名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

政府批判するマスコミ「つぶす」

2015-06-26 09:25:10 | Weblog
2015.6.26(金)
 これは今朝の中日新聞の記事の見出しである。新聞によると、安倍首相に近い自民党の若手議員約40人が25日、憲法改正を推進する勉強会「文化芸術懇話会」の初会合で、講師に招かれた一応作家(本当の作家と言える人物かどうかという意味で)の百田尚樹氏が沖縄県の地元紙に対してこう言ったというのである。
 百田氏は「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」と主張した、という。
 これに乗っかってか、若手議員からは安保法案を批判する報道に対して「マスコミをこらしめるには広告収入をなくせばいい。文化人が経団連に働き掛けてほしい」との声があがった、とも伝えている。
 なんと恐ろしい会合であろうか。これが今日本の政治を推し進めている政党の集まりかと思うと本当に空恐ろしい。文化人にけしかけて財界に広告を出すななどという発想は、まさに戦前を思いおこすいい例である。会合の名称が「文化芸術懇話会」というのだから何をか言わんやである。
 新聞には、百田氏の発言に対して沖縄タイムスの反論も載っている。
「安全保障関連法案は『憲法違反』との指摘が相次ぎ、反対する世論の広がりに対するいら立ちが出たと言わざるを得ない。70年前の沖縄戦で、沖縄は本土の『捨て石』にされた。『中国に取られれば目を覚ますはずだ』との発言は、再び沖縄を捨て石にしようとする発想で、断じて許すことができない。」
 戦前、戦争に反対することは「非国民」となることを自覚しなければならなかったが、今の民主主義の時代、こんな発言をする百田氏こそ「非国民」の代表と断じたい。

国会、異例の95日間延長を決定

2015-06-24 23:11:55 | Weblog
2015.6.24(水)
 衆議院は6月22日夜の本会議で、今月24日までの今国会会期を9月27日まで95日間も延長することを自民、公明などの賛成多数で可決した。通常国会の延長幅としては現行憲法下では最長だそうである。
 安倍首相はこのことについて記者団に「過去最長の延長で十分な審議時間を取って徹底的に議論し、決めるときは決めるという議会制民主主義の王道を行くべきだと判断した」と語った。
 安倍首相は何としても今国会で安保法案を通してしまおうと思っている。長期間の審議を通して審議は尽くされたとして最後は強行採決にもっていくことは見えている。与党は法案の衆院通過後、60日たっても参院が採決しない場合、参院が否決したとみなし、三分の二以上の賛成で再可決・成立させられる憲法59条の「60日ルール」の適用を計算している。これが議会制民主主義なのだそうである。
 そもそも、定められた期間内に可決できないような法案は必ず問題があるからである。負けそうになるとルールを変更するインチキ勝負のようなものだ。
 最近の世論調査によると、安全保障関連法案について反対が半数を超え、安倍首相の説明は不十分だとする意見が80%を超えている。安倍内閣支持率も始めて30%台にまで下がったという。
 国民の反対の声も日増しに大きくなっている。作家の瀬戸内寂聴さんは、高齢と病苦をおして、命懸けで反対すると表明した。宇宙物理学者の池内了さんや作家の高村薫さんらでつくる「世界平和アピール七人委員会」も安保関連法案の撤回を求める声明を発表した。しかし、若い層からの声が届かない。60年、70年安保の時のような学生たちの情熱はどこへ行ってしまったのであろうか。


米国籍のトヨタ常務役員が麻薬取締法違反疑惑で逮捕

2015-06-20 16:51:50 | Weblog
2015.6.20(土)
 米国から麻薬成分を含む錠剤を輸入したとして、警視庁は18日、麻薬取締法違反容疑で、米国籍でトヨタ自動車常務役員、ジュリー・ハンプ容疑者(55)を逮捕した、とメディアが報じた。
 これにはびっくりである。ハンプ氏は38歳の若さで米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の副社長に抜擢され、その約10年後の2007年には飲料大手ペプシコの副社長についた経歴を持つ。
 そしてこの4月には、トヨタがハンプ氏を女性初の常務役員として迎えたばかりであった。
彼女は二人の娘を持つ母親でもあり、会見で「子育て中の女性の職場復帰や男性の育休取得などに積極的に取り組みたい」と話していたという。
 驚きとは、そんな女性が違法な麻薬を危険を冒してまで何故したのか、それは本当なのか、はたまた僅かな錠剤を持っていたとして、日本の警察は有無を言わせず逮捕に踏み切るのか、ということである。
 その後の報道で明らかになったことは、滞在する東京のホテルに米国から届いた国際宅配便に、麻薬成分のオキシコドンを含む鎮痛剤57錠が入ってたいとされ、しかも小さな箱の底の方に隠されていたという。
 オキシコドンは、米国では麻薬扱いされておらず、日本でもがんの痛みを緩和する薬として使われ、医師の処方箋があれば購入できる。また厚生労働省の許可を得れば、個人が携帯して海外から持ち込むこともできる。ただし、郵送などでの輸入は認められない。
 こうしたことから見ると、米国では許されていることでも日本では明らかに違法行為であることは間違いない。
 ハンプ氏は「麻薬を輸入したとは思っていない」と容疑を否認しているというが、一体何のためにそん物を持ち込んだのかは明らかでない。
 我々素人には分からないことだらけだし、疑問はいくつもあるが、それにしても違法な麻薬を販売する目的があったとは思えない状況の中で、米国人のトヨタ役員を直ちに逮捕とは、日本の警察も思い切ったことをするものである。
 報道によれば、米国人による違法薬物持ち込みをめぐって、今年2月、オレゴン州の女性が、日本で覚せい剤の一種とされる「アンフェタミン」が入っているカプセル剤を密輸したとして東京で逮捕された事件があった。しかし、米国では一般に処方されている薬だったため「逮捕は行きすぎだ」という報道が米国内で広がり、米議会や在日米大使館を巻き込み物議を醸した結果、女性は不起訴となった、という。
 トヨタ自動車の豊田章男社長は19日夕べ、東京本社で早々と記者会見を開き、「世間をお騒がせすることとなり、誠に申し訳なく思っている」と陳謝した。その上で豊田社長は「ハンプ氏はかけがえのない仲間であり、捜査を通じて、法を犯す意図がなかったことが明らかにされることを信じている」と語った。こういう事件が起きると逃げ回るトップが多い中で、あえて社長自らが謝罪会見を開いたことは潔いと筆者は思う。
 今後どういう展開になるかわからないが、きちんとした対応は最後まで貫いて欲しい。

憲法無視の政府に衆院審参考人の長谷部、小林両氏怒り心頭

2015-06-16 08:58:37 | Weblog
2015.6.16(火)
今朝の中日新聞によると、衆院憲法審査会で「憲法違反」と明言した長谷部恭男早大教授と小林節慶応大教授は15日、日本記者クラブ、日本外国特派員協会で記者会見し、安保法案や自民党政権の主張が論理破壊していると指摘、「法案は直ちに撤回すべきだ」と表明したと伝えている。
特に自民党推薦の長谷部氏は自らの「違憲」発言を自民党が批判していることに対し「与党の政治家は参考人が都合のよいことを言ったときは『専門家』、都合が悪いときは『素人』と侮蔑の言葉を投げ付ける」と強い不快感を示した。長谷部氏は特定秘密保護法案の国会審議でも自民党から賛成の参考人として呼ばれたことを紹介し、「安全保障の歯車というべき秘密保護法案の参考人に、私という素人を呼んだ。明らかな人選ミス」と皮肉った。
また、「合憲」の根拠に砂川事件の最高裁判決を出してきたことに「砂川事件判決は、集団的自衛権について何も議論していない」とした上で、長谷部氏は「批判に対する応答になっていない。藁にもすがる思いで判決を持ち出したのだろうが、藁はしょせん藁。それで浮かんでいるわけにはいかない」とも皮肉ったという。
一方小林氏は、安保法案を「愚策」とした上で、「安倍内閣が憲法を無視した政治を行おうとする。これは独裁政治の始まりだ」と批判した。また、自民党幹部が憲法学者を「(憲法条文の)字面に拘泥している」と批判していることに「(拘泥は)当たり前だ。憲法を政治家が無視しようとしたときに、待てと言うために学者がいる」と反論した。
さらに小林氏は、「憲法をいかに法案に適応させるか」との発言を撤回した中谷元・防衛相に関し「「引っ込めなくちゃいけないような言葉を乱発するというのは、その地位にいるべき人ではない」と批判。また安倍首相の国会答弁に対しては「丁寧に説明された実感は一度もない。天下国家をつかさどる器でない」とさえ酷評した。 
安保法案を撤回させる方法論について、長谷部氏は「国政選挙で新しい政府を成立させ、成立した法律を撤回することを考えるべきだ」と提言。小林氏は、違憲立法審査権がある最高裁に提訴しても、判決までに4年かかるとした上で「次の衆院選で自民党政権を倒せばよい。最高裁判決を待つより、よほど早い」とも語ったという。
これこそ政府与党の今のやり方に不満を持つ全国民の声を代弁しているというのが実感である。

第28回サラリーマン川柳NO10決まる

2015-06-14 22:20:46 | Weblog
2015.6.14(日)
 第一生命が行なっているサラリーマン川柳(略してサラ川)は全国から寄せられた40,138句の中から、約11万人の投票によって選ばれたベスト10句が決まった。
 栄えある第一位は
1位 皮下脂肪 資源にできれば ノーベル賞  が選ばれた。

 2位以下は次のとおり。

2位 湧きました 妻よりやさしい 風呂の声
3位 妖怪か ヨー出るヨー出る 妻の愚痴
4位 壁ドンを 妻にやったら 平手打ち
5位 記念日に 「今日は何の日?」 「燃えるゴミ!!」
6位 増えていく 暗証番号 減る記憶
7位 あゝ定年 これから妻が 我が上司
8位 オレオレと アレアレ増える 高齢化
9位 ひどい妻 寝ている俺に ファブリーズ
10位 充電器 あったらいいな 人間用

例年のことながら、投句は男性のサラリーマンということが前提となっているようで、妻との関係、妻への愚痴を詠んだ句が圧倒的に多い。
一位の句は、健康と環境とノーベル賞という時事ネタを見事に取り込んだところが評価されたのであろうか。 

集団的自衛権行使は合憲を言い張る安倍内閣

2015-06-09 20:15:22 | Weblog
2015.6.9(火)
 6月4日の衆議院憲法審査会に、参考人として各党が推薦する3人の憲法学者―長谷部恭男氏(自民・公明・次世代)、小林節氏(民主)、笹田栄司氏(維新)―が出席したが、安全保障関連法案について問われた3人はいずれも「憲法違反」との認識を示した。
 なお今朝(9日)の新聞によると長谷部恭男氏を推薦しているのは自民党だけだったと、船田元氏(自民党筆頭幹事)が弁明している。
 合憲であるとの政府の理屈は、日本を取り巻く安全保障環境が変化した。他国への武力攻撃であっても、日本が武力攻撃を受けたのと同じ深刻、重大な被害が生じる可能性があり、他に手段がなく、必要最小限度であれば集団的自衛権を行使することは違憲でないというものである。全面的に行使を認める訳ではないので「限定容認」と言い、「政府の裁量の範囲内」とも言っている。菅官房長官などは合憲の立場を取る学者もいると発言、また、自民党の高村副総裁は「憲法学者はどうしても9条2項の字面に拘泥する」とさえ発言している。
 安倍首相はドイツで開催されている先進7ヶ国首脳会議(G7サミット)での記者会見で、1957年の「砂川判決」を根拠に合憲とした上で行使を認める新三要件に触れ、他国への攻撃であっても日本の存立が脅かされ、国民の権利が覆される明白な危険があるといった場合は認められるとの考えを強調した。
 そもそも他国への攻撃で、日本の存立が脅かされる事態があるのか、新三要件に適合するかどうかも政府の判断に委ねられ、行使の基準があいまいである。
 政府はこれまでも隠れ蓑として、〇〇審査会とか〇〇審議会などを通じて学者や知識人の意見を聞いたとして政策を押し通してきたが、都合の悪い意見が出たとたんに聞く耳持たないとは、余りにも身勝手すぎると思わないほうがおかしいと言いたくなる。


