名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

2010年の回顧(その二)

2010-12-31 13:26:01 | Weblog
2010.12.31(金)
 続いて海外の大ニュースを拾ってみよう。
 第一は戦争の危機という点で60年前の朝鮮戦争の再現を思わせた北朝鮮による韓国・延坪島(ヨンピョンド)への砲撃事件であろう。
 北朝鮮軍が11月23日、韓国西方沖にある延坪島に砲撃し、約80発が着弾、民間人2人と兵士2人が死亡、家屋も破壊され住民約1300人が韓国本土に避難した。今年3月には、近海で韓国軍の哨戒艦が沈没、韓国は北朝鮮の魚雷攻撃が原因と断定していた。まさに一触即発の事態になったが、今回はとりあえず北朝鮮が矛を収めた形になった。
 第二は、ギリシャの財政危機が表面化し、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に金融支援を求める事態となったことである。アイルランドやスペインにも飛び火し、ユーロの信用を失墜させた。相対的に円高を招き、日本の景気にも大きな影響を与えた。
 第三は、南米チリで起こった落盤事故から33人全員が生還したことだろう。8月5日の事故発生から全員救出された10月13日まで69日間の長さであった。
 第四は、ノルウェーのノーベル賞委員会が獄中にある中国の民主活動家劉暁波氏に平和賞を授与したことである。中国政府は劉氏本人はもとより家族すら出席を認めないという挙に出て、中国の民主化の遅れを世界に露呈することとなってしまった。
 第五は、4月メキシコ湾で英国石油会社のBP社の原油掘削基地が爆発し、海底から大量の原油が流れ出るという惨事となったことを挙げる。完全封鎖まで約5か月を要し、総流出量は約490万バレルに上るといわれる。海と沿岸地域を広範囲に汚染するという大規模な環境災害となった。

 その他、世界各地でさまざまな事件、災害があったが、ここ数年とみに中国の台頭が著しい。これに伴う軋轢が各地で生じ、世界の監視役であるアメリカを苛立たせ、新たな冷戦の兆しさえ垣間見える。

2010年回顧(その一)

2010-12-30 15:35:13 | Weblog
2010.12.30(木)
 2010年もあと残り2日となった。新聞各紙が今年の十大ニュースなどの特集を組んでいる。
国内・国外のニュースをそれぞれ五つずつ、合わせて十大ニュースとする。
 国内ではまず第一に、①昨年夏、国民の期待をになって政権交代を果たし初代の首相となった鳩山由紀夫首相が1年もたたないうちに今年6月退陣を表明し、新たに管直人内閣が発足したことだろう。
 鳩山氏は米軍普天間飛行場の移設問題および小沢一郎幹事長と自らの「政治と金」の問題で信頼を失い辞任、後を継いだ菅首相も7月の参院選で大敗し、尖閣沖での中国漁船衝突事件、高速道路料金や子ども手当てなどマニフェスト違反、閣僚の迷走発言など失態が続き、国民の信頼は揺らいだ。
 第二は筆者としては、尖閣列島沖での中国漁船の衝突事件を挙げたい。この問題をめぐっては、日中両国民の間に大きな不信感を残した。中国国民の反日活動もさることながら、恩家宝首相ら中国首脳の強硬姿勢にも失望した。この問題をめぐってはその後、海保が撮影した衝突の模様の映像がインターネット上に流れ、その処置をめぐって政府の対応は迷走した。
 この事件は現在はほぼ沈静化したが、事態の進展によっては深刻な事態も予想されるものであった。その意味では、逮捕した中国人船長の釈放は結果的に正解であった。生ぬるい、軟弱だ、弱腰外交だ、なめられているなどあらゆる罵詈雑言が右寄りから投げかけられたが、武力による争いを避けたという点では大きな教訓を残した事件であった。
 第三は、地元名古屋市議会のリコールが成立したことである。首長の解職、議会の解散リコールは各地であるが、政令指定都市でリコールが成立し、住民投票が行われるのは初めてである。議会を解散して自分の支持者を増やしたいという河村市長主導によるいささか制度の趣旨を捻じ曲げたリコールではあったが、行政に市民が参加できるシステムを生き返らせたという点では画期的なことではあった。
 第四は、小沢一郎元民主党代表が政治資金規正法違反事件で不起訴となったことから、東京検察審査会が二度にわたって「起訴すべき」と議決し、小沢氏の強制起訴が決まったことである。
 自民党政権時代からの政治と金の問題をめぐる不透明さは、民主党政権においても引き継がれており、国民の最も忌み嫌う問題である。この問題はいまや菅勢力対小沢勢力として民主党を二分するところまできており、政倫審で説明すべきか否かで大もめにもめている。
 検察審査会の存在の意味と民主党政権を揺るがしているという点で記憶される事件である。
 第五は、検事が証拠を改ざんして元局長の村木厚子さんを逮捕・起訴した厚生労働省の文書偽造事件で、大阪地裁が無罪判決を言い渡したことである。
 この事件は、正義の味方であるべき検事が証拠を改ざんし、それを検察ぐるみで隠ぺいしていたことが明るみに出て国民を驚かせ、不安に陥れた。その後、特捜検事ら3人が逮捕され、検事総長も辞任に追い込まれたが、これを機に検察制度の改革がどこまで進むかが課題であり、注目したい。

