名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

インドで同時多発テロ 107人死亡

2008-11-28 10:13:22 | Weblog
2008.11.28
 インドの西部、金融、商業の中心地ムンバイで26日から27日未明にかけて、駅や高級ホテルなど10か所で爆発や武装集団による銃撃があり、日本人一人を含む107人が死亡、315人が負傷するという大がかりなテロが発生した。
 ムンバイは人口1200万人の巨大都市、かつては「ボンベイ」と呼ばれていたが1995年に古来の地名に改称された。
 日本人の死者は三井丸紅液化ガス関東支店課長の津田尚志さん(38)。26日夕べ、ムンバイに入りホテルでチェックイン中に乱入した武装集団の銃撃に逢い、死亡した。
 犯行グループは「デカン・ムジャヒリン」と名乗っているが組織の実態は分かっていないという。ホテルに立てこもった犯人らは200人以上の人質をとって、『インドで拘束されているムジャヒディン(イスラム戦士)全員を釈放しろ』と言っている。
 欧米メディアによると、武装グループが英米人を選んで人質にとっているという目撃証言があり、2001年9月の米中枢同時テロや、ロンドンやマドリードの爆弾テロと同様、欧米諸国を標的にしたテロとの見方が出ている。アルカイダの影響がここまで来たのかともいえる。
 インド政府は、これまで国内のテロは、カシミール地方の領有権を争うパキスタンの軍情報機関がパキスタン人過激派をインド領内に潜入させて引き起こしていると非難してきたが、最近の相次ぐ爆弾テロで逮捕されているはインド国内のイスラム過激派メンバーばかりであるという。インド国内での貧富の差、ヒンズー教徒とイスラム教徒との宗教差別問題などインド政府につき付けられた課題が浮き彫りになってきた。
 テロは断じて許されないが、憎しみを呼ぶだけの解決方法ではテロは拡大するということを忘れてはいけない。

農林中金 積極運用で裏目

2008-11-27 11:39:10 | Weblog
2008.11.27
 11月7日付のこのブログで金融機能強化法改正案が衆院を通過したが、参院では民主党の反対にあっていることを書いた。その反対の理由の一つが、農林中金への公的資金注入には議会の同意が必要との条件をつけるべしというものであった。
 今週号の週刊誌「アエラ」でその農林中金の積極果敢なというか無謀な投資ファンドぶりが紹介されている。これを読むと、公的資金注入について議会の同意どころか注入の対象外にすべきと思えてくる。
 この記事によると、全国の農協の貯金はおよそ82兆円あるそうだが、そのうち60兆円もの巨額資金を運用しており、さらにこのうち10兆円もの巨費がリスクの高い金融商品で運用されているという。いまや農林中央金庫(農林中金)は米ウォール街や英シティーでは日本の有名な投資ブランドであるそうだ。農林中金は一度で数百億円規模の投資を行い、外資系銀行からは『神様のようなお客様』と言われもしているという。その積極姿勢は、サブプライム危機が表面化した昨年夏以降も、米投資銀行ベアー・スターンズが破綻した3月以降でも不変だったというから驚く。リーマン・ブラザーズが9月に破綻してやっと、農林中金の進撃は止まったそうである。
 全国津々浦々の農協に農家などの貯金が82兆円集まる。農協は資金需要がないため、そのうちの56.3兆円を県単位の信用農協連合会(信連)に預け、信連はさらにそのうちの29.5兆円を農林中金に預け、運用を任すという仕組みである。あまりの巨額さに眼がくらむばかりだ。
 農林中金はこうして集めた29.5兆円のほかに他の預金も含めて38兆円の預金を、通常より高い金利で農協や漁協に還元するため、高い運用成績を狙わなければならず、必然的にリスクをとって高いリターンを求める投資ファンドと化すという訳である。リスクの高い外国債券だけでも約3兆5千億円も所有しているなど欧米の投資銀行と似た資産内容ということは、財務面で相当なダメージを受けたことは想像がつくとアエラの記者は書いている。
 農林中金の理事長は歴代農水省の事務次官経験者であり、その他多くの官僚が天下っている。最先端の金融商品に手を出し、大やけどして、この後の始末はどうなるのか他人ごとながら心配である。確かにこんなところにまで公的資金を注入してまで援助する必要があるのか考えさせられる。

日弁連が終身刑に反対

2008-11-25 08:31:51 | Weblog
2008.11.25
 数日前のことだが日弁連は終身刑について『無期刑の(仮釈放が認められない)事実上の終身刑化をなくし、かつ死刑存続を検討せずに終身刑を創設することに反対する』との意見書を発表した。
 それによると、無期刑受刑者のうち過去10年に仮釈放されたのは79人なのに対し、120人が刑務所内などで死亡したことを挙げ『終身刑化は明らか』と指摘。また厳罰化が進む現状で終身刑を創設すれば、無期刑のはずの被告が終身刑となる可能性があると主張している。
 その上で『諸外国の例をみるとき、終身刑は死刑の代替刑としてのみ存在根拠がある』とし、死刑存廃の検討を先行させるよう求めている。
 終身刑については、超党派の議員連盟が来年から始まる裁判員制度に向け、死刑と無期刑のギャップを埋めるとして創設を目指しているものである。
 死刑存廃については、かつてこのブログでも書いた。世界の趨勢が死刑廃止の方向に向いている中で、日本における国民感情は死刑存続の意見が根強い。
 日弁連は終身刑ありきではなく、死刑廃止か存続かをしっかり議論したうえで、死刑廃止を選択することになった場合に初めて、終身刑制度が俎上に上るべきであるとの見解であると思われる。
 このことについては、筆者も同感である。終身刑があって死刑もある必要はない。ただ日弁連の主張は死刑廃止が前提となっているが、筆者は我が国における現状からして死刑は廃止すべきでないとの考えを変えることができない。残虐、極悪な犯罪がある限り、犯罪者は死をもって償われるべきことはやむを得ないことである。

元厚生次官殺傷の男逮捕

2008-11-24 15:34:48 | Weblog
2008.11.24
 元厚生事務次官宅連続殺傷事件の捜査の最中、23日未明『次官を殺した』と血のついたナイフを持った男が自首してきた。警視庁は出頭した男を銃刀法違反(携帯)容疑で逮捕した。男はさいたま市北区、無職小泉毅容疑者(46)という。
 小泉容疑者は出頭する直前、民放テレビ各社のホームページに『今から自首する』『年金テロではない』などと書き込み、犯行動機を『34年前、保健所に家族を殺された仇討ちである』『やつらは今も毎年、何の罪もない五十万頭ものペットを殺し続けている』とも記してあったという。
 さらに『日本警察の捜査能力に疑問』と題して吉原元次官の妻の靖子さんが襲われた事件に触れ、『私は左利きである』『私は靴ひもタイプを使ってない』『最初に出てきたのは剛彦(さん)である』と、これまで報じられていないことを記述。報道されている警察の発表をあざ笑っているかのようである。
 警察は、小泉容疑者が所持していた運動靴と現場周辺にのこされていた足跡がほぼ一致、さらに供述内容が靖子さんの着衣や室内の状況と符合していることを認めている。
 以上の状況から、この事件の犯人が小泉容疑者であることはほぼ間違いない。今後は家宅捜査や血液鑑定などで本人の自供を確認することになる。
 当初この事件は、年金問題などにからんで厚労省の高官を狙ったテロではないかと言われていたが、全く予測とは違った結果となった。思想的背景など全くない、言ってみれば異常人格者の単独犯罪である。
 それにしても、小泉容疑者が言っていることと動機・標的が結びつかない。34年も前のペット処分が本当に連続殺傷の動機なのか不可解である。今後の捜査を待つのみである。

映画『私は貝になりたい』を見る

2008-11-23 07:46:02 | Weblog
2008.11.23
 かつてフランキー堺が演じて有名な『私は貝になりたい』の最新リメイク版の上映が昨日(22日)から始まった。早速昨日、港区にあるベイシティ東宝シネマで見た。
 この作品の原作についてはこみ入ったいわくがあるようである。
 新潟県の東京捕虜収容所第五分所長であった加藤哲太郎は太平洋戦争終了後、俘虜虐待と殺害の容疑でBC級戦犯に問われ、逃亡生活を経て逮捕され、死刑の判決を受けた。最終的には減刑され釈放されたが、加藤は、遺書の形で『私はなぜ「貝になりたい」の遺書を書いたか』という手記を書いた。
 これをもとに、橋本忍が『私は貝になりたい』と題して、昭和33年にテレビドラマとしてTBSで放映された。また翌年の昭和34年には映画化もされた。フランキー堺が演じたドラマ・映画の内容は加藤の史実とは異なるが、死刑執行の直前にフランキー堺演ずる清水豊松が言う『私は貝になりたい』は加藤の手記から取ったものである。このことは著作権問題で長く争われてもいた。
 さて今回のリメイク版は、主役の清水豊松役に中居正広、その妻に仲間由紀恵、脇役として石坂浩二、上川隆也、伊武雅刀ら実力派が名を連ねている。
 あらすじはともかく、死刑執行を前に最後に清水豊松が言うセリフの引用。
『私は生まれ変わっても人間にはなりたくありません。人間なんていやだ。もし生まれ変わっても牛か馬のほうがいい。いや牛や馬ならまた人間にひどい目に逢わされる。どうしても生まれ変わらなければならないのなら、いっそ深い海の底の貝になりたい。…… 深い海の底だったら戦争もない、兵隊に取られることもない。……どうしても生まれ変わらなければならないのなら、私は貝になりたい……」
 なお、加藤哲太郎手記になるものは昨年、日本テレビで中村獅童主演で放映されたようだが見逃した。 いずれ再放映されるのを期待している。

