名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

ピースあいち開館一周年企画「沖縄展」がオープン

2008-04-30 12:46:26 | Weblog
2008.4.30
 『戦争と平和の資料館ピースあいち』が開館したのは、昨年の5月4日のことであった。あれからまもなく1年を迎える。
 これまでの入館者は1万2千人に達する。1日平均約50人である。しかし、これは開館当初の極端に多い日の入館者も計算に入れての数字であり、最近では1日あたり10人前後という日が結構ある。人々の日常生活の中にある施設ではないし、特別な話題を呼ぶものでもない。いつも何か話題を提供して世に訴えないと忘れ去られてしまう。
 という訳ではないが、一周年を記念して『沖縄』をテーマに特別展を行うことにした。
 沖縄は、太平洋戦争の中でも唯一の地上戦が行われ、最も激しい戦闘が繰り広げられた場所である。戦没者も戦闘員、非戦闘員合わせて20万人を越え、特に非戦闘員の被害は悲惨そのものであった。
 また沖縄は戦後も米軍の基地の島として、復帰後も含めて大きな犠牲が強いられたところである。米軍機の墜落、練習による銃弾被害や米軍人による殺人、強姦、強盗など悪質な犯罪の数々も枚挙にいとまがない。
 また、集団自決に対する日本軍の関与にかかる教科書問題も最近の大きな話題となっている。
 沖縄を単に観光地としてみるだけでなく、こうした歴史の上に立っている沖縄の現実を見てほしいという願いを込めて、昨日(29日)『沖縄展』がオープンした。
 開会式では、狭い会場がおよそ80人の人達で埋まった。古田律子さんの沖縄民謡で賑やかに開幕した。
 開催期間は6月29日までの二ヶ月間である。この間、いろいろなイベントも予定されている。

夫を殺害、切断した被告に懲役15年の判決

2008-04-29 20:32:27 | Weblog
2008.4.29
 夫から長期にわたってDV(ドメスティック・バイオレンス)を受け続け、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症していた妻がその夫を殺害して遺体を切断、遺棄したとして殺人罪に問われた事件の判決公判が昨日(28日)、東京地裁で開かれた。
 この裁判では精神鑑定で検察側と弁護側双方の鑑定人が「刑事責任を問えない心身喪失の可能性がある」としたため、この精神鑑定が大きな争点となっていたが、河本裁判長は「犯行時に急性の精神障害を発症してはいたが、刑事責任能力はあった」として求刑・懲役20年に対して懲役15年の実刑判決を言い渡した。量刑についてDVを受けており同情の余地はあるとしたものの「残酷、無残な犯行で刑事責任は重大」とした。
 筆者は、自己の欲望を満たすために何の責任もない被害者を、残忍、残虐な方法で殺害するなどの犯罪を犯した被告に対しては、極刑をもって臨んでもやむを得ないと考えている。
 この観点から見ると今回の判決、即ち懲役15年の実刑というのは重すぎると考える。被害者である夫の三橋祐輔(当時30)は被告の妻三橋歌織(33)に対して、長期にわたってDVを繰り返しており、そのために被告はPTSDを発症し、そのことが殺意につながったということは紛れもない事実であるということを、検察側も裁判所側も認めている。要するに被告側にも被害を受けるに値する行為を行っていたのだ。勿論正当防衛などのほかは、どんな理由があるにせよ、人を殺して無罪ということは許せない。心神喪失であったから無罪というのも、筆者の感覚からすれば認めるわけにはいかない。
 一昨年、酒酔い運転のうえ暴走し、車と衝突して相手の車を海に転落させたため、幼い子ども三人が死亡するという事件があったが、今年の1月のその判決では、被告に対する量刑は僅か7年半の懲役刑であった。これは事故であり、殺人事件でないことは分かりきっているが、悪質さとその結果の重大性からみれば、同情の余地があるほうが15年の実刑で、かたや7年半というのは全く納得がいかない。このあたりの法律の仕組みは機械的である。
 今回の判決は、こうした矛盾をつくづく感じさせられる判決である。
 

