名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

2009年の墓碑

2009-12-31 16:51:40 | Weblog
2009.12.31(木)
 2009年も今日で暮れる。筆者が関わっている地域のたすけあい事業と介護保険事業では年中無休ということで、今日も誰かが詰めることになっている。ここ数年、大晦日は筆者が当直を担当してきたが、今日は訪問介護のサービス提供責任者達が出勤するので、今日の当直は必要ないといわれ、久しぶりの大晦日を書類の整理に費やした。しかし、この代わりは新年の1月2日に待っている。
 さて今年も多くの著名人が鬼籍に入った。去年も同じようなことを書いたが、有名人というだけで筆者とは何の関わりがあるわけではない。しかし新聞に発表される有名人の墓碑銘を見ていると、同世代の人たちが随分と多い。あっ、あの人ももう逝ったのかと思わずつぶやいている。 
 今年の最高齢は、いわゆる有名人ではないが世界の男性最高齢者であった宮崎県都城市の田鍋友時さんが113歳で亡くなっている。
100歳以上の有名人はいないが、新聞の墓碑銘に載った人では10月に俳優の森繁久弥さんが96歳で亡くなった。女優の加藤治子さんとコンビを組んだNHKの日曜名作座はいつも聞いていた。この人を知らない人はいないくらいの国民的俳優で、生前に文化勲章を受けたが、没後国民栄誉賞も贈られた。
 同じ10月に男装の麗人・ターキーとして有名な水の江滝子さんが94歳で死去した。水の江さんはずいぶん前に自らの生前葬を行ったが、その時の司会者が森繁久弥さんであった。まるで森繁さんを追いかけるようにして逝った。
 ほかに俳優では、1月に牟田悌三さん、3月に金田龍之介さん、8月に大原麗子さんと山城新伍さん、10月に南田洋子さんが亡くなった。
 当ブログでも書いたが、10月29日に落語家の三遊亭円楽さんが亡くなった。享年76歳はいまどき早すぎる死である。好きな落語家であっただけに淋しい。
 元名古屋市長の本山政雄さんと憲法学者の長谷川正安さんはともに筆者の学生時代の名大教授であり、若き日の姿が偲ばれる。
 地元の財界人では、3月に敷島製パン会長の盛田慶吉氏、4月にフジパングループ会長の舟橋正輝氏、5月に東邦ガス元会長の小川進氏と続いて亡くなっている。
 音楽関係者も多くの人が亡くなった。5月にロック歌手の忌野清志郎さん、シャンソン歌手の高英男さん、「津軽海峡冬景色」を作曲した三木たかしさん、「憧れのハワイ航路」や「悲しい酒」の作詞家石本美由起さん、音楽評論家の黒田恭一さんと一気に亡くなり、その後7月に指揮者の若杉弘さん、11月に「高校三年生」「高原列車は行く」などを作詞した丘灯至夫さんが亡くなった。
 その他筆者にとって忘れられない人として、KJ法を考案した川喜田二郎氏、「フジヤマのトビウオ」の古橋広之進さん、キャスターで元社民連代表の田英夫さん、日本画家の平山郁夫さんらがいる。
 年の暮れに際し、心よりご冥福を祈る。

今年の釣り納めは超貧果

2009-12-30 17:42:24 | Weblog
2009.12.30(水)
 本年の釣り納めということで、冬型の気圧配置が緩んで穏やかな日となった今日、師崎沖での「うたせ五目釣り」に出かけた。
 穏やかな日といっても、早朝の空気はさすがに冷たい。午前7時出船の忠栄丸に20人の釣り客を乗せて、すぐ沖合いの師崎沖で釣り開始である。
 『うたせ五目』とは、うたせえびを餌にして、メバル、カサゴ、キス、アイナメ、マダイ、セイゴ、ヒラメ、マゴチ、ベラなど伊勢湾内に生息するいろいろな魚の釣り方である。要するにうたせえびは高級な餌なのでいろいろな魚が釣れることに着目して、船頭が釣り客集めにあみだした釣方である。
 寒さが増して水温が下がると魚は深場へ落ちていき、釣りも難しくなる。しかしこのうたせ五目は、秋から初冬のうちでは効果的な釣りで比較的釣果も多い。今が終盤の時期で、この先はうたせえびもなくなり、年明けまで続かない。
 うんちくはこのぐらいにして今日の釣果であるが、真冬としては絶好の釣日和にもかかわらず当たりはほとんどなく、5時間あまりもかけてやっとカサゴ3匹とキス2匹のみである。これはもう完敗、なんともさびしい釣り納めとなってしまった。ここ数日の間の冷えで水温が下がって魚の活性が落ちてしまったのであろう。
じれったい思いであったが、船頭のかみさんに来年はいいことがあるよと慰められて、納得して帰った。

衆院選 1票の格差2.05倍は違憲!!