麻生首相の迷走

2008-11-22 10:12:48 | Weblog
2008.11.22
 『はっきり言って、医師は社会常識がかなり欠落しているしている人が多い』。こんな発言を聞いて怒らない医師はいないであろう。ましてや言った人は一国の総理大臣である(19日、全国知事会議での挨拶)。
 同じく19日、都内での日本私立幼稚園PTA連合会全国大会での挨拶で『しつけるべきは子どもより母親だと言った幼稚園の園長を尊敬している』と言ってしまった。その他『はしの持ち方のしつけは家庭でやるものだと言おうものなら、あの先生は親切じゃないという話になる』などといって、どうも教員の会合と勘違いしての発言だったということらしい。これなど、総理の気持ちは分からないわけではないが、どんな会合かも理解しないで発言する首相の無神経さにもあきれる。
 常日頃『経済対策のポイントはスピード』と主張している麻生首相だが、定額給付金の支給を含む補正予算の国会提出時期を年明けの定例国会と決めてしまったようだ。ばらまき政策の象徴のような給付金であるが、自ら早く支給すべきといっていたのが、これでは年度末の支給も危うい。『全世帯』と言っていたのも『豊かなところに出す必要はない』と変わり、最後はその決定は市町村に任せると丸投げしてしまった。自民党の中堅・若手議員24人が第二次補正予算案の今国会中の提出を求めたそうである。
 極めつけは、国会同意案件で上杉秋則・元同委事務総長を公正取引委員会委員に充てる人事案。上杉氏が弁護士資格がないのに弁護士の肩書きで雑誌に投稿していた事実が判明して、21日の参院本会議での裁決直前に取り下げるという失態である。これは事務方のミスとはいえ、首相の責任は避けられない。上杉氏は出版社のミスと弁明しているそうだがそんなミスはあり得ない。これには与党側も『前代未聞の事態』と怒っている始末である。それこそ麻生内閣の統治能力を疑わざるを得ない事態である。
 麻生内閣の先行きが怪しくなってきた。

元厚生省次官、連続殺傷事件

2008-11-19 17:48:44 | Weblog
2008.11.19
 18日午前10時過ぎ、元厚生事務次官の山口剛彦氏(66)と妻の美知子さん(61)がさいたま市南区の自宅玄関先で死亡しているのが発見された。
 また18日午後6時半ごろ、東京都中野区の元厚生省次官の吉原健二氏(76)宅の玄関前で妻の靖子さん(72)が宅配便を装った男に胸などを刺され重傷を負った。
 吉原氏と山口氏はいずれも旧厚生省で年金行政に携わっており、殺傷の仕方が酷似していることから、警察庁は旧厚生省幹部を狙った連続テロの可能性があるとみて、関係者の警備強化を指示したという。
 吉原氏と山口氏は年金局で現行年金制度の基礎づくりに携わっており、1986年に厚生年金、共済年金、、国民年金などに分かれていた年金制度を大改正し、国民の誰でも受け取れる基礎年金制度を導入した。
 また、吉原氏が長官を務めた社会保険庁では年金記録不備問題が2007年に発覚し、基礎年金番号に統合されていない『宙に浮いた』年金記録が約5千万件にのぼることが明らかになった。一方、山口氏は基礎年金番号導入時の97年には次官を務めており、二人とも批判に直面していた。
 今回の事件が、こうした最近の年金問題と関係があるのかが今後の捜査の最大の課題になるのであろうか。
 厚労省の年金問題における不祥事は目に余るものがあることは否定できないが、それを恨むというか、告発するというか、こんな形で元次官を襲うことの短絡さはどうしようもない。
 事件の早い解決を望むばかりだ。

