名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

今朝の新聞ニュース

2014-04-29 09:49:12 | Weblog
2014.4.29(火)
 毎日、毎日、事件・事故や事実の発見、事態の進行など新聞のニュースは事欠かない。
 戦没学徒の遺書や遺稿を集めた「きけわだつみのこえ」の中の一人、木村久夫の遺書がもう一通存在することが分かったと、中日新聞朝刊が伝えている。このことは別途書きたい。
 次に稲田朋美行政改革担当相が昨日、サンフランシスコ講和条約が発効し、日本が主権を回復した1952年4月28日に合わせて、靖国神社を参拝したとの記事もある。
 稲田議員は福井県1区選出の衆議院議員であるが、今から6年前、靖国神社を巡る日中合作映画「靖国YASUKUNI」の上映中止事件を引き起こした人物として記憶に残っている。
 今朝の報道で稲田氏は「自分の国のために殉じられた方々に感謝と敬意と追悼の意を表することは、主権国家の国民であれば自分の判断でなすべきだと考え、参拝した」と安倍首相と同じように子どもじみたことを言っている。
 ノーベル医学生理学賞受賞者の山中伸弥京大教授が、14年前も前の2000年に発表した論文の図に切り貼りなどがあるとしてネット上で疑義が指摘されていることに「同じ実験が再現されており、事実に一点の曇りもない」と反論しつつ、図の基となる実験ノートが残されておらず、この点について「心から反省しおわびする」と謝罪した、との記事が出ている。
 誰が昔のことをほじくり返してネットで人の欠点を指摘しているのか知らないが、学問の世界も成功者に対する妬みや恨みが渦巻いているのを知るのは淋しい。
 春の叙勲4104人が決まったことも大きく報道されている。この勲章も、過去には一等、二等…などと序列があったが、今ではそれを廃したことになっている。ところが新しい制度でも旭日大・重光・中・小・双光、瑞宝大・重光・中・小・双光など細かく序列が決められている。
 4104人のうち民間人は1757人とあるが、逆に言えば2347人は公人というか公務員だった人たちのことである。半分以上は現在の役人が過去の役人を選んでいる。国会議員らは選挙で選ばれるというハードルがあるからまだしも、役人がその仕事をしてきただけで民間人よりも圧倒的に多く勲章の対象になることは不思議といえば不思議である。
 もう一つ、財政制度審議会の分科会が、国と地方を合わせた財政の長期試算を公表した。それによると、現在でも国家財政はすでに1千兆円を超える借金をかかえているが、今後収支の改善に取り組まなければ、46年後の2060年度には国内総生産(GDP)の約4倍に当たる約8150兆円の借金を抱えることになるとしている。早くも次の増税への布石か。

貿易赤字最大13兆円

2014-04-26 16:53:50 | Weblog
2014.4.26(土)
 財務省は21日、2013年度の貿易統計(速報)の、輸出から輸入を差引いた貿易収支が13兆7488億円の赤字となり、赤字額は2年連続で過去最大を更新したと発表した。
 火力発電向けの燃料の高騰と円安による輸入額の増加で、輸入額全体では前年度比17.3%増の84兆6053億円と過去最大となった。一方で輸出は、10.8%増の70兆8564億円にとどまったことが響いた。
 政府は円安で輸出関連企業の業績が好調で景気回復の牽引車になっていると自画自賛しているが、多くの企業が生産拠点を海外にシフトしており、円安になってもすぐには輸出が伸びない構造になってしまっている。逆に円安は燃料など輸入品の値上がりにつながって、デフレどころか消費税増税も重なって物価高になり、生活が脅かされ始めたというのが実感である。
 貿易赤字が増え続けることはないにしても、こういう状態が続けばいずれ経常赤字への転落もありうる。先進国中、最悪の財政赤字を抱える日本としては、常に国債の信用力保持が必須である。
 ここから経済優先策が頭をもたげ、原発を輸出し、武器輸出も解禁するという発想に疑問を持たない国民が増殖する。

