名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

君が代起立条例を画策する議員たち

2011-05-26 14:23:48 | Weblog
2011.5.26(木)
 橋下大阪府知事が代表を務める「大阪維新の会」の府議団が昨日(25日)、君が代を斉唱するときに教職員に起立・斉唱を義務付ける条例案を議長に提出したと今朝のメディアが伝えている。
 「大阪維新の会」は先の統一地方選において府議会で単独過半数を占めるという大勝利を収めた。これに酔ったのか、戦前に舞い戻ったようなアナグロニズムを発揮しているとしか言いようのない行為である。
 「大阪維新の会」が君が代起立を強制するような条例を作るなどということを公約としていたかどうかは知らないが、橋下知事の言動からすればそうした雰囲気はあったに違いない。不景気や災害が続き、社会が閉塞感に襲われると人々はそれを打開する英雄の出現を期待する。それはワンマンでも独裁でもよい。地獄へ落ちることが分かっていても変化を期待する。
 橋下知事は見事にその流れに乗って政治の世界に乗り込んできた。何をいっても民衆は喝采をしてついてくる。先の選挙では、それに便乗した議員が多数誕生した。それが世論だと言わんばかりに。
 さて条例案は、「次代を担う子どもが伝統を尊重し、わが国と郷土を愛する意識の高揚に資するとともに、学校での服務規律の厳格化を図る」との目的を掲げ、府内の公立小中高校などの教職員らを対象として、国家国旗法などの趣旨を踏まえ「学校行事で行う国歌斉唱は、起立により斉唱する」と明記した。同じ大阪府下でも私立の学校は規律しなくてもよいらしい。罰則は設けていないらしいが、橋下知事は規律の職務命令を拒否し続けた場合は懲戒免職処分とするといっている。
 橋下知事やその子分が何と言おうが勝手であるが、条例で強制することの怖さを知るべきである。思想信条の自由の侵害であり、戦前への逆行である。一人の作られた英雄、人気者に頼ると、いつのまにか批判者は少数となり、さらにはいなくなり、多くの人を巻き込んで破綻する。それが悲惨な戦争へと突き進んだアジア・太平洋戦争の教訓だった筈である。世界には自ら選んだ独裁者に泣かされている国民はいくらでもいるというのに、である。

布川事件 再審で無罪 また冤罪発覚

2011-05-25 21:39:43 | Weblog
2011.5.25(水)
 今から44年前の1967年、当時62歳の大工の男性が殺害され、約11万円を奪ったとして強盗殺人罪などで無期懲役となっていた桜井昌司さん(64)と杉山卓男さん(64)の再審裁判で水戸地裁土浦支部の神田裁判長は「自白が捜査官らの誘導により作成された可能性を否定できない」などとして無罪を言い渡した。
 部外者にはよく分からないが、有罪確定の裁判ではその存在が明らかにされていなかった「自白」を録音したテープが、実は存在していたことが再審のきっかけになったという。テープの中断や上書きなど13か所もあるうえ、取り調べの途中が録音されていなかったりと、意図的に編集されてもいた。
 二人は「否認したら死刑になるぞ」といって自白を強要された。「やっていない」と訴えても聞いてもらえない。かくして冤罪は成立し、二人は1996年の仮釈放まで実に29年もの長い間、監獄に閉じ込められたのである。仮釈放後も無実を訴え続け、ついに無実の判決を勝ち取り名誉を回復した。足利事件での菅家さんの冤罪も自白の強要、不利な証拠隠しなどの点で同じである。 
 いよいよ、取り調べの全面可視化が求められる。ただ、この判決も地裁のものに過ぎない。検察側は上級庁と協議して適切に対処するといっている。この先はまだ不透明だ。

児玉清さん、長門裕之さん相次いで天国へ

2011-05-24 16:09:34 | Weblog
2011.5.24(火)
 児玉清さんが5月16日、長門裕之さんが5月21日と相次いで亡くなった。二人とも享年77歳だった。
 やや先輩であるお二人は、若いときから長い間俳優として眺めてきたので、なんとはなく親しみがあった。主役も一つや二つぐらいはあったかもしれないが、多くは主役を引き立て、盛り上げる名脇役であり、まさにいぶし銀と呼ばれるにふさわしい俳優であった。
 児玉清さんは映画では、黒沢明監督の「悪い奴ほどよく眠る」などあるが、どちらかといえばテレビドラマの俳優である。主として、ホームドラマで根強い人気を博した。2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」で、龍馬の父親役が遺作となった。 しかしなんといっても、1975年に始まった朝日放送の「クイズ番組「アタック25」の司会者として35年にわたって活躍したことが特筆される。彼の“アタックチャンス!”の言葉は強烈な印象を与えた。
 
