2018.10.23(火)
中央省庁による障害者雇用の水増しが明るみに出て世間を賑わしている。この問題を検証していた弁護士ら第三者による検証委員会が22日、調査報告書を発表した。
1960(昭和35)年に制定された「身体障害者雇用促進法」は、障害者の雇用の促進等のための措置、雇用の分野における障碍者と障害者でない者との均等な確保など、障害者の職業の安定を図る(第1条)ことを目的としている。
法律では雇用主は、この法律に基づいて一定の割合の障害者を雇用する義務を負うこととされている。平成304月1日年以降、常時雇用する労働者を雇用する事業主は、その雇用する対象障害者である労働者の数が、その雇用する労働者の数に一定の雇用率を乗じて得た数以上であるようにしなければならないと定めている。
効率の「悪い」障害者を雇いたくない多くの企業では、その雇用を水増ししていることが明るみに出て問題となったが、こともあろうにその模範であるべき国の中央省庁が大量の水増しをしていたというのである。
その水増しの手法は、すでに退職した人や死亡者、採用内定者、障碍者手帳の所持が確認できない人、裸眼視力0.1の近視の人などを算入していたという。
こうした不適切計上の省庁は28機関あり、人数は3700人に上った。多かった機関は①国税庁1103人 ②国土交通相629人 ③法務省512人 ④防衛省332人
⑤農林水産省219人 ⑥財務省184人などである。
検証委員会が聞き取りをしたのは各省庁の人事担当者の法定雇用率障害を確かめる資料は保存されていなかったという。水増しが始まった時期も不明で、長期間継続されてきた。
検証委員会の松井巌委員長(元福岡高検検事長)は会見で「意図的ではないとする(省庁の)主張を覆す証拠がない」と説明したというが、こんな水増しは明らかに故意をもって行ったことは明らかである。また監督責任者の厚生労働省も何の対応もしなかったと言われても仕方ない。
政府はこうした実態から障害者雇用に別枠の定員を設け、来年2月に採用試験を実施するとした。それはそれで是とするが、障害者にとって働きやすい職場環境、柔軟な勤務制度などの整備も不可欠であることも念頭に入れてもらいたい。
中央省庁による障害者雇用の水増しが明るみに出て世間を賑わしている。この問題を検証していた弁護士ら第三者による検証委員会が22日、調査報告書を発表した。
1960(昭和35)年に制定された「身体障害者雇用促進法」は、障害者の雇用の促進等のための措置、雇用の分野における障碍者と障害者でない者との均等な確保など、障害者の職業の安定を図る(第1条)ことを目的としている。
法律では雇用主は、この法律に基づいて一定の割合の障害者を雇用する義務を負うこととされている。平成304月1日年以降、常時雇用する労働者を雇用する事業主は、その雇用する対象障害者である労働者の数が、その雇用する労働者の数に一定の雇用率を乗じて得た数以上であるようにしなければならないと定めている。
効率の「悪い」障害者を雇いたくない多くの企業では、その雇用を水増ししていることが明るみに出て問題となったが、こともあろうにその模範であるべき国の中央省庁が大量の水増しをしていたというのである。
その水増しの手法は、すでに退職した人や死亡者、採用内定者、障碍者手帳の所持が確認できない人、裸眼視力0.1の近視の人などを算入していたという。
こうした不適切計上の省庁は28機関あり、人数は3700人に上った。多かった機関は①国税庁1103人 ②国土交通相629人 ③法務省512人 ④防衛省332人
⑤農林水産省219人 ⑥財務省184人などである。
検証委員会が聞き取りをしたのは各省庁の人事担当者の法定雇用率障害を確かめる資料は保存されていなかったという。水増しが始まった時期も不明で、長期間継続されてきた。
検証委員会の松井巌委員長(元福岡高検検事長)は会見で「意図的ではないとする(省庁の)主張を覆す証拠がない」と説明したというが、こんな水増しは明らかに故意をもって行ったことは明らかである。また監督責任者の厚生労働省も何の対応もしなかったと言われても仕方ない。
政府はこうした実態から障害者雇用に別枠の定員を設け、来年2月に採用試験を実施するとした。それはそれで是とするが、障害者にとって働きやすい職場環境、柔軟な勤務制度などの整備も不可欠であることも念頭に入れてもらいたい。