2014年出生数最少

2015-06-07 08:00:47 | Weblog
2015.6.7(日)
 女性一人が生涯に産む子どもの推定人数を示す合計特殊出生率が2014年では、1.42となり9年ぶりに低下したと厚労省の人口動態統計で分かった。
 2005年の1.26以来緩やかに上称していたが、14年は前年を0.01ポイント下回った。また、生まれた子供の数も1,003,532人(前年より26,284人減)で過去最少となった。
 一方、亡くなった人の数は1,273,020人(前年より4,584人増加)で戦後最多となり、死亡数から出生数を引いた人口の自然減も269,488人で過去最高となった。出生数が死亡数を上回ったのは沖縄(5,013人)、愛知(2,793人)、滋賀(463人)の三県だけだった。
 合計特殊出生率の都道府県別では、沖縄が1、86で最も多く、次いで宮崎1.69、島根・長崎1.66と続く。最も低かったのは東京の1.15、次いで京都1.24、北海道・奈良1.27となっている。
 また結婚したカップルの数は、643,740組でこれも前年に引き続き戦後最少となった。
 出生数が減り、結婚数も減っていけば人口減少は避けられない。50年後、100年後の日本の人口は劇的に減少することが既に予想されている。
 それにもかかわらず日本は依然として経済成長を目指している。最近の株価の上昇などをみて、バブルの再来だなどと喜んでいる向きがあるが、とんでもないことだ。
 イギリス旅行で感じたが、真夜中まで開いているコンビニなどどこにもなかった。24時間・365日電気をつけっぱなしにしている自動販売機も見つからなかったし、高級ホテルといえどもウオッシャー便器はなかった。
 アメリカナイズされた日本は無駄に全くむとんちゃくで、贅沢に慣れきってしまった。こんなことがいつまでも続いていいのだろうか。いつか破綻する。

2016年のG7(主要国首脳会議=サミット)は伊勢志摩

2015-06-06 21:29:03 | Weblog
2015.6.6(土)
 安倍首相は5日、日本で開催する2016年のサミットを、三重県志摩市で開催すると発表した。首相はこれを「伊勢志摩サミット」と命名し、主会場は市内の英虞湾に浮かぶ賢島のホテルとする方針という。開催は来年5~6月で調整する。
 日本でのサミットは、2008年の北海道洞爺湖サミット以来、8年ぶり6回目となる。開催地にはほかに長野県軽井沢町、名古屋市、浜松市、仙台市、新潟市、神戸市、広島市が誘致を進めていたが、安倍首相周辺の働きかけで一番遅く名乗りを上げた志摩市が、伊勢神宮があり歴史や自然、伝統文化を世界に発信できる点が評価されたのではないかという。1海洋リゾート地である賢島の警備のしやすさもポイントとなった。
 サミットは日本、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの首脳が集まり、年1回開催されている。1990年代からロシアを含めたG8で開催してきたが、2014年はウクライナ情勢を受け、ロシアの参加を停止した。2015年もドイツでG7として開催する。
 安倍首相の突然の発表に地元の志摩市はもちろん、三重県は歓迎ムードで沸き立っている。新聞もテレビもトップニュースで伝えている。志摩市は観光と水産業が基幹産業であることから地元では早くもその経済効果に期待している。
 しかし喜んでばかりもいられない。欧米の首脳が集まるのだからどんな危険があるのかは分からない。世界に散らばっているテロの驚異を侮ってはいけない。ありとあらゆる想定のもとに完璧な警備が要求される。最近のテロは一般市民を巻き込むことに躊躇がないことも胆に命ずべきである。
 こうしたことは、うまくいって当たり前、すこしでもミスが出れば日本の安全と信頼に影響を与える。関係者にはご苦労なことである。