 長門裕之さんは、この人ぞ日本を代表するベテラン俳優の一人である。父は沢村国太郎、母はマキノ智子、そして津川雅彦は弟である。叔父に加東大介、叔母に沢村貞子、祖父は牧野省三、姪に真由子、そして妻は南田洋子という芸能一家である。これほどスケールが大きく、名をなした芸能一家は他にないのではないか。
 長門さんは、認知症の妻・南田さんを最後まで懸命に看取ったことでも有名であった。昔、奔放な女性関係を実名で綴った暴露本を書いて世間を騒がせたことがあったが、脇役、敵役としてこれほど活躍した人も少ない。

 長年、慣れ親しんだ人が奇蹟に入っていくことは、運命とはいえ寂しい限りである。

大相撲技量審査場所と称する夏場所終わる

2011-05-23 18:50:10 | Weblog
2011.5.23(月)
 八百長問題で揺れている日本相撲協会は春(大阪)場所は中止したが、夏場所は大相撲技量審査場所と銘うって行い、昨日(22日)千秋楽を終えた。
 正式な本場所ではないということで、異例の無料公開で行われた。優勝は白鵬が13勝2敗の7連覇を飾ったが、賜杯の授与はなかった。ただし、記録は正式のものとして扱われるという。例年7月の名古屋場所は通常通り行われるらしい。要するに、今回の技量審査とは、名古屋場所の番付編成のためのということで、二場所も自粛したのだから、そろそろ許してもらいたいと言っている声が聞こえるようだ。
 大震災の陰にかくれてその八百長問題は急速にしぼんだが、一方で何人もの力士が引退に追い込まれた。幕内力士だけでも6人も引退した。モンゴル出身4人、韓国1人、日本人1人である。
 放駒理事長もこの擬似本場所を「みんな、しっかりいい相撲を取ってくれた。八百長防止策もきちっとできたと思う。」と自画自賛した。
 過ちは誰にもある。しっかりと膿は出し切ったということで、ここらあたりで正常化したと認めるべきであろう。
 先述のとおり、この場所も白鵬が優勝し7連覇を飾り、大鵬を抜いて朝青龍の記録と並んだ。白鵬の一人横綱が続いているが、横綱としての面目は保った。それに引き換え、4人の大関陣はふがいない。白鵬の7連覇も弱い大関陣のお陰とさえ見える。二人横綱の可能性は現状ではほとんど見えない。 

2011年のサラリーマン川柳ベスト10

2011-05-21 07:20:10 | Weblog
2011.5.21(土)
 第一生命保険は18日、恒例のサラリーマン川柳コンクールのベスト10を発表した。
24回目の今回は、2万6686句の応募の中から優秀作を2月に発表し、8万票を超える人気投票でベスト10を選んだ。
 今年は、非正規雇用問題を反映した作品や多機能端末機アイパッドやアイフォーン、3D映像など話題の商品を題材にした句も上位に入った。
 1 久しぶり~ 名が出ないまま じゃあまたね~
 2 クレームも 社員じゃわからん パート出せ
 3 何になる? 子どもの答えは 正社員
 4 ときめきは 四十路過ぎると 不整脈
 5 指舐めて ページをめくる アイパッド
 6 ボーナスは メガネかけても 飛び出さず
 7 おこらすな ママのいかりは パパにくる
 8 最近は ケータイ無いと 字が書けず
 9 そびえ立つ 妻は我が家の スカイツリー
10 小遣いを 下・下・下(ゲ・ゲ・ゲ)と下げる 我が女房

 以上がベスト10であるが、100句の中には面白いものがいくつもある。
 ・命かけ 税金払う 喫煙人
 ・おれだって 束ねてみたい 髪と部下
 ・見栄で買い 使いこなせぬ 哀フォンだ
 ・ご飯いる? 家にいるのに メール来る
 ・また買って しまって忘れて また買って
 ・上司より 頼れる使える スマートフォン
 ・エコエコと たまるポイント へる貯蓄
 ・節約で 裏紙使い 紙つまる
 

