老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

SDGsを市民の権利であり義務であるとの立場から意識して付き合っていく(3)食べる事とSDGs:自身の食事状況をみることの意義と油脂の問題について

2022-07-02 14:36:11 | 社会問題
前回健康維持に大切な日々の蛋白質摂取量を基に、SDGs的な観点で米と魚離れが継続して起こる一方、畜肉食品への嗜好が高まることにより起こると思われる問題点(効率性の悪さ・途上地域から先進国への耕作地資源と水資源の移行問題等)を取り上げた。各食品素材の摂取の実態をマクロ的に把握する作業を行った所だが、今回は逆にミクロ的に自身の食事状況の現在地を確認してみることの意義を少し紹介してみたい。

一日に必要な望ましい蛋白摂取量は男性で60~65g、女性で50gとされている。日常生活の運動の度合いや老若の違いや、そして例えば妊婦の授乳時の場合のような場合に更に多くの量を必要とするケースがある点は要注意です。

必要とされる量を60~65gと仮定すれば、先回の結論で現在は平均として取りあえず70g以上の量は確保出来ているようで、問題ない状況であると思われるが、具体的に自身の摂取状況については、それをアバウトには捉えていても、きちんと把握していないことが多いのではと思っています。私がそうでした。

簡単にできることなので、試しに自身の食事状況をきちんと見てみようと思い立ちやってみました。更に自身の食事状況をきちんと把握することで初めて見えてきたこともあり、意義があったと思っています。

先ず、第一に必要なものは“秤”になります。1g刻みの秤も販売されていますが、0.1gまで測れるのが必要と思います。量販店等にて数千円で入手できます。

そして次に必要なものは毎日の主要な食材の蛋白質量のデータを揃えておくことになります。人それぞれですので、一例として参考にしてください。

 ご飯(茶碗1杯150g)   3.8g
 納豆(1パック)      6.6g(40g入り)  8.3g(50gパック)
 卵(1個)          6.2g(50g)
 マイワシ         11.4g(3尾72g)
 釜上げシラス       15g(100g)
 はたはた(生干し)      16.7g(100g)
 かまぼこ・ちくわ      12g(100g)
 豆腐の味噌汁        1g(味噌)+2.8g(豆腐40g)  合計3.8g
 油揚げ           18.4g(100g)
 うどん           4.7g(茹でうどん180g)
 ソバ            8.6g(茹でソバ180g)
 鳥ムネ肉          22g(100g)
鳥ささみ          23.9g(100g)
豚肉            14g~20g(100g、部位による違いがある)
 シャケ           22.5g(100g)
 カジキ           19.2g(100g)
 たら            17.6g(100g)
 ヨーグルト         4g(100g)
 きな粉           3.7g(10g)
 大豆煮豆          5.8g(40g)
 黒豆煮豆          2.6g(40g)
 えごま(種)          1g(5g)

上の基礎数値と“秤”を手元に日々の食材の重量を秤量することにより、自身の日々の食事の蛋白摂取状況が簡単に把握出来ます。

私自身数日行った結果によると、
1. ほぼ65~70gを超す蛋白を日々取っている。
2. 主食としての魚や肉の量が過大であったことがハッキリと理解出来た。以前抱いていたイメージでは主食の魚や肉は100g以上が必要と勝手に思い込んでいたのですが、日々の食事全体のたんぱく量をきちんと測ることで、現在では主食の魚肉類の量は70%程度に減らしてもOKと思えております。
3. 更に、私の場合には、最近意識的に食べ始めた煮豆類(日々40g程)やきな粉(日々10~15g程)を組み込み始めているので、それを勘案して食事の量と内容の是正を客観的に行っているのが実態です。過不足のない食事を見つめる事は健康面の意義だけでなく財布にとっても意義深い取り組みが可能になると現在は思っています。

個人の健康の改善と維持がSDGsの基盤と思います。こんな作業に取り組めば自身の食事事情を客観的に捉えることが出来るわけで、やってみる価値有りと考えております。

しかし食べることは保守的なもので、個人個人で慎重に考えるべきものですので、あくまでも参考として見ていただければ、と思います。

厚労省は“21世紀の国民健康づくり運動”を推進しており、その運動において“大豆を含む豆類は牛乳・乳製品等と共にカルシウムに富む食品として1日100g摂取を目標としている”との指針を打ち出しております。豆類をもっと日々の食生活に組み込んでみようかと思ったきっかけの一つです。

煮豆類は日々の食事に組み込むのは容易ですが、きな粉の組み込みは“粉もの”であることから食べ方に工夫がいると思います。参考までに2つの食べ方を紹介すると、きな粉は味噌汁と相性が良いようで、10g程を加えると濃い目の味噌汁の雰囲気になり、問題なく食べております。もう一つは夜寝る前にプレーンヨーグルトを100g程度食べていますが、これにもやはり5g程度のきな粉を混ぜることが出来ると思います。参考になれば幸いです。

