リニア中央新幹線 大井川の段生写朝顔話
2020.6.28(日)
今朝(28日)の中日新聞・中日春秋欄に、リニア中央新幹線の建設をめぐるJR東海と静岡県の争いを文楽の「生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)」に例えて皮肉っている。
「生写朝顔話」は好きあった男と女がすれ違いを繰り返す悲恋もの。その「大井川の段」では、苦労の末に失明した朝顔が、宿屋で出会った男こそ愛しき次郎左衛門と知り、追い掛けるが雨で水かさの増した大井川を渡ることができない。
「跡追うて来れば此の川留め。え、どうせうぞいの(どうしたらいいの)」。二人を近づけぬ大井川が恨めしい。
リニア新幹線をめぐってのJR東海の金子社長と川勝静岡県知事のトップ会談は物別れに終わった。JR側は2027年の開業に向けて6月中には静岡工区の準備工事に入りたいが、静岡県は南アルプスを貫く掘削工事で大井川の水量が減ることを恐れている。水が減れば地元の農業などに悪影響となるからだ。
総工費9兆円超の国家的プロジェクトに川勝知事も反対しているわけではないという。
太宰治は「(文楽の朝顔に)多少、同情するが、泳いで泳げないことはない。天道さまを、うらんでゐたんぢや、意味ないよ」と書いた。
中日春情の筆者は最後に「難所の川を泳ぎ切る方法を国全体で見つけたい」と締めくくっている。
それにしてもこれを書いた記者の博学には脱帽である。
2020.6.28(日)
今朝(28日)の中日新聞・中日春秋欄に、リニア中央新幹線の建設をめぐるJR東海と静岡県の争いを文楽の「生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)」に例えて皮肉っている。
「生写朝顔話」は好きあった男と女がすれ違いを繰り返す悲恋もの。その「大井川の段」では、苦労の末に失明した朝顔が、宿屋で出会った男こそ愛しき次郎左衛門と知り、追い掛けるが雨で水かさの増した大井川を渡ることができない。
「跡追うて来れば此の川留め。え、どうせうぞいの(どうしたらいいの)」。二人を近づけぬ大井川が恨めしい。
リニア新幹線をめぐってのJR東海の金子社長と川勝静岡県知事のトップ会談は物別れに終わった。JR側は2027年の開業に向けて6月中には静岡工区の準備工事に入りたいが、静岡県は南アルプスを貫く掘削工事で大井川の水量が減ることを恐れている。水が減れば地元の農業などに悪影響となるからだ。
総工費9兆円超の国家的プロジェクトに川勝知事も反対しているわけではないという。
太宰治は「(文楽の朝顔に)多少、同情するが、泳いで泳げないことはない。天道さまを、うらんでゐたんぢや、意味ないよ」と書いた。
中日春情の筆者は最後に「難所の川を泳ぎ切る方法を国全体で見つけたい」と締めくくっている。
それにしてもこれを書いた記者の博学には脱帽である。