名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

核汚染に苦しむビキニ環礁と脱原発宣言をした仏教会

2012-01-31 10:54:55 | Weblog
2012.1.31(火)
 今朝の中日新聞は、ビキニ環礁での米の核実験で半世紀以上が過ぎても核の汚染に苦しむマーシャル諸島元上院議員アバッカ・アンジャインさんの話を載せている。
 マーシャル諸島共和国は1946~58年、米国が67回の核実験を繰り返したため、放射能によってその環境は破壊された。ロンゲラップ環礁では1954年3月、日本の漁船・第五福竜丸も水爆実験の被害を受け久保山愛吉さんが死亡したことは忘れることができない。
 マーシャル諸島では50年以上過ぎた今でも健康被害が続くが、米政府は一部の土地を除染して住民に帰島を求めているという。アンジャインさんは「なぜ汚染された島に帰らなければいけないのか、私たちは怒っている。どうすればいいのかわからない。解決の糸口を見つけたくて来日した」と1月14日横浜市で開かれた脱原発世界会議の壇上から訴えたという。
 アンジャインさんはさらに言う。「除染は不十分で安全ではないのに、今から半年以内に島へ帰れという。住民は分断され、混乱している。住むかどうかの判断を住民に押し付ける。悲鳴を上げて、壁に頭をぶつけたいような気持ちだ。福島の人も同じ状況ではないか」
 アメリカは自由で、人々は陽気でおおらかで憧れの国であるが、政治的・軍事的には世界の憲兵をもって自認する国でもあり、他国をないがしろにしているという罪悪に目覚めていない。

 もう一つの記事は、全日本仏教会の脱原発宣言である。昨年12月1日、104の伝統仏教団体の総意として事実上の『脱原発宣言』が出された。
 会長の河野太通臨済宗妙心寺派管長(82)は「私たちは、もっと豊かに、便利にと欲望を拡大してきました。その陰で、原発所在地の人々が事故で命の不安に脅かされています。全日仏は原発への依存をなくし、持続可能なエネルギーによる社会の実現を目指します。誰かの犠牲の上に成り立つ豊かさは誠の豊かさではありません」
 「戦争当時の仏教会も本心では戦争がいいとは思ってなかった。でも、軍や社会の勢いに流され、よう反対せんかった。一人でも多く発言していれば戦争を止められたんじゃないか。同じ思いが原発問題にもある」という。
 仏教会の頼りになる意志を感ずる。

 折りしも知人から、先週末の日本テレビ(BS)で3・11大震災シリーズ『放射能を浴びた50年後 ビキニ水爆実験とフクシマ』と題されたドキュメントが放映されたと知らせてきた。あいにく見なかった。見なかった人のためにと再放送のあることを伝えるメールでもあった。
 それは、2月5日(日)BS日テレ 午前11:00~11:55 である。

原発再稼動問題

2012-01-29 21:17:18 | Weblog
2012.1.29(日)
1月26日付け中日新聞夕刊の論壇時評で、金子勝・慶応大教授が原発再稼動を狙う原子力ムラの動きを牽制する論壇を紹介している。参考のため、記録しておきたい。
1)添田孝史「全原発54基総点検」(『新潮45』2月号)
  再稼動しないほうがいい原子炉
(1)1978年の耐震指針(旧指針)ができる前に作られたもの(旧旧世代原発)、およびマークⅠ型格納容器のもの
(2)耐震安全性に問題があるもの
(3)3基以上の原子炉が集中しているところ
(4)組織に問題があるところ
の4条件で検討している。
 添田氏は、(1)の旧旧世代原発は「旧指針が出来るまえに安全審査」を終えた原発で、「全国の原発54基のうち半分弱に当たる25基」。(2)では、活断層の存在が問題になる。最も危険性が高いのは中部電力浜岡原発で「直下で起きる地震の規模(M8クラス)、その確率(30年以内に87パーセント)ともずば抜けて」おり、四国電力伊方原発も危ないという。(3)では、米国は「65か所の原発に計104基の商用原発があるが、一つの原発に原子炉は最大3基までしかない」という。実際、福島第一原発事故では「要員は複数プラントの緊急対応をするには不足していた」。(4)では、東京電力と九州電力の組織体質をあげる。
 結局「比較的問題が少ないのは新設も含め9基。それに加え、(2)や(4)で課題を検証中の炉が12基残った。これら以外の稼動は危険が大きい」と述べ、「2011年の夏もっとも多くの電力を使った8月10日、原発は15基が稼動していた。厳しい節電を積み重ねた成果ではあるが、54基もいらない」と主張する。

