名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

京都宇治の寺院めぐり

2008-06-29 22:53:51 | Weblog
2008.6.29
 合唱の仲間7人であじさいの花で有名な三室戸寺、世界遺産の平等院など宇治の寺巡りに出かけた。
 梅雨前線の影響で朝からあいにくの雨模様となったが、新名神高速道路経由で最初に宇治市の手前、京都市伏見区にある「日野薬師・法界寺」を訪れた。
 この寺は、室町幕府8代将軍、足利義政の正妻であった日野富子に連なる日野家の菩提寺で、国宝の阿弥陀堂は11世紀半ばに平等院鳳凰堂と相前後して建立された。本尊の阿弥陀如来坐像も寄木造り、漆箔の典型的な定朝様式でこれも国宝に指定されている。重文の薬師堂には安産、授乳のご利益があるとされる薬師如来がまつられているが、秘仏とされ拝観はできなかった。阿弥陀堂は、梅雨の中にどっしりとたたずんでいた。
 次に訪れたのが、宇治市五ヶ庄にある日本三禅宗(臨済・曹洞・黄檗)の一つ、黄檗宗の大本山・万福寺である。栞によると、1654年中国から渡来した隠元禅師が徳川四代将軍家綱の尊崇を得て、1661年に開創したものとされる。三門、天王殿、本堂はいずれも壮大なもので、その周りを無数の建築群が取り巻く広大な寺院である。
 三室戸寺は、約1200年前に光仁天皇の勅願により創建されたとされる。現在の本堂は約180年前(江戸時代末期)に建立された。5千坪の大庭園には、ツツジ、シャクナゲ、アジサイ、ハス、モミジなど四季を通じて花が楽しめ、特にアジサイの群生からアジサイ寺の別名でも知られる。雨の降る中、大勢の観光客で賑わっていた。
 最後は、世界遺産に登録されている平等院である。ここは、1052年関白藤原頼通によって開創され、有名な鳳凰堂はその翌年1053年、国宝の阿弥陀如来を安置する阿弥陀堂として建立された。阿弥陀如来も真近に拝観することができた。
鳳凰堂と並んで、寺院には異質な感のある現代的な博物館(鳳翔館という)があり、平等院に伝わる様々な宝物類を展示していた。
 鳳凰堂については、平成5年から改修工事が行われいたが、幸い、ちょうど完成した全景を見ることができた。
 なお、万福寺拝観のあと三室戸寺へ向かう途上、小ぎれいなしもた屋風の京料理の店(岡もと)で京懐石を味わった。しっとりとした上品な料理に舌つずみを打った。また平等院の後には、宇治川沿いのお店(中村藤吉本店)で京のスイーツを味わった。
 雨は最後まで降ったり止んだりで、晴れ上がることはなかったが、雨に煙る京の寺院めぐりには却って風情があった。午後7時半、予定通り無事名古屋に帰ることができた

国営諫早湾干拓事業に厳しい判決

2008-06-28 12:03:49 | Weblog
2008.6.28
 諫早湾干拓事業に潮受け堤防の締め切りによって漁業被害が生じたとして、国に堤防の撤去や排水門の開門などを求めた訴訟の判決で、佐賀地裁は27日、国に水門を5年間、常時開放するよう命じた。神山裁判長は、諫早湾の環境変化や漁業被害との因果関係を認め、5年間で中・長期の開門調査を速やかに実施し、それに基づき適切な施策が講じられることを願ってやまない、との異例の付言もした。
 諫早湾干拓事業は、1989年に工事が開始された造成面積約942ha(農用地等面積約816ha)、調整池面積約600ha、事業費2533億円の大規模な公共事業である。
 1997年4月14日に潮受け堤防が閉じられ、それによって二枚貝タイラギが死滅、海苔の色落ち被害も大量に発生して有明海全体が死の海と化したとして、自然保護団体や沿岸の漁業者らの強い反対にあってきた。しかし、工事は昨年11月にほぼ完成し、造成された農地は約680haである。
 有明海・諫早湾は潮汐の変動が激しく最大約6メートルにもなる。この干満の大きさと遠浅の地形が湾の奥部に土粒子を堆積させ干潟が発達してきた。しかし、堤防の前面に堆積土がたまり、その高さが後背地を超えることによって排水を困難にし、洪水の被害を繰り返してきた歴史もある。
 こうした背景を踏まえながらも事業の公共性について神山裁判長は、『防災機能は新たな工事により代替できる』とし、開門による調整池への海水導入で支障が出る干拓地の農業も『漁業行使権の侵害に優越する公共性や公益があるとは言い難い』と指摘した。
 災害対策か環境破壊かの代理紛争としても長い間争われてきたこの事業も、公共事業を行う国の姿勢を厳しく非難するまさに画期的な判決によって一つの区切りをつけた。まだ地裁の判決に過ぎないが、日本の裁判制度の良心をみる思いで感慨深いものである。