衆院山口補選で民主、自民に勝利

2008-04-28 11:01:32 | Weblog
2008.4.28
 昨日(27日)、岩国市長に就任した自民党の福田良彦前衆院議員の辞職に伴う山口2区の補選で、民主党の前衆院議員で社民党推薦の平岡秀夫氏(54)が、2万1千票余りの差をつけて自民党新人で公明党推薦の元内閣審議官山本繁太郎氏(59)を破り、四回目の当選を決めた。それぞれの得票は、平岡氏116,348票、山本氏94,404票。投票率は69.00%で単独で実施した補選の投票率としては、2000年の統一補選方式導入以降で最高となった。
こうした結果となったことについて、報道では揮発油税などガソリン税の暫定税率問題や後期高齢者(長寿)医療制度問題があると伝えている。民主党はこの勝利を踏まえて暫定税率の復活阻止に加え、新医療制度の廃止を訴えている。
 今回の山口2区での有権者の投票行動を分析してみると
①ガソリン税の暫定税率問題では、諸物価が高騰している現状においては安いことを歓迎している反面、本当にこれでよいのかという後ろめたさというか、躊躇する気持ちがあるのも否定できないでいる。
 ガソリンの消費が伸びることについての環境への影響、税収減に伴う(特に)地方自治体の活力の停滞、建設産業の需要の減少に伴う景気後退、それに付随して危惧される建設労働者の雇用問題など不安要因は幾つもある。
 しかし、それにしてもである。30年以上にもわたる暫定税率制度の不明朗さ、次から次へと出てくる道路財源の不適切な(というより不当、不法とさえ言える)使用実態を見せつけられると、59兆円にも上る道路整備計画の怪しさが突出してくる。国会での政治状況が変化したことによって、これまで知らないうちに続けられてきた暫定税率の延長が阻止されるという初めての経験が、自分たちの意思を示すことの重要性に気づかせた。
②後期高齢者医療制度では、その内容をほとんど知らされないうちに、突如、保険料が年金から天引きされた。介護保険料の天引きだけでつらい思いをしているのに、その上の仕打ちに心から怒りがこみ上げてきたというものだ(本当は、自分たちが選んだ議員たちが作った法律のせいであることを忘れてしまって)。
 団塊の世代が高齢化していくと医療費はますます増大し、このまま放置すれば医療保障制度は確実に破綻する、といわれて出てきたのがこの制度である。何とかしなければいけないというのは分かるが、何かほかにやりようはないのかという疑問がつきまとう。
 こうした迷いの中で、現状が続けば何も変わらない、ここらで一歩踏み出してもよいのではないか、現に暫定税率は延長を食い止めたではないか。
 国民は賢いのであり、民意は重いのである。追従ではなく、そこに流れる真意を汲み取らないとしっぺ返しを食らうことを政治家は肝に銘じなければならない。

厳戒態勢の中の長野聖火リレー

2008-04-27 12:45:24 | Weblog
2008.4.27
 昨日(26日)、北京五輪聖火リレーは長野市で行われ、厳戒態勢の中、予定通り80人の走者が引き継いでゴールの若里公園に到着した。
 走者には中国人スタッフ二人が付き添い、その外側をトレーニング姿の警察官ら約100人が囲んで警護し、さらに沿道に数メートル間隔に警察官が配置されるなど総勢三千人以上の警備体制の下での聖火リレーであった。列の中に飛び込もうとしたり、物を投げ入れた男ら6人が逮捕された。
 しかし何よりも、沿道での中国とチベットの対立の様相は、何のための聖火リレーか考えさせられるものであった。
 テレビの映像によれば、真っ赤な中国国旗が沿道を埋め尽くし、ここが日本とは思えない光景であったが、一方のチベットの旗も結構集まっていた。その一触即発の火花を周りの日本人がはらはらしながら眺めているという図であった。また、ほとんどの中国人はチベット人の抗議に対して「嘘つき」とやり返しているところを見ると、彼らには本当のことを知らされていないか、各種の報道も正しく見えなくなってしまっているように見える。間違った愛国心は国を滅ぼすという戦前の日本を見ているようである。

次から次へと出てくる道路特定財源の不適切な運用!!

