名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

大津地裁 大飯、高浜原発の差し止め却下、しかし…

2014-11-29 09:58:47 | Weblog
2014.11.29(土)
 滋賀県などの住民らが関西電力の大飯原発3、4号機と高浜原発3、4号機の再稼動差し止めを求める仮処分の申し立てで、大津地裁は27日、「現時点で差し止める必要性はない」「必要な作業が進まなければ早期の再稼動はあり得ない」として却下した。
 しかし、「差し止める必要性はない」との理由として、○原発事故を想定した住民の避難計画が何ら策定されていない、○基準地震動について関電側の反論がない(原発の耐震設計の目安となる基準地震動を、関電が過去の地震動の最高値でなく平均値に基づいて設定しているなどと住民側が訴えていることに対して)として「このような段階で原子力規制委がいたずらに早急に再稼動を容認するとは到底考えがたい」との判断を示した。
 地裁は住民側の訴えを却下はしたが、一方で原子力規制委に対して大きな牽制球を投げた。ここまで言われた規制委にしてみれば安易に容認することに足かせを嵌められたことになる。
 この決定に対して住民側弁護団は「却下ではあるが、実質的には勝訴に等しい」との声明を出したという。ただ「却下」という結果には「土俵際まで追い詰めたのに、最後の最後にするりと逃げられてしまった」とも嘆いた。
 なお大飯3、4号機の再稼動を差し止める訴訟については、すでに今年5月、再稼動差し止めの判決を下していて現在、名古屋高裁金沢支部で控訴審を係争中である。
 これまでの却下一点張りの判決から少し流れが変わったように見える。東日本地震を体験して、裁判官自身の感情も変わり、大方の国民の意識に沿うようになって来つつあることは喜ばしいことだ。

「和紙」無形文化遺産に、和食に続きユネスコが登録決定

2014-11-27 06:29:33 | Weblog
2014.11.27(木)
産経新聞は27日付で、日本和紙の無形遺産登録について下記のとおり報道している。
 文化庁に27日入った連絡によると、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、フランス・パリのユネスコ本部で政府間委員会を開き、日本政府が推薦した「和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術」を無形文化遺産に登録することを決めた。昨年の「和食」に続き2年連続の登録決定で、文化庁では「日本の文化や伝統工芸の水準の高さを国際社会にアピールする原動力にしたい」と期待している。
 今回登録された「和紙」は、国の重要無形文化財に指定されている「石州半紙(せきしゅうばんし)」(島根県浜田市)と「本美濃紙(ほんみのし)」(岐阜県美濃市)、「細川紙(ほそかわし)」(埼玉県小川町、東秩父村)の3紙の技術で構成。職人らでつくる保存団体が、原料にクワ科の植物である「楮(こうぞ)」の樹皮のみを用いる伝統的な製法を守り伝えている。
 このうち、石州半紙は平成21年に登録済みだが、政府は25年、本美濃紙と細川紙を加えた「和紙」の技術として登録し直すよう拡張提案。ユネスコの補助機関が事前審査を行い、無形文化遺産に登録するよう今年10月に勧告していた。

 文化庁によると、政府間委員会では、丈夫で柔らかい和紙の特質だけでなく、(1)後継者の育成(2)学校での体験事業(3)楮の栽培促進-など地域で保存活動が進められていることも、高く評価されたとみられる。
 無形文化遺産は「世界遺産」や「記憶遺産」と並ぶユネスコの遺産事業の一つで、11月25日現在、世界で281件が登録。日本では「能楽」「歌舞伎」「京都祇園祭の山鉾(ぼこ)行事」など22件に上る。


