life goes on slowly

或る大阪近鉄バファローズファンの
偏愛と放浪の記録

「ありきたりの狂気の物語」(著:チャールズ・ブコウスキー/訳:青野 聰)

2018-08-15 22:03:49 | 【書物】1点集中型
 ブコウスキーは初読だが、確か某エッセイストさんの読書歴の中に入っていたのである。したがって、何やらぶっ飛んでいる作家らしいとは噂に聞いていたが、実際読んでみると想像していた以上に赤裸々な猥雑さだった。酒と女と競馬。それもちょっと辟易するくらいひたすら下品。しかし、だからどうした上等だ、とでも言われてるようだ。下町の薄汚い路地裏で昼間から酔い潰れている親爺を文章にしたらこうなった、とかいうとベタだけど例えて言えばそんな印象。

 でも人間ってきっと本来そういう生々しさを抱えて暮らしてるのだ。表に出すか出さないかの違いだ。別に表立って風刺するような説教じみた話を読まされているわけではなない。それでも、「異議申し立てをしつづける覚悟」「孤立した地点でいいつづける」これに尽きる。というわけで、訳者あとがきがすべて解決してくれたのだった。それ以上語れることなんかもうないぞ。そのうえ微妙に「町でいちばんの美女」も読んでみたくなってしまったぞ。と言って、いつ読むかは全くの謎だが。