2009-12-28 20:01:53 | Weblog
2009.12.28
 政権交代となった今年8月30日の衆院選挙で、『1票の格差』が最大で2.30倍となったのは憲法違反であると訴えた訴訟の判決で大阪高裁は28日、選挙無効の訴えは棄却したが、『格差が二倍を超えた選挙は憲法に反する』との判断を示した。
 判決理由で裁判長は、過疎地域への配慮として人口比と関係なく各都道府県に定数1を配分する「1人別枠方式」が格差二倍超の原因と認定し、『過渡期の改善策としてはそれなりの合理性はあったが、現在は憲法に反する』とし『大多数の国民から耐えられない不平等と感じられている』と指摘した。その上で『いつまでも格差が二倍を超える状態を放置することは、立法府のあり方としては憲法上許されない』と国会の怠慢を厳しく批判した。
 ところで現在の小選挙区比例代表並立制に基づく選挙は1996年に始まった。この方式は小選挙区で300人を選出するが、まず全47都道府県で1議席ずつを割り振り、残り253議席を人口比で各都道府県に配分するというものである。
 今回問題となった有権者数が最も少ない高知3区と最多の千葉4区の間には2.30倍の格差がある。これを少しでも解消しようとすれば、たとえば高知を3区に分割するのではなく、2区に分割する方法でもとれば多少でも格差は解消する。判決はこうした解消の努力をしなかった結果だといっているのだ。
 これは人口の少ない地域の選挙権を重くみるか、人口の多い地域の選挙権を重くみるかの問題であるが、その限界を2倍においたものといえる。
 2005年の衆院選挙における最大格差は2.17倍であったが、この時の訴訟判決では『人口過疎地に対する配慮で、国会の裁量の範囲』とした経緯がある。それが一転違憲の判断となったのは画期的なことではある。
 さてこの判決を立法府である国会がどう受け止め、どう対処するか注目である。

後は野となれ山となれの10年度予算政府案決まる

2009-12-27 18:05:27 | Weblog
2009.12.27(日)
 自公政権時の09年度第一次補正予算について、2009.4.9付け当ブログで“後は野となれ山となれ”の補正予算だと書いたが、25日に閣議決定された10年度の政府予算案も、政府は代わったがその予算の性格はほとんど代わっていない。政治主導とか事業仕分けとかいっても結局その本質は人気取りのばら撒き予算といっても言い過ぎではない。
 一般会計の予算総額は92兆2992億円で09年の予算に対して4.2%の増額、過去最大規模である。
 中学卒業までの子どもに26,000円(10年度は13,000円)、公立高校生には授業料無料、私立高校生には年120,000円の助成などほぼマニフェスト通り。ガソリン税などの暫定税律は形を変えて残すことになったが、財源不足は巨額になり、赤字国債と継続性のない埋蔵金で賄うというまさに“後は野となれ山となれ”の予算である。
 不景気を反映して税収は前年度より大幅減の37兆4千億円しか計上できず、一方国債総額は44兆3千億円と税収を大幅に上回る逆転現象を招いた異常予算である。 それでも歳出に追いつかないとしていわゆる埋蔵金と称する特別会計剰余金などの税外収入を約10兆6千億円も計上した。
 景気回復といって公共事業をむやみに積んで、その財源を国債に頼ってきたこれまでの流れをとどめるどころか、その流れに一層拍車をかけるものである。
 国と地方の長期債務(借金)は10年度末で862兆円となる見込みで、これを国民総数で割ると一人当たり約685万円に上る。
 景気対策での財政の出動が長続きしないのは体験済みのはず、いたずらに自公政権の延長のような姿勢では、新政権の寿命も長くはない。
 普天間問題に関して、鳩山首相の『グアム移設は無理』という、今ごろになって沖縄県民を落胆させ、欺くような発言が出てくるのは、結局新政権も自公政権の亜流であったとの認識を新たにすることになってしまった。政府の支持率が大幅に落ち込んでいるという最近の世論調査もうなづけるというものである。

詐欺罪の元警察官に執行猶予付の大甘判決!!