ピアニスト ランランを聴く

2014-04-24 23:25:03 | Weblog
2014.4.24(木)
 中国人ピアニスト・ランランの演奏会に出かけた。ランランの演奏は、テレビではしばしば聴いていたが、生演奏は聴いたことがなかったので機会を伺っていたところ、東海テレビ放送の主催による「スーパークラシックコンサート2014」中で開催された今日の演奏会で聴くことができた。
 ランランは現在31歳。5歳で瀋陽ピアノ・コンクールに優勝して最初のリサイタルを開き、北京の中央音楽学院に9歳で入学、12歳でドイツで開かれた第4回エトリンゲン青少年ピアノ・コンクールで最優秀賞および技能賞を獲得するという経歴の持ち主である。
 プログラムは、モーツァルトのピアノ・ソナタ第4番・5番・8番とショパンのバラード第1番から4番までの7曲である。
 ランランはやや派手な演奏パフォーマンスで悪く言う声も聞かれるが、その演奏技術は当代随一といってよい。併せて表現力も素晴らしい(と筆者は思っている)。10本の指から繰り出される音色と迫力は聴く者をして恍惚の世界へ誘う。まさにマジック・フィンガーと呼ばれるにふさわしいものである。
 会場の県芸コンサートホールは舞台の後部席まで満席の盛況で、ピアノリサイタルでこれだけの聴衆を集める奏者はそうはいない。尤も聴衆の多くは若い女性で占められていたが。
 1曲ごとに盛大な拍手が起こり、全曲終了の際にはスタンディングオベーションとなった。これにランランは、ショパン「華麗なる大円舞曲」、ポンセ「間奏曲」、モーツアルト「トルコ行進曲」のアンコールで応えてくれた。

西浦温泉への一泊旅行

2014-04-22 20:27:37 | Weblog
2014.4.22(火)
 昨年9月に宇都宮から名古屋へ戻ってきた姉の気分転換のために、昨日から西浦温泉の銀波荘へ出かけた。
 姉は数年前から宇都宮で独り暮らしをしていたが、85歳という高齢から先行きのことを考慮して、40年ぶりに名古屋へ帰ってきた。特に若い頃からの糖尿病という持病を抱えて、近くに身寄りのいないことの不安から大きな決心の末、筆者の近くに引っ越してきた。
 転居してすでに半年が過ぎたが、気苦労などからか特に年末から年明けにかけて体調を崩し、外出もままならなかった。しかし、少しずつ慣れてきて腰の痛みもやや緩和したので、連れ合いと一緒に一夜の温泉に誘ったといういきさつである。
 昨日(21日)はあいにくの雨模様となったが、午後4時前には温泉宿の銀波荘に到着した。姉のこれまでの苦労を思えば多少のぜいたくは許されると決めて、三河湾を一望できる、3人には広すぎるほどの部屋を予約しておいた。そしてまずは温泉に浸った。
 西浦温泉は、アルカリ単純泉で、神経痛、リウマチ、胃腸病、冷え性などに効能があるという。源泉温度は27.1度と低いから追い炊きが必要である。実際に浸かってみると体が温まって、筆者のような冷え性には特によいような気がした。
 夕食は品数は多くても少量ずつでよいとの注文に応じてくれて、多彩な種類の料理を楽しむことができた。月曜日のこととて客も少ない様子で、一品一品に料理長の心意気を感じたのは勝手な思い過ごしか。温泉も食事も姉は充分満足してくれたようである。
 今日(22日)は、午前10時に宿を出発して、蒲郡の海鮮市場に立ち寄った。ここでの目玉は意外と“あさり”である。愛知県はあさりの生産量日本一であるが、特にこの三河湾一帯はよいあさりの生産地という。これを主な手土産にして岐路に着いた。
 姉にとっても久しぶりの一泊の温泉旅行に充分満足してくれたことは幸いであった。