2008-04-26 10:37:35 | Weblog
2008.4.26
 道路特定財源の暫定税率の復活がいよいよ迫ってきた。報道によると政府与党は4月30日にも同税率復活を含む租税特別措置法改正案が衆院本会議で再可決・成立した後、原案では4月1日となっている施行日を5月1日に変更する政令を政府が閣議決定するという段取りである。
 こうした状況の中で、またまた国土交通省による道路特定財源の不適切な使用実態が明らかにされている。
 ① 関東地方整備局道路計画一課の職員7人が、07年4月~08年2月に計1134回もタクシーを利用し、約2200万円が道路特会から支出された。一人当たりの代金は190~490万円に上った。
 ② 残業代は近畿地方整備局道路部への支出が多く、02年度で計1559時間残業し、450万円の支出を受けた職員もいた。
 ③ 国交省の職員の出張旅費が06年度の1年間だけで3億5600万円も道路特会から支出されていた。
 ④ 国交省職員の民間からの借上げ宿舎の家賃に当てられていた。07年度だけで1億3143万円が支出された。07年度の民間からの借上げ宿舎は145戸で、一戸当たり平均月額約7万5500円の家賃が補助された計算になる。
 道路特定財源の不適切な使用については、利用されない駐車場の整備や職員の福利厚生費などが明らかにされており唖然とさせられたものであるが、似たようなものが次から次へと出てくるものである。道路整備に関わっている職員の宿舎だから、あるいはその職員の元気回復のためだからという国交省の拡大解釈には驚くほかない。道路特定財源はあくまでも道路整備のための直接経費に充てられるべこものである。福利厚生に野球のグローブが必要ならきちんと一般財源で要求し、予算に計上すべきである。巨額な道路特定財源の中でこっそりと国交省職員のポケットマネーのごとく使われるのはもってのほかである。
 筆者のみるところ、10年間の道路整備計画額59兆円のうち、本当に必要な額はその半分あるいは多めにみても三分の二程度あれば十分と思える。
 筆者は、暫定税率分すべてを廃止すべきとは考えていない。いまや国民のほとんどが車を利用しており、ガソリン税として徴収されてもその一部を一般財源とすることに大きな不公平感はないと考えている。従って、本則分の税率だけでは道路整備に不足するというのであれば、十分な国民的議論を踏まえて暫定税率の一部を道路整備に当て、その他は福祉や教育などに必要な一般財源として利用すればよい。地方分の財源についても、道路整備かその他の経費に充てるかはその自治体の自主的判断にまかせれば、真の意味での地方自治に貢献することになる。
 このあたりのことを党利党略にとらわれず、政治家として国会においてもっと真剣に議論してもらいたい。

光市母子殺害事件―元少年に死刑判決 

2008-04-23 06:10:49 | Weblog
2008.4.23
 山口県光市で1999年、会社員本村洋さん(32)の妻子を殺害したとして、殺人や強姦致死などの罪に問われた元少年(27)の差し戻し控訴審で、広島高裁は22日、一審の求刑通り死刑の判決を言い渡した。
 この事件は、山口県光市で1999年4月14日、本村洋さんの妻弥生さん(当時23)と長女夕夏ちゃん(同11カ月)が自宅で殺害され、近所に住む当時18歳と30日の元少年が殺人罪などに問われたというものである。
 今回の差し戻し親での大きな争点は、被告が一、二審では殺意を認めていたが、「殺すつもりはなかった」と一転殺意を否定した元少年の新供述について「事実と違うなら、起訴後6年半にわたり黙っていたのは不自然で不合理だ」と指摘した上で「甘えたいと抱きついた。想定外の反撃に無我夢中で首を押さえた」「泣きやんでほしい一心でひもで緩くしばった」とする妻子殺害の弁護側の主張について「変遷があり、信用できない」などとして退け、二人への殺意を認めた。犯行時の年齢などを考慮しても犯行が悪質、残虐で死刑を言い渡すべき事件だとして、一審判決を破棄したものである。
 この事件は、すでに9年もの長きにわたって死刑の良し悪しについて語られてきた代表的な事件である。
 死刑の是非については、すでにこのブログでも何度も書いてきた(2007.11.18)。筆者の主張からすれば今回の判決は極めて妥当なものである。少しでも疑わしさの残る事件や同情すべき理由・背景のある事件を除いて、残虐、悪質、自分本位(身勝手)な殺人者に対しては年齢や生い立ち、心神耗弱の有無など関係なく極刑に敷かれて当然である。何の罪もない善良な市民が残虐非道な殺され方をして未来の夢を奪われた無念を思えば、殺人者は死をもって償うべきである。それを否定するなら、理由のない、残虐非道な殺人を犯さなければよいのだ。
 今回の事件では、被害者の夫である本村洋さんの存在、主張によって死刑の是非が特に世間の話題を呼んだ。週刊誌アエラでジャーナリストの綿井氏が述べているように「正義」対「悪」、「被害者」対「加害者」、「死刑存置」対「死刑廃止」さらには「死刑を求める遺族」対「死刑反対の大弁護団」などすべての「代理戦争」の様相となった。しかし今回の判決はこれらの二者択一の闘いにしっかりと切り込んだ見事な結論を与えた。弁護団は即刻上告したようだが、これまでの経過から翻ることはないだろう。まことに痛快な判決である。

