穴にハマったアリスたち

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工藤真由さんを振り返る11:「プリキュア ~永遠のともだち~」

2017年04月10日 | 工藤真由さん
【プリキュア ~永遠のともだち~】

「NS1」主題歌。

平和な日常。そこに敵が現れた。たちまち悲鳴の阿鼻叫喚。そこに現れる伝説の戦士たち。
皆で手を振り応援し、それに応えてプリキュアさんが敵を粉砕していく。

何度となく見たいつもの光景です。それなのに。嗚呼、それなのに。

NS1のオープニングは、その絶望的なまでの恐怖に、鳥肌立てながら思わず涙すら出ました。
嫌でも思い知らされる。「結局のところ、私は応援しているだけだ」の現実。
何が起きているかは分かる。でも脅威に立ち向かう背中をただ見ているだけ。
なんだこれ。どうして私は、あの子らと一緒に戦っていないのだろう…?

そして流れる「永遠のともだち」。タイトルはまさしくそのまま「プリキュア」。

 『ありがとうが響く空』
 『愛している 仲間がいて 強くなれる』
 『転んでも立ち上がり 紡がれる伝説』
 『振り向かず前を見て 辿り着く真実』
 『微笑みで通じ合う。全員が、プリキュア』

歌はすこぶる格好いい。
たまたまこの時、主題歌の情報を全く仕入れず映画館に行きました。(特に何か意図があったわけでもなく、本当に偶然)
おかげで本当に心底衝撃だった。猛然と唸りを上げるシューティングスター。花咲さんらの謎の光弾が乱れ飛び、接敵したプリキュアさんらが入り乱れ。雄叫ぶメロディさん、そして乱舞する必殺技。
「普通の女の子」と「伝説の戦士」の紹介カットをバックに、鳴り響く、くどまゆの歌声。

凄まじく格好いい。格好いいだけに、胸を貫きます。
くどまゆさんの歌声に覆われて、直接的には声も聞こえず、顔も正面から見えないまま。
いつの間に、こんなに差がついたんだろう。もう、あの子らには追いつけない。私は、プリキュアになれないんだ。

歌詞も凄く良いのだけど、ある意味、救いがありません。
映画館から帰り、初めてフルを聞いた時、胸が高鳴ると同時に、ほとんど無意識なまでに歌詞を追いかけた。
でも歌われているのは、プリキュアさんらの強さばかり。私は、その輪には入れない。
直接的にはそんなことは一言も歌われていないのに、胸が高鳴れば高鳴るほど痛感します。この絶望的な断絶。

不安と恐怖が高まる中、遂にお歌は終わり…。やはりどうにもならないのだと絶望したその直後。
くどまゆさんの最後のお言葉が響く。

 『みんなも プリキュア』

本当に、この一言をどれだけ支えにして立ち上がったことか。
同年の「スマイル」さんのテーマからして、「メルヘンは存在しない。しかし存在を信じて立ち上がれたなら、その姿こそをがメルヘンだ。メルヘンは、存在する」。もう、戦うしかないじゃないか。

ライブでの盛り上がりもちょっと異質。
他のプリキュアソングのように、コールを入れる箇所はほぼない。
その代り、サビは拳を握りしめ、こみ上げる思いを叩きつけるように手拍子する。
聴き終わって放心するというより、得体の知れない勇気と力が湧いてくる曲です。

色んなイベントで唄われて、そのたびに震えたのだけど、あえて一つ選ぶならCureMetalNiteかなぁ。
歌も演奏もどっちも本編。間奏が長い歌なこともあって、もう全てが殴りかかってくる感じ。
あとA.Riseも印象的に残ってる。プリキュア知らない人が多数の状況で、「みんなもプリキュア」。『プリキュア』はもはや、特定のキャラクターを指した単なる固有名詞ではなく、普通名詞だ。

もし「最後に1曲だけ、くどまゆの歌を聴けるなら」と聞かれたら、多分「永遠のともだち」を選ぶと思う。
この歌を聴いて立ち上がれなかったら、信じた「プリキュア」を否定することになる。メルヘンが実在しないことなんて知ってるが、大好きなメルヘンを自らが否定するのは嫌だ。だから起き上がって立ち向かうしかない。
人生を支えてくれたし、これからも胸の芯に持ち続けたい歌だと思う、本当に。

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