2009-12-24 19:48:30 | Weblog
2009.12.24
 有印私文書偽造や詐欺罪に問われた元岐阜県警巡査に対し、裁判所は懲役三年、執行猶予五年(求刑は懲役二年六月)の判決を言い渡したことに対して、求刑を上回る異例な判決でいかにも厳しい判決かのような報道がなされている。
 事件は、元岐阜県警巡査新海一平被告(24)が、昨年2月下旬、闇サイトを通じて知り合った男らと共謀し、偽造運転免許証を使って、名古屋市西区の銀行支店や信用金庫支店などから通帳をだまし取ったというものである。
 判決では、『被告の役割や常習的な犯行などから、求刑はいささか軽い』と述べた上、さらに『犯行後に平然と岐阜県警の採用試験を受けて警察官に採用されており、このような行動からも被告の規範意識は乏しい』として求刑を6ヶ月上回る三年の刑を言い渡したというものである。ここで終わっておれば納得のいく判決である。厳しい判決理由からも当然実刑であるべきであった。それがなんと執行猶予付きではないか。
 報道記事の内容によると犯罪行為の時期はまだ警察官でなかったようであるが、そんな人間が警察官になること自体、許されないことであり(そんな人間を警察官として採用した岐阜県警のだらしなさも腹が立つが)、とうてい執行猶予をつけるような犯罪ではない。
 そもそも、執行猶予などというのは実態は無実と同じであり、被告にとって何の痛みも感じないものである。こんな判決でいかにも重い罪を科したような積りでいるなら裁判官自体も警察には大甘だとしか思えなくなる。
 被告は高校生の時からこうした犯罪を繰り返しているというから、判決理由で指摘しているとおり規範意識に乏しく、この甘い判決のお陰でさらなる重い罪を繰り返す危惧なしとはいえない。被告本人のためにもよくない、まったく腹の立つ判決である。

名古屋市税10%減税条例とうとう成立!!

2009-12-23 19:55:10 | Weblog
2009.12.23
 河村名古屋市長の三大公約の一つ、市民税の10%減税案が市議会との激しいやり取りの末、市長提案どおりの原案で成立した。提案から半年たっての実現である。
 経過をたどってみると、市長の原案を修正した議会案がいったん賛成多数で成立したが、市長は臨時会を開いて拒否権に当たる再議に付した。議会はこれを三分の二の多数に持ち込むことができず成立することができなかった。そこで議会は市長が最初に提案していた原案を再び審議し、それを民主、自民、公明などの賛成多数で可決したというものである。修正案まで出した自民、公明が一転原案賛成に回るという奇策に出たお陰でやっと成立した。自公の言い分は『また再議になれば、堂々巡りになる』として賛成に回ったという。
 河村市長は日本初の減税実施の市と吹聴していたが、議会とすったもんだの議論をしているうちに、お隣の半田市がつい先ごろ減税条例を通してしまったために二番目の都市に甘んずることになってしまった。
 さてこの条例で来年度の減税規模は個人市民税137億円、法人市民税24億円の計161億円となる。これを市長は職員の人件費カット、徹底した行財政改革で生み出すとしている。
 ただ一家族あたりの減税額は、給与所得者の夫婦と子ども二人世帯の場合、年収300万円で1400円、500万円で9500円と僅かなものである。はたしてこれで市民の生活支援や経済活性化に役立つのであろうか。
 河村市長は『住んでちょー名古屋』と減税の街キャンペーンをして市民や企業を増やし、結果として増収になると胸をはる。本当にそうなるかどうかは別として、河村市長のしたたかな粘り越しにはただ感服の他ない。


