音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■私の 「 無伴奏チェロ組曲 第 6番 」 が、ドイツで全曲初演■

2013-05-16 00:25:36 | ■私の作品について■

■私の 「 無伴奏チェロ組曲 第 6番 」 が、ドイツで全曲初演■
~ 4月20日 Glambeck で、W.Boettcher 先生 ~
               2013.5.16       中村洋子

 

 

★多忙で、ブログの更新が滞っていますうちに、

5月半ば、となりました。

4月 20日夜、Berlin の Boettcher 先生から、

ファックスが届きました。

「 Today I played the Urauffürhrung of your Nr.6 Suite.

It was a good performance and success for your music ・・・ 」

と、書いてありました。

 

★プログラムは、

Glambecker Claviermusiken
          in der
Dorfkirche zu Glambeck
      20. April  2013

Boettcher Solo Konzert

 

★「Urauffürhrung 」 は、 「 初演 」 という意味で、

大変に、価値のある言葉です。

「 Ur 」 は、名詞につけますと、原初とか根源という意味になります。

「 Auffürhrung 」 は、 「 演奏  performance 」 です。 

お馴染の 「 Urtext 」 は、原典、原本、原文という意味ですが、

当ブログで嘆いておりますように、 楽譜の世界では、

「 Urtext 」 が、本来の ≪ Urtext ≫ ではないのです。

 


★当日のプログラムは、

・Johann Sebastian Bach  ( 1685~1750 )Suite d-moll Nr.2 (1720)

・Yoko Nakamura Suite  Nr.6  (2011)   Urauffürhrung 
( in Okinawa komponiert -Wolfgang Boettcher gewidmet)
Ⅰ. Praeludium ; Ⅱ.Lovesong ; Ⅲ.Happy fishermans song
(Okinawa-Swing) ; Ⅳ.Gebet ; Ⅴ.Rundtanz - Wiegenlied - Rundtanz; Ⅵ.”Ritmico“.Gigue

・Volker David Kirchner  ”Und Salomo sprach“ (1987)

・Johann Sebastian Bach  ( 1685~1750 ) Suite C-dur Nr.3 (1720)

 

★ Bach の Suite 2曲を含む、

壮大なプログラムです。

新聞の予告記事も、 faxで送って頂きましたが、

見出しは、 「 Glambeck で体験する初演コンサート

Erstmals  Suite Nr.6  von Yoko Nakamura 」 でした。

また、別の新聞の見出しは、 「 Brillant am Cello 輝かしいチェロ 」

と、なっていました。


★その後、Plakate und Programme  ポスターやプログラムも、

郵送で、送って頂きました。

 


                          
★私は、チェロ組曲を6曲書きましたので、

これで、一区切りとなります。

独奏チェロ組曲をさらに、書き進めたいという気持ちもあります。

5月 21日、KAWAI表参道 「 パウゼ 」 で、

≪ 平均律クラヴィーア曲集 第 2巻 ≫ の、

アナリーゼ講座を、開始します。

第 1回目は、第 1番C-Dur ハ長調  BWV 870 について、

お話します。


★Bach は、あれだけ完璧な 

≪ 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 ≫ を完成しながら、

なぜ、さらに ≪ 第 2巻 ≫ として 24曲を、作曲したのでしょうか。

チェロやヴァイオリン、フルートの独奏作品については、

6曲を書き終えて、その ≪ 第 2巻 ≫ は、作曲しなかったのです。

この大きな問いについて、講座を進めながら、

解明していきたいと思います。

 

 

≪ 平均律クラヴィーア曲集 第 2巻 ≫ は、

新たに作曲したものばかりではなく、

過去の作品も、組み込まれています。

それをもって、あたかも “ 第 2巻は、寄せ集めである ” という

ニュアンスを、におわせる解説書もあります。


★しかし、それを言いますと、

人類最大の傑作 「 Messe h-Moll  ロ短調ミサ 」 も、

寄せ集めである、ということになってしまいます。

≪ 平均律クラヴィーア曲集 第 2巻 ≫ は、

Bach の過去の作品を含めた集合体ですが、

その出典を、詮索することよりも、

Bach がそれらを、どのような構想で、

“ 大宇宙 ” にまとめ上げたか、

それを学ぶことが、

Bach を学び、音楽を楽しむ、

ということなのです。

 

 

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