名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

2008年の墓碑

2008-12-31 19:04:15 | Weblog
2008.12.31
 2008年も今日で暮れる。筆者が参加している地域のたすけあい事業と介護保険事業では、年中無休ということで大晦日の今日も朝から夕方5時まで事務所に詰めた。血液透析患者を病院へ移送することや独居高齢者に休みはないので、今日も何人かのボランティアやヘルパーさんが活躍した。今日の事業も無事予定通り終えることができた。
 さて、今年も多くの著名人が鬼籍に入った。有名人というだけで筆者と何の縁があるわけではないが、ほぼ同じ時代を生きて、活躍した人々が亡くなるということはやはり一抹の淋しさを覚えざるを得ない。
 最も長命の人では、日本画家の片岡球子さんが1月16日に103歳で亡くなられている。『富士山』や武将などの『面構(つらがまえ)』シリーズは有名である。また中部彫刻会の重鎮で日本芸術院会員の野々村一男氏が今年2月11日、101歳で亡くなった。日展に行けば、彫刻の部で必ずこの人の作品を見ることができた。もう一人、同じ101歳で亡くなった人が石井桃子さんである(4月2日)。児童文学作家で、『クマのプーサン』の翻訳、「ノンちゃん雲に乗る』の作品は誰もが知っている。
 作曲家の服部正さんは、8月2日に100歳で亡くなった。クラシック音楽の草分けであるが、ラジオ体操第一の作曲でも知られる。
 一方若くして亡くなったのがタレントの飯島愛さんである。12月24日、まだ36歳の若さであった。女優の深浦加奈子さんは8月25日、48歳で死去したと報じられた。
 その他、筆者の印象に残る人たちとしては、『いやあ、映画って本当にいいもんですね』で忘れられない映画評論家・水野晴朗氏(76)、「おそ松君」の漫画家・赤塚不二夫さん(72)、代表的な個性派俳優・緒方拳さん(71)、『有楽町で逢いましょう』のフランク永井さん(76)、国民栄誉賞まで受賞した作曲家・遠藤実氏(76)など多士済々である。
 また、ジャーナリストの筑紫哲也氏(73)、評論家の加藤周一氏(89)、同じく俵萌子さん(77)、民法学の権威・加藤一郎氏(86)、映画監督の市川崑氏なども忘れられない。
 このようにして時代は進むのであろう。身近な人も何人か鬼籍に入った。人間の一生とは何なのだろうとつい思ってしまう。しかし、いろいろなことがあったけれども、2008年を無事過ごせたことに感謝しながら、新しい年を迎えたいと思う。

2008年の十大ニュース

2008-12-30 10:13:33 | Weblog
2008.12.30
 年の瀬も押し詰まった毎年30日は、今年一年の十大ニュースが新聞に載る日である。
 読売新聞は
 1.中国製ギョーザで中国産食品のトラブル相次ぐ
 2.福田首相が突然退任表明、後継は麻生氏
 3.ノーベル物理学賞は南部、小林、益川氏。化学賞は下村氏
 4.北京五輪で日本は金9個。競泳で北島選手ら連覇
 5.東京秋葉原で無差別7人殺害
 6.後期高齢者医療制度スタート、保険料の年金天引きなどに批判
 7.元厚生次官宅襲撃事件で3人死傷
 8.東京株バブル後最安値を記録
 9.岩手・宮城で震度6強、13人死亡
10.洞爺湖サミット 温室効果ガス排出量半減の長期目標
 次点 『事故米』食用転売判明、太田農相ら引責辞任

 中日新聞は
 1.派遣切り 揺らぐ雇用
 2.日本人4人がノーベル賞
 3.食への不安広がる
 4.秋葉原で無差別殺傷
 5.ねじれ国会、自民迷走
 6.ずさん管理 年金どこへ
 7.元厚生次官宅への連続襲撃
 8.物価高が生活圧迫
 9.イージス艦『あたご』衝突
10.自衛隊イラク派遣に『違憲』
 次点 搬送拒否 妊婦が死亡