2)原子力資料情報室「原発再稼動は危険だ」(『世界』2月号)は、七つの視点から問題を指摘している。
 第一は古い「マークⅠ型原発」である。「マークⅠ型」と呼ばれる格納容器は「配管破断などの冷却材喪失事故や地震に弱い」と考えられ、「配管の破断と圧力抑制プールのスロッシング(水面の大きな揺動)が同時に発生した」とき深刻な事態をもたらすという。このマーク型原発は「東北電力の東通、女川一・二・三、中部電力の浜岡三・四、北陸電力の志賀一、日本原電の敦賀一、中国電力の島根一・二である」。
 第二は「老朽化原発」であり、「金属材料は必ず劣化する運命」にあり、過去にも「腐食と疲労による劣化」や「放射線による照射脆化(ぜいか)」で事故が起きている。「福島第一・第二原発の10基を除くと、全44基の日本の原発のうち30年超が15基、そのうち40年超が2基ある」という。
 第三に、地震の危険性が最も高い浜岡原発と東電柏崎刈羽原発をあげ、
 第四に女川原発1・2・3号炉、日本原電東海第二原発など、大震災で「被災した原発はいずれも大きなダメージを受けた施設であり、どこにどんな欠陥が潜んでいるかもわからない」と指摘する。
 第五は「やらせ」を行った九州電力の問題であり、
 第六は、関西電力の高浜、大飯、美浜原発など「十三基の原発が林立している」若狭湾原発銀座で、「活断層の集中している地域」という。
 第七は、北海道電力の泊原発で、やらせ問題と活断層の存在が指摘されている。

 以上が、金子氏が指摘する原発の危うさの視点である。金子氏はこの視点から見ると、再稼動の可能性のある原発はかなり限定されてくると述べている。
 筆者もすべての原発を直ちに廃炉にすべきとは思わない。上記のような視点で、必要最小限で最も安全性の高い原発を、たとえばドイツのように最大20年間まで稼動させ、その間に自然エネルギーなどへの転換を図るという長期目標が示されるべきと考える。40年とか60年などというのは結局永久稼動と同じであることを国民は見抜いていることを「原子力ムラ」の人たちはなぜわからろうとしないのであろうか。

これでも危険運転致死罪が適用されないとは!!

2012-01-27 19:49:45 | Weblog
2012.1.27(金)
 CBC(中部日本放送)夕方のニュース番組で『イッポウ』というのがある。
 今夕の放送の中で、19歳の青年がまだ暗い早朝、横断歩道を渡っていたとき、逆走してきた無免許、酒酔い運転の車にひき逃げされて死亡するという事故について報道していた。
 報道の趣旨は、このような重大事故に対して検察が危険運転致死傷罪を適用しないで、罪の軽い自動車運転過失致死傷罪を適用して求刑したことに対する遺族の怒りを伝え、それに同調するというものであったと思われる。
 もともとこうした自動車事故は、業務上過失致死罪が適用され、最高刑は5年の懲役刑であった。しかし、飲酒運転や信号無視など悪質な運転による事故の増大に対処する意味から、2007(平成19)年5月17日に自動車運転過失致死傷罪及び危険運転致死傷罪を新設するという法改正がなされたものである。
 自動車運転過失致死傷罪は最高刑が7年であり、危険運転致死傷罪は20年である。
 今回の事故は、無免許で酒を飲んだうえ、一方通行を逆走して横断歩道を渡っている歩行者を引き倒して逃げるというこれほどの悪質なものは無いというほどのものである。被害者の父親が息子は浮かばれないと言って怒るのも尤もである。
 検察側の言い分は、ビールジョッキ3杯、焼酎3杯飲んでいたが、アルコール濃度はたいして高くなく、危険運転致死傷罪を適用するほどではないなどであったが、信じられない理由である。アルコール濃度が個人差によって違いがあることは分からないでもないが、ビール3杯、焼酎3杯は結構な量である。それに無免許、逆走、ひき逃げという悪質さがある。
 放送したCBCの論調もこの検察の求刑を批判するものであったと思われる。
それはそれで結構な報道姿勢である。この放送で、筆者のような思いの視聴者は決して少なくないと思われる。中には、遺族を応援する意味で、検察に対して抗議の意思を伝える人もあるかもしれない。
 ここでさらに望みたいのは、せっかくの内容を報道のしっぱなしに終わらせないことである。CBCは是非ともこの報道に対する反響や検察への追及のその後を改めて報道してほしいと願う。