与謝野経済相の驚くべき無責任発言

2011-05-20 19:47:03 | Weblog
2011.5.20(金)
 今日の時事通信によると、与謝野馨経済財政担当相が東電福島第一原発の事故は「神様の仕業としか説明出来ない」と述べたうえで、津波対策に関しても「人間としては最高の知恵を働かせたと思っている」と語り、東電に事故の賠償責任を負わせるのは不当だとの考えを述べたと伝えている。
 原発擁護論でもここまで言って東電を擁護しようとするのは、勇気がいるというか、バカなのではないかと思ってしまうほど驚くべき発言である。原発政策を推し進めてきた元自民党の幹部が、歴史的な災害をもたらしたことの責任を放棄して神のなせる、やむを得ないことなどということは信じられないことだ。ましてや、多くの犠牲者やその遺族、被災者にとって、これほど腹立たしいことはないに違いない。この人は今やこれまで敵対してきた民主党内閣の大臣でもある。
 これでは、東電の誤りは確実に繰り返される。

使用済み核燃料の行方

2011-05-17 18:52:02 | Weblog
2011.5.17(火)
 東電福島第一原発の事故で、どの原発も使用済み核燃料をプールの中に保管していることを知った。そしてその使用済み核燃料は単純な廃棄物ではなく、常に水で冷却しなければならない厄介なものであることも知った。
 電気事業連合会によれば、2010年9月末現在でその量は全国で13,530トンにのぼるとしている。
 この厄介な使用済み核燃料をリサイクルする計画がいわゆるプルサーマル計画であることも分かってきた。福井県敦賀半島の先端にある日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」はその核燃料サイクル事業の中心的役割を担うはずであった。しかし、94年に稼動した「もんじゅ」は、95年12月に冷却材のナトリウム漏れの火災事故を起こして以来、運転を停止している。莫大な金をかけてほとんどその役割を果たさないでいる。
 通常の原子炉で、使用済み核燃料を再処理工場で処理したMOX燃料(プルトニウム・ウラン混合燃料)を使うプルサーマルはこの「もんじゅ」のほか、今回事故を起こした福島第一原発3号機や伊方原発(四国電力)、玄海原発(九州電力)、高浜原発(関西電力)が位置づけられている。その使用済み核燃料の再処理工場が青森県六ヶ所村で来年開始する予定となっている。
 しかし、「もんじゅ」の足踏みと今回の福島原発の事故で、使用済みのウラン燃料からプルトニウムを増殖し、それを使ってその燃料以上の燃料を生み出す高速増殖炉サイクル計画の前途は闇に包まれた。
 原発を稼動させればさせるほど使用済み核燃料は増大する。今回の大災害で原発の怖さを肌で感じたが、高速増殖炉サイクル計画の先が見えなくなった今、原発がどうあるべきかただただ悩ましい。

まず地元町長よ、謝れ

2011-05-13 19:37:43 | Weblog
2011.5.13(金)
 この標題は福島原発のため福島県いわき市から東京都の足立区避難所へ避難している男性(60)の怒りの声である。(AERA臨時増刊号)
 いわき市は原発のある街ではなかったため、何の恩恵も受けることもなく、また何の意見もいえなかった。しかし原発のある地元の町長たちは活性化や雇用のために、原発は安全だと主張して押し切ってきた。今になって「事故で裏切られた」と言っているが「ふざけるな」と言いたい。自分たちが同意したから原発ができたのだから自己責任は大きい。
 自分たちの町だけがつぶれるのならまだしも、周辺の多くの街の人に大きな被害を与えている責任をどう考えているのか。まず地元の町長から周辺自治体の住民に対して「申し訳ない」の一言があってしかるべきだ。
 県知事も同じだ。もし知事が「ノー」と言っていれば原発はできなかったんだから。

 この男性の怒りはいろいろな意味を伝えている。事故は絶対に起こさないから日本の発展のために受け入れてくれ、おみやげは何でもやる、と言われて住民は納得し、原発を推進する町長や知事や国会議員を選んできた。
 それが一瞬にして地獄へ落とされたのだから怒りが抑えきれないのは尤もなことだ。そもそも、今回の大災害に際して政治家からはひとことも謝罪の言葉を聞かない。民主党内閣は行政の執行者としていやいや頭を下げているが、これまで原発政策を先頭になって進めてきた特に自民党議員などは一人として謝罪していないのではないか。むしろ与党の無策を、これ見よがしにののしっているというのが国会の議論だ。
 原発を肯定するにせよ否定するにせよ、少なくともこれまで原発を推進してきた政治家や科学者はまず国民に素直に謝罪するところからはじめなければならない。放射能が漏れるような事故など絶対ない、今回の事故は想定外の大津波のせいだ、などと言っているような政治家ほど口をつぐんでいる。何も原発をすべて否定することが正義ではない。過ちに気付いたときは素直に謝るべきなのだ。
 与党の大臣と自民党をはじめとする野党の議論を聞いていると被災地の人たちを勇気づけ、安心感を与えるような議論は皆無と言っていい。なんとかならないか。