北朝鮮のテロ指定解除

2008-06-27 09:03:18 | Weblog
2008.6.27
 北朝鮮が六カ国協議の合意に基づく核計画の申告書を議長国の中国に提出したことを受けて米政府は26日、北朝鮮に対するテロ支援国家の指定解除を議会に通告することとした。
 指定解除は45日後に発効する。解除されれば1987年11月に起きた北朝鮮によるとされる大韓航空機爆破事件を受けた指定から20年6か月ぶりとなる。
 一見、よい進展に思える。
 しかし、日本にとっての最大の懸案である『拉致問題の解決が後退する』と拉致被害者家族からは悲痛な声が聞こえる。北朝鮮が拉致問題の再調査を行うと言ったことをとらえて日本政府も妥協したようだが、家族の人たちが言っているように、この言葉に何度裏切られてきたことか。はっきりいって日本は嘗められている。アメリカにとってもとりあえず北朝鮮の核問題で一定の前進を見たことは、何かにつけて苦境に立っているブッシュ大統領にとって最後の大仕事になるのではないか。
 しかし、テロ指定解除と言ってもこれはアメリカと北朝鮮の問題に過ぎない。北朝鮮の核開発が和らいで、アメリカにとっての核の脅威が当面遠のいたにしても、近隣国である日本にとっては依然として何をされるか分からないテロ国家である。
ただ、だからと言って例えば経済制裁をもっと強化して解決するものではない。北朝鮮の拉致という非人道的な行為の非情さを世界に訴えると同時に、あくまでも平和的な攻勢をかけることによって解決の道を探るべきである。一国対一国の争いは武力で打ち負かすことはできても、世界の世論には勝てない。究極の安全と力は平和的な外交交渉であることを知るべきである。

競馬ファンドで大損

2008-06-26 17:31:20 | Weblog
2008.6.26
 報道によると『競馬の勝ち馬を七割以上の確率で当てることができる。元本保証の上、配当金を払う』と約束し、多額の現金を預かったということで出資法違反の疑いで三人の男が逮捕された。彼らは東京都の投資顧問会社「東山倶楽部」の役員である。
 東山倶楽部は、2000年4月に設立され、04年7月に業務を開始した。全国の約5600人から計約63億円を集め、そのうち50億円は配当金として支出、8億5千万円は実際に競馬に投じたものの、6億3千万円を回収したに過ぎず2億2千万円は損失になってしまった、というのが事件の概要である。
 63億円を5600人で割ると一人当たりの平均出資額は112万5千円になる。『競馬は国がやっているから大丈夫』『必勝法がある』という言葉にだまされて、百万円を超える大金をすんなり出してしまう感覚が理解できない。集めた63億円のうち50億円は配当金として払い戻しているようだから、まるまる損したわけではないが、ギャンブルが財テクになるなど信じる方もどうかしている。もちろん『国の事業だからつぶれない』と言われ、100万円を投じた人もいるそうだから、全くの無知につけこんだ悪質な犯罪であることに変わりはない。
 それにしてもこんなありえない儲け話に乗ってしまう被害はあとを絶たない。楽して儲かることなどあり得ないということは常日頃分かってはいても、つい言葉巧みな勧誘に乗ってしまうのは、結局のところ人間の弱さなのだろうか。それにつけ込む人間は厳罰に処してほしいが、たいした罪にならないのが悔しい。

沖縄戦後63年「慰霊の日」

2008-06-23 21:53:50 | Weblog
2008.6.23
 今日は太平洋戦争における沖縄戦での地上戦が終結した日であり、「慰霊の日」とされる。。この日、日本守備軍の牛島満司令官と長勇参謀長が摩文仁の海岸で自決して組織的な抵抗が終結し、事実上沖縄戦は終結したとされる。沖縄は僅か3か月の間に、軍民合わせて20万人以上の犠牲者を出した。
 『戦争と平和の資料館ピースあいち』では、開館一周年の特別企画のテーマが沖縄ということから、23日のこの日、特別のイベントを開催した。
 「ドキュメント沖縄戦」「戦後60年方言で語る沖縄の記憶」の映像鑑賞とピースあいちの近くの子どもたちに「沖縄戦体験の絵本を読み聞かせる朗読会」を行った。小学生2~3年生の子どもたち30人ほどが静かに朗読を聴いてくれたが、記憶に留めてくれて、いつか戦争について考えてくれる日が来ることを祈りたい。
 折から沖縄県糸満市にある平和祈念公園でも、福田首相や河野、江田衆参両院議長らが出席して沖縄全戦没者追悼式が行われた。仲井真弘多沖縄県知事は不戦の誓いを掲げた平和宣言を読み上げたそうであるが、それが形式的な言葉で終わらないことを願うばかりだ。

小学校の同級会

2008-06-22 22:13:01 | Weblog
2008.6.22
 中川区のある小学校を卒業して早や50年以上の年月が過ぎた。10年以上前からいつとはなしに同級生が集まるようになって、最近では毎年のように同級会を開くようになっている。小学校の先生が当時まだ若い女性で、従って現在もご健在であることからいつも参加いただき、それを拠りどころに長く続いているといえる。
 去年は6月3日に開いているので、今日はちょうど一年ぶりの開催である。先生を含めて23人の参加者となった。当時卒業生は50人以上いたが、50年以上も過ぎてなお、これだけの人数が集まれるのは楽しいことである。しかし昨年の開催からこの一年の間に二人の男性が鬼籍に入った。二人ともこの同級会には常連の仲間であったので、何か欠けている思い、さびしさは隠しようがない。男女の比率は女性13人、男性10人である。
 思えば、我々筆者の世代は戦後の何もない時代、みんな貧しく、いつも腹をすかせて小川や田んぼや、時には車の走らない砂利道でザリガニや蛙取り、或いはめんこやこま回しなどをして遊びまわっていた。勉強のことなど考えた記憶がない。今の子ども達が強いられているような競争などどこにもなかった。しかし、高校、大学を経て高度経済成長の真っ只中に放り込まれてからは、必死に生きてきた。家の家業を継いだ者たちも、また家庭の専業主婦となった女性たちも企業戦士の妻として家庭を支えてきた。
 そうした意味からも、40年~50年たった今、小学校の友ほど氏素性も知れていてしがらみがなく、気を使う必要のない、気の置けない間柄の者が集えることに誰もが安らぎを感ずるのではないかと思う。難しい話など必要なく、たわいもない話で数時間がすぐに過ぎてしまう。幼かりし昔の時代にタイムスリップして過去の時代をさまようことの夢のような時間が至福のときである。
 世の中を動かすような人物は誰もいない小さな集まりであるが、元気な限り集まり、またこの集まりから元気をもらっていきたいとみんなが思っている集いである。

すっきりしない環境問題

2008-06-21 11:47:16 | Weblog
2008.6.21
 最近、愛知県・名古屋市で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開かれることになった。
 現在、科学的に明らかにされている生物種は約175万種に及び、20世紀以降これらの生物種が次々に絶滅して、最近では1年間に約4万種もの生き物が絶滅していると言われているそうである。
 こういった生物種の減少の原因のほとんどが人間の活動によるものであり、一方的に生物に影響を与え、それらを絶滅の危機に陥れているのである。
 それではどうしたらよいのか。約200に上る締約国が一堂に会してそれを議論する一大国際会議だそうである。それはそれで結構なことである。
 しかし環境問題といえば、CO2排出に伴う地球温暖化問題である。
 北極の氷河が溶け出し北極熊の生存が危うくなっているとか、海面上昇によって水没の危機にさらされている島などの実態がメディアを通じて恐ろしげに伝えられている。だからCO2排出を抑制しないと地球は滅びてしまう。みんなで何とかしましょう、と毎日24時間、あらゆるメディアを通じて呼びかけている。ゴア元米副大統領などは映画『不都合な真実』という映画まで作って、自らは豪勢な別荘暮らしをしていると批判されているが、環境問題はそんな矛盾に満ち満ちている。
今朝の新聞などでは、コンビニ協会が夜間営業をやめればCO2の排出は抑制されると、一部の自治体から言われたとして反発していることを報道しているが、こんな事例はあげれば切りがない。先月75歳にして、2度目のエベレスト登頂に成功したプロスキーヤーの三浦雄一郎さんも、講演で『地球は温暖化どころではなく高温化だ』と述べ、早急な取り組みを訴えた、とテレビの深夜番組で報道している光景は滑稽でさえある。
 環境問題は、その根源は科学の進歩であり、それを受け入れる人間の欲望からくる問題である。人間は一度その便利さを受け入れたら元には戻れない。自動車や冷蔵庫、携帯電話などその他あらゆる便利な物のない生活などもう考えられないのではないか。『もったいない』などどころか贅沢がもてはやされる時代である。
 COP10を誘致することとなった愛知県や名古屋市などは、一般市民に対して、『環境に優しい生活をしよう』という標語を掲げて『省エネ・省資源に心がけよう』『身近な地域で採れた作物を食べよう(地産地消)』『環境に配慮した商品を買おう』などと啓発活動に懸命になっている。
 何も悪いことだとは言わないが、何かすっきりしない。『ごまかし』、『自己満足』といっては言いすぎであろうとは思う。しかし割り切れない。
 できないことを敢えて言うなら、『今の生活レベルを50年前に戻そう』!!
いま問題となっているありとあらゆることがこれで解決できる。自然豊かな地球は確かに保全される。しかしそんなことをしてどれだけの犠牲者が出るのだろう。
やはり、ちまちまとした標語のとおりのことを地道に行うことが良いのかもしれない。

