9・25のアサヒコムによれば、表題の殺人事件を起こした18才の青年に対し、「大阪家裁(小島正夫裁判官)は25日、第2回少年審判を開き、刑事裁判での審理が妥当として、検察官送致(逆送)とする決定を出した」とのことである。
http://www.asahi.com/national/update/0925/OSK200809250030.html
上記記事には報じられていないが、同日の朝日新聞朝刊は、少年は家裁の審判段階の精神鑑定では「広汎性発達障害」と診断されていた、と報じている。にもかかわらず、今回裁判長は刑事責任能力有りと認定し、刑事裁判での審理が妥当として、検察官送致(逆送)の決定を下したようである。
最近「広汎性発達障害」者の犯罪をよく耳にするが、このような障害者の初犯と再犯罪の確率は結構高いようである。小生も特別支援学校(旧名:養護学校)で教諭をしていた知人がいて、話を聞いたことがあるが、原因は先天的に脳のどこかに障害があり、その症状は千差万別のようである。
確か15年ほど前に、NHKテレビで「学級崩壊」という番組だったか、ある小学校の学級で、先生がいくら注意しても授業中に教室を歩き回る生徒が何人か居て授業が成り立たず、手を焼いて困り果て、指導方法が分からない、と悩みを吐露している番組があったことを覚えている方も居られると思う。
今はこうした障害を専門用語で注意欠陥多動性障害と呼ぶらしが、これも発達障害の一種のようで、現在は普通の小学校にもこのような障害の特質について専門知識を持った先生が最低一人は居て、授業の補助をして対応がなされ改善されつつあるようだ。一方重度の障害者は特別支援学校(旧養護学校)でほぼマンツーマン教育の体制が敷かれているようである。
また知人の話では、このような障害児は言葉も十分話せない2才位から、何らかの症状(例えば不満があるときは壁に頭突きをするなど)が現れるらしいが、親に発達障害についての知識がないと、単なる癖と思い気に止めない場合も多く、小学校高学年、中学校になっても誰も障害ということに気が付かずに、周りからは変人扱いされている場合も結構多いようである。
この年齢になると仲間からイジメやつまはじきにされ、またそれが積み重なって性格も歪んだり、不登校に陥るケースも多いようである。脳障害のため一生治ることはないようであるが、親が障害に気づくのが早ければ、それに合ったカウンセリングを親子で受け対応することで、症状の度合いも軽くでき、学校生活や社会への順応も大幅に改善されて行くようである。
本論に戻るが、当該事件を起こした少年は家裁で精神鑑定で「広汎性発達障害」と診断されていたと報じられているが、問題は、何歳頃から「広汎性発達障害」であると親が気付き、その上に立って親子で適正なカウンセリングと教育を受け、社会生活へ踏み出す心の準備が整えられていたのか、その辺りのことが家裁でも十分検証されたのであろうか、ということである。
仮に精神鑑定の結果が「広汎性発達障害」と出て、一定期間の面接聞き取りと鑑定調査による判定だけで刑事責任能力の有無を断定し検察に送致したとすれば、「広汎性発達障害」の内容に照らして不公正ではないかと思う。
更に親が少年の幼少時代にこのような障害児であることも知らずに、或いは知っていてもカウンセリング教育を受けさせられずにいたとするならば家庭の不幸と責任でもあるが、一方では教育の貧困と社会の責任でもあり、その結果が招いた事件ではないだろうか。
因みにインターネットに「発達障害」でアクセスすると関連記事が数多くあるが、その中からいくつか紹介させて戴きたい。これ等を読むと、如何に障害児への教育が大変で重要なことかが分かるはずである。
裁判長はこの18才の少年が幼児・少年時代に発達障害児教育をどれほ受けてきたのか、またその効果はどうだったのかを十分検証して検察官へ送致したのだろうか、また送致を受けた検察官も、発達障害についてのどれほどの知識があるのだろうか、との疑問を禁じ得ない。無知で裁かれるほど不幸なことはない。
何れにしろ発達障害者への教育と社会の理解と受け入れ態勢の充実(ノマライゼーション)を計っていかないことには「広汎性発達障害」者の犯罪を減らし、次の犠牲者が生まれないようにすることは難しい。
http://www.hattatsu.or.jp/hattatsu_shogai_toha.htm
http://osaka.yomiuri.co.jp/mama/medical/mm20070812kk01.htm
http://www.mkc.zaq.ne.jp/see-chan/kouhan.html
http://hattatsu.movw.net/?OVRAW=%E5%BA%83%E6%B1%8E%E6%80%A7%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3&OVKEY=%E7%99%BA%E9%81%94%20%E9%9A%9C%E5%AE%B3%20%E7%97%87%E7%8A%B6&OVMTC=advanced&OVADID=13167801541&OVKWID=113436791541
