名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

核兵器禁止条約あと一国で発効

2020-10-24 11:57:39 | Weblog
2020.10.24(土)
 国連が10月23日に発表したところによると、核兵器の開発から使用までを全面的に禁止する核兵器禁止条約の批准国の数が二か国(ジャマイカ、ナウル)増加し四十九カ国・地域に達した、という。これによって条約発効に必要な五十まであと一カ国のみになった。五十カ国に達した90日後に条約は発効する。
 発効すれば、核保有国に核軍縮を迫る圧力がかかるだけに保有国の反発は間違いない。中でも米英仏ロ中の核保有五大国は参加を拒否している。不参加国に順守義務はなくこの条約の実効性に疑問が残る。
 この条約に反対している米国は複数の条約批准国に、批准を取り下げるよう求める書簡を送っていたことが判明したとメディアが報じている。
 書簡は「核禁止条約を批准する国家主権は尊重するが、それは戦略的な誤りであり、批准を取り下げるべきだと考える」としたうえ「禁止条約は核軍縮に関して時計の針を戻す」ものだとし、核拡散防止条約(NPT)体制にとって「危険」なものだとまで言及している。
なおNPTは米英仏ロ中五か国の核保有を認めており、保有国は段階的な核兵器削減を主張して核兵器禁止条約に強く反対している。
 こうした情勢に日本はというと、米国の「核の傘」に依存する立場から禁止条約に参加していない。日本は世界唯一の原爆被爆国であり本来なら率先して禁止条約の締約国になるべきなのに、盟主アメリカにおもねってその言うなりになっている。
 国連のグテレス事務総長は今年8月の広島での平和記念式典に寄せたメッセージで「核兵器禁止条約の発効を心待ちにしている」と述べ、条約を後押しする姿勢を鮮明にしたという。
また日本国内では被爆者を中心に禁止条約の批准国となる声が高まっている。しかし、菅首相の就任後の発言などから見て禁止条約への批准はあり得ない。こういう問題は確実に安倍前首相の後を引き継ぐ姿勢である。情けないとしか言いようがない。



日本学術会議の会員任命拒否問題

2020-10-18 10:38:28 | Weblog
2020.10.18(日)
 この問題は本ブログ10月3日付で、任命を拒否された6名の方々の事情を書いた。メディアも連日のごとく取り上げており、事態は拡大するばかりである。
 週刊誌AERA10月26日号では、内田樹氏と浜矩子氏が政府の態度を厳しく批判した文章を書いている。
 内田氏は、この事案はそもそも日本学術会議法違反であること、従来の政府の法解釈と齟齬していること、任命拒否の理由を開示しないこと、誰が任命拒否の責任者であるかを明らかにしないこと、ネットを使って論点ずらしと学術会議への攻撃を始めたことなどを挙げて、政府対応の知的・倫理的な低劣さは眼を覆わんばかりと怒っているというより呆れておられる有様である。
 浜氏はさらに厳しい。菅首相や政府の対応を見ていると、「すがすがしい」という言葉は使えなくなった。「すがすがしい」と言えば「菅っぽい」「菅的だ」という語感になって心地悪くて、まるでさわやかさに欠ける。
 最近になって、河野太郎行革担当相が、日本学術会議を行革対象にすると言いだした。胡乱(うろん)極まれりだ。かくして「すがすがしい」と「胡乱」は同義語になってしまった。
 菅首相は任命拒否の理由としていろいろと言い訳してきたが、最後は「総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から判断した」という何とも意味不明な言葉で逃げている。そして拒否した6名の復活はもはやあり得ないとも言っている。
 官房長官時代は気がつかなかったが、一国の総理となって菅氏の学識、包容力の無さが目立ってきた。多くの人が気付き始めているが、いかにも人物が小さい。こんな人に日本の将来を託すことはできない。せいぜい来年秋の任期切れを最後に辞任されんことを願うし、自民党の諸氏は支持すべきではない。

 

菅首相、学術会議候補者を否認、菅氏の本性が垣間見えた

2020-10-03 14:55:54 | Weblog
2020.10.3(土)
学術の立場から政策を提言する「日本学術会議」が推薦した新会員候補105人のうち、6人の任命を、菅首相が見送ったとメディアが大きく報道している。
新会員に任命されなかった候補者の立場を、10月2日付の中日新聞が次のように伝えている。
「安倍政権の政策に異論を唱えた経緯のある学者がはずされた格好で、政府として前例のない措置。『学問の自由に対する不当な政治介入だ』(松宮孝明立命館大教授)と波紋が広がった」
6名は以下の各氏
〇 松宮孝明・立命館大教授(刑事法)
   2017年6月、参院法務委員会に参考人として出席し、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を「戦後最悪の治安立法」と批判
〇 小沢隆一・東京慈恵医大教授(憲法)
   15年7月、野党の推薦で安全保障関連法案の中央公聴会に出席。「歯止めのない集団的自衛権行使につながりかねず、憲法9条に反する」と廃案を主張
〇 岡田正則早稲田大教授(行政法)
   15年10月、沖縄県名護市辺野古沿岸部の埋め立てを巡り、防衛省の行政不服審査法に基づく審査請求と効力停止の申し立てを却下するよう求める声明を他の学者とともに発表
〇 宇野重規東大教授(政治学)
   新規コロナウィルスの感染拡大を受け、20年4月に緊急事態宣言が発令される前、共同通信の取材に私権制限の恣意的な運用を防ぐための議論が不十分だと指摘
〇 加藤陽子東大教授(歴史学)
   ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英氏らとともに13年11月、「特定秘密保護法案に反対する学者の会」を結成、廃案を求める声明を発表
〇 芦名定道京大教授(キリスト教学)
   「安保関連法に反対する学者の会」の賛同者に名を連ねる 

   この発表を行った10月1日の記者会見で、加藤勝信官房長官は「任命する立場に立って、しっかりと精査するのは当然だ」と強気の回答に終始した。
   学術会議は政府から独立した立場で政策提言する。会員は会議の推薦を踏まえ、首相が任命する仕組みとなっているが、現在の制度下で推薦者の任命を見送るのは初めてである。
   こうした事態に日本学術会議の梶田隆章会長(東大教授)は2日夕、拒否した理由の説明と6人の任命を再び政府に求める要望書を3日に正式決定したいと表明。

   一方、菅首相は2日、官邸で記者団に「法に基づいて適切に対応した結果だ」との見解を発表した。
  穏健そうにふるまっていた新首相の本音が垣間見えたといえようか。