鯨肉物語-横領か窃盗か

2008-06-20 20:25:14 | Weblog
2008.6.20
 日本の調査捕鯨船が捕鯨反対の外国の団体に襲撃されたことについては、今年3月7日付けのブログで書いた。
 捕鯨反対の日本の環境保護団体『グリーンピース・ジャパン』(GPJ)は5月、調査捕鯨船『日新丸』乗組員が捕鯨肉を私宅などに送った疑いがあるとして、業務上横領容疑で東京地検に告発状を提出した。GPJの幹部はその証拠として、調査捕鯨船の乗組員が自宅などに送った鯨肉を運輸会社の倉庫から無断で持ち出していた。
 以上のGPJの行為に対して青森県警などは窃盗容疑などでGPSの幹部ら二人を20日、窃盗と建造物侵入容疑で逮捕した。
 GPJ側は持ち出しについて『鯨肉横領疑惑の証拠入手のため』と強調していたが、県警は『否認とも受け取れ、証拠隠滅の恐れや、集団で実行した悪質な面もある』と判断して、逮捕に踏み切った。
 南極海の調査捕鯨は商業捕鯨が停止された翌年の1987年に開始され、2008年現在では南極海でのクロミンククジラ850頭前後を中心に、ナガスクジラや北西大西洋のミンククジラ、イワシクジラなど総計で約1300頭が捕獲されている。捕獲調査の副産物は有効利用が条約で義務付けられており、副産物として生じた鯨肉は一般販売のほか学校給食などの公益事業に供され、その収入は調査捕鯨の費用に当てられているという。
 従って、調査捕鯨船の乗組員が副産物である鯨肉を私する事は、事実であれば当然に不法行為に当たる。
 しかし告発を受けた東京地検は、正当な行為によって買い取られたものであるとして、乗組員を不起訴処分にするとしている。
 このことが事実であるなら、グリーンピース・ジャパンの幹部の行った行為は全く軽はずみなものである。ただ筆者には、乗組員らが本当に正当に買い取ったのかどうかは分からない。
 それにしても、捜査や証拠品の押収ということは捜査機関が令状の下に適切に行われるべきものであって、告発のためという理由で一般人が勝手に行うことはそもそも許されることではない。
 乗組員が本当に横流ししていたことを証明しようとするなら、もっと適正な方法があったのではないか。GPJの人たちのやることも不甲斐ないとしか言いようがない。
 一つの窃盗事件が、反捕鯨で有名な国際的団体をめぐる刑事事件に発展してしまった。今後の裁判がどうなるか目が離せない。

