今回の静岡地裁での再審開始の決定を取り消した東京高裁決定は、明らかに「司法の犯罪」というべきものである。静岡地裁での再審開始の決定から4年も経過しているというのに、この裁判官たちは何を考えているのか、理解に苦しむ。
(この事件に不案内の人は、事件の詳しい経過を記した著書を何か読んでいただきたい。それは義務でもある。)
事件の経過は以前にも詳述しているので、省略する。
袴田さんは証拠もないのに突然逮捕され、任意の取調べでは容疑を否定していた。だが、トイレにも行かせてくれない、睡眠も十分に取れない「拷問に近い」強制的な取調べにより(この取調べは憲法及び刑訴法で禁止されている)、頑強な袴田さんも自分がやったと(虚偽の自白)供述した。元プロボクサーでも強制による取調べに抵抗できなかったのである。
この取調べだけで本来は有罪にできないのが憲法であり、刑訴法である(憲法38条第2項)。明らかに原審の有罪判決自体が誤った、違法な判決なのである。
この違法な有罪判決で、袴田さんは47年も拘禁されていた。死刑判決が出てからは「拘禁反応」という精神疾患に苦しんだ。死刑判決を受けた「無罪の人」が精神に異常を来たすのはある意味で当然である。47年も拘禁されていて死刑になっていないことは、袴田さんの死刑判決を司法自体が疑っていることを示している。
詳細は省略させてもらい、要点に移る。
袴田さんの自白だけでは有罪にできない(憲法38条第3項)ので、捜査官は物的な証拠が要求される。ここが最大のポイントである。では、袴田さんの自白に基づいた物証は存在したのであろうか。否である。
そこで、不思議なことが起った。突然、事件から1年以上も経過したときに、味噌ダル(事件は味噌製造会社の専務一家が殺害された事件である)の中から、衣類など5点が発見されたのである。今回の再審決定(特に静岡地裁の再審開始決定)の帰趨を決する「物証」となった衣類である。
特に袴田さんのズボンとされたものに血液が付着していた。しかし、このズボンを袴田さんが何度はいても脚が入らなかった。元ボクサーの袴田さんの脚には合わないズボンだったのである。
また、シャツにも血液が付着していた。シャツは袴田さんが殺害時に格闘になり出血した血液と言われて、筑波大学の本田氏が鑑定した結果、すべての衣類からは袴田さんの血痕は見つからなかったというDNAによる鑑定意見が出された。また、5点の衣類に被害者の返り血もないという鑑定結果である。
また、検察側の鑑定人X氏の鑑定も、袴田さんの血痕かどうかは断定できないというあいまいなものであった。
そして、この本田鑑定を信用して静岡地裁は再審の開始決定を下したのである。しかも捜査官か誰か(真犯人かもしれない)が証拠を捏造した疑いが強いとしている。静岡地裁の決定は「耐え難いほど正義に反する」というものであり、捜査官の証拠の捏造まで指摘していた。
それから4年、東京高裁はこうした証拠の捏造や強制による自白(憲法で禁止されている、証拠能力も否定されている)を無視して、本田鑑定は信用できないというふざけた理由で、静岡地裁の再審開始の決定を取り消したのである。
「護憲+コラム」より
名無しの探偵
(この事件に不案内の人は、事件の詳しい経過を記した著書を何か読んでいただきたい。それは義務でもある。)
事件の経過は以前にも詳述しているので、省略する。
袴田さんは証拠もないのに突然逮捕され、任意の取調べでは容疑を否定していた。だが、トイレにも行かせてくれない、睡眠も十分に取れない「拷問に近い」強制的な取調べにより(この取調べは憲法及び刑訴法で禁止されている)、頑強な袴田さんも自分がやったと(虚偽の自白)供述した。元プロボクサーでも強制による取調べに抵抗できなかったのである。
この取調べだけで本来は有罪にできないのが憲法であり、刑訴法である(憲法38条第2項)。明らかに原審の有罪判決自体が誤った、違法な判決なのである。
この違法な有罪判決で、袴田さんは47年も拘禁されていた。死刑判決が出てからは「拘禁反応」という精神疾患に苦しんだ。死刑判決を受けた「無罪の人」が精神に異常を来たすのはある意味で当然である。47年も拘禁されていて死刑になっていないことは、袴田さんの死刑判決を司法自体が疑っていることを示している。
詳細は省略させてもらい、要点に移る。
袴田さんの自白だけでは有罪にできない(憲法38条第3項)ので、捜査官は物的な証拠が要求される。ここが最大のポイントである。では、袴田さんの自白に基づいた物証は存在したのであろうか。否である。
そこで、不思議なことが起った。突然、事件から1年以上も経過したときに、味噌ダル(事件は味噌製造会社の専務一家が殺害された事件である)の中から、衣類など5点が発見されたのである。今回の再審決定(特に静岡地裁の再審開始決定)の帰趨を決する「物証」となった衣類である。
特に袴田さんのズボンとされたものに血液が付着していた。しかし、このズボンを袴田さんが何度はいても脚が入らなかった。元ボクサーの袴田さんの脚には合わないズボンだったのである。
また、シャツにも血液が付着していた。シャツは袴田さんが殺害時に格闘になり出血した血液と言われて、筑波大学の本田氏が鑑定した結果、すべての衣類からは袴田さんの血痕は見つからなかったというDNAによる鑑定意見が出された。また、5点の衣類に被害者の返り血もないという鑑定結果である。
また、検察側の鑑定人X氏の鑑定も、袴田さんの血痕かどうかは断定できないというあいまいなものであった。
そして、この本田鑑定を信用して静岡地裁は再審の開始決定を下したのである。しかも捜査官か誰か(真犯人かもしれない)が証拠を捏造した疑いが強いとしている。静岡地裁の決定は「耐え難いほど正義に反する」というものであり、捜査官の証拠の捏造まで指摘していた。
それから4年、東京高裁はこうした証拠の捏造や強制による自白(憲法で禁止されている、証拠能力も否定されている)を無視して、本田鑑定は信用できないというふざけた理由で、静岡地裁の再審開始の決定を取り消したのである。
「護憲+コラム」より
名無しの探偵
もし指導要綱が間違っていても、教育を変えるということが出来ない。裁判所が、一度下した判決を見直す、再審が出来ないのも、裁判官自身が、鉄が熱いうちに打たれて、自身の考えを変更できないからだ。これは何も高級官僚に限らない。一般人でも変わらない。日本人は幼児の時に日本語を覚える。鉄は熱いうちに打てば簡単に覚える。でも固まった後ではなかなか覚わらない。英語を10年勉強しても英語を喋れないのはその為である。英語だけでなくて、情報処理教育でも同じである。データーの並べ替え、ソート、マッチングなど超初心者のアルゴリズムの試験に合格すれば、国家試験の合格通知がでる。しかし、米国の教育は違う。マッチングの型は有害無益である。では何を教えるのか。猿に言葉を喋らせるプログラムを学生に課題として与える。1970年代UCLAで行われていた。そのプログラムはまだ誰にも実現できていない。しかし
。人工知能として徐々に近ずいている。人工知能の世界で、日本は遅れている。鉄を熱いうちに打てしまったから、修正が出来ないのである。日本は一流という成功体験があるから、大人は修正できない。若者は一度の合格で固まるのではなく、それは単なる通過点として、自らが持つ能力を開花させてほしい。