 中日に金融危機や北京五輪がないのは、世界の十大ニュースの方に挙げたからのようである。また、自衛隊のイラク派遣の違憲判決を10位とはいえ、取り上げたのは中日の見識か。

 ヤフーがネットで読者による今年の十大ニュースの投票を行っている。30日現在の状況では、
 1.米国発の世界金融危機、日本にも影響
 2.秋葉原で通り魔事件
 3.中国産冷凍ギョーザで中毒
 4.ガソリン価格が高騰
 5.小室哲哉プロデューサー逮捕
 6.首相の辞任相次ぐ
 7.厚生年金で給与記録改ざん
 8.日本人4人にノーベル賞
 9.光市母子殺害事件で死刑判決
10.妊婦死亡など医療崩壊顕在化

 光市母子殺害事件の判決が9位に挙がっているが、一般の人々のこの事件に対する関心の大きさを表わしているように思える。また、小室哲哉容疑者事件もマスコミとは違う見方である。

 一方、世界の十大ニュースを中日新聞で見てみると
1.金融激震『恐慌前夜』 2.米大統領にオバマ氏(11月4日) 3.四川大地震(5月12日) 4.北京五輪(8月8日) 5.チベット暴動(3月14日) 6.南オセチア紛争(8月7日) 7.原油価格が高騰(7月1バレル147ドル) 8.ミャンマー サイクロン猛威(5月2日) 9.ムンバイ同時テロ(11月26日) 10.六カ国協議停滞  次点 タイ混乱(11月24日)

 これらは殆どすべて当ブログでも取り上げた。勿論これにとどまらず、いろいろな事件があった。これらの出来事を一文字で表わしたのが『変』というわけである。『望』とか『楽』とか『夢』とかの文字が出てくることはあるのだろうか。

 

自民渡辺喜美氏、衆院解散決議案にただ一人賛成

2008-12-30 08:40:29 | Weblog
2008.12.30
 自民党の渡辺喜美元行政改革担当相は24日、民主党提出の衆院解散を求める決議の衆院本会議での採決に、党の方針に造反し、自民党でただ一人賛成した。
 渡辺氏は「(処分は)覚悟の上だ」と表明している。渡辺氏は平成20年度第二次補正予算案の早期提出を求め、塩崎恭久元官房長官らとともに「速やかな政策実現を求める有志議員の会」を結成、麻生政権への批判を繰り返していた。
 自民党にもいろいろな議員がいる。ただ一人造反するということは相当な勇気がいる。渡辺氏がここまでの行動に出たことはかなりの読みがあると見てよいのではないか。
 渡辺氏は、元副総理渡辺美智雄氏の地盤を継承し、1996年10月の衆院選で栃木三区から初当選。2000年11月の加藤の乱に同調し、江藤・亀井派を退会して以来無派閥を通して、一匹狼的存在と目されている。
 2006年12月、安倍内閣で内閣府特命担当大臣(規制改革担当)に就任、2007年9月には福田内閣においても再任され、公務員制度改革の特命事項も引き続き担当した。
 渡辺氏は地元では人気が高く、選挙にも強いことを反映して、言動も強硬である。今回の造反では戒告処分にとどまったが、細田幹事長が離党者には「刺客」を立てると言われても、『どうぞ立てて。ウエルカムだ。刺客には返り討ちを覚悟してもらうし、周辺の選挙区も全部、こっちが逆刺客を立てることもある』と恫喝している(ホームページから)。
 さらに『歴史的な非常事態が勃発しているのに、政治主導の国家戦略がまるで見当たらない。100年に一度の非常事態をいうなら、100年に一度の対応策をつくり、実行するために100年に一度の政治体制をつくったらいい』と言っている。
 自民党という制約の中ではあるが、面白いことをいう人だ。今後どう出るか、劇場型政治家の出番である。

