名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

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死刑適用の永山基準は妥当か

2009-03-19 21:51:48 | Weblog
2009.3.19
 昨日の闇サイト事件の判決は被害者が一人であったが、三人の被告に対して二人が死刑、一人が無期という内容で注目を集めている。
 これは最高裁が1983年に、盗んだ拳銃で4人を射殺した永山則夫元死刑囚に対する判決で示した死刑適用のいわゆる『永山基準』があるからである。
 その内容は、①犯罪の性質 ②動機 ③態様、特に殺害手段の執拗さや残虐さ ④結果の重大性、特に被害者数 ⑤遺族の被害感情 ⑥社会的影響 ⑦被告の年齢 ⑧前科 ⑨犯行後の情状―を考慮し、罪と罰の均衡や犯罪予防の観点からやむを得ない場合に、死刑適用が許されるというものである。
 この中で、いつも一番問題にされるのが④の結果の重大性、特に被害者数である。ここから一人の殺人では死刑の適用はないものだという慣例のようなものができあがっている。しかしこれはなんとも不思議なことである。人命は地球よりも重いというなら、一人であろうが複数の被害者であろうが、その罪の重さは変わらないというべきである。遺族にとって奪われた命は永久に帰ってこないのである。
 今回の闇サイト事件での判決は、そうした判例の流れを変えたという点で画期的なものといえる。永山基準では、一人の被害者数では結果として重大ではないようにいっているように思える。死の重さを理解していない基準というべきである。人を一人でも殺すということの重大性を考えれば、こんな基準は速やかに削除すべきである。
 今回の判決はまだ一地裁の判決に過ぎない。しかし、今回の判決が判例として定着することを期待してやまない。 

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