2014.8.31(日)
第59回全国高校軟式野球選手権大会ですごい記録が生まれた。サスペンデッドゲームを3回繰り返し、50回で決着がつくという信じられないような記録である。
中京(東海・岐阜)と崇徳(西中国・広島)の準決勝は31日、兵庫県明石市の明石トーカロ球場で延長46回から再開され、延長50回の末に中京が3―0で勝って、4日間にわたって繰り広げられた“世紀の死闘”にピリオドを打った。
サスペンデッドゲームとは、全国高校軟式野球大会の準決勝までに適用されるルールである。15回ごとにいったん試合を打ち切り、後日次の回から再開する。日本高野連は硬式に比べ、軟式は投手の肘や肩への負担が軽く、日程の消化も進むため採用している。今回の準決勝では、54回までに決着がつかない場合は、くじ引きで決勝進出チームを決めることになっていた。
3日間を1人で投げ抜いた中京・松井大河(3年)、崇徳・石岡樹輝弥(3年)がこの日も引き続き登板。両投手の投げ合いで49回まで0行進が続いたが、延長50回中京が無死満塁から2番・後藤が右翼線へ2点適時二塁打を放ち均衡を破ると、さらに無死二、三塁から内野ゴロの間に1点を加え、松井がその裏の崇徳の攻撃を抑えた。
中京は引き続き三浦学苑(南関東・神奈川)との決勝に臨む。
これまで軟式野球の最長試合は、1983年9月の天皇賜杯第38回全日本軟式野球大会決勝戦の延長45回である。そもそもこんなに戦ってもなぜ点が入らないのであろうか。同じ野球でも硬式と軟式では似て非なるものという。ゴム製の軟式ボールは「跳ねるが、飛ばない」。硬式より10グラムほど軽い、従って飛球を失速させて飛ばない。投手は一発ホームランを怖がる必要はない。各校とも投手をもり立て、守り重視のチーム作りをする。
今回の試合では松井、石岡両投手とも700球前後の投球数となっている。中京の松井投手は、午後の決勝でも投げればさらに投球数は増える。あるトレーナーは「連投はひじや肩の関節を安定させる筋肉を磨耗し、関節が安定できずに周囲の筋肉を傷つける」と指摘している。高校生活の中で選手生命を失ってしまわないか危惧されるところである。すごい記録は残ったが、両投手に何ごともなく、今後の健闘を祈るばかりである。
【追記】
結局、準決勝は合計50回で終了したが、4日間で経10時間18分の死闘であった。
中京は引き続き行われた決勝で三浦学園(南関東・神奈川)に2:0で勝ち、2年ぶり7度目の優勝を果たした。中京のエース 松井大河投手は崇徳戦で50回を709球投げ抜いて完投。決勝戦でも4回途中から救援で登板して9回まで投げぬき、今大会 の投球数は4試合で計1047球に上った。
第59回全国高校軟式野球選手権大会ですごい記録が生まれた。サスペンデッドゲームを3回繰り返し、50回で決着がつくという信じられないような記録である。
中京(東海・岐阜)と崇徳(西中国・広島)の準決勝は31日、兵庫県明石市の明石トーカロ球場で延長46回から再開され、延長50回の末に中京が3―0で勝って、4日間にわたって繰り広げられた“世紀の死闘”にピリオドを打った。
サスペンデッドゲームとは、全国高校軟式野球大会の準決勝までに適用されるルールである。15回ごとにいったん試合を打ち切り、後日次の回から再開する。日本高野連は硬式に比べ、軟式は投手の肘や肩への負担が軽く、日程の消化も進むため採用している。今回の準決勝では、54回までに決着がつかない場合は、くじ引きで決勝進出チームを決めることになっていた。
3日間を1人で投げ抜いた中京・松井大河(3年)、崇徳・石岡樹輝弥(3年)がこの日も引き続き登板。両投手の投げ合いで49回まで0行進が続いたが、延長50回中京が無死満塁から2番・後藤が右翼線へ2点適時二塁打を放ち均衡を破ると、さらに無死二、三塁から内野ゴロの間に1点を加え、松井がその裏の崇徳の攻撃を抑えた。
中京は引き続き三浦学苑(南関東・神奈川)との決勝に臨む。
これまで軟式野球の最長試合は、1983年9月の天皇賜杯第38回全日本軟式野球大会決勝戦の延長45回である。そもそもこんなに戦ってもなぜ点が入らないのであろうか。同じ野球でも硬式と軟式では似て非なるものという。ゴム製の軟式ボールは「跳ねるが、飛ばない」。硬式より10グラムほど軽い、従って飛球を失速させて飛ばない。投手は一発ホームランを怖がる必要はない。各校とも投手をもり立て、守り重視のチーム作りをする。
今回の試合では松井、石岡両投手とも700球前後の投球数となっている。中京の松井投手は、午後の決勝でも投げればさらに投球数は増える。あるトレーナーは「連投はひじや肩の関節を安定させる筋肉を磨耗し、関節が安定できずに周囲の筋肉を傷つける」と指摘している。高校生活の中で選手生命を失ってしまわないか危惧されるところである。すごい記録は残ったが、両投手に何ごともなく、今後の健闘を祈るばかりである。
【追記】
結局、準決勝は合計50回で終了したが、4日間で経10時間18分の死闘であった。
中京は引き続き行われた決勝で三浦学園(南関東・神奈川)に2:0で勝ち、2年ぶり7度目の優勝を果たした。中京のエース 松井大河投手は崇徳戦で50回を709球投げ抜いて完投。決勝戦でも4回途中から救援で登板して9回まで投げぬき、今大会 の投球数は4試合で計1047球に上った。