2012.12.30(日)
2012年も大詰めに迫った。この一年もいろいろな出来事に覆われたが、まず国内から見てみよう。
1)12月16日実施の総選挙で自民党大勝
3.11大震災後初の衆院選で自民党は294議席を獲得し、民主党に圧勝した。民主党はマニフェスト違反への有権者の反発から公示前の230議席から57議席まで減少した。2009年衆院選の時の民主党の獲得議席数308から見ると、僅か18.5%の激減振りである。
一方、自公両党は、参院で否決された法案を再可決できる3分の2以上を獲得した。
2)消費増税法成立
消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%へと段階的に引き上げる消費税増税関連法が8月10日、民主、自民、公明などの賛成多数で可決、成立した。
しかし、関連法附則で税率引き上げの条件として「経済成長率の平均で名目3%、実質2%を目指す」との景気条項が盛り込まれた。
3)山中教授ノーベル賞受賞
京大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授(50)が、体のどんな細胞にも変化させられる人口多能性幹細胞(iPS細胞)の作製に世界に先駆けて成功したことから、ノーベル医学生理学賞を授与された。これで日本人のノーベル賞受賞者は19人目となった。
4)脱原発デモ燃える
北海道電力泊原発3号機が5月5日に停止して、商業用原発50機すべてが止まって42年ぶりに「原発ゼロ」となった。しかし、野田首相は7月に関西電力大飯原発3、4号機を再稼動させた。こうした動きに毎週金曜日に首相官邸に多数の市民がデモを仕掛けた。この動きは全国にも拡がった。
5)大震災の復興進まず
3.11の原発事故以来1年9ヵ月が経過したが、被災地の復興は思うように進んでいない。
発生直後に約47万人いた避難者は、現在でも約32万人、約2800万トンの震災がれきも処理済は2割にとどまっている。
19兆円を超える復興予算も自衛隊機購入など被災地再建と直接関係ない目的に使われていることが判明。政府は厳しい批判にさらされた。
6)笹子トンネル崩落
山梨県の中央自動車道笹子トンネル上り線で12月2日、吊り下げ式のコンクリート製天井板が130メートルにわたって崩落し、9人が死亡した。建設から長期間経過し、老朽化が進む公共構造物の耐久性が問題にされた。
7)オスプレイ沖縄配備
米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが10月、沖縄県の普天間飛行場に配備された。
事故を繰り返しているこのオスプレイに対して、安全性への懸念から配備に反対する沖縄県民は抗議のデモを繰り返している。
8)大津いじめ学校に警察の捜査
2011年10月、大津市皇子山中学2年の男子生徒が自宅マンションから飛び降り自殺した。両親はいじめが原因として市や同級生、保護者に損害賠償訴訟を起こした。滋賀県警は7月に暴行容疑で市教委と中学校を異例の家宅捜査をし、12月には加害者とされる少年二人を書類送検した。
9)遠隔操作で誤認逮捕
インターネット掲示板に殺害予告を書き込んだなどとして、男性4人が逮捕された。しかし10月になって真犯人を名乗る人物から犯行声明メールが弁護士らに届き、4人のパソコンがウイルスで遠隔操作されるなどしたことが捜査で判明。警察は誤認逮捕を認め、謝罪した。
10)家電大手が巨額赤字
円高や競争激化で、大手家電メーカーの業績が悪化し、2013年3月期の連結決算の純損益で、パナソニックは7650億円と2年連続の巨額赤字を予想。シャープも4500億円と過去最大の赤字を見込み、ソニーは美濃加茂市の子会社工場を来年3月に閉鎖予定としたため、地域社会に深刻な影響を出している。
次に世界のニュースを見ると、
1)尖閣諸島をめぐり日中に亀裂
日本政府は9月11日、尖閣諸島の魚釣島など3島を購入し、国有化した。中国はこれに反発し、国交正常化40周年の記念事業などを中止に追い込んだ。
中国国内では、北京や上海、広州など主要都市で若者らによる反日デモが発生、抗議活動は中国全土に広がり、暴徒化した参加者が日系企業や日系スーパーなどを相次いで襲撃、また日本車を燃やすなど過激な行為を続けた。
2)オバマ大統領再選
米大統領選挙は11月6日、投開票され、民主党のバラク・オバマ氏(51)が、共和党のミット・ロムニー氏(65)を破り、再選された。
経済の再生が最大の争点とされ、政府主導による「公平な社会」の実現を訴えるオバマ氏が支持を広げた。
3)中国、習近平体制に
中国共産党は11月15日、中央委員会を開き、習近平氏(59)を総書記に選出した。来春には国家主席に選出され、名実ともに最高指導者としての実権を握ることになる。
4)竹島に対して韓国が強攻策に出る
韓国の李明博大統領(71)が8月10日、日韓両国が領有権を主張する島根県・竹島に韓国の現職の大統領として初めて上陸した。
李大統領はさらにその後、天皇に過去の植民地支配への謝罪を求めるなど対日強硬姿勢を鮮明にした。
12月19日には韓国大統領選挙が実施され、与党セヌリ党の朴槿恵(パククネ)氏(60)が初の女性大統領として当選した。新大統領の対日政策がどうなるか関心が持たれる。
5)ロンドンオリンピック、日本最多の38メダル
今夏のロンドン五輪で日本勢は過去最多となる38個のメダル(金7、銀14、同17)を獲得した。
レスリング女子55キロ級の吉田沙保里選手は五輪3連覇を達成した。9月の世界選手権で10連覇にも到達し、五輪と合わせて前人未踏の13大会連続世界一を成し遂げ、11月に20例目の国民栄誉賞を受賞した。
そのほか、米小学校で12月14日、銃の乱射によって26人が死亡する事件、シリア内戦によって、8月20日に取材中のジャーナリスト山本美香さん(45)が戦闘に巻き込まれ死亡するという事件などがあった。
また、欧州の債務危機は収まらず、ユーロ圏の景気低迷は10月の失業率が11.7%と過去最悪を更新するなど、長期化している
2012年も大詰めに迫った。この一年もいろいろな出来事に覆われたが、まず国内から見てみよう。
1)12月16日実施の総選挙で自民党大勝
3.11大震災後初の衆院選で自民党は294議席を獲得し、民主党に圧勝した。民主党はマニフェスト違反への有権者の反発から公示前の230議席から57議席まで減少した。2009年衆院選の時の民主党の獲得議席数308から見ると、僅か18.5%の激減振りである。
一方、自公両党は、参院で否決された法案を再可決できる3分の2以上を獲得した。
2)消費増税法成立
消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%へと段階的に引き上げる消費税増税関連法が8月10日、民主、自民、公明などの賛成多数で可決、成立した。
しかし、関連法附則で税率引き上げの条件として「経済成長率の平均で名目3%、実質2%を目指す」との景気条項が盛り込まれた。
3)山中教授ノーベル賞受賞
京大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授(50)が、体のどんな細胞にも変化させられる人口多能性幹細胞(iPS細胞)の作製に世界に先駆けて成功したことから、ノーベル医学生理学賞を授与された。これで日本人のノーベル賞受賞者は19人目となった。
4)脱原発デモ燃える
北海道電力泊原発3号機が5月5日に停止して、商業用原発50機すべてが止まって42年ぶりに「原発ゼロ」となった。しかし、野田首相は7月に関西電力大飯原発3、4号機を再稼動させた。こうした動きに毎週金曜日に首相官邸に多数の市民がデモを仕掛けた。この動きは全国にも拡がった。
5)大震災の復興進まず
3.11の原発事故以来1年9ヵ月が経過したが、被災地の復興は思うように進んでいない。
発生直後に約47万人いた避難者は、現在でも約32万人、約2800万トンの震災がれきも処理済は2割にとどまっている。
19兆円を超える復興予算も自衛隊機購入など被災地再建と直接関係ない目的に使われていることが判明。政府は厳しい批判にさらされた。
6)笹子トンネル崩落
山梨県の中央自動車道笹子トンネル上り線で12月2日、吊り下げ式のコンクリート製天井板が130メートルにわたって崩落し、9人が死亡した。建設から長期間経過し、老朽化が進む公共構造物の耐久性が問題にされた。
7)オスプレイ沖縄配備
米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが10月、沖縄県の普天間飛行場に配備された。
事故を繰り返しているこのオスプレイに対して、安全性への懸念から配備に反対する沖縄県民は抗議のデモを繰り返している。
8)大津いじめ学校に警察の捜査
2011年10月、大津市皇子山中学2年の男子生徒が自宅マンションから飛び降り自殺した。両親はいじめが原因として市や同級生、保護者に損害賠償訴訟を起こした。滋賀県警は7月に暴行容疑で市教委と中学校を異例の家宅捜査をし、12月には加害者とされる少年二人を書類送検した。
9)遠隔操作で誤認逮捕
インターネット掲示板に殺害予告を書き込んだなどとして、男性4人が逮捕された。しかし10月になって真犯人を名乗る人物から犯行声明メールが弁護士らに届き、4人のパソコンがウイルスで遠隔操作されるなどしたことが捜査で判明。警察は誤認逮捕を認め、謝罪した。
10)家電大手が巨額赤字
円高や競争激化で、大手家電メーカーの業績が悪化し、2013年3月期の連結決算の純損益で、パナソニックは7650億円と2年連続の巨額赤字を予想。シャープも4500億円と過去最大の赤字を見込み、ソニーは美濃加茂市の子会社工場を来年3月に閉鎖予定としたため、地域社会に深刻な影響を出している。
次に世界のニュースを見ると、
1)尖閣諸島をめぐり日中に亀裂
日本政府は9月11日、尖閣諸島の魚釣島など3島を購入し、国有化した。中国はこれに反発し、国交正常化40周年の記念事業などを中止に追い込んだ。
中国国内では、北京や上海、広州など主要都市で若者らによる反日デモが発生、抗議活動は中国全土に広がり、暴徒化した参加者が日系企業や日系スーパーなどを相次いで襲撃、また日本車を燃やすなど過激な行為を続けた。
2)オバマ大統領再選
米大統領選挙は11月6日、投開票され、民主党のバラク・オバマ氏(51)が、共和党のミット・ロムニー氏(65)を破り、再選された。
経済の再生が最大の争点とされ、政府主導による「公平な社会」の実現を訴えるオバマ氏が支持を広げた。
3)中国、習近平体制に
中国共産党は11月15日、中央委員会を開き、習近平氏(59)を総書記に選出した。来春には国家主席に選出され、名実ともに最高指導者としての実権を握ることになる。
4)竹島に対して韓国が強攻策に出る
韓国の李明博大統領(71)が8月10日、日韓両国が領有権を主張する島根県・竹島に韓国の現職の大統領として初めて上陸した。
李大統領はさらにその後、天皇に過去の植民地支配への謝罪を求めるなど対日強硬姿勢を鮮明にした。
12月19日には韓国大統領選挙が実施され、与党セヌリ党の朴槿恵(パククネ)氏(60)が初の女性大統領として当選した。新大統領の対日政策がどうなるか関心が持たれる。
5)ロンドンオリンピック、日本最多の38メダル
今夏のロンドン五輪で日本勢は過去最多となる38個のメダル(金7、銀14、同17)を獲得した。
レスリング女子55キロ級の吉田沙保里選手は五輪3連覇を達成した。9月の世界選手権で10連覇にも到達し、五輪と合わせて前人未踏の13大会連続世界一を成し遂げ、11月に20例目の国民栄誉賞を受賞した。
そのほか、米小学校で12月14日、銃の乱射によって26人が死亡する事件、シリア内戦によって、8月20日に取材中のジャーナリスト山本美香さん(45)が戦闘に巻き込まれ死亡するという事件などがあった。
また、欧州の債務危機は収まらず、ユーロ圏の景気低迷は10月の失業率が11.7%と過去最悪を更新するなど、長期化している