老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

「憲法」リフォームの提言

2010-02-20 13:48:36 | 憲法
日本国憲法が世に出る契機は、大日本帝国憲法の全面的否定を必須とせざるを得ない事態の到来であった。大権は、国民へと移ったのである。これを革命と言わずして、何を「革命」と言うか。

しかし、穏便な権力移動を装うと言うか取り繕うと言うか、否定される憲法の規定(第73条)にその根拠を置くという珍妙な形式が執られ、よって、章・条の配列も改正前のそれに倣ったものとなったのであろう。

だが、物事を書き記すに先ず書くは、枝葉末梢ではない。最も重要なことから書く。この国・社会の根本を表す憲法においての最大事は、「主権に関する規定」である。第一章第一条には、主権の存する者についての規定を置くのが、理の当然である。

第二条以下には、国民要件や参政権をはじめとする権利・義務規定を盛り、章の最後に象徴天皇に関する規定を配する。ここには第一子による世襲等存続に関する規定も明定する。

第二章は、現行の戦争の放棄に関する規定に加え、国際関係に関する基本的立場を明示する。

第三章は国権の最高機関たる国会に関する規定を置き、第四章には国と地方の役割分担の基本とそれぞれの構成等の大綱を盛り、公財政に関する基本も配する。国の役割は限定的かつスリムに、地方所掌の各種水準に不均衡が生じないようにするための仕組み構築に最大配意すると共に、徴税の本質は所得の再配分機能であることも明示したら良い。

本文ももとよりの事ながら、前文も重要である。仄聞するに某氏試案には、情緒的にこの国を讃える文言がちりばめられているやに聞くが、そんなものは要らぬ。この憲法を確定するに至った歴史的反省と将来への建設的展望が、憲法全文を貫く理念として語られていれば足る。

そして何より大切なことは、「条文解釈」などという恣意の入り込む余地を残さないことだ。必要に応じた起草趣意書の付属文書化も考えられよう。

このような「リフォーム」に取り組んで然るべき時に来ているのではないだろうか。
 
老兵は貴重な経験・記憶と共に消えて行くのである。繰り返す歴史への道は、閉ざしておくに如くはない。そう思えてならない時の流れと見るのだが、如何でしょうか。

「護憲+BBS」「あらまほしの交差点」より
百山
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする