音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■ショパンは、平均律 15番を徹底的に学び、バラード 2番を作曲した■

2013-09-24 15:55:54 | ■私のアナリーゼ講座■

■ Chopin が見た「平均律クラヴィーア曲集・アナリーゼ講座」■
   第 15回 第 1巻 第 15番 G-Dur  prelude & fugue
~ショパンは、平均律 15番を徹底的に学び、バラード 2番を作曲した~

                                2013・9・24  中村洋子



 

★金木犀の香りが、ほのかに漂ってきました。

秋ですね。


★次回の Chopin が見た 

「 平均律クラヴィーア曲集・アナリーゼ講座 」 は、

第 1巻 第 15番 G-Dur  prelude & fugue です。


★15番 ト長調の 「 主音 G 」 は、

1番 ハ長調 ( 主音 C ) の「 属音 」です。


バッハが、平均律クラヴィーア曲集で追及したのは、

≪ 調性とは何か ≫ です。


1、 2番の主音 「 C 」 、 3、 4番の主音 「 Cis 」 から、

5、 6番の 「 D 」 へと、
主音を半音ずつ上げていき、

辿り着いたのが ≪ C の属音である G ≫ です。


 ★ 「 主音から属音へ 」  という一つの世界が完結し、

ここで新たに 「 属音から主音へ 」 という世界が、

開かれていきます。

 

 

★独自の 曲順配列で校訂された

Bartók Béla  バルトーク(1881~1945)の

「 平均律 全 2冊 」 では、
この 1巻 15番は、

第 2冊目の第 1曲目に、配置されています。


この配置を見るだけでも、

バルトークの、 Bachアナリーゼの深さ、

洞察力の見事さが、実によく分かります。

★この曲を、学び尽くしたもう一人の作曲家は、ショパンです。

1838年、28歳だった Frédéric Chopin ショパン (1810~1849)が、

マジョルカ島で、存分に平均律を弾き、

そして、「 前奏曲集 」 と 「 バラード2番 Op.38 へ長調 」 を、

推敲したことは、有名なお話です。


★このバラード 2番の Chopin 直筆譜と、

平均律 15番のバッハ直筆譜とを、見比べますと、

その発想の類似性に、驚かされます。


★ Bartók と Chopin の ≪ バッハ へのアプローチ ≫ を、

お話しながら、

Chopin が、 平均律第 1巻に書き込んだ fingering を手掛かりに、

この 15番の  prelude & fugue を、

実際の演奏に、どう生かしていくか、

分かり易く、お話いたします。



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■  2013.10.14 ( 月・祝日 )  午後 2時 ~ 4時 30分 

■ 会場: カワイミュージックスクールみなとみらい        

     横浜市西区みなとみらい4-7-1 M.M.MID.SQUARE 3F
      ( みなとみらい駅 『出口 1番 』 出て、目の前の高層ビル3F )

■ 要予約    Tel.045-261-7323 横浜事務所
         Tel.045-227-1051 みなとみらい直通

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■ 講師 :   作曲家  中村 洋子 Yoko Nakamura

東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。
日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

2003 ~ 05年:アリオン音楽財団 ≪東京の夏音楽祭≫で新作を発表。

07年:自作品 「 Suite Nr.1 für Violoncello
        無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
        Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏した
     CD 『 W.Boettcher Plays JAPAN
                         ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』 を発表。

08年:CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』
    CD 『 星の林に月の船 』 ( ソプラノとギター ) を発表。

08~09年: 「 Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien
                  Analysis  インヴェンション・アナリーゼ講座 」
                    全 15回を、 KAWAI 表参道で開催。

09年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 を、
     ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

        「 Suite Nr.2 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲第 2番 」
              が、W.Boettcher 氏により、Mannheim ドイツ・マンハイ ム
              で、初演される。

10~12年: 「 Open seminar on Bach Wohltemperirte Clavier Ⅰ
                  Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第 1巻 アナリーゼ講座 」
                全 24回を、 KAWAI 表参道で開催。

10年: CD 『 Suite Nr.3 & 2 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。

     「 Regenbogen-Cellotrios  虹のチェロ三重奏曲集 」 を、
             ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack Dortmund から出版。

11年: 「 10 Duette für 2 Violoncelli
                         チェロ二重奏のための 10の曲集 」 を、
     ベルリン・リース&エアラー社 「 Ries & Erler Berlin 」 から出版。

12年: 「 Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
     チェロ四重奏のための 10のファンタジー (第 1巻、1~5番)」 を、
      Musikverlag Hauke Hack  Dortmund 社から出版。

13年: CD 『 Suite Nr.4 & 5 & 6 für Violoncello
                  無伴奏チェロ組曲 第 4、5、6番 』
                        Wolfgang Boettcher 演奏を発表 。
  

   スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、

    自作品が演奏される。

★上記の楽譜とCDは、「 カワイ・表参道 」   http://shop.kawai.co.jp/omotesando/
「アカデミア・ミュージック 」 
https://www.academia-music.com/ で、販売中。 

 

 

     ※copyright © Yoko Nakamura    
                   All Rights Reserved
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

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