イスラエル軍による連日の空爆

2008-12-29 10:04:12 | Weblog
2008.12.29
 12月27日、イスラエル軍のパレスチナ自治区への大規模空爆で2百数十人に上る死者が出た。その後も連日のガザ空爆で一般市民の犠牲も増え、パレスチナ自治区の全土にに反イスラエル感情が拡大しつつあるとメディアは報じている。
 27日の空爆はガザを支配するイスラム原理主義組織ハマスの関連施設約50か所に約50機のイスラエル戦闘機がミサイルや爆弾約100発を打ち込み、卒業式挙行中の警察学校を直撃、警察長官も死亡したという。
 イスラエル側は、自治政府ハマス派の「ガザからのロケット砲攻撃への自衛だ。必要な限り拡大する」と言っている。これに対し、自治政府のアッバス議長は強い非難声明を出し、ハマスも「あらゆる手段を用いる」と報復を宣言しているという。
 パレスチナは2007年6月、ハマスが支配するガザと、アッバス議長率いる穏健派ファタハ支配のヨルダン川西岸の両自治区に分裂している。
 この両派による内部抗争も絶え間なく、パレスチナ人同士の衝突で多数の死者を出している。また、ガザ地区とイスラエル南部での攻撃の応酬により、民間人の殺傷は絶えることがない。
 この国というか、この人たちは一体何を考えているのかと言いたくなる。宗教、民族、闘争の歴史など複雑な問題を抱え、一口で非難するだけで済まないことは分かってはいるが、この殺し合いを見ていると人間の浅はかさの極限を感じざるを得ない。
 武力には武力をもって報復するということを繰り返していると、再びイスラエルとパレスチナだけでなくそれを支援する国々も加わった全面戦争に発展しないとも限らない。国連安保理は双方に即時停戦を要請したようであるが、イスラエルもハマスもこの際頭を冷やして理性的になってほしいと願うばかりである。

課外学習でピースあいちを訪れてくれた小学生への返信

2008-12-28 13:11:45 | Weblog
2008.12.28
 今年の11月20日に名古屋市内の小学校6年生二クラスの子ども達が「ピースあいち」を訪れてくれました。後日、全員の子ども達がその感想とお礼の手紙を送ってくれました。
【その返事】
 今年も早くも12月の半ばになり、二学期の終業式も近づいてきました。寒い日も多くなってきましたが、お元気にお過しでしょうか。
 皆さんには、去る11月20日に、課外学習の一環として『戦争と平和の資料館ピースあいち』を訪れていただきました。戦争と平和についてあらためて勉強し、考えていただけたと思います。
 皆さんから送っていただいたたくさんの感想文を読んで、心から嬉しく感動しましたので、思わずこの手紙を書くことになりました。

 わたしたちのふるさと、愛知県・名古屋市は、戦争当時、軍需工場が最も多い地域だったということで、米軍の空襲はその軍需工場に限らず一般市街地にまで及ぶ苛烈なものでした。投下された爆弾の数は、東京に次ぐ多さであったといわれています。皆さんの文章から、名古屋城の炎上する様子が記憶に焼きついたことを思わせてくれます。たくさんの人たちが死んだことも驚きだったですね。
 また原子爆弾によって死んだ弟を背負う少年の姿に心うたれたのでしょうか、このことに触れた文章も多かったですね。わたしたちもこの情景を、戦争の厳しさ、残酷さの象徴としてとらえています。
 さらに戦争の末期になると都会の小中学生は周辺の山村に疎開をしましたが、その生活の中で、子どもたちが蛙やイナゴ、トカゲなどを食べたことも皆さんには大変な驚きだったようですね。確かに、おいしいものがいくらでもある今の時代からは考えられないことです。また、象れっしゃのお話も印象に残ったようですね。