河村名古屋市長が保存を主張していた「鳥久」が全焼

2014-11-23 21:21:58 | Weblog
2014.11.23(日)
 11月22日午前3時過ぎ、中村区の鳥料理店「鳥久」の建物がほぼ全焼した。報道によると、出火当時、建物内は無人で、21日午前に所有者の男性が水道メーターの検針に立ち会うため建物に入った際は異常はなかったという。この日は解体業者が建物内で照明器具を取り外す作業を市、午後3時半ごろに施錠して退出していたという。幸いけが人はなかったが、中村警察署は失火と不審火の両面で検証するとしている。
 この建物のことについては、所有者が解体してマンションに建て替える計画を河村名古屋市長が「貴重な木造建築」だとして保存を訴えていたことなど、10月27日付けのこのブログで書いた。
 所有者は9月、市道に解体工事用の足場を設置する許可を申請したが、市長の意向で申請が保留され続けたため、11月20日から手作業の解体を始めた直後の火災である。
 市長が保存したいといっていた建物が燃えてしまったのだから、この騒動は終わった。それにしても悪いタイミングというか良いタイミングというか都合のいい時に燃えたものだ。
 所有者は市有地を借りて解体工事を行う必要がなくなった、河村市長も残してほしいといっていた建物がなくなってしまったのだから保存もクソもない。
 だから、本当に失火なのか、疑問が全くないわけではない。警察が不審火の疑いを持っているのも頷ける。しかし、真相は誰にも分からない。

高倉健さん死去

2014-11-18 22:48:12 | Weblog
2014.11.18(火)
 日本映画界を代表する俳優の高倉健さんが11月10日午前3時49分、悪性リンパ腫のため東京都内の病院で死去したと今日、メディアが報じた。享年83歳。
 健さんは明治大学卒業後の1955年、東映に入社して映画界入りした。初めの頃は美空ひばりとの共演が続いたというが、それはほとんど知らない。その後、「網走番外地」シリーズ、「「昭和残侠伝」など、やくざの任侠路線で地位を築いた。
 1970年にはヤクザ路線から転じ、「君よ憤怒の河を渉れ」(76年)「八甲田山」(77年)「幸福の黄色いハンカチ」(77年)などに出演した。
 その後、「駅 STATION」「南極物語」と続き、99年の「鉄道員(ぽっぽや)」ではモントリオール世界映画祭で主演男優賞を受賞した。最後の出演作は2012年8月公開の「あなたへ」で、出演映画は200本以上だった。
 健さんは、映画文化への功労という点で、1998年に紫綬褒章、2006年に文化功労者、2013年には文化勲章を受章した。まさに日本映画界の巨星落つ、という感である。

沖縄知事選、辺野古反対の翁長氏圧勝

2014-11-17 22:08:20 | Weblog
2014.11.17(月)
 米軍普天間飛行場の移転先を最大の争点とする沖縄県知事選が16日、投開票された。
 結果は、名護市辺野古への移設に反対する無所属新人の前那覇市長翁雄志氏(おながたけし、64)が、移設手続きを進めて三選を目指した無所属現職の仲井真弘多氏(75)=自民、次世代推薦=ら3人を大差で破り初当選した。

 沖縄県知事選確定得票
  当 360,820 翁長 雄志 無新
    261,076 仲井真弘多 無現
     68,447 下地 幹郎 無新
      7,821 喜納 昌吉 無新

 翁長氏は那覇市議、県議、那覇市長を経て今回知事選に立候補した。自民党沖縄県連幹事長を務めたこともあるれっきとした自民党員だった。知事選は保守分裂の戦いとなり、自民党を除名された那覇市議らは翁長氏を支援した。また、共産、社民、沖縄社会大衆党も支援した。民主党、公明党は自主投票としたようだ。
 それにしても翁長氏が勝ったのは、保守、革新に関係なく多くの県民が辺野古移設に「ノー」を突きつけた結果である。今年1月の名護市長選に続いての移設反対派候補の勝利である。
 翁長氏の知事選出馬で欠員となった那覇市長選も辺野古反対派の前那覇副市長城間幹子氏(しろまみきこ、63)が、自民・公明推薦の候補に圧勝した。
 こうした結果を見れば、辺野古への移設反対は間違いのない固い民意であることは明らかである。それにもかかわらず政府は知事選の結果にかかわらず「粛々と進めていく」(菅官房長官)方針という。
 翁長さんは選挙には勝ったが、普天間の早期移設という課題と県外移設という課題にどう対応するか極めて困難な道が続く。米軍基地のほとんどを沖縄に依存して「のほほん」としている本土国民の無責任さが問われる。