イージス艦「あたご」の2自衛官は無罪

2011-05-12 13:59:40 | Weblog
2011.5.12(木)
 2008年2月19日未明、千葉県沖で海上自衛隊のイージス艦「あたご」とマグロ漁に出る漁船「清徳丸」が衝突し、漁船の親子が行方不明(後、死亡と認定)となった事件があった。
 この事件で、横浜地方海難審判所は09年1月、「あたご」の監視不十分が事故の主因と裁決し、また横浜地検は09年4月、業務上過失致死罪などで「あたご」の当直責任者2人を在宅起訴した。
 昨日(5月11日)、その判決が横浜地裁であった。たぶん大方の予想?に反して、秋山敬裁判長は事故の主因を清徳丸にあったと認定し、当時の当直士官2人の被告に無罪(求刑禁錮2年)を言い渡した。
 当時、巨大なイージス艦と小さな漁船とが衝突して漁船が沈没し、親子の乗組員が死亡したことに対して、それを避け得なかったイージス艦「あたご」に非があると誰もが思って、海難審判所の裁決や横浜地裁の自衛官起訴を妥当なものとしていたが、判決は全く逆の結果となった。
 報道によると、判決は検察側の主張を「航跡の特定に看過しがたい問題点がある」とし、事故原因は「清徳丸の右転で生じた。清徳丸が避航義務を負っていた」と認定。当直士官の責任について「清徳丸が避航義務を負っていた以上、注意義務はない」と二人の過失を否定したというのである。
 要するに、検察が主張していた清徳丸の航跡は正確ではなく、むしろ清徳丸が回避義務を怠って「あたご」にぶつかってきた、というのである。
 厚労省の村木厚子元局長が文書偽造事件で逮捕されるという事件があった。この事件は、昨年の9月10日の判決で、検察の杜撰な捜査が明らかとなり無罪となったが、今回の判決も検察の捜査が厳しく問われるものとなった。
 部外者の我々には報道されることしか知ることができず、真実はわからない。まして遺族にしてみれば、「あたご」の過失で殺されたと思っていたのが、漁船側の回避義務違反によって事故が起こったと言われたわけだから、これこそ青天の霹靂であろう。
 この事件は、初審に過ぎないから最終的にどういう決着を見るか分からないが、なにごとも予断をもって判断してはいけない例かもしれない。

中電、浜岡原発停止を決定

2011-05-10 18:20:02 | Weblog
2011.5.10(火)
 中部電力は9日、臨時取締役会を開き、菅首相による浜岡原発の全面停止の要請を受け入れた。2~3日中に稼動中の4,5号機を停止するという。
 ただし、水野明久社長は要請を受けるにあたって、次の条件をつけた。
1. 安全強化策を最優先で実施するが、その対策後には運転を再開する。停止期間は2~
     3年であり、このことは国から確約してもらった。
2. 東京電力管内への電力の融通は中止する。
3. 電力料金の値上げ、計画停電は現段階では実施しない。
4. 顧客には節電を要請する。
5. 営業赤字になる可能性は否定できない。

 この決定に対して、海江田経産相は「中部電力の取り組みを最大限支援する」と言明するとともに、地元自治体への交付金も今後2年間は従来どおりとし、2年後以降も減額しないと述べた。
 中電のこの決定に対する電力の需給関係は昨日のブログでも書いたが、火力の復活なども考慮すれば乗り切れると判断したものと思われる。

 しかしこの決定に対して最大の問題は、2~3年で実施する安全対策で本当に原発事故を回避できるのであろうか、どんな地震や津波が来ても耐えうる施設が可能かどうか、また、この施設なら大丈夫だと誰が判定するのであろうか、ということである。
 今回の中電の決定は、原発の根本的な見直しではないが、大きな英断であることは間違いない。原発否定・肯定の議論を乗り越えた原発のあるべき姿を模索する糸口になればと願う。