老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

骨がらみ!コロナ対応に見る日本政府の棄民政策

2020-04-06 11:34:33 | 社会問題
東京のNY化の懸念が現実のものとなりつつある。

日本沈没(3)でも書いたが、小池知事が急にTVに出始めた。東京オリンピック延期の決定で、東京の感染者の増加をこれまでのように隠す必要がなくなったのだろう。

そうなると、次は、危機に強い知事をアピール。都民の関心をひきつけなければならない。彼女一流の嗅覚で、コロナ危機を政治利用。次期東京都知事選に全面的に利用しようという魂胆が見え見え。あまりにも露骨なので、顔を見ているだけで、反吐が出る。

安倍首相も本当に無能なのだなとあきれ果てる。これだけ人々の生活がひっ迫し、明日の飯すらままならない人々が増加しているのに、布製のマスクを2枚配る。それがもったいぶって言う政策か。

朝日新聞によると、首相官邸官僚の進言だそうだ(経産省官僚)。私流にいうならば、チーム安倍の政策なのだろう。東大を出て、官僚になった日本の頭脳なのだろうが、これでは日本は沈没するはずだ。

彼らは「権力を行使」する事の怖さを知らない。「権力を行使する」と言う事は、その「権力行使」によって、得をする人間と損をする人間が出ると言う事を意味する。

得をした人間はいざ知らず、損をした人間は、強い恨みを抱く。つまり、「権力を行使する」人間は、常に、不特定多数の怨念の上に存在していると言う事を忘れてはならない。この怨念の集積をきちんと計量できないと、いつの日か痛烈なしっぺ返しを食らう。

ところが、権力を恣意的に行使する事に慣れると、自らの権力行使がどんな結果をもたらすかを正確に計量する事が難しくなる。現在、マスクが不足しているのだから、今マスクを配れば国民の感謝をもらえる、というのが、彼らの計算なのだろう。彼らが分かっていないのは、国民の心配はマスク不足などというところにはない、と言う点だ。

コロナで死ぬことも怖い。家族の健康も心配。こんな経済状況で、明日の飯も心配。一体全体、自分たちはどうなるのか。何とかしてほしい、というのが切実な願い。日本沈没(1)で書いたグレゴリー・ザムザの「不条理な世界」を、虫のように這いずり回って生きる人間の苦悩が凝縮されているのである。

この苦悩に対する答えが「マスク2枚」なのか。この無能さ、この鈍感さは一体何なのか。これが、「権力の恣意的行使」に慣れた連中の感性なのである。あきれはてて言葉も出ない。

実は、太平洋戦争時代の軍部や政治家や官僚の感性も似たようなもので、彼らの無能さや鈍感さが、多くの犠牲者を輩出させた最大の原因である。

下のグラフをよく見てほしい。1944年以降に死者が大幅に増加している。太平洋戦争の死者の9割以上は、1944年のサイパン島陥落以降に出ている。
https://nenji-toukei.com/n/kiji/10012/死亡数
しかも、兵士の死亡原因のトップは、餓死。

戦争の帰趨は、1944年のサイパン陥落ではっきりしていた。もはや、日本軍に勝利の機会はなかった。残る政治課題は、如何に「迅速に戦争を終結するか」に尽きていた。しかし、日本政府も軍部も戦争終結の決断をすることができなかった。【敗戦】と言う現実を認める事が出来なかった。

結局、愚図愚図と決断を一日延ばしにすることで、日本軍の兵士も国民も絶望的な戦いを強いられ、出さなくても良い多大な犠牲を強いられた。沖縄戦然り。長崎広島の原爆然り。1945・3・10の東京大空襲然り。さらに言えば、満州・朝鮮半島の日本人入植者などは完全に捨てさられた。これぞ、棄民政策と言わなければならない。決断できない政府と軍部の無能さが招いた結果である。

戦後最大の危機と言って良い今回のコロナ感染問題。相変わらず、日本の政治や官僚たちの「無能さ」と「鈍感さ」は変わらない。

厚生労働省や官邸官僚たちの愚鈍さ、鈍感さは、彼らが【減点思考】のみで行動してきたつけである。何よりミスが怖い。そのため、決してのりを外さない行動しかしない。

こういう緊急事態(危機管理)では、ミスのない方法論などない。何故なら、こういう緊急事態では、何より優先されるのは、「スピード」である。一日決断が遅れれば、それだけ犠牲者が出る。犠牲者を少なくするためには、迅速に手を打つしかない。

ところが、「スピード」を優先すれば、必ずどこかに「ミス」は出る。その「ミス」を恐れていては、事態に対処できない。この思い切りのない人間たちに危機管理などできるはずがない。

例えば、PCR検査を意図的にネグレクトしたつけは、現在の東京などの感染爆発の危険性に現れ始めている。例えば以下の記事などは、それを象徴的に示している。

隠れコロナか 東京都で「インフル・肺炎死」急増の不気味
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/271310

以前にも書いたが、オリンピックのためにPCR検査をネグレクトするなどと言う発想は、外国人にはない。

新型コロナ対策よりも五輪開催を重視した日本政府と東京都 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/271322
孫崎氏は外交官。彼の指摘は的を得ている。

これで、戦後最大の危機に対処できるはずがない。結果として、見事な【棄民政策】を実践している。自己責任の名のもとに捨て去られた国民は、危機が過ぎ去るまで、亀の子のように首をすくめて、やり過ごすほかはない。

「護憲+コラム」より
流水

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