 その他、名古屋で生物多様性条約第十回締約国会議(COP10)が開催され、「名古屋議定書」などの国際ルールが採択されたこと、日本人2氏にノーベル化学賞が授与されたこと、小惑星探査機「はやぶさ」が6月、オーストラリア南部の上空で大気圏に突入し、7年ぶりに地球に帰還したこと、スポーツでは野球賭博で大相撲が揺れたこと、朝青龍の引退、白鵬の63連勝などのほか、中日ドラゴンズと名古屋グランパスが共に優勝したことも地元名古屋にとっては大きなニュースであった。
 さらに、今年の夏が特別暑い猛暑であったことも2010年を特徴づけるものであろう。

小沢氏 自ら政倫審開催を要求

2010-12-28 14:36:42 | Weblog
2010.12.28(火)
 これは驚いた。あれだけ拒否姿勢を貫いていた小沢氏が一転、政倫審に出席すると言い出した。それも自ら政倫審の開催を要求してまでである。
 そもそも、先(12月14日)の当ブログでも書いたように、小沢氏は検察審が二度にわたって起訴すべしとする以前は積極的に政倫審へ出席して弁明すると言っていたはずなのに、強制起訴が決まった途端、出席を拒否し始めた。
 小沢氏や支持グループは、裁判に付された以上、国会で裁判に予断を与えるような議論をすべきではない、と岡田幹事長や菅総理の説得にもかたくなに拒否していたのが、突然今日になって政倫審への出席を認めた。
 菅総理の政倫審に出席しなければ、党としての処分もあり得るという厳しい姿勢にさすがの小沢氏も屈したというべきか。はたまた、やましいところがなければ裁判を理由に逃げるのではなく、自ら国会で説明すべきだという世論の圧力にも耐えられなかったのかもしれない。
 ところで、さて政倫審を開催してあとの国会運営はうまくいくのであろうか。自民党をはじめ野党は政倫審の開催ではなく、証人喚問すべきだと強く主張している。現状では、政倫審は開催されても今度は野党の委員が出席しない事態があり得る。
 結局、民主党政権と小沢氏のこれまでの争いは何だったのかということになる。通常国会での野党との軋轢はますます強まり、行きつくところは内閣改造どころか解散という最悪のシナリオが完成するかもしれない。