何を言い出すか分からない田中直紀防衛相

2012-01-26 17:08:06 | Weblog
2012.1.26(木)
 通常国会が24日召集され、今日(26日)からは各党の代表質問が始まった。野田内閣の本格的な出発だが、前途多難は誰もが認めるところだ。
 そんな中で早くも田中直紀防衛相の発言が波紋を呼び、野田内閣の足を引っ張ろうとしている。
 まず23日沖縄の普天間飛行場を視察した際、同行した真部朗沖縄防衛局長に「頭上に『ヘリがおりてくる』って言うんだが、そんなに多いわけじゃないんでしょう?」と発言し、普天間の危険性除去を訴え続けてきた県民感情を逆なでしたというのである。
 また仲井真沖縄県知事との会談で、「沖縄の石垣島は毎年1回ほど家族と伺っておりますが、水族館だとか『いおうじま』だとか、そういうところまで出掛けました」と語ったというのだが、この場合の『いおうじま』は明らかに『伊江島』の間違いである。
 防衛大臣たるものが普天間の実態を全く知らないという素人発言をし、硫黄島と伊江島を間違える地理すら理解していないという体たらくではこの先が思いやられる。
 野党は、衆参両院の予算委員会で普天間問題など外交・防衛問題をテーマとした集中審議の開催を要求しているが、そこで田中氏の防衛問題に対する素人ぶりを引き出す、と手ぐすねを引いている。
 野田首相は第二次野田内閣の組閣に当たって、最強の布陣だと自画自賛したが、公明党の山口代表などは「首相の言う『最強の布陣』とは到底言えない」と断罪している。
 かつて田中現防衛相の夫人である田中真紀子氏も舌禍で当時の外相を辞任した経緯があるが、その二の舞いになるか興味津々である。これぞ野次馬根性か!!

首都直下地震の発生確率70%!!

2012-01-23 20:53:30 | Weblog
2012.1.23(月)
 東大地震研究所のチームは、M7クラスの地震が南関東で今後4年以内に発生する確率は約70%に達する可能性があるとの試算をまとめた、とメディアが伝えている。
 もともと政府の地震調査研究推進本部は、30年以内の発生確率を70%としていたが、今回の試算はそれを大幅に縮めたものである。
 研究チームの平田直東大地震研教授は「発生確率はそもそも非常に高かったが、東日本大震災でより高まった可能性がある」と言っている。
 東日本大震災以降、南関東でも地震活動が活発化し、M3以上の地震の発生が例年の五倍程度になっている。この傾向が続くとすると、4年以内にM7クラスの地震が発生する確率が70%程度との試算が導かれるというものだそうである。
 ここまで言われるともういつ起こっても不思議ではない。うかうかと東京方面へは行かれない。超高層ビルがひしめいているだけに、仮にビルそのものは倒壊しなくとも、落下物が雨あられの如く降ってくる恐れは十分にある。
 もちろん東南海地震や南海地震発生の恐れもあるから、名古屋が安心とは言えないが、用心に越したことはない。ましてや、原発などまっぴらである。

名大男声東京OB合唱団の演奏会を聴く

2012-01-22 23:25:03 | Weblog
2012.1.22(日)
 昨日(1月21日)午後2時から東京文京区のトッパンホールで名大男声東京OB合唱団の演奏会が開かれた。
 名大男声のOB合唱団は名古屋にもあるが、東京在住のOBも多くいて歌いたいという仲間が定期的に練習をしている。練習をすればそれを人に聴いてもらいたいと思うのは人情である。
 その演奏会が昨日開かれたというわけである。トッパンホールは約400人の収容だそうだがほぼ満員の聴衆で埋まった。名古屋からも10人近くのメンバーが応援の意味も込めて聴きに参加した。
 曲目は、第一ステージが「春の小川」「紅葉」など主に文部省唱歌11曲をピアノ伴奏で綴った「ふるさとの四季」、第二ステージが清瀬保二の「球根」と小山章三の「夕ぐれの時はよい時」、第三ステージは高田三郎の「心の四季」、第四ステージは「ロシアの響き」と題して「ケルビムの歌」など6曲である。
 演奏は、28名の団員が上記4ステージのプログラム26曲をすべて暗譜で歌うという、平均年齢68歳としては驚くべき離れ業をやってのけた。 
 選曲も心にしみるものが多く、歌に込めた真摯な姿に打たれるもので、決して身内だからのひいき目ではないしっとりとした人生の味が楽しめた。何はともあれ、これだけの曲目を暗譜でうたい切った努力にはただただ脱帽である。その分歌い手の感情が指揮者の手を通して良く表現されたとも思う。
 言ってみれば仲間うちの演奏会であるが、歌を通じて心を通わせることの嬉しさ、喜びは他に換えがたいものがある。終了後の懇親会も大いに盛り上がって、楽しいひとときであった。