韓国船沈没 高校の修学旅行生ら乗船の大惨事

2014-04-18 16:19:45 | Weblog
2014.4.18(金)
 韓国南西部の全羅南道の珍島(チンド)沖で16日、大型旅客船が沈没した。韓国政府の中央災難安全対策本部は乗客・乗員計475人が乗っていたが、修学旅行中の高校生は325人と伝えている。
 16日午前8時58分、木浦海洋警察が旅客船からの遭難信号を受信。旅客船では「ドン」という音と衝撃があり、浸水とともに船体が左に傾いていったという。同10時半ごろには先端部分を残してほぼ沈没した。
 旅客船は、韓国北西部の仁川(インチョン)港と、同南西部の済洲島(チェジュド)を結ぶ定期船で、6825トンの「セウォル号」といい、1994年4月に日本で製造され、2012年10月に韓国に導入、13年3月から現航路で運行しているという。
 救助作業は悪天候に阻まれ、行方不明者の捜索は難航している。17日の段階では、死者25人、行方不明271人に上っている。
 事故原因は明らかになっていないが、海洋水産省はフェリーの事故当時の航跡、船が直前に右に急旋回していたことを確認、左に傾いて沈没しており、この「異常な兆候」が事故原因の一つになった可能性があるとみている。
 当初は暗礁に座礁したとかテロではないかとの意見もあったが、急旋回による操船ミスの可能性が高まった。
 事故からすでに二日以上も経っている。船内に閉じ込められている乗客の救助は時間との戦いであるが、乗客らが水中に没していれば絶望的である。それにしても船長や乗員らの多くが早く脱出して救助されていることにも疑問が生じている。「そのまま動かないで」という船内放送を繰り返し流しておきながら、乗員らの多くが脱出していたというのは信じられないことである。行方不明者の多くが若い高校生というから、社長や船長らの「すみません」だけではとうてい許されるものではない。

鳥インフル3年ぶりに発生

2014-04-14 19:49:41 | Weblog
2014.4.14(月)
 熊本県は13日、同県多良木町の養鶏場で鶏が大量死したことを発表した。簡易検査で6羽が陽性となり、うち2羽の遺伝子検査で高病原性鳥インフルエンザウイルスH5型が検出されたことも公表した。
 熊本県はこの養鶏場と、経営者が同じ養鶏場(同県相良村)で、計11万2000羽の殺処分をし、14日未明までに相良村での殺処分を終えたと伝えている。
 国内の養鶏場での発生は、2011年3月の千葉市以来3年ぶりとなる。熊本県は両養鶏場から半径3キロ以内の計4万3000羽の鶏と卵の移動を制限し、半径3~10キロの計39万8000羽と卵は外部への搬出を制限したという。
 これら大量の殺処分は、県職員や農協関係者、陸上自衛隊員らが夜を徹して必死に行っており、農水省の有識者会合の伊藤寿啓鳥取大教授は「農場から比較的早く報告があり、二次的感染が広がる事態はそれほど心配していない」と対応の迅速さを伝えている。
 鳥インフルエンザは、もともとはカモなどの水鳥にいたウイルスが、ふんなどを通じてニワトリをはじめほかの鳥に感染し、せきなど呼吸器の症状を引き起こす病気である。
 鳥インフルエンザのウイルスは、平成22年から翌年にかけて、鹿児島や宮崎、千葉など全国9つの県の養鶏場のニワトリで確認されたほか、少なくとも16の道府県で野鳥に感染していたことが分かっている。
 鳥インフルエンザのウイルスは、ニワトリに対する毒性によって病原性の分類が行われ、感染させたニワトリで10日以内の致死率が75%以上になると「高病原性」と判定される。
 韓国では、今年1月にH5N8型の鳥インフルエンザウイルスが食用のアヒルやニワトリから検出され、1100万羽以上の大量の殺処分が行われていることが伝えられている。
 鳥インフルエンザに詳しい京都産業大学鳥インフルエンザ研究センターの大槻公一センタ-長は「韓国でも鳥インフルエンザが大流行していて、いつ国内で感染が広がってもおかしくない状態が続いていた。ゴールデンウイークが終わる頃までは渡り鳥の移動の時期で、感染がさらに広がる可能性がある。養鶏場や鳥を飼育している施設では、防疫対策の徹底など警戒をしてほしい」と話している。
 今回の事態はその発生源が明らかでないため対応が困難であるが、事態の拡大を防ぐためには大量処分も仕方ないことであろうか。発生した農家にしてみれば運が悪かったとしか言いようがなく、気の毒の一語である。
 なお、2010(平成22)年3~7月、宮崎県で口蹄疫(こうていえき)にかかった約29万頭の牛や豚が「殺処分」されたことはまだ記憶に新しい。 

マイクロソフトのXPサポート終了

2014-04-10 13:02:03 | Weblog
2014.4.10(木)
 米マイクロソフトのパソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズXP」のサポートが昨日(9日)で終わった。
 なぜサポートを終えるのかについて日本マイクロソフトは、XPが発売されて12年が過ぎ、ネット上の攻撃も高度になった。「XPでは新たなネット上の脅威に対抗するのが難しくなった」として、最新のOSへの買い替えを促している。
メディアなども早く買い換えろと言っているし、そのまま使う場合はインターネットやUSBメモリーなどの外部記憶媒体と接続せず、ワープロなどだけで使うなら問題ないとしている。
 しかし「パソコンに重要情報を入れてないから」とネットに接続すると、ウイルスに感染し、勝手に自分のパソコンからいたずらメールが発信されるなど、悪質な行為に利用される恐れがあるという。
 セキュリティー対策ソフトを販売しているトレンドマイクロは、XP向けにインストールされた同ソフトのサポートを、個人向けで2015年12月まで、法人向けで17年1月まで行うとしている。
 さてXPの利用者はパソコン利用者全体の1割に相当する約700万台に達するという。これらの利用者は中小企業者や自治体に多く、また個人所有のものもある。マイクロソフト社は早く買い換えることを呼びかけているが、買い替えが間にあわなかった利用者は
①マイクロソフトが9日、最後に提供した最新のセキュリティー更新プログラムをインストールする
②ソフトウエアメーカーが発売するセキュリティーソフトをインストールし、最新の状態にしておく。
③インターネットに極力接続しない。USBメモリーやSDカードも細心の注意を払う。
などの対応で凌ぎ、できるだけ早く買い換えるように言っている。

 筆者のパソコンもXPだから何とかしなければならない。しかし、なぜ利用者がこんな目にあわなければならないのか全く納得できない。パソコンに限らないが、次から次へと新製品を出してユーザーに買い替えを迫るやり方はどの企業も同じだ。ネット上の脅威に対抗するため新製品の開発は必要だというのは理解できるが、だからといって原則買い換えさせるしか対処の方法がないというのは、余りにもユーザーの立場を無視したやり方である。
 と、いくらわめいても所詮勝てない犬の遠吠えに過ぎない。長いものに巻かれるとはこのことか。

岡崎公園(岡崎城)のさくら

2014-04-07 21:32:45 | Weblog
2014.4.7(月)
昨日(6日)、友人夫妻を岡崎に招待して、岡崎公園のさくらを見に出かけた。
 岡崎公園のさくらは、「日本のさくら名所100選」にも選ばれているパワースポットで天守閣を中心に岡崎公園一帯で1000本のソメイヨシノが咲き競っている。
 今年は暖かい日が続いたりしてさくらの開花が全国的にやや早かったが、岡崎でも3月27日には開花宣言があり、3月末には早くも満開となっていた。4月5日の夜半に強い雨が降り、昨日(6日)は花冷えの強風が吹いて、さくらは花吹雪となって散っていた。どの木もほぼ半分は葉桜となっていて、この点でもあいにくのさくら見物であった。
 またこの日(6日)は、 岡崎の春の風物詩といわれる「家康行列」があった。これは、勇猛な三河武士団の出陣式や行進などによる絢爛豪華な時代絵巻で、 公募で選ばれた家康公を始めとする武士団、姫列など700余名が、市の中心部を練り歩くというものである。 行進中に、鉄砲隊と槍隊が演武も披露する。
 友人夫妻を誘ってのさくら見物であったが、強風の中での寒い葉桜見物となった。



