2016.6.25(土)
欧州連合(EU)からの離脱か残留かを問うイギリスの国民投票は23日投開票され、離脱派が51.89%(1741万742票)となって勝利した。投票率は72.2%。
EUが欧州共同体(EC)を母体に1993年に発足して以来、加盟国が離脱に向かうことになったのは初めてのことである。国民投票の結果に法的拘束力はないが、イギリス政府は最低2年をかけてEUとの脱退交渉を進める見通しという。残留を訴えてきたキャメロン首相は10月の保守党大会までに辞任する意向を表明した。
EUからの脱退交渉が始まることになるが、イギリスはすぐに脱退できるわけではなさそうである。他国からも脱退の動きが広がったり、各国で極右などの反EU勢力が伸長したりする事態を避けるため、イギリスとの今後の交渉でEU側が簡単には妥協しないとみられているからである。
この結果を受けて世界の金融市場に激震が走った。円は2013年11月以来、約2年7か月ぶりに1ドル=100円を突破し、一時99円台にまで上がった。日経平均株価も一時、1300円を超える安値を付け、15,000円台を割り込んだ。
円高、株安の流れは、アジア、欧州、米国でも止まらず、ニューヨーク株式市場では下げ幅が一時530ドルを超えた。欧州でも主要株式の下げ幅が軒並み10%前後に達した。
今回の国民投票はまさにイギリス国民を二分した。勝った離脱派は「独立記念日だ」と歓喜し、残留派は「悪夢だ」と悲嘆にくれた。血を見るまでに過熱した対立はいったい何をもたらしたというのであろうか。有名なハリー・ポッターの著者は「これまで聞いた中で最も醜い物語」だとこの国民投票を批判した。
いま世界では右寄りのナショナリズムが大きなうねりとなってきている。欧州各国に流れ込む移民を嫌って、人種差別主義者が増加している。アメリカ大統領候補になった共和党のトランプ氏などはイスラム教徒のアメリカへの入国を禁止するとまで言っている。ドイツでもフランスでも右翼の台頭が際立ってきた。日本も極端なナショナリストにおされた安倍政権が、中国や北朝鮮を仮想敵国にして過度な防衛システムを推し進めているのもその現われである。
これから先、世界はいったいどのような方向に進んでいくのであろうか。
欧州連合(EU)からの離脱か残留かを問うイギリスの国民投票は23日投開票され、離脱派が51.89%(1741万742票)となって勝利した。投票率は72.2%。
EUが欧州共同体(EC)を母体に1993年に発足して以来、加盟国が離脱に向かうことになったのは初めてのことである。国民投票の結果に法的拘束力はないが、イギリス政府は最低2年をかけてEUとの脱退交渉を進める見通しという。残留を訴えてきたキャメロン首相は10月の保守党大会までに辞任する意向を表明した。
EUからの脱退交渉が始まることになるが、イギリスはすぐに脱退できるわけではなさそうである。他国からも脱退の動きが広がったり、各国で極右などの反EU勢力が伸長したりする事態を避けるため、イギリスとの今後の交渉でEU側が簡単には妥協しないとみられているからである。
この結果を受けて世界の金融市場に激震が走った。円は2013年11月以来、約2年7か月ぶりに1ドル=100円を突破し、一時99円台にまで上がった。日経平均株価も一時、1300円を超える安値を付け、15,000円台を割り込んだ。
円高、株安の流れは、アジア、欧州、米国でも止まらず、ニューヨーク株式市場では下げ幅が一時530ドルを超えた。欧州でも主要株式の下げ幅が軒並み10%前後に達した。
今回の国民投票はまさにイギリス国民を二分した。勝った離脱派は「独立記念日だ」と歓喜し、残留派は「悪夢だ」と悲嘆にくれた。血を見るまでに過熱した対立はいったい何をもたらしたというのであろうか。有名なハリー・ポッターの著者は「これまで聞いた中で最も醜い物語」だとこの国民投票を批判した。
いま世界では右寄りのナショナリズムが大きなうねりとなってきている。欧州各国に流れ込む移民を嫌って、人種差別主義者が増加している。アメリカ大統領候補になった共和党のトランプ氏などはイスラム教徒のアメリカへの入国を禁止するとまで言っている。ドイツでもフランスでも右翼の台頭が際立ってきた。日本も極端なナショナリストにおされた安倍政権が、中国や北朝鮮を仮想敵国にして過度な防衛システムを推し進めているのもその現われである。
これから先、世界はいったいどのような方向に進んでいくのであろうか。