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デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



国立国際美術館




先日、大阪で開催されている「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち(展)」と、神戸で開催されている「松方コレクション展」をはしごした。一日に二つも回るべきでないな、と思えるほど、両展ともに密度の濃い充実した内容だった。
ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」はヴェネツィア絵画好きならたまらない内容だったと思う。
まずは、昔、友人がくれた絵葉書と同じ「受胎告知の聖母」の模写が目を惹き、驚き戸惑ったマリアが右手をピクッと上げる動作の表現を人間味を感じさせるなぁと感じたことを思い出し、懐かしい気持ちになった。
カ・ドーロにあるヴィットーレ・カルパッチョの「聖母マリアのエリザベト訪問」の解説にあった「同信会」という言葉も懐かしかった。ヴェネツィアには今もかつての同信会の建物があり、同信会がカルパッチョに依頼した絵画が飾られているのだ。
ティツィアーノが用いた赤はこの展示でも目立っていたように思う。あの赤色はティツィアーノの以後のヴェネツィアの画家たちにも多大な影響を及ぼしたように感じた。
パオロ・ヴェロネーゼの「レパントの海戦の寓意」は寓意どころかあからさまじゃないかと少し笑ってしまった。ヴェネツィアや「信仰」を表した女性がローマの守護聖人たちに囲まれているのはまだしも、天使がオスマン・トルコの海軍に向けて矢を放ってるのは肩入れしすぎだろ(笑)と。
私の勝手な憶測だが、ひょっとするとヤコポ・バッサーノの工房「動物たちのいる風景」は石版を叩き割ろうとしているモーセの絵では?と思った。
他にもすばらしい作品があって語りきれない。語弊があるかもだが、展はヴェネツィアでどうしても見落としてしまう作品、言い換えれば現地に行ったら必ず見たい作品リストの影に埋もれてしまう珠玉作品たちを見れる機会だといっていい。それはある意味、ガイドブックには載っていない入り組んだ路地に入ったら、たまたま目の前に現れた教会に入ってみたら素晴らしい作品を発見するような機会でもあるように思う。

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