一色産うなぎの産地偽装

2008-06-19 05:56:58 | Weblog
2008.6.19
 愛知県一色町の一色うなぎ漁協が鹿児島県産のウナギ72トンを一色産として販売したとして、愛知県が日本農林規格(JAS)法に基づく行政指導をしたと全国報道された。
 一色うなぎ漁協によると、2006年4月から1年6か月間一色町で飼育したウナギ1トン(18万匹)を鹿児島の業者を通じて台湾に売却。今年1月から4月にかけて、関東地方の業者から『台湾で3か月間飼育後に成長した一色のウナギ』として72トン(26万匹)を輸入した。
 県の調べで、仕入れ業者は、同様に3か月間台湾に輸出された鹿児島県産ウナギを一色産と取り違え、産地証明書を『一色産』としていたことが判明したが、県は『漁協側に故意はなかった』として処分ではなく、文書指導にとどめたという。
 県によると、JAS法では、ウナギが複数の産地で育てられた場合、最も飼養期間の長い場所を原産地として表示する。日本で育ったウナギの幼魚(黒子)を海外に一度、輸出し、一定期間、成長させた後に日本に逆輸入したウナギは『里帰りウナギ』と呼ばれ、国内での生育期間の方が長い場合は輸入品でも『国産』として表示ができるそうである。
 一色漁協が単に間違えただけで、故意がなかったという点については怪しいところがあるが、それはそれで信用するとして、魚の産地ほど怪しいものはない。各地にブランドの魚が宣伝されているが、魚にどこの海を泳いでいたか聞くわけにはいかず、結局のところ、それを捕った漁師やそれを販売する業者を信頼するしかない。
 今回の事件を契機に、農林水産省は18日、ウナギの移動履歴を明示するよう業界を指導したそうであるが、本当に『徹底できるのか』と疑問の声も上がっている。
 決められたルールは必ずといっていいほど、守らないものが出てくる。正直者が馬鹿を見るようなことにならないように徹底してほしいし、消費者もブランドにこだわることに固執せず、賢明になることだ。

宮崎勤死刑囚に刑執行される

2008-06-18 06:13:47 | Weblog
2008.6.18
 幼女連続誘拐殺人事件で、誘拐、殺人、死体損壊など六つの罪に問われた宮崎勤死刑囚の死刑が17日、東京拘置所で執行された。幼い女児ばかりを狙い、遺骨や犯行声明を家族に送りつける異常な手口で社会に衝撃を与えたのは、1988~89年にかけてのことであり、今から20年も前の事件である。
 この確定的な残虐事件が初公判から最高裁で上告が棄却されるまで16年の長きに及んだのは、宮崎被告が人格障害があり、犯行時は心神耗弱であったかどうかが争われたことによる。一審では二度にわたる精神鑑定が実施され、一次鑑定では『人格障害』として完全責任能力を認めたが、二次鑑定では『統合失調症』『解離性同一性障害(多重人格)』と分かれ、計三通りの鑑定書が提出されるという異例の事態から、延々と審理が続けられた。審理の結果は、一審、二審とも完全責任能力を認め、最高裁も2006年1月、『極端な性格的偏りで精神障害ではない』として一、二審の判断を支持、『性的欲求や死体を撮影した珍しいビデオを持ちたいという収集欲に基づく自己中心的、非道な動機で、酌量の余地はない』と上告を棄却、06年2月に死刑が確定したものである。
 この事件の執行と合わせて計三件の死刑執行が昨日(17日)行われた。これで鳩山邦夫法相になってからの死刑執行は四回目・計13人で、法相としては過去最多となったそうである。鳩山法相は『いずれの事件も身勝手な理由で命が奪われた残忍な事案。慎重にも慎重に検討を加え、本日執行した』と述べている。東京・秋葉原で無差別殺傷事件が起きた後の『見せしめ執行』ではないかという人もあるが、鳩山氏は「時期を選んだわけではない。正義の実現のために、法の支配する国をしっかり守ってゆくために、粛々と死刑を執行させていただいた』と述べている。誠に尤もである。鳩山法相は半年間で13人もの死刑執行をしたことで何か悪者扱いされているような雰囲気があるが、これは法務大臣としての当然の責務である。刑事訴訟法では、死刑執行は法相が『死刑執行命令書』に署名押印してから五日以内、死刑判決の確定から六か月以内と定められている。過去に一度も死刑を執行しなかった法務大臣が何人かいるが、杉浦正健元法相などは一年間の在任中、一度も死刑の執行はしなかった。これなど法相として職務怠慢の何ものでもない。死刑制度を否定するなら、法務大臣などなるべきではなかった。
 ところで今回の死刑執行について、心神耗弱の状態で犯行に及んだ疑いがあり、現在も精神に異常をきたしている者の死刑判決確定後の執行の早さ(2年4か月)が異論を呼んでいる。ある学者は、『死刑は、本人がその意味を認知している場合にしか適用されないはず』『本人に罪の自覚があるのか、確認のステップを踏むべきだった。事件の本質を解明できないまま、終わってしまった思い』と語っている。
 これにたいしては、東京地裁で欠かさず傍聴した作家の佐木隆三さんの談話が明快な回答を与えている。
『裁判では刑事責任能力が争われたが、私は、精神障害を演じる詐病と見ている。彼は、拘置所で差し入れられた難しい本を読むなど、頭がいいと思う』『オタクなる言葉をはやらせる一方、謝罪することなく、とぼけきった。これほど非道な犯罪はなく、四人も続けて殺害した重みを忘れてはいけない』