 なおこの機会を利用して(20日及び22日)、宇都宮でひとり暮らしをしている姉と、相模原で息子夫婦と暮らしている病弱の姉を見舞うことができた。いずれも安心できるほどの元気さがないことが気にかかる。


脱官僚のはずが役人の言いなりになった民主党

2012-01-19 10:44:30 | Weblog
脱官僚のはずが役人の言いなりになった民主党
2012.1.20(木)
(1)関西電力大飯原発3、4号機の安全評価(ストレステスト)について、18日に開かれた意見聴取会で、経産省は再稼動に反対する市民団体の傍聴を認めず聴取会を強行した。
 聴取会は3時間半以上遅れて開会したが、安全評価に批判的な委員二人が欠席する中、結局「安全評価を妥当」とする審査書案をまとめた。
 これで、国際原子力機関(IAEA)や内閣府原子力安全委員会の確認を経て、政府は再稼動の是非を判断する。
 審査書案は「福島第1原発を襲った地震や津波が来襲しても、福島原発事故のような状況に至らせないための対策が講じられている」と明記されているという。
 これこそ経産省のシナリオどおりの結果であることは間違いない。少数の反対者を委員に取り入れ、多数で経産省案を通すというアリバイ作りも見事である。この先、地元自治体の了承を得るという壁があるが、電力不足、料金値上げ、関係者の失業などで脅して結局は納得させてしまう。
 何の解決も見えない福島原発の惨状の中で、人々の心は移ろい易い。役人の計算どおりの流れである。
 民主党政権は本来こうした流れを断ち切るということで政権交代を果たしたはずであった。それがいつの間にやら官僚の旗の振るままになっているというか、むしろその方向に積極的に動いている。

(2)民主党は、衆院小選挙区の「1票の格差」是正と、比例代表定数削減の骨子案を17日の政治改革推進本部役員会で提示した。それによると、小選挙区では自民党が示している「0増5減」案をそのまま採用し、比例代表の定数は民主党のマニフェスト通り80の削減としている。
 この案に対しては、少数政党はもとより自民党や公明党も猛反発している。
報道によると、自公の反対理由がこの案では少数政党が不利になるからだという。公明がいうのはわかるが自民党までそういうのは自民党も大人になったものだ。本来、民主党がいうべきものであったはずである。議員は少ない方がよいという単純な一種のポピュリズムに乗ってしまうことの危うさから民主党は逃れられなくなってしまった。これこそ官僚の思う壺である。
 
(3)民主党は、原発の稼動期間を40年とするという基準を法律で定めるとしたが17日、例外的にこれをさらに20年延長することを決めた。
 担当する原子力安全庁は「原子炉に劣化が生じても安全性が確保される」と認められる場合としている。その根拠は「米国の運転延長制度にならった」そうである。
 これも全く役人の言いなりである。原発に反対してきた小出裕章京大助教は「あきれてものが言えない。ただでさえ危険であり、老朽化した原発が危険なのは自明だ」と驚き批判している。
 民主党の原発政策も結局はこれまでの原発推進の流れに掉さすことはできない。結局は役人や産業界の言いなりである。 

(4)野田総理が躍起になっている消費税増税もしかりである。政治生命を賭すとまでいっている野田首相の中身は財務省の狙いそのものである。普天間移設問題もしかりである。

 要するに中身の良し悪しよりも、脱官僚どころか官僚依存に堕してしまっているところがこの政党の不思議であり、弱さである。

イタリア豪華客船座礁

2012-01-16 19:32:09 | Weblog
2012.1.16(月)
 イタリア中部沖のトスカーナ州ジリオ島付近で13日午後9時ごろ、大型豪華客船コスタ・コンコルディア座礁・転覆するという大惨事が起こった。
 コスタ・コンコルディアはイタリア船籍で、2006年7月に就航した全長290メートル、全幅36メートル、客室数1430室、総トン数11万2千トンの大型客船である。五つのレストラン、13のバー、三つのスイミングプール、五つのジャグジー、三階建ての大型シアター、カジノ、ディスコ、テニスコート、図書館、スパ、エステ、ゲームセンターなどを備えたまるで一つの小都市のようである。
 客船には乗客3216人と乗員1013人合わせて4229人が乗船していた。16日現在、死者6人、16人前後が行方不明となっている。日本人43人は全員救助された。
 フランチェスコ・スケッティーノ船長と船員は乗客が船に残っている状況で船を捨て、先に避難したことが明らかになり、イタリア警察に逮捕されたという。事故当時、コスタ・コンコルディア号は本来の航路からやく4キロ離れていたと米CNN放送は伝えている。
 日本人乗客の夫婦は、夕食を終え、船室で休んでいた午後9時半ごろ、どーんと船が大きな物にぶつかったような衝撃を感じた、テーブルの上の物が落ち、部屋の電気が消えて船がどんどん傾いたと語った。
 座礁したコスタ・コンコルディア号を運航するコスタ・クロチエレ社は15日夜、フランチェスコ・スケッティーノ船長の「判断ミス」を指摘する内容の声明を発表した。
 1912年のタイタニック号沈没事故から今年でちょうど100年となるが、今回の事故はまるでそれの再来である。
 豪華客船は最近、旅行手段として脚光を浴びており、欧州では金融危機にもかかわらず、年10%前後の急成長が続いているという。この事故がこうした流れにブレーキとなるか懸念材料ではある。