どうなる『子ども手当て』

2009-12-21 17:41:27 | Weblog
2009.12.21
 新政権の最大の公約であった『子ども手当て』が迷走している。2010年度の予算編成も今が胸突き八丁、税収が大幅に落ち込む見通しの中で中学生以下一人当たり、一律に月額2万6千円(但し10年度は1万3千円)、年額にすると31万2千円という大きな額をはたして計上できるのか。何しろ所得制限なしというのが民主党の売り物だっただけに、その予算額は5兆5千億円(10年度はその半額)に達する。
 しかしここに来て政府・与党は党内外での批判をよそに所得制限を設ける方向に傾いているという。
 ところで子どもに対する手当てとしては、既に1971(昭和46)年に成立した児童手当法に基づく『児童手当』が1972年から支給されている。
 こちらはゼロ歳児から小学校卒業までの子どもに現在は、①三歳未満が一人当たり月1万円 ②三歳以上は第一子、第二子が月5千円、第三子以降は月1万円 となっている。
 その上『児童手当』は所得制限があり、四人世帯(夫婦と子ども二人)の場合、サラリーマンは860万円、自営業は780万円未満であることが条件になっている。
 さらにこの財源負担を国、地方自治体の他に企業の社会的責任の一端を担う趣旨で事業主も一部を負担することになっている。
 これに対して『子ども手当て』の財源について、民主党は全額国庫負担と説明してきたが、このことについてもここに至って地方負担や事業主負担が取りざたされている。政府は地方の反発に配慮して『地方には新たな負担増を求めない』としたが、結局のところ、これではこれまでの『児童手当』と酷似したものと言われても仕方ない。
 前の麻生政権の時、景気対策の一環として全国民に『定額給付金』が支給されたが、この時も所得制限をどうするかでもめたことは記憶に新しい。『定額給付金』と『子ども手当て』とではやや意味合いが違い、子どもは社会の責任で育てようという意味合いからすれば、金持ちであろうが貧乏人であろうが誰の子であろうと所得に関係なく配分すべきと長妻厚生労働大臣は主張している。
 しかし最終的には『子ども手当て』は限りなく『児童手当』に似たものになるらしい。政府はどんな所得制限をつけるのまだ明らかになっていないが、これでいいのであろうか、本当に悩ましい。

COP15新たな枠組み先送りで閉会

2009-12-19 10:52:57 | Weblog
2009.12.19
 第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議(CPO15=Conference Of Parties)が、2009.12.7~12.18の日程でデンマークのコペンハーゲンで開催された。190の国と地域が参加したと伝えられる。
 先のラクイラサミットで『先進国は2050年までに温室効果ガスを80%削減し、世界全体の排出量を50%減とする』と合意している。
 会議は2013年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組み(ポスト京都議定書)を話し合うことであったが、先進国と途上国との激しい対立のみを浮き彫りにして新たな枠組みは来年以降に先送りされた。18日に行われた主要国首脳会議で政治レベルの『コペンハーゲン協定』案が合意されたが、内容は途上国に対する2020年までの資金支援の枠組み作りを進め、産業革命前からの気温上昇をセ氏2℃以内に抑える長期目標を共有するなど拘束力のないものである。
 日本や米国など先進国は2010年2月1日までに、自国の20年の排出削減目標を決定して付属書に記載するとされた。また途上国支援の資金枠組みは、12年まで3年間の短期支援に計300億ドル(約2兆7千億円)、20年までの中期支援に年1千億ドル(約9兆円)を計画している。ただ資金集めと分配方法など具体的な設計はこれからという。
 この中で鳩山首相は、温室効果ガスを20年までに1990年比25%削減する中期目標と、12年までに途上国支援に約150億ドル(約1兆3500億円)を拠出するとした。
温室効果ガス排出国世界第1位の中国は20年までに05年比40~50%削減すると発表したが、温家宝首相は『中国は自分の国情に合うような削減計画を進める。いかなる条件もつけず、国際公約にはしない』とも言っているという。
 排出量第2位のアメリカ・オバマ大統領は温室効果ガス削減について新たな提案はしなかった。
 先進国の途上国に対する資金支援は気前よくばらまかれるようであるが、CO2の排出削減となると各国の思惑ばかりが優先してまとまらないのが実情だ。地球の未来が危ない、地球を救え、と格好いいことを言っても、国の本音は経済優先のエゴが出てくる。結局100年、200年先のことなどどうでもいいのではないのか。人類の将来を憂れいるのではなく、自国の将来しか憂いられない人間とは一体何なのであろうか。

高速道路料金の踏み倒しなんと67万件!!

