穴にハマったアリスたち

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Yahoo!特集:「“朝型人間”目指しませんか?」

2011年04月15日 | 王様の耳はロバの耳
Yahoo!さんのトップページが「朝型生活」特集だった。
私はこの朝型賛美がどうしても理解できない。
そんなわけで思うところを書いてみる。

大まかな疑問点はこんなところ。

(1)人間の体内時計は25時間弱なので、少しずつずれていく?

それならば当然、「夜型」→「超朝型」→「朝型」→「昼型」と遷移していくはずなのに、そうはならない。
結局「夜型」は「夜型」のまま。
従って(1)は経験的に受け入れられない。

(2)だから朝日を浴びてリセットする必要がある?

第一に、明りに反応するのだから「朝日」に拘る理由が不明。
起きたその時に陽光を浴びれば、そこでリセットされるので、それで済む話です。
「快適に起きたければ、目覚めてすぐにカーテンを開けよう」という程度の意味なら納得できるけれど。

次に、「起きたその時」が自然な覚醒のタイミングなのだから、わざわざ早い時間帯にリセットする理由が分からない。
「毎朝、遅刻している」等なら問題ですが、そうでないなら早い時間帯にリセットする必要性は何なんだろう?
そして「遅刻している」のなら、それはただ単に「早起きしよう」というだけのことであり、「リセット」効果の有無は直接には関係ない。
(早い時間に「リセット」されないから遅刻しているのではなく、根本的に時間が足りないから遅れている)

そしてそもそも非常に疑問なのですが、何時に起きようと、陽光を浴びるのは「起きた後」なんです。
要は「朝日を浴びて体内時計をリセットする」ためには、「朝早く起きる」必要がある。
でも「朝早く起きる」ためには「体内時計をリセットする」必要があるし、起きれているのなら「リセット」されてるんです。
何かおかしくないですか、これ?
「起きた後」の活動効率を上げるという意味合いなら、別に何時に起きようと陽光が出ていれば「リセット」されるので同じこと。

「目覚まし時計をセットするよりも、カーテンを開けたまま眠れ(そうすれば朝日で目が覚める)」といった理屈なら理解できるけど、そういう展開もあまり見かけたことがない。

(3)日光を浴びればリセットできる?

陽光にそんな神通力があるのなら、屋外に出るたびにリセットされるはずです。
ここまでくると、そもそも「体内時計をリセット」ってなんだ?という疑問すら沸く。
暗めの部屋で半日作業した後に外に出たら、「今が朝だ」と認識するの?

[追記]
 「体内時計を調整する体内物質は、朝方にしか分泌されないからだ」という説明を見ました。
 その「体内物質」とやらは、どうして朝方にしか出ないんでしょうか。
 「今が朝だ」と判断するための体内時計をリセットするために、日光を浴びようという話をしているのに。
 正確に朝を認識して分泌しているのなら、そもそも狂ってないですね、その時計。

また、時差ボケの説明がつきません。
陽光にそんな超パワーがあるのなら、すぐに適応するはずなのにそうはならない。
(実験により、光によるリセット効果は±3時間程度しかないことが分かっています)

(4)人間は太陽と共に生活してきたのだから、日の出とともに起きるのが自然で健康に良い?

必然的に「では夕方は日の入とともに寝るべきだ」と続くはずなのに、そういう説明は聞いたことがない。
この時点でただの戯言だと思ってる。
そもそも(1)と矛盾してます。

(5)寝る前にパソコンやテレビを見ると、眠れなくなる?

ではどうして会社の昼休みにバタバタと寝ている人がいるのか。
考えられるのは、「夜よりも昼の方が眠気が強い(ヒトは元来夜型である)」か「パソコンを使用することによる活性化などたかが知れている」のどちらか。
まぁ「仕事では脳を使ってない」という可能性もあるのかしら。

(6)朝型は健康に良い?

根拠が不明。
朝型・夜型ともに、睡眠時間を8時間とすると活動時間は16時間。
この内、陽光を浴びる時間は…というと、それほど大きくは変わらない。
結局のところ屋内にいれば直射日光を受けないのだし、信奉される「朝日」も夜型であっても享受できる。
違いと言えば、ビルの外で太陽が昇っているかいないかだけ。何の影響が出るのだろう…?

(7)朝型は能率が上がる?

根拠が不明。
「能率の上がるピークの時間帯」に異なりがあるだけに思えます。
「早起きして出社前に作業をするとはかどる」というのは、
「起きた直後に活動すると良い」「出社前という時間の限られた状況だと集中力が増す」「早朝という時間帯には魔力がある」のいずれなのかはちゃんと考える必要があります。
なお一番最後が正解だとしたら、どうして文明は早朝の活動を主軸に発展しなかったのかも。


…と、そんな感じで、「現代人の生活は夜型に適応しており、朝型に合わせようとする発想自体が間違っている」というのが私の考え。

以前にも書きましたが、「体内時計を左右しているのは陽光ではなく、食事だ」という説に、経験上から賛同します。
(4)からの派生でいえば、元々ヒトは「日の出とともに起き、日の入とともに寝る」ように設計されてるのだと思う。
つまりは、本来ヒトは「夕方6時ごろには食事をとり、寝る」ことを想定している。

しかし現実には夕方6時に夕食を摂取している人は少数派だと思います。
社会人なら、いたって普通に9時10時になりかねない。
そして(3)により、「陽光のリセット効果は3時間しかない=それ以上にズレた生活をしていると永続的に時差ボケが発生する」ことが分かります。
本来は夕方6時に食事をとる想定なのに、10時に食べてしまったら、4時間の誤差。朝日様程度の時計調整では追いつかない。
これが放っておくと夜型になり、そのまま固定する理屈だと思います。(そして食生活を変えないままに朝型を目指しても破綻する理由)

私の経験上、これの証明は簡単です。
今まで「帰省したり旅行に行くと、普段よりも早い時間帯に眠くなる」ことが不思議でした。
旅行疲れ…という説明もありますが、移動しなかった日でもそれが起こる。
では普段の生活と何が違うか?といえば、「夕食の時間が早い」。
この影響で夜の眠りのタイミングが早まってるのだと思う。

そういったことを踏まえつつ。
Yahoo!さんの特集の中にあった「朝型に移行するにはどうすればいいか?」への回答は、「とにかく早い時間帯に夕食をとる」が正解かと思います。
「陽光の効果は薄い」「肝心なのは食事」「そもそも何故朝に拘る?」という3点は、非常に大事なんじゃないかな。
コメント (2)
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