旅行中の日本の出来事

2015-06-04 20:28:06 | Weblog
2015.6.4(木)
 5月27日から6月3日までイギリスに行っていた間での出来事を記録しておく。
1) 5月27日 安全保障関連法案が衆院平和安全法制特別委員会で実質審議始まる。
2) 医療費抑制のため、患者負担の増加を柱とする医療保険制度改革の関連法が27日の参院本会議で、自民、公明、維新の党、次世代の党などの賛成多数で可決、成立した。
3) 日本相撲協会は27日、番付編成会議で関脇照ノ富士(23)の大関昇進を決めた。
4) スイス司法当局は27日、収賄などの疑いで国際サッカー連盟(FIFA)の副会長二人を含む幹部ら7人を逮捕と発表。
5) 28日、衆院政治倫理・公選法改正特別員会は、選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる公選法改正案の実質審議に入った。成立すれば、来年の参院選から実施される。
6) 29日午前9時59分ごろ、鹿児島県の口永良部島の新岳で爆発的噴火が発生。噴火警戒5に引き上げ。屋久島町に災害救助法を適用。全島140人の住民に避難指示。
7) FIFAブラッター会長が5選。
8) 30日午後8時24分ごろ、東京都小笠原諸島の西方沖を震源とするM8.5の地震発生。小笠原諸島の母島と神奈川県二宮町で震度5強を観測。震源の深さは約590キロ。
9) 「新庁舎見直しを求める」新城市の住民投票は、計画の大幅縮小を求めた『選択肢2』が市長提案の案を3140票上回る12899票(得票率57%)を獲得した。市は大幅な設計の見直しを迫られ、遅れは必至となった。
10) 日本年金機構は6月1日、ウイルスメールによる不正アクセスを受け、年金情報約125万件が外部に流出したと発表した。
11) 6月1日、町村信孝前衆院議長死去(享年70歳)。
12) 中国湖北省の長江で6月1日、乗客ら456人を乗せた大型客船「東方之星」が転覆。2日
夜までに14人が救出されたが、7人の死亡を確認。
13)2日の東京外国為替市場の円相場は、米国の利上げが早まるとの見方が強まったことを背景
 に、円安ドル高が進み、12年半ぶりに一時1ドル125円台をつけた。
14)丸木位里・俊夫妻の「原爆の図」6点が、戦後70年を機に、米国で展示される。13日か
らワシントンのアメリカン大美術館を皮切りにボストン、ニューヨークで12月まで巡回す
る。


イギリスの旅から無事帰国

2015-06-04 18:16:41 | Weblog
2015.6.4(木)
 昨日(6月3日)昼過ぎに、5月27日から出かけていたイギリスの旅から無事帰国することができた。
 旅行はほぼ計画通りにいき、参加者全員元気に過ごせたことがまず何よりであった。この時期のイギリスは日本における3月中旬の気候であり、毎日が夏日であった名古屋からみるとかなり寒い日々であった。また天候の移り変わりの早いのも驚きの一つであった。一日中晴れの日はなく、突然曇ってきたかと思うと雨が降り出すという天気で、傘を手離せない日々であった。
 音楽会は3回、予定通り聴くことができた。いずれも地元の管弦楽団、合唱団の出演によったが、大いに楽しめた。
 イギリス出身のエドワード・エルガー作曲のオラトリオ「ゲロンティアスの夢」は壮大な宗教曲であるが迫力があり、アマチュアの合唱団も高齢者がほとんどであるがしっかりと心に響く演奏であったと思う。
 エディンバラ祝祭劇場でのヴェルディ作曲「イル・トロヴァトーレ」は、美しい女官レオノーラをめぐる二人の男の三角関係を荒唐無稽な筋書きで描き、最後はすべて悲劇で終わるドラマである。各幕に有名なアリアや合唱があり、存分に楽しめた。
 ロンドンにあるコヴェントガーデン王立歌劇場では、ロイヤルバレエ団による三つの演目を鑑賞した。
 ジェローム・ロビンズの振付によるドビュッシーの「牧神の午後」と「イン・ザ・ナイト」と銘打ったショパンの「ノクターン」、さらにイギリス出身の振付家ケネス・マクミランによるマーラーの「大地の歌」が演じられた。ダンスはよく分からないが、クラシックダンスというより、コンテンポラリーダンスといったほうがよいのかも。それにしても見事な演技ではあった。一人の若い日本人女性ダンサーもおり、立派に演じていた姿が印象的であった。
 
 こうした音楽会のほかに、もちろんあちこちの観光にも行った。27年前に大英博物館を訪れたことがあるが、今回の印象はそのときの印象と全く異なるものであった。広場に天蓋が設置されたことが大きいのかもしれない。改めてこの博物館の巨大な収集に感嘆せずにはいられない。帝国主義国家がその力を背景にして植民地からよくも集めたものである。しかし、そのおかげで世界の遺産が残されることになったという点では貢献したとも言える。

 14人のツァーであったが皆元気に帰ることができたことが何よりである。