安倍内閣 武器輸出を解禁 「防衛装備移転三原則」を決定

2014-04-04 10:13:22 | Weblog
2014.4.4(金)
 安倍総理は4月1日の閣議で、武器や関連技術の海外提供を原則的に禁止してきた武器輸出三原則を47年ぶりに全面的に見直し、輸出容認に転換する「防衛装備移転三原則」を決定した。
 新原則は
① 国連安全保障理事会の決議に違反する国や、紛争当事国には輸出しない。
② 輸出を認める場合を限定し、厳格審査する。
③ 輸出は目的外使用や第三国移転について適正管理が確保される場合に限る。
というものである。
 これまでの輸出を原則禁じてきた三原則から見れば、一定の審査を通れば輸出が可能な仕組みになるという大転換である。
 ①の禁輸対象となる「国連安全保障理事会の決議に基づく義務に違反する」のは、現在12カ国ある。②の輸出を認める場合という審査基準も「わが国の安全保障に資する場合」などと曖昧で、拡大解釈される恐れは大きいと言わざるを得ない。
新原則によって、日本でつくられたり、日本の技術を用いた武器弾薬が海外で殺傷や破壊のために使われたりして逆に紛争を助長する恐れさえある。
 小野寺五典防衛相は「従来の三原則に抵触する可能性を抜きに、さまざまな検討ができる環境になった」などと武器輸出のやりたい放題を宣言したと言っていい有り様である。
 これも9条の改定を前に、憲法の平和主義の理念を大きく変質させるものである。
 また新原則は、他国との武器の共同開発を積極的に進める狙いもある。自衛隊が昨年末、南スーダンのPKOで韓国軍に銃弾1万発を提供したことは記憶に新しい。自衛隊が海外で他国軍の部隊に銃弾を提供するのは初めてで、当時菅義偉官房長官は緊急的な例外措置だとの談話を発表したが、今後は他の物資と同じ審査手続きで提供できるようになる。今後は弾丸だけでなく銃の提供も想定される。
 従来の「国際紛争の当事国またはその恐れのある国」も削除して、武器の共同開発を進める方針を明確にした。あのイスラエルさえも共同開発の当事国である。日本の技術を盛り込んだ戦闘機やミサイル、戦車が世界に出回り、実際の戦闘に使われる可能性も高まる。日本国内にはますます「死の商人」が増える。いや日本国そのものが「に死の商人」になろうとしている。この道は一旦踏み切ったら逃れられないというのは歴史が証明している。

STAP論文は捏造 理研最終報告

2014-04-03 09:57:19 | Weblog
2014.4.3(木)
 理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーらが発表した「STAP細胞」の論文について、理研の調査委員会は4月1日、小保方氏が単独でデータを捏造や改ざんをしたと認定した。また、他の共著者には不正行為はなかったと結論づけた。しかしSTAP細胞そのものの存在の有無には触れなかった。
以上は4月2日付の中日新聞に記載された内容だが、かなりきつい内容である。また敢えて他の共著者の「無罪」を強調した。ただ、STAP細胞の存在を直ちには否定しなかった点は微妙な憶測を残した。
野依良治理研理事長は、論文取り下げを共著者らに勧告するとし、処分については「懲戒委員会の議を経て厳正に行う」と述べた。
学会の意向は総じて厳しい見方である。
これに対して小保方さんは「承服できない」とし、不服申し立てをする方針という。「多能性を示す画像を別の実験から取り入れたのは捏造に当たる」とか「遺伝子分析画像に切り貼りがあったのは改ざんである」とか言われても、我々一般人には皆目検討もつかないことだ。小保方さんは論文を取り消す意思はないというが、そういう信念なら簡単に妥協しないことをかすかながら期待する判官びいきでいたい。

3日付の中日春秋でこんな記事が載っている。
<雁風呂や海あるる日はたかぬなり 高浜虚子>
雁は秋に北から日本に向かって木の枝をくわえて旅をする。疲れると枝を海面に浮かべ、その上に止まる。羽を休める。日本にたどり着くと枝を浜辺に落としていく。春に再び、自分の枝を拾って北へ旅立つ。
 「雁が去った後の浜辺には、生きて帰れなかった数の枝だけが残る」。その枝で風呂を焚いて不幸な雁の供養をしたのが「雁風呂」だという。哀れな話である。
 春秋子は、この話の舞台は青森県外ヶ浜だが、実際に枝で風呂を焚く風習はないといい、考えてみればどれだけの枝がいることかと思い描く。
 信じていたものを否定されるのは寂しい。万能細胞。まだ、どこかで信じていたいと思う自分もいる。一連の騒動を「哀れな話だなあ」と思いつつも、と締めくくる。