名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

河村名古屋市長のパフォーマンス

2009-12-10 20:03:25 | Weblog
2009.12.10
 名古屋の河村市長当選の原動力となった市民税減税条例案が市議会で修正のうえ可決された。市長提案の原案は金持ち優遇だから低所得者への減額を大きくするというものである。
 普通ならこれで終わりで、めでたく日本初の市民税減税が名古屋から生まれることになるのだが、一筋縄では終わらない河村市長は『(議会は)趣旨が分かっていない』として直ちに再議に付して修正条例を廃案にしてしまうという。 
 河村原案はとにかく一律10%減額するというものである。1億円の納税者は1千万円減額されるが、1万円の納税者は千円に過ぎない。勿論生活保護世帯や非課税世帯はそもそも納税していないのだから1円の恩恵にもあずかれない。議会はこれを金持ち優遇として、たとえば一律3千円の均等割り額を2900円減額し、すべての納税世帯は100円の均等割り額を納めればよいとした。
 これもいかにも中途半端な減税案である。100円を徴収するぐらいならいっそタダにした方がよい、徴税コストの方がはるかに高くかかってしまう、と河村市長は猛反発してみせた。そして拒否権にあたる再議に付し、臨時会を招集する考えを明らかにしたというのである。
 しかし再可決には定数75の三分の二以上の賛成が必要だが、自・公・社民の三会派は計38議席しかなく、廃案となる可能性の方が大きい。不思議なことにそうなった場合は、自民党は『廃案になったら原案に賛成する』と言っているそうだから結局市の原案が成立する見通しというわけである。
 河村市長の驚くべき粘り腰である。
 さらに、今議会では「地域委員会」のモデル実施を盛り込んだ補正予算案も可決した。しかし、議員の定数や報酬の半減などの議会改革案を盛り込んだ「政治ボランティア条例」を継続審査にしたことが議会としての僅かな抵抗であった。
 河村市長の木曽川道水路建設および陽子がん施設の建設の見直し、天白区里山の保存などびっくりするような、しかし新鮮な感覚に共感を覚えたものであるが、議員数の半減・小選挙区の実施などタダ安上がりだけを狙う感覚には愕然としてしまう。この人は民主主義の何たるかを理解していないのではないかと疑ってしまう。
報酬は半額でも三分の一でもよい。しかし議員数を劇的に減らすとどういうことになるか、しっかりと議論しないといけない。。
 河村市長のワンマンぶりとそれを妄信するサポーターの動きに注目である。