野田首相 内閣改造と党役員人事を断行

2012-01-13 19:43:46 | Weblog
                    
 2012.1.14(金)
 野田首相は消費税増税を含む社会保障と税の一体改革と先の参院で問責決議を受けた一川保夫防衛相と山岡賢次消費者相の更迭を図るための内閣改造を断行した。
 内閣改造の中身は、岡田克也氏(58)が副総理として入閣して、社会保障・税一体改革と行政改革の担当相を兼務し、文部科学相に平野博文国対委員長(62)、小川敏夫参院幹事長(63)を法相、田中直紀氏(71)を防衛相、松原仁国土交通副大臣(55)を国家公安委員長兼消費者行政担当相に当てるというものである。
 また党の役員では、平野国対委員長の後任として城島光力幹事長代理(65)が内定した。
 税と社会保障の一体改革という重い課題を掲げる野田首相にとっては、まず野党を土俵に上げなければならない。そのうえで、消費増税に積極的な岡田氏とタッグを組んで戦線突破を図ろうという意慾を示したものと思われる。
 しかし党内はもとより、野党の厳しい見方はやわらぎそうにない。自民党の谷垣総裁は「うその片棒を担ぎ事前談合で解決することは受け入れられない」と早くも拒否方針を示している。
 借金が一千兆円を突破しようというとき、いつまでも国債に依存する体質から脱却しないで問題を先送りすることは許されないという野田首相の意図は理解できるが、消費税増税という大問題を民意を問わずに実施しようとすることに、国民の不信があることを忘れてはいけない。これから先、国会審議の中でも何度も立ち往生することは見えている。まず民意を問えという自民党の言い分の方が分かりやすい。
 この内閣改造で野田首相の狙いが予定通りうまく行くとはとうてい思えないというのが率直な感想である。

尼崎脱線事故 JR西前社長は無罪

2012-01-11 21:29:02 | Weblog
2012.1.11(水)
 脱線事故は、2005年4月25日午前9時18分ごろ、兵庫県尼崎市のJR福知山線カーブに、宝塚発同志社前行き快速電車(7両編成)が制限速度の70キロを大幅に超える時速116キロで進入し脱線、マンションに衝突して大破した。
 乗客106人と運転士が死亡し、562人が重軽傷を負うという大惨事となった。
 カーブしている事故現場には自動列車停止装置(ATS)は設置されていなかった。
 この事故で、必要な安全対策を怠ったとして業務上過失致死罪に問われたJR西日本前社長の山崎正夫被告(68)に対し、神戸地裁は今日(11日)「事故を予測できる可能性はなかった」として無罪判決(求刑は禁錮三年)を言い渡した。
 岡田信裁判長はJR西の安全対策を「現場の危険性解析や自動列車停止装置(ATS)整備のあり方に問題があり、期待される水準に及んでいなかった」と批判したが、しかし「企業の責任は、個人の責任ついての判断に影響しない」とした。
 無罪の理由としては「列車が転覆するようなスピードでカーブに進むことは予測できる範囲内ではあったが、その具体的な可能性は明らかでなかった」「現場のような急カーブはかなりの数あり、危険性について周囲からの進言はなかった」「当時、鉄道会社は各カーブで危険性を計算した上でのATS整備をしておらず、法令上の設置義務もなかった」などと指摘した。
 この判決が予想したものであったのか意外なものであったのかは分からない。
しかし、この判決では遺族の納得は到底得られないであろう。事故調査委員会の報告書では、運転手のスピードの出しすぎがすべての事故の原因であったとした記憶である。
 今回の判決では、JR西の企業としての構造的な原因とその経営陣らの責任をしっかりと検証できる判決とは決してなっていないような気がする。