衆院、解散風吹く

2014-11-15 11:58:00 | Weblog
2014.11.15(土)
 安倍首相がつい最近まで「解散」などあり得ないといっていたが、にわかに本当になりつつある。
 安倍首相は、来年10月に予定されている消費税率の8%から10%への引き上げを1年半延期し、2017年4月からとする意向であるとされ、もう既定の事実であるように報道されている。
 首相は一応、7~9月期の国内総生産(GDP)速報値が17日に出るのを待って最終判断するとしているが、どうも延期は確実のようである。しかし景気が思うようにいっていないからというだけでは説得力に欠けるから、衆院解散・総選挙で改めて国民の信を問う、というものらしい。
 この流れは、自民党内でも野党でも予想外の出来事のようである。どのメディアも解散風を大きく吹かせようとしている。もう止まらないであろう。
 解散は総理大臣の専権事項とされ、その決断には誰も反論できないものと言われるが、これほど党利・党略というか、安倍利・安倍略の総選挙はない。
 いま行えば、確実に勝てるという読みと、消費税率引き上げに対する国民のアレルギーを和らげる効果だけでなく、反論の多い集団的自衛権行使容認、原発再稼動、TPP、沖縄基地問題なども一緒くたにして国民の支持をとったと宣伝できる絶好の機会となるとの読みがあるのは間違いない。さらに今勝っておけば、政権の任期を2年延長できるという効果もある。
 デフレ解消、2%のインフレという目標が、為替相場を想定以上の円安に導き、庶民生活に厳しい物価高の様相を招いている。株価は上がっても庶民には関係なく、一層二極化を進めているだけである。
 こんな状況にもかかわらず、野党連合は烏合の衆としてしか立ちむかえない有り様である。
 安倍首相にとっては笑いの止まらない結果の見える選挙である。

3年ぶりの日中首脳会談

2014-11-10 22:36:30 | Weblog
2014.11.10(月)
 安倍首相は11月9日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席するため北京入りした。そして10日昼には中国の習近平国家主席と人民大会堂で約30分間会談した。日中首脳会談は、2011年12月に当時の野田佳彦首相と胡錦濤国家主席が会談して以来、約3年ぶりである。
 安倍首相は、沖縄県の尖閣諸島などで偶発的な衝突を避けるための「海上連絡メカニズム」構築に向けた協議を求めた。そして、首相は「日中両国が戦略的互恵関係の原点に立ち戻って、関係を改善させていく第一歩になった」と自賛したが、両首脳の握手の時の習近平国家主席はにこりともせず、また目を合わせることもなかったとテレビでは伝えていた。習近平氏がプーチンロシア大統領や朴槿恵韓国大統領との会談で見せた笑顔とは全く対照的であった。
 歴史認識について安倍首相は歴代の政府首脳の考えを踏襲していると弁明しているが、安倍政権になってとってきた政策は明らかに戦前回帰である。自民党政権の中でも最も右よりであった中曽根、小泉政権と比べてもさらに強硬姿勢をとっている。
 ただ、両首脳とも余りの軋轢(あつれき)の強さに、経済に悪影響を与えすぎることを危惧したのか、一時休戦で様子を見ようとしているに過ぎないのではないか。「戦略的互恵関係」とはよく言ったものである。
 安倍首相はテレビ番組で、「日中のいがみ合いに早く終止符を打ってもらいたいと、みんな思っている」と話したというが、何のことはない、首相自ら靖国参拝や、尖閣諸島の国有化(これは民主党当時の野田首相がしたことだが)を敢えて強調するなどしなければ、こんなにいがみ合うことなどなかったことである。
 まあ、それはそれとして、首脳同士が面と向かって話し合うことは良いことではある。

