穴にハマったアリスたち

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工藤真由さんを振り返る3:「Tomorrow song ~あしたのうた~」

2017年04月02日 | 工藤真由さん
【Tomorrow song ~あしたのうた~】

ハートキャッチさんの後期ED。

数多のイベントで切り札として使われてきた曲…と勝手に思ってる。
このお唄の肝は「手拍子で盛り上がれる」こと。

他のプリキュアソングと違い、最初から手拍子がばっちり入っており、やっててとても楽しい。しかも変に難しくない。1コーラス聴けば、初見でもどうにかなる。
これ、「コアなファン以外の人」が盛り上がるのに、とても大事。

最初に実感したのは確か大学の学園祭イベント
お子様はもちろん大喜び。でも子供の付き添いで来てるだけの大人や、「とりあえず会場があったので休憩してるだけ」な人にとっては、単なるバックミュージックでしかない。
普通にステージに背を向けて、普通に別のことやってる。そんなある種のアウェイ。
逆に、それなりに熱心に見てる人も、盛り上がりたくても声を出すのはハードルが高いし、そもそも良く分からない。
もちろん私らも、狂乱してコールをあげたりはできません。というか、やるべきではないと思う。

そんな環境で。このお唄は実に強い。だって手拍子だけでいけるんだもの!
得てして見ているだけになりがちな他のEDダンス曲群と違い、くどまゆさんを中心に熱い団結があります。
原曲からして「女性スタッフ有志によるバックコーラス」ですよ。「みんなで盛り上がる」けど「一緒に踊る」とは一線を画す、この高揚感…!

劇場版仕様の花咲さんの微妙なノリも好きです。えんじょいはーと!当時は一際「嗚呼、花咲さん達と一緒にお仕事頑張ってらっしゃるな」感があったなぁ…。
(例えばこれ。ブロ子やマリンさんと一緒にインタビュー受けるくどまゆの図)

歌詞。

 『本当の努力賞は 自分を信じた想い』
 『へこんだ日に 君がそっとくれた勇気 嬉しかった…!』
 『歩こう 雨が止んだら』
 『前向きに かかと鳴ならしていこう』
 『空に虹を描いて』
 『みんな寄り添い合って』

誰かを励ます1番につづき、2番は自分が立ち上がる歌。
あるいは1番で励まされた人の視点による、2番の歌詞。

「ハートキャッチ」さんといえば「他人の事情は分からない」。
オリヴィエと男爵の過去を、花咲さんたちは全く知らない(回想の形でしか流れておらず、言葉に出していない)。
逆にオリヴィエから見れば、花咲さんらが何でパリにいるのかも分からんし、何があって今の彼女らがあるのかも、本当のところは分からない。
が、あの短い一時で「何かがあって、今の彼女らがある」ことは分かる。

同じことはパリ市民にも言える。
街角で泣いてた花咲さんの事情なんて彼らには分からない。突如現れたデカいトカゲと、もっとデカい女の事情なんて分かるわけがない。分かる奴がいたら少しおかしい。
それでも「何かがあって、今そこにいる」し「何かを困ってる」ことは分かる。だから助ける。それは直接的な解決策ではないのだけど、まさに「そっとくれた勇気」。

ハートキャッチさんのテーマをびしばしと感じるし、その雰囲気と「手拍子」がとても合ってる。
くどまゆと同じダンスを踊ったり、激しくコールしたりするのと比べれば、実にささやかな「手拍子」。でもそれがこの曲らしい。
隣りで手拍子してるあの子連れの親父さんの事情なんて分からん。でも何かがあってここに至ってるんだろう。
くどまゆを崇めつつ、主役はくどまゆなのに、他のダンスソング以上に連帯感がある、実に素敵な曲だと思う。

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