2009-12-18 15:59:50 | Weblog
2009.12.18
今朝の中日新聞によると、全国の主要高速道路会社六社が運営する高速道路で2008年度に確認された自動料金収受システム(ETC)の不正通行件数は67万7400件、金額にして計約5億円に上ると報道している。
 不正通行の理由では、車載器にカードを挿入し忘れた「うっかりミス」もあるが、ETC車載器を取り付けずにゲートの突破を繰り返し、料金を踏み倒す悪質な確信犯が多数いる。中には開閉バーを無理やり押しのけて突破したり、前の車との車間距離をぎりぎりまで詰めて一緒にすり抜ける手口も目立つという。
 上記の数字は六社だけのものであり、この他全国の都道府県の道路公社や首都高速、阪神高速、名古屋高速など大都市での都市高速を加えるとこうした違反件数がもっと大きくなることは間違いない。さらにこれまでの累積額を数えればその額は巨額なものになる。
 これはもう明らかな犯罪行為である。ただ不正通行で多額の料金が踏み倒されたといっているのではなく、こうした行為者を警察とも協力して徹底的に取り締まらなければならない。これまでも道路会社は『逃げ得は許さない』と言っているだけで誰々を逮捕したなどというニュースを寡聞にして聞かない。これでは真面目に料金を納めている正直者が馬鹿を見るというものだ。
 本気になれば犯罪者の一人や二人ぐらい必ず現行犯逮捕できるはずである。そういう悪質な人間を徹底的に懲らしめなければ彼らは甘く見てこれからも繰り返す。
 そもそもこんなことを許していればいつか重大な事故につながる。本人自身がどうなろうとかまわないが、巻き添えを食って大怪我をした人は救われない。最悪の事態を招けばなにおかいわんやである。
 彼らが日本の高速道路料金は高すぎるといって不正通行をしている者もいると聞くが、そのことと払わないで強行突破することとは別である。こんな身勝手な理屈を許していては法治国家とはいえない。
 真面目に納入している者が納得できる対処を望まずにいられない。
 

中国の国家副主席と天皇陛下の会見

2009-12-15 12:34:36 | Weblog

2009.12.15

 中国の習近平国家副主席が14日午後、3日間の公式訪問のため羽田空港に到着した。習近平氏は胡錦濤国家主席の後継に最有力視されており、日本へのお披露目の機会となる。
 さて、この習近平副主席の来日をめぐって、首相官邸と宮内庁とがもめている。宮内庁には、外国要人が天皇陛下との会見を希望する場合、1ヵ月前までに正式に申請をしてもらう日本政府の慣例があった。公務多忙な陛下の日程調整を円滑に行うのが目的で、1995年に文書で定められたものという。
 こうした慣例がある中で、首相官邸は今月に入って宮内庁に天皇陛下と習近平副主席との会見を申し入れたのに対し、宮内庁は一度は断ったが官邸側が押し切って会見が実現することになった、という。
 ちょうどこの直前、小沢一郎民主党幹事長らは多勢の訪問団員を引きつれて中国を訪れ、胡錦濤主席とも会談をしていた経過から、小沢氏の意向が反映されたのではないかとの憶測も流れている。
 このことについて、羽毛田宮内庁長官は『天皇の政治利用だ』と批判したことに対して、小沢幹事長が『一役人が内閣の決定にどうだこうだと言うのは、憲法の精神を理解していない。反対なら辞表を提出した後に言うべきだ』と猛烈に噛み付いた。
 羽毛田氏は『(特例会見の非を)言い続けることは私の役回り。辞めるつもりはない』と反論したという。
 こうしたうちわの言い合いの中、昨日習近平氏は来日した。そして今日陛下との会見も行っている。どこの国の、誰にしろ外国の賓客として受入れをきめた以上、その人の目の前で、会う、会わないの是非をめぐってもめるのは全くもって失礼な話である。少なくともお帰りになってからあらためて議論すればよいことだ。

 さてこのことについて、野党となった自民党は格好な敵失として猛然と攻撃している。気に入らないことを言う奴は辞めさせろとは何ごとか、というわけである。なるほど、この方がもっともな気がする。
  隣の大国である中国との関係はしばしばギクシャクした時があった。将来中国の国家元首と目される人との会見は日中親善にとって決して悪いことではない。
 しかし、ルールを破ってまで会見を実現させたことは、政権によって天皇の会見が恣意的に扱われたことにならないか、それは天皇の政治利用にならないか、疑問の余地がないとは言い切れまい。
 さらに、会見の設定をめぐり、中国側から強い意向があったともいわれる。もし鳩山首相がそれを忖度したとすれば、はきちがえた友好である。そんなことはなかったと信じたい。
 新政権は、外国の要人を迎え入れることでこんなにドタバタしていてはいささか心配である。