初のノーベル平和賞受賞者の生涯を一人芝居にした「情熱に燃える魂」の上演を観る

2014-11-06 17:20:50 | Weblog
2014.11.6(木)
 一昨日(11月4日)、標題の一人芝居を愛知学院大学日進キャンパス会館で観る機会があった。
 ベルタ・フォン・ズットナー(1843~1914 以下ベルタ)は1905年に女性初のノーベル平和賞を受賞したオーストリアの平和活動家で、ベルタの書いた小説「武器を捨てよ!」は16の言語に翻訳されるベストセラーとなった。日本での知名度は低いが、オーストリアではユーロ導入前の紙幣に彼女の肖像が使われるほど高名な人物である。
 この本の翻訳の一人である愛知学院大学のI先生の尽力で、東京、広島、神戸、京都などとともに名古屋での開催となったという。
 一人芝居を演じたのはオーストリアの女優、マクシー・ブラハさんのほか、バック音楽のギター演奏にはゲオルグ・ブックスホーファーさんと日本語ナレーターのツネコ・イップさんの3人のみ。
 欧州列強の軍備拡張が進む中、ベルタは国粋主義者や反ユダヤ主義者を敵に回し、各地を回って大規模な戦争が訪れる危険性を叫び続けた。こうした活動の原資はアルフレッド・ノーベルによる資金援助であったといわれる。
 しかし、ベルタが1914年71歳で世を去った一週間後に、サラエボでオーストリア皇太子が暗殺され、第一次世界大戦が勃発するという皮肉な結果となった。
 劇は女優マクシー・ブラハさんがドイツ語で演じたが、あらかじめ配られた参考資料と日本語ナレーターで、ベルタの政治的な活動とアルトゥーア・フォン・ズットナーとの愛が良く表現された舞台であった。
 今年2014年はベルタの没後100年という節目の年であり、右傾化が進む日本での開催は時宜を得たものではあったが、その開催は余りにもマイナーであり、やや寂しい思いである。

中国漁船が日本近海でサンゴを密漁

2014-11-03 22:56:57 | Weblog
2014.11.3(月)
 東京から南へ約1千キロ離れた小笠原諸島近くで、中国漁船が宝石サンゴを密漁していると報道された。その後さらに、400~500キロほど北の伊豆諸島の領海内にも同様の船が大挙、約120隻も集結しているという。 
 船団は小笠原の北約400キロの鳥島と、さらに100キロ北の須美寿(すみす)島の近海にいるという。須美寿島では11月1日午前10時過ぎ、北西沖約9キロ付近で、多くが中国国旗を掲げる約35隻が半径2キロほどの海域に3グループに分かれて停泊。甲板に漁具を積み、作業服を着た船員7、8人が網を入れていた。鳥島の北西沖約6キロでも午前11時ごろ約90隻を確認。小笠原周辺には約15隻がいた、と伝えている。
 海上保安庁はこれより先の10月30日、須美寿島と鳥島周辺で164隻、小笠原周辺で48隻を確認したと発表している。
現場海域では、中国漁船から捨てられたとみられるごみが見つかっていて、地元住民が困惑している。回収されたペットボトルを見ると、中国語のラベルが貼られており、また、きれいな状態であることから、最近捨てられたものであるとみられる。
 一体これはどうしたことか。サンゴは中国では海のダイアと言われ、高額で取引が行われているという。それを狙って日本まで来て密漁を行っているものらしい。サンゴは長い期間をかけて成長するもので、一旦荒らせばその回復は困難といわれる。そのため、中国政府もサンゴを違法に捕ることを厳しく罰しているという。それだからか、沖縄や小笠原、伊豆諸島などサンゴの豊かな海域に領海を侵してまでして密漁に来ているのか。
 それにしてもこんな事態に、日本の海上保安庁も警察もいかにも対応が生ぬるい。尖閣諸島問題に船をとられて取り締まる船が少ないとも言われている。これも情けない話だが、少なくとも直ちに中国政府に抗議すると同時に、政府間の交渉に持ち込むべきではないか。


日銀が追加緩和=紙幣の増刷

2014-11-01 15:57:46 | Weblog
2014.11.1(土)
 日銀は10月31日、金融政策決定会合を開き、追加の金融緩和を5:4の賛成多数で決めた。世の中に出回る貨幣の量を年60~70兆円から、国債の買い入れを増額することなどで80兆円に増やすというものである。
 この思い切った金融緩和を受けて、東京株式市場は日経平均株価の終値が前日より755円56銭高い16,413円76銭と約7年ぶりの高値をつけた。為替も一時、約7年ぶりの1ドル=112円台につけた。
 米国の連邦準備制度理事会(FRB)がこの10月、緩和策を終了と決定したばかりの中で、今回の日銀の追加緩和策は、米ドルに対し円安を招くことは明らかである。これまでも円安による輸入コストの増で物価が上昇してきたが、この流れをさらに加速されることは間違いない。賃金の上昇が大手企業に偏っており、中小企業や多くの国民がそれを享受できない状況では、さらに消費を冷え込ませる。
 さらに日本政府は、消費税増税を10%にすると国際社会に公約している。
 増税に踏み切るか、踏み切らないか、どちらにせよ景気が後退するか、はたまた国債価格の値下がりという恐怖が待ちかまえている。