2010年の釣り納め

2010-12-26 14:36:33 | Weblog
2010.12.26(日)
 ここ数日、冬型の気圧配置が強まり寒波が襲ってきている。特に東北、北海道では低気圧が強まり等高線はまるで台風のようである。風雪も強く、当然のことながら北陸から東北、北海道の海は4m以上の波で時化ており、船舶は警戒が必要と気象庁が呼びかけている。
 こんな折の昨日25日(土)、関東から九州にかけての太平洋側だけは前日までの高い波もおさまり、かねてから計画していた釣行仲間との本年最後の釣り納めができることになってしまった。
 釣り場は三重県志摩半島の和具沖である。天気は快晴、風4~5メートル、波は2メートルというから船釣りにはまったく問題ない日和である。船に弱い人はすぐに酔ってしまう波ではあるが、釣り好きにはどうということはない。
 しかし日本全体の気圧配置は強い冬型であり、冷たい寒気が北から流れて、名古屋の最低気温は今季最低の0度という。
 和具港を午前6時半出船に間にあうように、25日午前1時に名古屋を出た。仲間は総勢8人である。
 予定通りの出船で約20分後に釣り場についた頃はちょうど真っ赤な太陽が東の海から昇り、これはこれで釣り人しか(漁師や船乗りは別として)味わえない日の出の醍醐味である。
 この日の狙いはメダイとイサキであるが、メダイは港からやや遠い深場まで行かなければならず波が高いのであきらめ、近くて水深30メートル前後の浅場でイサキ釣りに専心することになった。
 午後12時半の納竿までに8人で釣り上げた魚はイサキ60匹あまり、グレ、ハマチ、アイゴなどの外道数匹である。右舷、左舷に4人づつ分かれて釣るが、この日はとも(後方)に近い4人が釣れて、みよし(前方)の4人は貧果に泣いた。天びん仕掛にオキアミのこませを撒く釣り方であるが、潮の流れが速いとこませが後方に速く流れてともの釣り座が有利になるのではないかといわれる。
 筆者はともの一つ前方に座ったおかげでイサキ10匹と43センチの大きなグレ(クチブト)をあげた。イサキはいずれも30センチオーバーの大型で立派なものである。イサキの旬は5~6月といわれるが、この和具沖では年中居づいていてイサキ釣りには魅力の釣り場である。
 釣果を分け合って帰途についたが、土曜日とあって東名阪道で大渋滞に巻き込まれ帰宅できたのは午後7時半過ぎ、刺し身は翌朝に廻した。


TPP参加の是非

2010-12-24 12:07:27 | Weblog
2010.12.24(金)
 TPP(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)とは、環太平洋経済連携協定あるいは環太平洋パートナーシップ協定と呼ばれている。
 2004年にAPEC参加国のニュージーランド、シンガポール、チリ、ブルネイの4カ国が発効させた貿易自由化を目指す経済的枠組みで、工業製品や農産品、金融サービスなど加盟国間で取引されるすべての品目について、関税を原則的に100%撤廃しようとするものである。
 2010年11月現在、米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア、コロンビア、カナダなど9カ国が来年11月の合意を目指して交渉が本格化しているという。
 こうして見ると、各国ともTPPへの参加が流れのように見える。しかし日本はTPPに対する姿勢を明確にしてこなかったが、今年の10月に開かれた「新成長戦略実現会議」で、菅首相がTPPへの参加検討を表明して以来、この問題をめぐって俄かにやかましくなってきた。
 日本にとってTPPは、工業品などの輸出では有利であるが、農業は海外から安い農産品が輸入されると日本の農林漁業は壊滅するとして、農協中央会は絶対反対を主張している。
 菅首相は積極姿勢を打ち出したものの、農業団体ばかりでなく党内からも猛烈な反発を受け、関係国との協議開始は先送りされた。しかしこの問題はいずれ避けて通れない問題である。こういう問題こそ党派を超えた議論を行って真の国益となる方策を見つけ出さなければならない。

名古屋市長選に石田氏が出馬表明

2010-12-22 09:16:42 | Weblog
2010.12.22(水)
 河村市長の急な辞職によって行われることになった名古屋市長選挙に、民主党の石田衆院議員(65)が21日、正式に立候補することを表明した。
 もともと愛知県知事選挙が2月6日に行われることは決まっていたが、河村氏がこの日に市長選挙が行われるように辞職するので、知事・市長のダブル選挙となり、更に名古屋市議会のリコール成立で住民投票がこの日と決まり、結局2月6日は知事・市長・住民投票のトリプル投票日となってしまった。
 河村市長は、任期が半分も行かない途中で、初めはリコールが成立しなかったからやめると言い、リコール成立が判明すると10%減税が否決されたからやめて信を問うという、誠に身勝手な理由で、それも有力な対立候補もいない中での辞職・再立候補表明である(河村応援団の人たちは、この辺の非民主制・ファッショ性が解っていない)。
 一方の石田氏は、民主党市議団などからの度重なる要請にも再々断るなどしていたが、熟慮に熟慮の上、「河村市長は市長失格。市政崩壊の危機だ。河村市長への疑問点を選挙で対立軸とする」として一転出馬に踏み切った。
 石田氏については、かつて犬山市長を歴任し現在は衆院議員であるが、名古屋市長としての資質は不明である。しかし、有力な対立軸がなく、河村氏の独断場になる可能性のある市長選に国会議員の職をなげうって出馬しようとする意気は良しというべきであろう。
 かたや自民党崩れの大村氏と民主党崩れの河村氏のタッグに対して、かたや御園氏と石田氏という民主党コンビの愛知県知事・名古屋市長選挙は前代未聞の首長選挙となる。 

