2018.9.27(木)
2017年12月、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を差し止めた広島高裁の仮処分を、不服とした四国電力の異議申し立てによる審査で、同じ広島高裁(三木は昌之裁判長)は25日、異議を認め、再稼働を容認する決定を出した。これを受けて四国電は3号機を10月27日に再稼働させる方針を示した。
この決定を出した三木裁判長はその理由として、伊方原発から130キロ離れた熊本県・阿蘇カルデラの火山リスクについて「大規模な破局的噴火が起きる可能性が根拠をもって示されておらず、原発に火砕流が到達する可能性は小さい」と指摘した。
住民側は不服申し立てを行わず、この日の決定が確定する見通しという。ただ同様の仮処分で、大分地裁が28日に決定を出す予定となっており、ここで再び差し止めを命じれば再稼働はできなくなる。このほか、高松高裁や山口地裁でも係争中となっており、未だ予断を許さない。
原発を再稼働するかどうかは今や最高の政治的判断になっている。安倍政権は原発の再稼働について、電力各社と手を結んで積極的に動いている。したがって、こうした裁判も下級審から上級審に行くにつれて政権を慮(おもんばか)る下ごころが芽吹き、三権分立と言いながらも忖度(そんたく)が働く。
今回の広島高裁の決定は福島原発の教訓から何も学ぼうとしていないものと言わざるを得ない。もはや人間の力をもってしては原発を制御できないのだという事実を認識できないとき、人間の奢りがいつか地球を破局に導く。
2017年12月、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を差し止めた広島高裁の仮処分を、不服とした四国電力の異議申し立てによる審査で、同じ広島高裁(三木は昌之裁判長)は25日、異議を認め、再稼働を容認する決定を出した。これを受けて四国電は3号機を10月27日に再稼働させる方針を示した。
この決定を出した三木裁判長はその理由として、伊方原発から130キロ離れた熊本県・阿蘇カルデラの火山リスクについて「大規模な破局的噴火が起きる可能性が根拠をもって示されておらず、原発に火砕流が到達する可能性は小さい」と指摘した。
住民側は不服申し立てを行わず、この日の決定が確定する見通しという。ただ同様の仮処分で、大分地裁が28日に決定を出す予定となっており、ここで再び差し止めを命じれば再稼働はできなくなる。このほか、高松高裁や山口地裁でも係争中となっており、未だ予断を許さない。
原発を再稼働するかどうかは今や最高の政治的判断になっている。安倍政権は原発の再稼働について、電力各社と手を結んで積極的に動いている。したがって、こうした裁判も下級審から上級審に行くにつれて政権を慮(おもんばか)る下ごころが芽吹き、三権分立と言いながらも忖度(そんたく)が働く。
今回の広島高裁の決定は福島原発の教訓から何も学ぼうとしていないものと言わざるを得ない。もはや人間の力をもってしては原発を制御できないのだという事実を認識できないとき、人間の奢りがいつか地球を破局に導く。