 さて、「ピースあいちの」運営は総勢70人あまりのボランティアの人たちで運営されていることは既にお聞きになったと思います。皆さんに戦争当時のことを語ってくれた「語り部」やそのほかの案内をしてくれた人もみんなボランティアです。ボランティアの意味はここでは「社会奉仕」としましょう。
 
 わたしの家は、空襲が激化してきた昭和20年3月12日に焼夷弾による無差別爆撃で焼けました。まだ幼かったわたしは、、家の防空壕では危険となったため、姉の手に引かれて外に出たことから母とはぐれ、さまよいつつよその防空壕に逃れて一晩を過ごしたことを覚えています。幼いわたしには怖さというより、街中が火の海になりその中を逃げ惑う人々の姿がしっかりと目に焼きつきました。
 
 その半年後に戦争は終わりましたが、その後、戦争というものの非道、残虐さを知るにつけ、イセオロギーを超えて、再び戦争を起こすようなことは決してあってはならないと思うようになりました。わたし達が、「ピースあいち」でこうした活動をしている原点は多かれ少なかれこうしたことにあるのです。だから、あの目にした恐ろしい辛い思いを今の人たちにさせたくないとの思いが、ボランティアとしてのエネルギーになっていると思っています。
 皆さんからいただいたお手紙を読んで、少しでもこの気持ちが伝わったような気がして本当に嬉しく思いました。
 皆さんも「ピースあいち」を訪れた時の印象を忘れずに、あの十五年戦争のことを勉強して、もっともっと戦争の嫌いな人になってください。また、興味がわいたらいつでも「ピースあいち」に来て下さい。お待ちしています。

 これから本格的な冬になって寒さも厳しくなってきます。皆さんが寒さに負けず、元気に過ごされることを祈っています。 さようなら
 
 平成20年12月15日
 
 
 

もみじマークの罰則撤回

2008-12-26 17:04:18 | Weblog
2008.12.26
 今年6月に施行された道路交通法で、75歳以上の高齢者にはいわゆる『もみじマーク』の表示が義務付けられたが、警察庁は25日、この罰則を撤回し、表示を努力義務に戻す方針を決めた、とメディアが報じている。
 現行の道交法では、75歳以上の運転者はもみじマークの表示が義務付けられ、付けていないと点数1点と反則金4000円が科されることになっている。
 そもそも、もみじマークは平成9年の道交法改正で導入され、当初は努力規定だった。また、14年の改正で70歳以上にも拡大された。しかし、75歳以上の死亡事故が増加してきて、今年から罰則付き義務に強化されたというわけである。
 このマークは、『枯葉マーク』と揶揄され、後期高齢者医療保険と並んで、高齢者いじめなどと批判を受けていた。マークそのものも検討委員会で変更を検討するそうである。
 車のシートベルトについても先の道交法改正で、後部座席においても義務付けられた。このことについて筆者は、補助席や後部座席はともかく、運転者本人にまでベルトを法的に義務付けることは不用であり、それは本人の自己責任であると主張してきた(2008.6.1付け当ブログ参照)。
 それにしても、何でもかんでも法律で規制しようとする官僚の歯止めになるとは思わないが、とりあえず『枯葉マーク』について再検討しようというのは結構なことである。

