■私の 「 無伴奏チェロ組曲 第 6番 」 が、ドイツで全曲初演■
~ 4月20日 Glambeck で、W.Boettcher 先生 ~
2013.5.16 中村洋子
★多忙で、ブログの更新が滞っていますうちに、
5月半ば、となりました。
4月 20日夜、Berlin の Boettcher 先生から、
ファックスが届きました。
「 Today I played the Urauffürhrung of your Nr.6 Suite.
It was a good performance and success for your music ・・・ 」
と、書いてありました。
★プログラムは、
Glambecker Claviermusiken
in der
Dorfkirche zu Glambeck
20. April 2013
Boettcher Solo Konzert
★「Urauffürhrung 」 は、 「 初演 」 という意味で、
大変に、価値のある言葉です。
「 Ur 」 は、名詞につけますと、原初とか根源という意味になります。
「 Auffürhrung 」 は、 「 演奏 performance 」 です。
お馴染の 「 Urtext 」 は、原典、原本、原文という意味ですが、
当ブログで嘆いておりますように、 楽譜の世界では、
「 Urtext 」 が、本来の ≪ Urtext ≫ ではないのです。
★当日のプログラムは、
・Johann Sebastian Bach ( 1685~1750 )Suite d-moll Nr.2 (1720)
・Yoko Nakamura Suite Nr.6 (2011) Urauffürhrung
( in Okinawa komponiert -Wolfgang Boettcher gewidmet)
Ⅰ. Praeludium ; Ⅱ.Lovesong ; Ⅲ.Happy fishermans song
(Okinawa-Swing) ; Ⅳ.Gebet ; Ⅴ.Rundtanz - Wiegenlied - Rundtanz; Ⅵ.”Ritmico“.Gigue
・Volker David Kirchner ”Und Salomo sprach“ (1987)
・Johann Sebastian Bach ( 1685~1750 ) Suite C-dur Nr.3 (1720)
★ Bach の Suite 2曲を含む、
壮大なプログラムです。
新聞の予告記事も、 faxで送って頂きましたが、
見出しは、 「 Glambeck で体験する初演コンサート
Erstmals Suite Nr.6 von Yoko Nakamura 」 でした。
また、別の新聞の見出しは、 「 Brillant am Cello 輝かしいチェロ 」
と、なっていました。
★その後、Plakate und Programme ポスターやプログラムも、
郵送で、送って頂きました。
★私は、チェロ組曲を6曲書きましたので、
これで、一区切りとなります。
独奏チェロ組曲をさらに、書き進めたいという気持ちもあります。
5月 21日、KAWAI表参道 「 パウゼ 」 で、
≪ 平均律クラヴィーア曲集 第 2巻 ≫ の、
アナリーゼ講座を、開始します。
第 1回目は、第 1番C-Dur ハ長調 BWV 870 について、
お話します。
★Bach は、あれだけ完璧な
≪ 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 ≫ を完成しながら、
なぜ、さらに ≪ 第 2巻 ≫ として 24曲を、作曲したのでしょうか。
チェロやヴァイオリン、フルートの独奏作品については、
6曲を書き終えて、その ≪ 第 2巻 ≫ は、作曲しなかったのです。
この大きな問いについて、講座を進めながら、
解明していきたいと思います。
★≪ 平均律クラヴィーア曲集 第 2巻 ≫ は、
新たに作曲したものばかりではなく、
過去の作品も、組み込まれています。
それをもって、あたかも “ 第 2巻は、寄せ集めである ” という
ニュアンスを、におわせる解説書もあります。
★しかし、それを言いますと、
人類最大の傑作 「 Messe h-Moll ロ短調ミサ 」 も、
寄せ集めである、ということになってしまいます。
≪ 平均律クラヴィーア曲集 第 2巻 ≫ は、
Bach の過去の作品を含めた集合体ですが、
その出典を、詮索することよりも、
Bach がそれらを、どのような構想で、
“ 大宇宙 ” にまとめ上げたか、
それを学ぶことが、
Bach を学び、音楽を楽しむ、
ということなのです。
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