朝鮮半島情勢で国連安保理が緊急会合

2010-12-20 10:27:36 | Weblog
2010.12.20(月)
 北朝鮮は、延坪島近くの海岸に野砲や多連装ロケット砲を密集配置したと伝えられ、一方韓国軍は延坪島周辺で計画している射撃訓練を計画どおり実行するとしており、朝鮮半島では軍事的緊張がますます高まっている。
 こうした情勢を受けて国連安全保障理事会は19日(日本時間20日午前1時)、緊急会合を開き南北双方に自制を求める声明の採択に向けて協議に入ったという。
 しかし報道によるとなかなかすんなりとはいかないらしい。ここでもやはり中ロ対米日韓の対立があるというのだ。
 ロシアは『半島の事態悪化を強く懸念している』、『安保理は韓国と北朝鮮に対し自制を求めるシグナルを送る必要がある』として、平和的外交手段を通じた問題解決を訴えている。
 また中国は、『情勢を激化させるいかなる行為にも反対する』と、暗に韓国軍の射撃訓練を牽制している。
 一方、アメリカは『緊迫の責任は北朝鮮にあり、韓国は自己防衛を強化する権利がある』といい、日本はこれを全面的に支持する姿勢を示している。
 韓国軍の訓練が実施されれば南北情勢は一層の緊迫化が予想され、一触即発の事態となる可能性がある。しかし、北朝鮮の戦闘体制の強化や脅しに屈していては、いまや破れかぶれの北朝鮮は増長するだけだ、という考え方もうなずける。
 しかしである。先月23日の北朝鮮による延坪島砲撃の責任が北にあることは明らかであるが、もし次の砲撃があるとすれば、もっと深刻な事態になる恐れがあることも事実である。
 どの戦争もそうであるが、戦争はなんとしても避けなければならないということは当たりまえのはずである。
 本来なら、こういうときこそ隣国日本が南北の自重を促すような働きをすべきだ。それがアメリカの尻馬に乗って、どちらかといえば煽っているとしか思えない動きに出ている。国民の意識もそれを支持しているように見える。だからよその国の争いに日本まで巻き込まれる。そうなるともう止まらない。歴史は繰り返す。

名古屋市のリコール成立!!

2010-12-15 19:56:58 | Weblog
2010.12.15(水)
 名古屋市議会の解散請求(リコール)は結局成立することになった。
 先の当ブログ(11月25日付け)でリコールは不成立と書いたが、無効の取り消しなどを求めた異議申し立てで有効票が増え、最終的には365,795人分の法定数を上回ったというのだ。 これで河村サポーターと選挙管理委員会とのバトルはサポーターの勝利に終わった。結局、すったもんだの末、市議会解散請求の住民投票は行われることになった。規定からすると来年2月6日の愛知県知事選と同日となる可能性が高いという。そうなれば、知事選、市長選、住民投票のトリプル選挙となる。
 この住民投票で過半数の賛成があれば議会は即日解散し、40日以内に出直し選挙が行われる。そうなると投票日は3月13日(日)が想定される。もともとその1カ月後の4月には県・市議会議員選挙が行われるのに、わざわざ数億円の税金を使って無駄な選挙をすることになるのだから、本当に腹が立つ。
 気に入らない議会を解散し、自分の子分を集めて立候補させ、河村市長におもねる議員が多数を占める議会となれば、これはもうファッショのなにものでもない。

 ときあたかも今日の中日新聞の夕刊によれば、河村市長が勝手にやめて行われるであろう市長選挙に、河村氏の対抗馬として民主党名古屋市議団は再び石田芳弘衆院議員に要請するという。この8月にいったんは断った石田氏だが、今回は要請があれば前向きに考える姿勢だという。もしこれが実現するなら石田氏にとっては大きなカケである。