財政学の水野正一名大名誉教授死去の報 

2008-11-18 18:33:36 | Weblog
2008.11.18
 今日の夕刊の訃報欄に、元名大経済学部教授の水野正一さんが17日に胃がんのため亡くなられたことが報じられた。享年84歳であった。
 水野教授は筆者が学生時代、学部が違って直接講義を受けることはなかったが、経済学部における新進気鋭の若手教授として知られていた。
 その水野教授が政府税制調査会委員の時、財政問題に係る研究会の座長をお願いしたことがある。以来、昵魂にしていただいて、筆者がリタイアした後も年賀状が途絶えたことがない。
 もの静かで穏やかな、これぞ学究といった財政学の権威であった。仕事とはいえ、いつも気にかけていただいた頼りがいのある先生であった。
 胸の痛む訃報である。ご冥福をお祈りします。

【追伸】
 今日(19日)、水野先生の葬儀に出席した。午後1時から豊田市のイズモ葬祭セレモニーホール豊田で行われた。
 合唱団OBの江尻さんが水野ゼミの一員だったことから、久しぶりに会うことができた。

20か国参加の金融サミット

2008-11-17 07:27:29 | Weblog
2008.11.17
 ワシントンで開かれていた日米欧だけでなく中国、ブラジル、インドなど新興経済国の20か国・地域(G20)の首脳が金融危機対策を協議した緊急首脳会合いわゆる金融サミットが日本時間16日未明に終了した。
 首脳宣言の骨子は次のとおり。
  1.海外展開している主要金融機関の監視団を創設
  2.市場安定へあらゆる追加的措置
  3.金融政策が重要、成長回復へ財政出動
  4.証券化商品の情報開示拡大、格付け会社に強力な監督
  5.IMFなど国際金融機関の改革推進
  6.2009年4月までに再会合 など
 首脳宣言は金融危機の原因について、先進国の政府や金融当局がサブプライム住宅ローンなど複雑な金融商品の取引拡大に潜む危険性を軽視し、『リスクを適切に評価、対処せず、規制の結果を考慮しなかった』とし、この再発防止に金融市場や金融機関の規制を強化することで一致した。
 報道された金融サミットの内容の一部である。麻生首相などは『歴史的な会合』と自賛している。
 とりあえずのまとまりを見せた金融サミットであるが、先進国と新興国、対立する米欧が、決定事項を実現していく上でどのように協力していくか今後の行方が悩ましい。

刑事裁判での被害者参加制度

2008-11-16 11:46:28 | Weblog
2008.11.16
 裁判員制度が来年5月21日からスタートする。そのお知らせとして、政府広報『あしたのニッポン』が今朝の新聞に挟み込まれてきた。我が家に来たということは日本国民全世帯に配布されるのであろう。大変な経費がかかるが必要なものである。
 裁判員制度が国民の中から選ばれた裁判員が刑事事件に参加する制度であるのに対し、殺人事件などの被害者や遺族が刑事裁判で検察官と一緒に被告人に質問したり、求刑などができる『被害者参加制度』がこの12月1日から適用されることになったことは、あまり知られていない。
 これは、かねてから被害者側から『一番の当事者なのに、刑事裁判では法廷外』と言われ、被害者が当事者として参加できないことに対する強い不満があったが、被害者団体の要望を取り入れ、被害者支援策の一環として法改正が行われたものである。
 成立したのは平成19年6月20日、法律名は『犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律』で、施行がこの2008年12月1日である。
 被害者が一足早く裁判に参加して、被告人に質問したり、求刑などできるようになる。来年5月からは一般国民の裁判員と被害者参加人とが同席する。
 そこで、裁判員は初めて接する被害者に同情して、被害者側に共感してしまい、重罰化の方向に向かう、法廷があだ討ちの場になるのではないかと懸念する意見が出てきているという。
 現在の裁判では、検察官の求刑よりも少し軽い刑が言い渡されるのが通例であるが、被害者参加人が検察官の求刑よりも重い刑を求刑したとき、裁判員はそれに引きずられて現在よりも重い刑を選んでしまうのではないかとの危惧である。ありていに言えば、殺人事件などでは死刑判決が多くなるのではないかとの懸念である。
 いずれにしてもこの危惧は、死刑存続論と死刑廃止論との争いにつながっているもので、簡単には答えの出ない難しい問題である。