モード学園スパイラルタワーズ見学

2008-12-25 20:16:15 | Weblog
2008.12.25 学校法人モード学園と三井不動産とが名古屋駅地区に名古屋で高さ4番目の超高層ビルを建設して、今年の2月に完成した。国の優良建築物等整備事業に位置付けられ、国・県・名古屋市の補助金も投入された施設である。ビルの名称は『モード学園スパイラルタワーズ』という。この4月には学校として既に開校している。 冬休みに入ったこの時期、都市計画事業に携わった関係者が施設を見学させていただいた。 この建物は、異様ともいえる斬新なデザインで当初から話題を呼んでいたものであり、設計は日建設計(株)である。三つのアルミカーテンウォール材のウィング(外周架構)が、巻きつくように躯体にくっついていて、まさに目を見張る構造物である。 敷地は約3,540㎡、述床面積 約49.000㎡、地上36階・地下3階、高さ約170mの規模で、総事業費は約257億円だそうである。 用途は名古屋駅という一等地でありながら商業施設ではなく、専門学校である。ファッション・デザインが中心の名古屋モード学園、コンピューターのHAL名古屋の他、看護師や介護士、理学療法士などを養成する名古屋医専が入居している。レストランなどの商業部分は地下に約5,600㎡、11%あるだけである。 この日は、冬休み中で学生は殆どいなかったが、在校生は全体で約2,500名ほどだそうである。いくつかの教室を見せてもらったが、最新の設備が整えられて充実している。はたして授業料はいくらなのであろうか。 一時、学校は郊外へと移転することが流行ったが、最近は都心に回帰しているともいう。通学に便利だし、都会の文化を享受できるからであろうか。学生数は満たしているというから、目的は達しているのであろう。 ところで名古屋駅には現在四つの超高層ビルが建っているが、最近さらに二つのビルの建設構想が発表された。一つはJR東海が計画しているセントラルタワーズの隣、松坂屋名古屋駅店の位置に建つ名古屋一の高さのビル構想、もう一つは、日本郵政グループが現在の名古屋郵便局の位置に建設するもので、これらが完成すれば、名古屋駅地域に6棟の巨大ビルが林立することになる。 名古屋は、もともと栄地区と名古屋駅地区の二つの商業地域を中心として発展してきた。中でも栄地区が名古屋発展のリーダーシップを発揮してきた歴史がある。しかし、最近の名古屋駅周辺での超高層ビル群の建設が栄地区の集客力を脅かすようになったといわれるようになり、さらに二つのビルが完成すればその地位は逆転するものと思われる。名古屋の街の発展の行末はどうなるのであろうか。ただ筆者としては、東京や大阪に遅れまいとして、同じような超高層のビルをつくることは本来不必要だと思っている。ビル建設のコンセプトでは環境にやさしいとかエコだとかいっているが、超高層自体が、余分なエネルギーを消費し、環境に負荷を与え、災害への不安をぬぐい得ないものだからである。

2009年度当初予算の財務省原案

2008-12-21 09:16:51 | Weblog
2009.12.21
 財務省は20日午前の臨時閣議に2009年度予算の財務省原案を提出し、各省庁に内示した。
 一般会計総額は、08年度当初比6.6%増の88兆5480億円で当初ベースでは過去最高となった。
 一般歳出は9.4%増の51兆7310億円、国債費は0.4%増の20兆2427億円、地方交付税は6.1%増の16兆5733億円と、まるで高度成長期を思わせる増え方である。
 一方、税収は、景気後退に伴う法人税収などの落ち込みで、13.9%減の46兆1030億円、これを埋め合わせるための国債発行額は31.3%増の33兆2940億円、国債依存度は37.6%、国債残高は、09年度末で約581兆となる見込みだそうである。
 さらに借金依存を減らそうと、財政投融資特別会計の積立金から約4兆2千億円を繰り入れ、外国為替資金特別会計の剰余金2兆4千億円も活用し、いわゆる『霞が関埋蔵金』をかき集めて、収支を償った。
 予算の内容はともかく、この『霞が関埋蔵金』を大幅に利用したのが今回の予算の特徴である。財投特会積立金は08年度第二次補正予算案も合わせると計8兆円が使われることになった。また社会保障費の自然増2200億円については、年金特別会計から財源を確保することとなった。
 『埋蔵金』は皮肉をいえば、決してどこかの大名の隠し金ではない。ある限りは使い放題の金などと思ったら大間違いである。特に財投特会の積立金は国債返済に充てるのが筋のものであり(年金特会も理屈は同じ)、このような一般会計への転用は、結果的に借金返済の先送りと同じである。こうした認識をはっきり持った上で、それをしてまでも今回の予算が危機的な景気対策となっているかを見極めなければならない。予算審議においては、与野党とも政局ばかりを慮るのではなく、真剣に議論してほしい。