小沢氏政倫審出席をめぐって揺れる民主党

2010-12-14 22:43:23 | Weblog
2010.12.14(火)
 小沢氏を政倫審に呼ぶ、呼ばないで民主党が内紛状態に陥っている。
小沢氏の政治資金団体「陸山会」による政治資金規制法違反事件をめぐって、検察審査会が二度にわたって起訴すべきとしたことから、小沢氏の強制起訴が決まった。しかし、国会での説明が足りないとして野党から証人喚問、あるいは政倫審での説明を求める声は日増しに高まっており、その対応に民主党は右往左往である。
 岡田幹事長は小沢氏が政倫審へ自主的に出席するのが筋であるとして、その方向で必死に働きかけているが、小沢氏を支持するグループは猛反発である。鳩山氏や興石参院会長などは裁判に付された以上、今更国会で議論すべきことでない、と強烈に反発しており、いまやこの問題をめぐって党内は二分されているように見える。
 小沢氏はよもや検察審が起訴相当とするとは思っておらず、その段階では積極的に政倫審へ出席して弁明すると発言していたはずである。強制起訴が決まって一転出席をしり込みするようになってしまった。
 しかし国民の政治と金の問題に対する小沢氏への疑念は大きく、裁判に持ち込まれた以上、他所であれこれ論じて予断を与えるべきでないという筋論はもはや通用しない。野党も補正予算のための臨時国会では妥協したが、年明けに始まる通常国会では当初予算審議以前の問題として攻勢をかけることは明らかである。
 岡田幹事長としては、ここは正念場の思いであろう。小沢氏が政倫審出席に応じなければ、招致に向けて議決に踏み切るとの決意を見せている。それでよいのではないか。

 【関連記事  2010.10.5付け 当ブログ参照】

根岸、鈴木両氏にノーベル化学賞授与

2010-12-11 11:03:41 | Weblog
2010.12.11(土)
 2010年のノーベル賞授賞式が10日午後4時半(日本時間11日午前0時半)からスウェーデン・ストックホルム市のコンサートホールで行われた。
 日本人としては、化学賞の根岸英一・米バデュー大学特別教授(75)と鈴木章北大名誉教授(80)がカール十六世グスタフ国王から、金メダルと賞状を授与された。下世話な話だが賞金の1千万スウェーデンクローナ(約1億2千万円)は、共同受賞者の米デラウェア大名誉教授のリチャード・ヘックさん(79)を合わせた3人で分け合う。
 8日に行われたストックホルム大学での記念講演会で、根岸氏は「50年来の夢がかなった」、鈴木氏は「(受賞の対象になった技術は)特許がありませんから自由に使ってください」と聴衆を和ませた。
 一方、ノルウエーの首都オスロではノーベル平和賞の授賞式が行われた。しかし受賞した中国の民主活動家、劉暁波氏(54)は獄中にあり、その代理人も出席が許されず「主役不在」の式典となった。
 本人も親族も出席しない式典は、ナチス政権下で強制収用所に送られていたドイツの平和運動家カール・オシエツキー氏が平和賞を受賞した1935年以来だそうである。
 ところで、ノーベル賞の創設者アルフレッド・ノーベルはダイナマイトの発明で巨万の富をきずいたスウェーデンの科学者だが、物理学、化学、医学・生理学、文学、経済学の5部門は授賞式をスウェーデンで行い、平和賞だけはノルウエーで行っている。ノーベルは、両国の和解と平和を祈念して「平和賞」の授与はノルウエーで行うこととした。平和賞のみはスウェーデンではなくノルウエーが授与主体だそうだからである。
 今年の平和賞は中国にとっては「犯罪人」である劉暁波氏であるだけに、中国の反発は激しい。その圧力で授賞式を欠席した国はロシアを始め17カ国にのぼるという。
 しかし、ノルウエー・ノーベル賞委員会のヤーグラン委員長は「劉氏がいない事実だけでもこの平和賞が必要で、適切だったことを示している」と述べている。人口480万人の小国、ノルウエーは中国からのさまざまな圧力に屈することなく、堂々と対処している。
 それにひきかえ、人口1億2千万人かつ経済大国の日本は、中国にもアメリカにも堂々とものが言えないどころか、いつも首をちじめている。せっかくの平和憲法をなおざりにし、アメリカの核の傘に入っていては世界の尊敬は決して得られない。
 
【関連ブログ】2010.10.7  2010.10.10