「護憲+BBS」「裁判・司法行政ウォッチング」より
厚顔の美少年
http://www.asahi.com/national/update/0925/OSK200809250030.html
上記記事には報じられていないが、同日の朝日新聞朝刊は、少年は家裁の審判段階の精神鑑定では「広汎性発達障害」と診断されていた、と報じている。にもかかわらず、今回裁判長は刑事責任能力有りと認定し、刑事裁判での審理が妥当として、検察官送致(逆送)の決定を下したようである。
最近「広汎性発達障害」者の犯罪をよく耳にするが、このような障害者の初犯と再犯罪の確率は結構高いようである。小生も特別支援学校(旧名:養護学校)で教諭をしていた知人がいて、話を聞いたことがあるが、原因は先天的に脳のどこかに障害があり、その症状は千差万別のようである。
確か15年ほど前に、NHKテレビで「学級崩壊」という番組だったか、ある小学校の学級で、先生がいくら注意しても授業中に教室を歩き回る生徒が何人か居て授業が成り立たず、手を焼いて困り果て、指導方法が分からない、と悩みを吐露している番組があったことを覚えている方も居られると思う。
今はこうした障害を専門用語で注意欠陥多動性障害と呼ぶらしが、これも発達障害の一種のようで、現在は普通の小学校にもこのような障害の特質について専門知識を持った先生が最低一人は居て、授業の補助をして対応がなされ改善されつつあるようだ。一方重度の障害者は特別支援学校(旧養護学校)でほぼマンツーマン教育の体制が敷かれているようである。
また知人の話では、このような障害児は言葉も十分話せない2才位から、何らかの症状(例えば不満があるときは壁に頭突きをするなど)が現れるらしいが、親に発達障害についての知識がないと、単なる癖と思い気に止めない場合も多く、小学校高学年、中学校になっても誰も障害ということに気が付かずに、周りからは変人扱いされている場合も結構多いようである。
この年齢になると仲間からイジメやつまはじきにされ、またそれが積み重なって性格も歪んだり、不登校に陥るケースも多いようである。脳障害のため一生治ることはないようであるが、親が障害に気づくのが早ければ、それに合ったカウンセリングを親子で受け対応することで、症状の度合いも軽くでき、学校生活や社会への順応も大幅に改善されて行くようである。
本論に戻るが、当該事件を起こした少年は家裁で精神鑑定で「広汎性発達障害」と診断されていたと報じられているが、問題は、何歳頃から「広汎性発達障害」であると親が気付き、その上に立って親子で適正なカウンセリングと教育を受け、社会生活へ踏み出す心の準備が整えられていたのか、その辺りのことが家裁でも十分検証されたのであろうか、ということである。
仮に精神鑑定の結果が「広汎性発達障害」と出て、一定期間の面接聞き取りと鑑定調査による判定だけで刑事責任能力の有無を断定し検察に送致したとすれば、「広汎性発達障害」の内容に照らして不公正ではないかと思う。
更に親が少年の幼少時代にこのような障害児であることも知らずに、或いは知っていてもカウンセリング教育を受けさせられずにいたとするならば家庭の不幸と責任でもあるが、一方では教育の貧困と社会の責任でもあり、その結果が招いた事件ではないだろうか。
因みにインターネットに「発達障害」でアクセスすると関連記事が数多くあるが、その中からいくつか紹介させて戴きたい。これ等を読むと、如何に障害児への教育が大変で重要なことかが分かるはずである。
裁判長はこの18才の少年が幼児・少年時代に発達障害児教育をどれほ受けてきたのか、またその効果はどうだったのかを十分検証して検察官へ送致したのだろうか、また送致を受けた検察官も、発達障害についてのどれほどの知識があるのだろうか、との疑問を禁じ得ない。無知で裁かれるほど不幸なことはない。
何れにしろ発達障害者への教育と社会の理解と受け入れ態勢の充実(ノマライゼーション)を計っていかないことには「広汎性発達障害」者の犯罪を減らし、次の犠牲者が生まれないようにすることは難しい。
http://www.hattatsu.or.jp/hattatsu_shogai_toha.htm
http://osaka.yomiuri.co.jp/mama/medical/mm20070812kk01.htm
http://www.mkc.zaq.ne.jp/see-chan/kouhan.html
http://hattatsu.movw.net/?OVRAW=%E5%BA%83%E6%B1%8E%E6%80%A7%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3&OVKEY=%E7%99%BA%E9%81%94%20%E9%9A%9C%E5%AE%B3%20%E7%97%87%E7%8A%B6&OVMTC=advanced&OVADID=13167801541&OVKWID=113436791541
「護憲+BBS」「裁判・司法行政ウォッチング」より
厚顔の美少年