわば「ロッキー」みたいな話なんだが、
実家の弁当屋の状況(主人公の父は頼りなく、姉を子供を連れて出戻り、母一人が長時間労働で支えている)や、
100円コンビニの環境やそこに関わる人々(うつ気味の店頭、自己中心的SV、バイトのおしゃべりおじさん、元バイトで廃棄弁当を漁るおばさん)が、
現代日本のどん底風に、これでもかというくらいサイテーの描き方をされていて、それにふさわしい自堕落な生活を送っていた主人公が心機一転ボクシングに集中する姿が非常に輝かしく見えた。

それでいて、スタローンみたいに最後に勝ったりしないところもまた良くて、ボクシングの試合の応援に来た父母や姉が主人公が苦闘する姿を見て、家族の一体感を取り戻したかに見えるシーンも(ベタなんだけど)なかなか感動的だった。

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