以前から食べている朝の納豆(40g)に加えて、きな粉(15g程)及び煮大豆(日に40g程)や味噌・豆腐・醤油を合わせると100~120gの大豆(これだけで20g近くの蛋白になる)を毎日食べている形になっている状況です。
厚労省の21世紀の国民健康づくり運動の期待される“豆人間”を正に実践していると思っています。

現在の市民の豆類摂取状況は、前回触れていますが繰り返すと、調理済みの豆類食品(大豆と雑豆を併せての調理済み煮豆食品)の供給量は2004~2019年の間あまり変動はなく、50~60gの間で推移しており、70才以上の年齢層では全体の平均より15g程多い約77gを食べているというのが現状です。

現状の70才以上の人の摂食量を更に50%程多く取るという事になることから、もう一つの大切な栄養素である油脂のことが気にかかり始めました。

蛋白質の摂取量という基準でのみ日々の食事の内容の是非を判断したり、更に是正材料として大豆食品を多めに組み込んでいくことは、併せて多くの油脂類を摂取していくことに繋がる取り組みでもあり、油脂類の健康面への影響の現状の知見を併せて見ていく必要が当然あります。

油脂類の問題は複雑であり、用語の説明だけでもかなりの分量になりますので詳細は次回に譲るとして、入り口部分の情報を紹介します。

豆類の油脂量   大豆19.7%  小豆・インゲン・えんどう・そらまめ等1.7~2.3%
  油脂量の多い大豆・落花生(47.5%油脂)と油脂分の少ないその他の雑豆類がある。

大豆の油脂中の構成脂肪酸組成:
飽和脂肪酸(パルミチン酸ステアリン酸等)10+%
一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)25+%
多価不飽和脂肪酸(α-リノレン酸:ω3)10%弱
多価不飽和脂肪酸(リノール酸:ω6)50%程

大豆の構成脂肪酸中のω3(オメガ3)α‐リノレン酸とω6(オメガ6)リノール酸との比率が最近の健康上の話題の一つになっています。

SDGsを身近な問題として市民が取り組む必要があることを、実はこのω6とω3との摂取比率の問題が提示していることを最後に触れてみます。

大げさに聞こえますが、狩猟採集に頼っていた旧石器時代からつい最近の20世紀初頭まで、実はω6とω3の比率(ω6/ω3)はほぼ1である状況が続いていた、といいます。
それが20世紀始め以降、ω6の摂取量の増加とともに反対にω3の摂取量の低下が始まり、今では西欧諸国では10を超えて20にも30にもなっているという。魚食文化が低下中と言えども、一人年間20kg程度は魚が供給されている日本ではそこまで大きな比率になっていないものの7とかそれ以上になっている模様です。

現在望ましいとされる比率は4以下、可能ならば2.5を目指すべきと言われています。
冠状動脈疾患やガン・関節炎や認識機能や心の安定等にその比が影響すると言われています。

どうしてこのような事態になったかの切っ掛けの出来事を2つ紹介しておきます。

一つは牛・豚・鳥の飼育法の革新と称する転換。従来の牧草を食んだり、雑穀を食べて育つ飼育が、効率化の為と称してコーンと大豆粕を主体とした濃厚飼料を与える飼育に置き換わったこと。

もう一つは植物油を製造する企業の出現。それにより生産される植物油を利用する加工食品メーカーの隆盛とそれに依存する市民の食生活の変化。

大豆油のその比率はほぼ7で、コーン油に至っては50以上の比率と言う事を考えると、市民が食するω6とω3との比率が急速に増大・悪化していったことはこの2つの革新と称する社会構造の変化の当然の帰結だったと言えます。

飼育法の革新的転換や植物油生産の革新的出現。ωの健康上の知見が集まるにつれて果たして150年前ほどにさかのぼる、これらの革新が果たして“良き革新だった”のかどうか。これらの革新により成立し、成熟してきている社会構造の是非を、市民の立場から少なくとも取り上げて考えていく姿勢は必要と思っています。
巨大企業に都合良いSDGs作りとその実践だけでは、如何にそれが革新的に見えるものであったとしても危うい部分を含んでいるものだと、いう事例は他にも多くあるでしょう。

今参院選の最中です。例えばこのωの健康問題にからむ社会の問題を意識的に取り上げる党もマスコミも無さそうに見えます。

市民の発想をも、何とかSDGsに組み込むシステム・チャンネルを作りたい、と思う一方この問題を含めて他の多くの同じような社会問題にも広く目くばせが出来る政党活動であってほしいものです。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan

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