2016.12.29(木)
昨日、安倍首相に真珠湾訪問を受けて、千鳥ヶ淵戦没者墓苑(東京都千代田区)で、アジアを含む全ての戦争犠牲者を追悼する集会が開かれた、とメディアが報じている。
主催者は「村山談話を継承し発展させる会」という。村山談話は、「我が国は植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました」とし、「痛切な反省の意」と「心からのおわびの気持ち」を表明したものである。
今回の安倍首相の真珠湾での演説について、会の藤田高景理事長は「太平洋戦争の本質に触れなかった安倍首相の言葉の空虚さにがくぜんとした。アジアを切り捨てた首相の真珠湾訪問は、全ての犠牲者や遺族の心情を政治的に利用するものだ」と断じた。
また、共同代表の高嶋伸欣・琉球大名誉教授は「太平洋戦争は米国の植民地を横取りしようとした日本が返り討ちに遭った戦争。まるでヤクザの勢力争いで、以後、日本は米国に屈服のあいさつを繰り返し、アジアは眼中にない。米国に頭を下げる首相の追悼の旅がアジアへもつながることを期待する」と述べた。
その他、参列者からは「太平洋戦争をきれいごとで幕引きしようとしているように思えた。日本は米国やアジアのみならず、多くの国と戦った。空襲や原爆で戦争の悲惨さを語り継ぐ動きはあっても、アジアへの侵略は知らない国民が増えた。歴史を直視なければ国が傲慢になる」
「米国に迎合するパフォーマンスはもういらない。はるかに大きな犠牲を出したアジア諸国にも目を向けてほしい」
上記とはかかわらないが、今朝(29日)の中日新聞の「発言」欄に、一宮市のK Iさん
の次の投書が掲載された。
「衣食も豊かになり、医療が驚異的に発展したおかげで幸せな人生が送れると思っていたのに…。表向きの豊かさとは裏腹に、近頃の世相に心の中は真っ暗だ。
終戦の詔勅を生で聞いた私には、日本人が武器を携えて海外へ出掛けることはとても考えられなかった。わが国が戦争に使う武器を造って輸出するなどはもってのほかだと思う。
東京電力福島第一原発の事故では、その処理に20兆円を超す費用がかかるという。多くの人々の生活を壊してしまったのに、国内の原発を次々と再稼働しようとしている神経を疑う。その原発を、日本は他国に輸出しようという。賭博場であるカジノを開き、観光客を集めようともしている。もうかれば、何をやっても構わないのか。
戦中派の私には腹立たしいことばかりだが、なんともしょうがない。」
K Iさんが怒っていることを、安倍政権は顧みることもなく実行しており、こんなことをしながら、真珠湾では、不戦を誓っている。言行不一致とは正にこのことである。