高遠城址公園の桜

2008-04-22 06:23:36 | Weblog
2008.4.22
 今年の桜見物のクライマックスは、高遠城址公園の桜吹雪であった。
 かねて「天下第一の桜」と称される高遠城址公園の桜は一度は見ておきたいとの願いを、昨日(4月21日)やっと実現させた。観光バスツァーで今回は姉と出かけた。
 ここの桜はソメイヨシノではなく、コヒガンザクラで、今年の満開は4月15日前後であった。17日、18日とかなり強い雨が降ったので、予約した21日ではもう散ってしまうのかと心配であったが、ほとんど散ることなく、天気も持ち直して、昨日は最高の花見日和になった。しかも、満開の花が惜しげもなく散るこれぞ桜吹雪であった。
 樹齢130年を越える老木を含め、約1500本の桜が咲き誇る姿は、圧巻そのものである。花形がやや小ぶりで赤みを帯びたその可憐さと規模の大きさには、まさに「天下第一の桜」と称されるにふさわしい。今年の桜の見納めはこれまでにない充実したもので、十分満喫できた。
 今日のツァーは、高遠城址公園の桜見物の前に、光前寺のしだれ桜を訪ねた。ここは高遠城址のある伊那市の手前、駒ヶ根市にあって、天台宗の別格本山となっているお寺である。境内一円にちょうど満開のしだれ桜が咲き誇っていて、これはこれで美しい景色であった。折角のこととて、宝物と名勝庭園を拝観した。
 桜を愛で、楽しんだ一日であった。


五輪聖火リレーで出発地の善光寺が辞退

2008-04-19 10:20:14 | Weblog
2008.4.19
 北京五輪の聖火リレーについては、このブログでも4月14日付で書いた。この聖火リレーは現在世界の各地を巡っており、日本では4月26日(土)長野市で行われる。先のブログでは、各地で混乱が生じていることについて、長野市の実行委員会は中止やコースの変更もなく粛々と実施すると言っていたが、ここに至って出発地の善光寺が辞退を申し出てしまった。善光寺の辞退はチベット問題が絡んでいることは明らかであるので、実行委員会としても受け入れざるを得なかったと思われる。したがって、早速新たな出発地点を選定するとともにコースや警備体制の変更などの検討を迫られる。しかし、実行委はサンフランシスコなどのように大幅にコースを短縮する可能性には否定している上、走者数も80人を維持するとしている。
 これまで聖火リレーといえば、五輪の開催地をめがけて全国津々浦々を駆け巡り、平和の祭典を盛り上げる役割を果たしてきた。多勢の市民ランナーが参加し、各地の市民がそれを歓迎するということで開催機運を盛り上げたものである。ところが、今回は最初から各地で妨害が起こり、暴力にまで発展しているところもあった。これでは、何のための聖火リレーかと思われる事態である。
 原因は先のブログでも指摘したように、中国政府のチベット自治区住民への抑圧である。中国政府は、ダライ・ラマ14世がチベットの独立を煽っているとして強硬姿勢をとっているが、14世は正当な自治の確立を要求しているだけだといっている。そして両者とも話し合いの必要性は認めるようなことをいっている。
 ここは、もう中国政府は14世と腹を割って話し合うべきである。今の事態を放置していると、本番になんの影響もないとはいえなくなるのではないか。モスクワの二の舞になっては中国といえども本意ではあるまい。
それにしても、オリンピックが真の平和の祭典になることがあるのであろうか。オリンピック出場の夢を持って、懸命に頑張っている選手達のためにも北京五輪が空中分解しないことを祈るばかりだ。