日銀政策金利を0.1%に利下げ

2008-12-20 09:42:33 | Weblog
200.12.20
 日銀は19日、金融政策決定会合を開き、政策金利の誘導目標を、現行の年0.3%から年0.1%へ引き下げることを決めた。  10月に0.2%の利下げをしたばかりだが、国内景気の後退を背景に一段の景気下支えが必要との判断である。
 その他決定会合では、企業が発行するコマーシャルペーパー(CP)を日銀が買い取り、資金繰り対策を支える金融緩和策も決定。長期国債の買い入れの増や対象に三十年債、変動利付国債などを追加する措置も決めた。
 日銀のこの決定の前に、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利の誘導目標を年1.0%から年0~0.25%に引き下げ、米市場初の『量的緩和政策』を導入していた。
 日銀の金利引下げはFRBの措置から、これ以上の円安回避のためにも緊急に求められていた。0.1%は実質ゼロ金利と変わらないと思われるが、日銀はゼロにこだわってそれを避けた感がある。為替市場は一瞬円安に動いたが、日米の金利差を生じさせたことが影響してか、一転、円高基調に逆戻りして終えた。
 筆者としては、CPの買い取りなど大胆な施策も導入するなど今回の決定は妥当なものと思うが、ゼロ金利の復活は時間の問題であろう。今回の決定はその余地を残したということではないか。

子どもに携帯電話は全く不要

2008-12-19 07:14:26 | Weblog
2008.12.19
 大阪府の橋下知事が今月初め、携帯電話の学校への持込を原則禁止方針を打ち出したことで、話題が広がった。子どもが携帯を学校へ持ち込むことは勿論、所持自体に疑問持つ人は多く、地域によってはかなり前から学校と協力して、携帯の不所持あるいは学校への持込禁止について運動が取り組まれていた。しかし、地域のこととて所詮全国的な話題になることは少なく、携帯電話は伝染病が蔓延する如く、子どもたちに普及してしまった。その点、橋下知事の影響は大きい。良きにつけ悪しきにつけこの人の一言がマスコミにのり、あっという間に全国に広がる。
 
 しかし、今となっては少し手遅れの感がある。特に都会の子どもへの普及率は高い。これから学校への持込禁止や、不所持を進めることには莫大なエネルギーが要る。しかし、小中学生は勿論高校生にも携帯電話を持てせるべきではなく、幸いそうした声は急速に広がっているとも聞く。
 
 『学力が低下する』『いじめや犯罪との温床』『子どもの有害サイトへの接近』『メール依存症』など携帯の弊害は拡大する一方である。それにもかかわらず、特に都会の親は犯罪の多発する中で、携帯で子どもの安全を確認する上で欠かせないとして、子どもの学校への持込禁止に反対している。こういう人たちは、携帯が電話というより、ネット端末として使用されていることを知るべきである。ネットの世界に入ることによって犯罪だけでなく、思春期の人格形成をもゆがめている。安全確認なら通話機能だけの携帯でよいし、子どもの位置を知りたいのならそれだけの機能を持たせたものの開発など容易い筈であるし、既にいくつかは開発されている。
 こうした状況を放置してきた責任は一体どこにあるのか。売らんかなとする事業者、子どものほしいがままに与えてきた親たち、教育上の問題としてその責任を果たしてこなかった学校・教育委員会・文部科学省、さらには、こうした風潮を助長してきたマスコミ、特にテレビの影響ははかり知れない。
 最近、埼玉県教育委員会も学校への持込を禁止する方針を出したと聞くが、どんどん後に続くところがあってほしい。