自衛隊のイラク派遣は憲法違反!!名高裁判決

2008-04-18 11:33:25 | Weblog
2008.4.18
 驚くべき判決が出た。正しいまともな判決という意味でである。
 自衛隊のイラク派遣は武力行使放棄などを定めた憲法九条一項に違反するとして、全国の市民や元外交官ら約1100人が国に派遣差し止めや慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は17日、多国籍軍の武装兵士を輸送する航空自衛隊の活動について『憲法に違反する活動を含んでいる』として違憲との判断を示した。第九条第一項について違憲の司法判断が示されたのは初めてである。しかし慰謝料などの訴えそのものは棄却されており、主文以外の判決文に法的拘束力はないということである。したがって、国側は、勝訴したことになり、事実上、上告できず、原告側も上告しないため判決は確定する見通しとなった。イラク派遣は違憲というのが判例となってしまったのだ。
 判決の骨子は次のとおりである。
 ☆イラク、特にバクダッドはイラク特措法が自衛隊の活動を認めていない戦闘地域に該当する。
 ☆空自による多国籍軍武装兵員のバグダッドへの空輸は、他国の武力行使と一体化した行動で、自らも武力行使したとの評価を受ける。
 ☆空自の空輸活動は、武力行使を禁じ活動地域を非戦闘地域に限定した特措法の規定に違反し、憲法九条一項に違反する活動を含んでいる。
 ☆違憲確認請求と差し止め請求は不適法。平和的生存権の侵害までは認められず、損害賠償請求は認められない。
 中日新聞によると、航空自衛隊はクウェートに隊員210人とC130輸送機三機を派遣、イラク南部のアリ、首都バグダッド、北部アルビルの三カ所へ週四回から五回の定期便を飛ばしている。空輸の大半は米兵や米軍物資で復興支援の国連空輸は週一回だけだそうである。
 テレビによく出てくる軍事評論家の江畑謙介氏は、『水や食糧、燃料はいいが兵員や弾薬はだめなんて世界の常識と懸け離れている。兵員を運ばないことで自分の手が汚れないというのは自己満足だ。船外発動機や車など日本の輸出品は海外で武器として使われており現実を見ていない。日本は食糧自給率が低い。海外貢献せずに飢えてしまっていいのか。現実を踏まえないと事は進まない』と今回の判決を批判している。
 政府の食糧政策を改めて考えさせられるが、こうした現実追認主義こそがあの戦争の反省ではなかったのか。
 今回の違憲判決が主文でなく傍論で述べられていることについて、町村官房長官は「こういう傍論を認めるものではないという立場だ』と主張し、増田防衛次官は『空自活動は憲法の範囲内で適正なもの』と違憲判断に反論している。また、政府筋は『(裁判長は)歴史に名前を残したいと思うのだろうが、こっちは困る』とも言っているそうである。こうした発言は与党政府あるいは防衛省としては当然かもしれないが、これでは世の中、前進できない。ガソリンの暫定税率問題では国民の意識によっては政治の流れを変え得ることを知った。今回の判決がその政治の流れをおしとどめる一石になることを期待したい。

伊藤前長崎市長の一周忌

2008-04-17 08:00:00 | Weblog
2008.4.17
 長崎市の伊藤一長市長(当時)射殺事件の発生から今日で一年になる。そういえば、1年前のちょうどこの頃は統一地方選挙の最中であったことが思い出される。
 選挙の最中、市長候補者が一人の暴力団員によって、銃弾で殺害されるなどということは誰も想像できない出来事であった。しかし、これが現在の日本の奥深くに潜在し、うごめいている何か不気味な「ぬえ」のように思える。
 昨日、発生から1年となる17日を前に、長女の横尾優子さん(37)らが記者会見し、「暴力を許さないという気持ちを市民一人一人が持ってほしい」と訴えたという。犯人である暴力団幹部城尾哲弥被告(60)は、殺人罪などに問われて死刑を求刑されており、来月5月26日に長崎地裁で判決が予定されている。優子さんは、これまでの公判について『明らかにしてほしかった内容とは程遠いが、判決では社会が許さないという姿勢を示してほしい』と極刑を望んでいることを示した。当然のことである。特に今回の場合は、選挙最中、候補者を白昼堂々と射殺した民主主義に対する挑戦である。伊藤前市長一人の問題ではない。本音を言えば、暴力団の幹部たるもの、いつまでも刑務所の中で恥をさらしていないで、さっさと舌でも噛み切って責任を果たすという気概を見せてほしいというものだ。